全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

鎌田慧さん

2008年01月16日 10時46分22秒 | Weblog
自動車絶望工場の著者でもある鎌田慧さんがコラムで興味深い指摘をされています。我が国の労働行政とりわけ労働者保護のために尽力が必要な労働基準監督行政が、企業の言い分だけを鵜呑みにして、告発した人の言い分をまったく考慮していないとしたら、労働基準行政は空洞化します。
 トヨタ自動車内野過労死事件は、私たちに様々なことをおしえてくれましたが、労働基準監督署もまた、「トヨタ」労働基準監督署(笑)みたいなところがあることも再認識する必要があるでしょう。以下、鎌田慧さんの文章を、かみ砕いて読んで下さい。

目を覚ませ労基署  鎌田 慧

 ほとんどの大企業では、労働時間外におこなわれるQC(品質管理)サークル活動などに、残業代を支払っていない。「自主的参加」による「小集団活動」とされているからだ。しかし、実際は「ぼくはやりたくありません」といって帰宅したなら、そのあとどんなことになるかわからない。
 昨年末にも書いたが、名古屋地裁は、トヨタ自動車の工場内で明け方倒れた労働者の死を、労災として認めなかった労基署の決定を、取り消すように命じた。国側が控訴しなかったのは、もはや過労死ではない、と争う根拠がなかったからだ。
 ところが豊田労基署は、年金支払いの基礎となる残業時間を、裁判所が認めた百六時間とせず、トヨタ側が主張する四十五時間と算定しようとしている。これでは過労死として認めなかった誤りにほおかむりする面従腹背、あまりに姑息だ。
 妻の内野博子さんは、「裁判所の決定に従わない公務員がいるとは」と電話で嘆いていたが、新年明けの九日、厚労省を訪れ舛添要一大臣に訴えた。大臣は「調査する」と約束したそうだが、ちゃんと解決してほしい。
 旧厚生省の官僚たちは、水俣病、ハンセン病、HIV血液製剤薬害肝炎などの被害者と遺族に敵対してきた。今度は旧労働省の労基署だが、あなたたちは労働者の味方なのか、それとも経営者の味方なのか。法律を守る公務員として、被害者のために働いてください。 (ルポライター)

1月15日東京
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする