イタリアより

滞在日記

番外編の旅inロシア ロシアの体験/グルメとWifi その1

2014年05月11日 | 番外編の旅ロシア

ロシアに来て初めて食べたロシアのグルメ/シーフードサラダ

モスクワの空港にて


ロシアの食べ物といえば、すぐ思い付くのは、ピロシキとビーフストロガノフ、あとはボルシチくらいのものでしょうか。ロシアについて、こんなに知識が乏しい、というか、日本とは仲良くしていかなければならない国なのにほとんど関心を寄せていないことがありありと覗えて、なんと恥ずかしいことかと思います。


具がたっぷり詰まったサンドイッチ/モスクワの空港にて


成田からモスクワに到着して、サンクトペテルブルグに乗り継ぐのに少し時間がありました。長旅で疲れてもいたし、どこかゆっくり座りたいと思ってもどこも人がいっぱいで、仕方なく空港内のレストランに腰を下ろしました。周辺を見渡すとなにやら美味しそうな食べ物を皆さんほおばっておられます。そういえば、お腹も空いてきたしなぁ・・・喉もからから・・・確かこのツアーでは今夜の夕飯は付いてなかったし・・・


あのぉ・・・泡が立ってないし、冷えてないし、それにもうちょっとなみなみと注いでくれても・・・


と言うわけで、 のようなことになりました。でも、生ビールのはずが、冷えてないし泡も立ってないし、ちょっと、いや、かなり残念でした(-_-;)でも、サラダもサンドイッチもまずまずのお味で、ロシアの食事は日本人の舌に合うみたい、と少し期待が持てたのでした。


こんがりとソテーしたスズキと付け合わせのマッシュポテト


というのも、忘れもしない2007年、エジプト旅行で出された食事が、口に出来たのは最初の二日ほどだけでした。私はそれほど好き嫌いはないのですが、食材がよく分からない、そして味もほとんど無いようなペースト状の食べ物に堅パンを付けて食べる食事が毎回出て来ては、もう三日目でギブアップ。ホテルに於いてでさえ、生水は勿論のこと、ホテルの朝食や夕食に出される果物や生野菜も一切食べないようにと添乗員さんからは釘をさされ、まっそれほど、不衛生な訳なのですが、バスの車窓から見た町を流れる川の衝撃的な光景(家々の前の川に牛や豚の死骸が浮いていました。川はゴミ捨て場、あらゆるものが捨てられてあり、その川の水はやがてナイル川へとそそぎます)が蘇っては、食欲もわかないのは無理からぬことだったと思います。しかもそこまで注意していたにもかかわらず、ツアーの何人かの方達は腹痛と下痢で相当苦しまれた様子で、ほんとにお気の毒としかいいようがありませんでした。


ロシアの伝統料理「ペリメニ

言ってみれば、ロシアの水餃子

やけどしそうなくらい熱々で、ジューシーでもう一度食べたい(^^)


という過去の旅行で、一種のトラウマになりそうな食事を体験しているので、実はロシアも少々心配していたのです。が、やがてそれは全く以て杞憂だと分かりました。どの食事も実に日本人の口によくあって調理も丁寧になされていました。寒い国特有のスープ類も、ツアーの食事なので、大した食材は使われてはいないのでしょうが、変な香り付けも臭みもなくてどれも口当たりはほんとうに良かったです。


ロシアの伝統スィーツ「ブリヌイ

いわば、ロシアのクレープ

私たちが食べたブリヌイの中身は、リンゴジャムでした


現地の様子は、その場所に行ってみなければ、どんなに聞かされても推測の域を出ないし、食べ物だって、どれほど美味しいと言われても自分の舌で味わってみなければ、実感はできません。なので、ここでいくら説明をしても無駄かとは思うのですが、少なくともロシアの料理は、アジアとヨーロッパを融合したような、日本人の味覚にも十分沿うものだという感想を持ちました。


ロシアのカツレツ


ツアーの食事は、ほっぺが落ちるほどウマいっという訳にはいかないものですが、食べるものも旅行の楽しみの一つで、現地のレストラン選びは旅行会社の腕の見せ所。いずれにしても食事が美味しい、口に合う国というのは、再訪する条件の一つになることだろうと思います。


