昨日、一昨日と島根県海士(あま)町長、山内道雄さんの講演を聞いてきました。
まさに「目から鱗が落ちる」ようなお話に強く触発されてきました。
海士町は、山内さんが町長に就任する頃には、100億円以上の借金があり、夕張市と同じように財政再建団体転落寸前の状態だったそうです。
平成14年、町長に就任した山内さんは生き残りをかけて行財政改革による「守り」と新たな産業創出を推進する「攻め」の両面作戦の自立促進プランを策定します。
自らの給与を50%カットしたり、職員の給与も30%~16%カットするなど徹底した行財政改革を断行して財政再建を達成しました。ただ、カットした給与の一部は子育て支援などに当てて手厚い支援を行っています。
攻めの産業創出は、島で採れる岩ガキやナマコ、いかなどの海産物を首都圏に売り出して外貨を稼ぐ作戦に打って出て、三セクの「ふるさと海士」は2億円以上の売り上げと雇用を創出しています。
そして、何より驚くのは、平成17年からの7年間で437人、294世帯がIターンとして移住してきていることで、人口も増え始め子どもの数も増えていることです。
高学歴の一流企業に勤めていた若い人が、新たなステージを求めて海士町にやってくる。信じられない現象が海士町では起きているのです。
私も町長に就任した時に、最初のあいさつで、「役場は町内最大のサービス業だから、町民にサービスすることに徹してほしい」と述べましたが、山内町長も「住民サービス総合株式会社」で住民がお客さんだから上から目線はやめようと言っているそうです。
トップが変われば職員が変わる、職員が変われば住民が変わる、住民が変われば地域が変わる。まさにそんな町になっていると述べられました。
さらに、最後は人作りだとして、少子化で廃校の危機を迎えていた島唯一の島前高校を「魅力化プロジェクト」で甦らせ、生徒数を倍増させ島外から4割の生徒が入学するそうです。町営の学習センターを設置して学力を上げ、国公立や早稲田、慶応へも合格するそうです。
にわかには信じられないような話ばかりですが、「ピンチをチャンスに変える」という強い気概を持って本気で取り組めば不可能はない、との言葉に衝撃を受けました。
明日からさっそく実践できることは実行に移したいと決意しました。