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教育再生会議が破壊するもの(1)

2007-02-13 | 政治
安倍首相の諮問に対する教育再生会議なるものが報告書を提出したという。安倍首相はそれを実行に移すべく、法律改正などで対応するという。教育再生会議そのものの問題点は多いけれど、ここではその議論は後回しにして、報告書の内容で問題が多いと思われるものを取り上げてみよう。問題が多い点はいっぱいあるのだが、まず、ゆとり教育の中止について。

 ゆとり教育はそれまでの詰め込み教育の問題点を指摘した中央教育審議会の議論に基づき、指導要領を書き換えてゆとりのある教育を中学や高校の授業に取り込むことを目指して取り入れられ、5年前にようやく完成した教育システムだ。ゆとり教育として総合的学習などの自主性を尊重する学習などが取り入れられてきた。しかし、最近生徒たちの学力が低下しているという一部の親の意見から、ゆとり教育を見直して一週間に10時間余分に教えろと教育再生会議の報告は主張している。

 「ゆとり教育」を提案した当時の文部大臣有馬朗人は、「〔見直しということは〕学力重視の詰め込み勉強をもう一度おやりになるのは結構ですが、もう一度同じ失敗を繰り返すんですか、と問いたい。我々のゆとり教育のもとになることは、教える量は減らしても、教えた以上は徹底的に覚えさせようというものです」と
言っていた。

 学力が低下したからと言ってあれだけ批判が多かった全国一斉学力テストをやれと言い、ゆとり教育を止めろと言う教育再生会議は、その教育結果にどれほどの責任を取れるのだろうか。教育再生会議の委員はほとんどが教育の素人だ。男女平等に反対するような安倍首相の右翼思想に賛同するような人を集めただけの再生会議が、教育に責任取れるはずがない。

 ゆとり教育の成果は明らかに上がっている。学力テストだけが大事だと思っている一部の親たちなどは子どもたちが本当に生き抜く力、本質を見抜く力を付けてきていることがわからない。ゆとり教育を無くしてはならない。再び詰め込み教育など復活させないようにしたい。