甘みを抑えたサワークリームのデザート


前述した通り、ロシアの国の人たちは、身体も大きいし、いかつい感じがするのですが、覚えたばかりのスパスィーバ(ありがとう)」や「ダ・スヴィダーニャ(さようなら)」を言うと必ずレストランのオーナーさんやスタッフの皆さんは、ニコッと微笑んで返事をしてくれて、そのことは頂いたお料理を更に後味良くしたのでした。

余談


ビーフストロガノフ


ビーフストロガノフを頂いたあるレストランでのこと、お店を入ったすぐ横に鉄製の大きな銅像がでーんっと置かれていました。入り口にも青銅で作られた子犬が飾られてあったのですが、さほど気にもとめず入店したのです。しかし、どうもこの銅像が気になって気になって仕方ありませんでした。こんなに立派な像が店内に置かれているのはきっと何か謂われがあるはず…どうせならと、銅像の横に並んで、記念写真を撮ってもらったのですが、ホテルに帰った夜、何気にネットで調べてハッとしました。

やっぱりあった、あのお店の名前・・・「ゲラシム」。


ゲラシムというのは、ロシアの文豪ツルゲーネフの書いた短編小説「ムムー」の中の登場人物でした。



「ゲラシム」という名前のレストランで、ゲラシムさんと記念写真

ツアーの皆さんからは、面白い写真を撮るねぇと笑われましたが・・・^^;


物語は、19世紀初頭、ここロシアの首都モスクワが舞台です。ある貴族の館に中年の未亡人が従者たちに囲まれて暮していました。ある日、新しい召使、大男のゲラシムがやってきます。彼は、生まれつき耳と口が不自由でしたが、心根の優しい働き者でした。そのゲラシムが、館の洗濯女のタチヤナにひとめ惚れをします。最初はゲラシムの容貌を恐れていたタチヤナでしたが、彼の優しさや温かさに触れて好意を抱きはじめます。やがて、ゲラシムは女主人にタチヤナとの結婚を願い出ようとするのでしたが、女主人は、タチアナを別の男に嫁がせてしまうのでした。

悲嘆にくれる彼は、川で捨てられていた一匹の子犬を見つけます。弱り切ったその子犬を連れ帰った彼は、言葉にならぬ言葉で「ムムー」と名付けまるで我が子のように世話をし可愛がりました。その甲斐あってムムーは元気になり、ゲラシムのかけがえのない友となっていきます。作業するときも食事の時も寝るのもいつも彼とムムーは一緒でした。タチアナに去られた彼でしたが、こうしてムムーに癒やされているうちに、笑顔も戻りました。しかし、ゲラシムのこの穏やかで幸せな日々も長続きはしなかったのです。女主人に見つけられたムムーは、館から追い出すように命じられたのでした…


レストラン「ゲラシム」の玄関先に置かれた子犬の青銅

そっか・・・君がムムーだったのね


ビーフストロガノフを食べに行ったお店で、はからずも知ったツルゲーネフの短編小説、このあと、ゲラシムとムムーがどうなったのか、今度は物語の先が知りたくて知りたくてなりませんでした。
続く

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8 コメント

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かずさん、おはようございます。 (なおこ)
2014-05-12 15:55:00
言われてみると、わたしも、ロシアは日本から近い国だというのに、どんな料理を食べるのか、まったく知りませんでした。以前関係が緊迫していたせいか(わたしなど、小学校時代の大半を札幌で過ごしたので、小学校の歴史や地理の授業で、先生方が苦々しそうに北方領土問題について語っていたのを覚えています)、中華料理の店はあっても、ロシア料理の店というのは、日本で見た覚えもありません。そう言えば、イタリアでも、ドイツ料理やイギリス料理と言うのは、少なくともペルージャやウンブリアでは見かけたことがないので、あまり料理がおいしいことで有名な国ではないのでしょう。それでも、かずさんのお話を聞くと、そうしてお料理の写真を見て材料を聞くと、なかなかおいしそうですね。寒い国というのは食材が限られてくるし、ジャガイモやこってりしたものに偏りがちという印象があるのですが、本当に日本人の口にも合いそうです。ゲラシムさんのお話、私も続きが気になります。店名にして、登場人物などの像までつくって置いてしまうとは、すごいですね。

