ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

津軽の温泉三昧

2010-12-30 | 温泉を楽しむ
年末に東北の温泉を楽しんだ。久しぶりに温泉をいくつか回ることができた。今回入った温泉は、浅虫温泉、酸ヶ湯温泉、寒水沢温泉、黒石温泉、婆娑羅温泉の津軽の五湯。このうち浅虫温泉はもう何度も入ったことがある。酸ヶ湯温泉も4度目か5度目だ。曽有の地だ。その他の温泉はどこも今回が初めての温泉だ。昔、八甲田山に3度ほど登りに来たことがあったので、そのたびに酸ヶ湯には寄ったことがある。ここの千人風呂はすこぶる有名だ。混浴だが、浴槽が広く、お湯は硫黄泉で白く濁っており、照明は暗くて湯気がモウモウと立ち籠めているため、混浴と言っても入っている人がよく見えないくらいなので、女性もあまり気にしないで入れるようだ。

酸ヶ湯温泉

 ここに最初入ったときは、八甲田山を濃霧の中縦走した後だった。その時には、霧の中、同じ道をぐるぐると回ってまるで狐に騙されたようだった。あの八甲田山だっただけに、まるで死の彷徨をしたように焦って霧の中を歩いたことを思い出す。結局、頂上の火口壁をぐるぐる回っていたことに気がついて、無事酸ヶ湯に下りる道を見つけ、ホッとしたことを思い出した。入った酸ヶ湯温泉で生き返ったものだった。

 2回目は高田大岳にも登ったときだ。まだ雪が残っていたので、夏早くだったのかもしれない。このときも雪に苦労して酸ヶ湯によろよろと降り立って、温泉の湯で生き返ったことを思い出す。3度目は、大勢でここで泊まって会議をし、夜は懇親会で盛り上がった。翌日の朝、一人で早めに朝食を終え、朝食に向かう同行者たちと別れて、一人で八甲田大岳に軽装で登った。2時間半の行程を走るように1時間半で登り、下りも1時間で下りてきた。下りたときに同行者たちはまだチェックアウトして貸し切りバスに乗るところだった。間一髪間に合って、私もいっしょにバスで帰ることができた。あの元気な登山が懐かしい。

 今回は浅虫温泉と寒水沢温泉に泊まった。寒水沢温泉は、昔来たときにはまだ温泉はなかった。近くの城ノ倉温泉に入ったと記憶している。その頃の城ノ倉温泉は湯船の周りを木の小屋で囲っただけの素朴な宿で、狭い湯船に地元のおじいさんやおばあさんが仲良く入っていた。良く理解できない津軽弁が飛び交って、意味は通じなかったが、気の置けない雰囲気が楽しめた。今では立派な洋風のホテルになってしまっている。寒水沢温泉は八甲田山ロープウエイの駅の近くに新しく温泉を掘ったらしく、ここも立派な洋風山小屋ホテルが建っている。温泉は近くの酸ヶ湯と違って、アルカリ性の単純泉だ。でもなかなか良いお湯だった。

寒水沢温泉からスキー場を望む

 今回は登山はしなかった。八甲田山中にいる間中、雪が降り続き、積雪は数十cmにもなった。登山するには相当なラッセルをさせられるし、間違えば命取りになりそうな雪だった。宿に来ている人たちのほとんどは八甲田ロープウエイを利用してスキーやスノーボードを楽しむ人たちばかりだった。温泉や登山を楽しみに泊まっている人はわれわれ以外にはいない。昔と雰囲気は随分違ってしまった。もっとも夏はまたまったく違う雰囲気なのかもしれないが。

 黒石温泉は、足湯だけを利用した。じゃんじゃん雪が降り、足湯に浸かっていても雪が体を濡らすので、ゆっくり楽しめる雰囲気ではなかった。黒石の街では、「こみせ通り」という昔の雪深い街の風情を楽しんだ。昔の建物には道路の方にも屋根が伸びて、学校の教室の廊下のような小路が続いている。道路の雪を避けて通れるような工夫がされている。そのレトロな建物とこみせ通りが残されている。

こみせ通り

 温泉を楽しみ、のんびりとして数日を過ごしたので、体調もだいぶん回復してきた。来年は身体に気をつけて、また山を歩き、花を愛で、温泉を楽しみたい。仕事もしないといけないが。


最後に入った婆娑羅温泉。モール泉のようなお湯だが、なかなか強烈な泉質だった。