渦巻く風の柱、巨大なダストデビルが絶えず火星の表面を洗い流している。2019年2月27日に、ヨーロッパ宇宙機関のエクソマーズガス追跡軌道船の CaSSIS カメラで捕えられた、約45秒間隔の二つイメージでは、二つのダストデビルの動きが捕えられている。明るい「噴煙(plume)」が、火星の南半球にある70キロメートルのクレーターの内側を横断して移動し、その跡に暗い筋を残しているのが見られる。二つのダストの柱の影の動きを見ることもできる。イメージの左側のダストデビルは秒速約4メートルで走り、右側のダストデビルは秒速約8メートルで動いている。イメージの左側にある暗い部分は玄武岩の砂丘フィールドである。(以下略)
<出典>: 「エクソマーズガス追跡軌道船(ExoMars:Week_in_images)」
<動画>: 動画です。イメージをクリックしてご覧ください。
<ひとこと>: 火星の地表では、時にダストデビル(dust devil)と呼ばれる旋風が起きる。それは地球と同様、地面が大気よりも熱くなるとその熱気が上昇気流を生み、涼しい空気が沈み、大気の垂直の循環が起きる。これらの旋風は地上の砂を巻き上げ筋を残す。火星のダストデビルは地球の旋風よりもはるかに大きく、高さ8キロメートル、幅数十~数百メートルに及ぶこともある。火星の一年は地球の暦の約2倍なので、2019年2月27日は火星の暦では前年の今の季節を指している。
<お知らせ>: マーズパーサビアランスローバーは、火星到着後4日目(sol4)までに 5,903 のイメージを撮りました。「ホームページ」の特集「マーズ2020ローバー、パーサビアランス」から。右のイメージはその一つのジェゼロクレータの遠景。