改築中のうちの近所にある古城も、城主のロシアの富豪ですが、場所はイタリアだし、現在はイギリス在住で、お客もイギリス人であることが多いので、いったいどこの国のどんな料理がふるまわれているのだろうと、かずさんの記事を機に考えてしまいました。
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ワン好きには気になります (みのり)
2014-05-13 10:47:24
お早うございます。
ロシアのお料理はどれもほんとに美味しそうですね。
私もロシア料理って食べたことがありませんが
でも記事を読ませて頂いて本物のロシア料理、
興味が出てきました。

ムムーのお話、ワンコ好きにはたまらないですね。
主人公のゲラシムとこの後、どんな展開になるのでしょう。
私も先を知りたいです。悲しいストリーでないならいいのだけど。
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なおこさんへ (kazu)
2014-05-13 23:07:21
なおこさん、こんばんは。ロシアの料理は、それ程贅沢とも思えないツアーの旅行で出た食事が、まずまず美味しいと感じましたので、本格的なレストランでの食事はどうなのか大いに興味をそそられるところです。東京なら、最近はロシア料理の専門店が沢山出来ているようですが、私もまだ日本ではピロシキ以外食べたことがありません。今度機会があれば是非レストランに行ってみたいと思います。

なおこさんは札幌でお過ごしの頃があったとか、本土のそれも西の町のど真ん中で暮らした私などよりもロシアからはずっと身近におられたのですね。北方領土問題は教える側も教えられる側もさぞかし難しいことだったろうと思います。今だってウクライナのことが輪を掛けて先が見えない問題なのですものね。そうそうなおこさんのお家の近くのお城、ロシアの富豪が振る舞うお料理、ほんとにどんなのが出るのでしょうね。正式な晩餐会ならフランス料理かとも思ったり、私も興味津々です。招かれる有名人はお忍びでやってくるから、さすがにお料理まではニュースにはなりませんよね。

それとゲラシムとムムーですが、一体あの店にどんな因縁があるのか、レストランであの銅像の正体が分かっていれば、お店の人にも聞けたのに残念でなりません。ツルゲーネフがあのお店に何か関連があったのか、お店のある辺りが物語の舞台となったエリアなのか、それとも店主がツルゲーネフのファンだったのか、妄想は広がります。あ~知りたかったです。
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みのりさんへ (kazu)
2014-05-13 23:18:37
こんばんは。ロシアのお料理、なかなかイケましたよ。素材も豊富で、農村の方達の保存料理が多いと聞きましたが、魚も肉も野菜もまずまずでした。そうそう本物のキャビアの値段を知ってびっくり。出来れば買ってこようとも思っていましたが、その高額な値段を聞いてさすがに断念しました。あの値段からすると、日本で出るキャビアって・・・笑

ムムーのお話、ほんとにワンコ好きには興味が尽きないですよね。しかし、少し調べて見ると、私が考えいるようなお話ではなさそうで。アマゾンでDVDが手に入るようなのですが、見た人のレビューを読んで、ちょっと考え込んでしまいました。見ない方がいいかもなとか、妄想の世界でゲラシムとムムーを思ってる方がいいかもなとか。小説が見つかれば読んで見たいのですが。
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また、出遅れました。。 (sachi)
2014-05-14 18:39:55

パッケージツアーのお料理は、イマイチなことが多いですね。
毎度ですが帰国してから、なんでアレをたべさせてくれなかったのかしら?と思うことばかり。
ギューギューに座らせられて、無愛想に機械的にお料理を並べられて、あっという間に下げられて、ドリンク代の徴収があり・・などなど。

↑はkazuさんが個人で入って注文されたもの?
なかなか美味しそうですね。
ロシアのスレンダー美人さん達もお年を召すと、巨漢になられることが多いのも納得ですね。
寒いからでしょうか?あったかでカロリーの高いお料理が多いような気がします。
どこも、日本に比べれば、そんな感じかな・・。

鉄製の銅像が街中の、様々な所にあるようですね?
東欧の国々に、やはり似ています。
歩道の真ん中の マンホールから顔を出しているオジサンや、ベンチの後ろから一緒に記念撮影するおにいさんが居たり・・スロバキアでしたね~

まずは、kazuさん、、、ロシアにも彼氏ができて、めでたし・・めでたし・・笑

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sachiさんへ (kazu)
2014-05-15 23:50:01
sachiさん、こんばんは。ツアーの食事ってほんとsachiさんの言われる通りで、思わず苦笑が漏れました。人数が多いと余計にぞんざいな感じになりますよね。今回は8人のこれまでにない少ない人数だったので結構和気藹々としたアットホームな雰囲気で良かったのですが、一度だけ、ここがほんとにレストラン?みたいな殺風景で、工事現場みたいな場所、もしかしたら狐にでもだまされていて、明日来るとお店が消えてるんじゃない、みたいな所での食事がありました。みんなで頭には?でした(笑)

↑は、そうですそうです、空港のオープンテラスみたいになっているレストランで個人の注文です。sachiさんの仰る通り、若い女性は皆さん、モデルさんみたいです。綺麗で見とれますよ。イタリアでもそうですが、そんな方達はきっと菜食でしょうねぇ。だってあんなお料理を毎回食べていたら、身体が大きくならない訳がないですもんね。

スロバキア、そんな面白い銅像があるのですか。マンホールからだなんて、びっくり。sachiさんならそのオジサンと一緒に記念写真撮られたかな。いや、やはりベンチの若者か(笑)そういえば、東欧は幻のまま。今回も候補に挙がっていたのですが、定員が過ぎていて断れたのでした。sachiさんは行かれたのでしたよね。いいなぁ。
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こんばんは~ (sachi)
2014-05-16 19:57:12

やはり、ツアーのお食事では無いんですね。
kazuさんのチョイスは、いつもセンスがいいです!

ツアーのお食事ビックリ話を色々思い出しちゃいました。
ベネチアでは、ただの無骨な白い皿に、いかすみスパゲティがデンと乗っているだけ。それも、うどんみたいな柔らかすぎのパスタでした。
イギリス湖水地方では、「アフタヌーンティを召し上がっていただきます」の触れ込みにワクワクしていたら、なに?これ?ただのケーキやスコーン・サンドイッチのバイキングじゃないですか???!!自分で取りに行くアフタヌーンティーなんて聞いたこと無いですよね。
あれだけ、旅行代金を安くするんですから、倹約できるのはやはり、食事ということでしょうか?
あ、そうだ・・ピサの斜塔近くのレストランも、冷えた室内で冷えたお食事でしたっけ。。埃の被った花が飾ってあって・・
でもでも、フリー旅行では、慣れた所じゃないと、食べるところを探すのも一苦労です。 一長一短ですね。

スロバキアのマンホールのおじさんとも、ベンチの若者とも、もちろん両方撮りましたとも!
kazuさんみたいに・・・(笑)


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sachiさんへ (kazu)
2014-05-18 01:06:35
sachiさん、こんばんは。いやいや注文したあのお料理は、メニューの中で読み取れたからなんですよ。メニューはロシア語で書かれてあって、その下に英語で説明がしてあったのですが、他の料理は得体が知れなくて(笑)

そうそう、ツアー旅行のアルアル体験談を書き連ねると一冊の本が出来るかも知れませね。sachiさんの食事のお話はどれもうんうん、あるある~と頷いてます。特に自分で取りに行くとかのアフタヌーンティに到ってはもう大爆笑です。日本で経験できないことを求めて行くのにね、日本のちょっとおされなホテルのケーキバイキングの方が余程いいsachiさんは、目も舌も肥えておられるから余計感じられるでしょうね。それにヨーロッパは夕食が遅いのに、日本人のツアー客は、早くからレストランに行くし、ランチも現地のシエスタ関係なく入店するからお店の従業員は迷惑なんでしょうねぇ。そんな気持ちで作る料理は・・・ですよね。しかし、そんな目に遭っても行きたい私たち、なんて健気なナデシコなんでしょう(笑)
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