イタリアより

滞在日記

番外編の旅inロシア/ロシアのモナリザ その2

2014年05月01日 | 番外編の旅ロシア

ヴァレンチン・セロフ作:「桃と少女

イワンさんが、これもロシアのモナリザだと言いました(^^)


実は、帰国してから知ったことですが、この「桃と少女」は、ロシア文化とは切っても切れない、ヴァレンチン・セロフの第一級の作品なのだそうで、トレチャコフ美術館の代表作にもなっていました。この絵画は、ロシアの学校の教科書にものっているため、あらゆる世代のロシア人が子どものころから知っているとか。モデルになっている少女は実在の人物で、ロシアの有名な収集家であるサッヴァ・マモントフという人の娘、ヴェラ・マモントワというのだそうです。今思えば、イワンさんが熱心に説明していた絵は、やはりどれもがこの美術館、いやロシアの国の至宝なのだということがほんとによく分かりました。


熱心に説明してくれる私たちのガイドさん


過去、あちこちの美術館を回りましたが、今回ほどもっともっと下調べをしておくべきだったと思ったことはありませんでした。フランスをはじめイギリス、スペイン、ドイツ、ベルギー、オランダ、イタリアなどヨーロッパの有名な美術館では、見ておくべき作品群というのがあってそれなりに鑑賞してきましたが、トレチャコフに関しては全くノーガードでした。予備知識をもう少し持っていれば、倍も三倍も楽しめたのに、あとの祭りとは全く以てこのことでした。


撮影許可の印


そうそう、この美術館のみならず、ロシアでの美術館の館内の撮影は有料です。入場料に含まれている場合と、別途料金を支払う場合がありますが、トレチャコフ美術館では絵画の撮影をしたい人は、窓口で料金を支払って、上記のようなワッペンを付けることになります。写真を撮る時はフラッシュは禁止されていますが、これで遠慮無くシャッターを押せる訳なのでした。それにしても、数年前までは撮影は一切禁止されていたらしいのに、いやいや、ロシアにはなかなかの知恵者がいるらしい、観光客の足元を見て、よく考えましたねぇ(^^)。


広い広い館内だったトレチャコフ美術館は、ロシアの近代絵画が詰まった宝庫でした


長い余談


トレチャコフ美術館に通じる橋の上の“木“


この美術館に行くのに、一つ橋を渡ります。下にはヴォドオトヴォードヌイ運河が流れていて、手前でバスを降りました。色鮮やかに何やらモニュメントが建てられていると思ったら・・・。なんと鉄製のの束でした。



映画の題名は忘れましたが、恋人同士が橋の欄干に鍵を掛けて永遠の愛を誓うという物語の、どうもその映画の影響のようですが、実は、イタリアのフィレンツェでもアルノ川のほとり、ポンテ・ヴェッキオの下の道路の柵に夥しい数の鍵が掛けられていたのを見たことがあります。もう4、5年も前の話ですが、鍵の重さで柵が壊れたり、街灯が痛んだりして、今はフィレンツェの条例で、鍵を掛けるのは禁止されています。罰金刑もあるそうで、2014年現在見つかると160ユーロ科せられるとか。


運河のほとりに延々と続く“鍵の木”

鉄の鍵は錆びる、愛もそろそろ・・・^^;


しかし、よく見てみると、鍵が付けられているのは、鉄で出来た“木”でした。確かに生きた木なら、あれだけ鉄の鍵を付けられたら重みで折れてしまう。ロシアは、ここでもよく考えました、偉い!!。

告白タイム

そうそう、美術館までここに並んでいるバスに乗ってきた訳ですが、実はホテルからバスが出発してしばらく経ったとき、何とも云えぬイヤな予感に襲われました。不安な気持ちで座っている周辺を見渡して、ハッと気付いたのです。何かが足りないっ・・・。その間わずか数秒のことだったと思いますが、私の座席に置いた荷物が一つ足りないのです。そう、いつも傍らに置いているパソコンがない。

ツアーに参加するときは、必ず集合する時間の10分前には集合場所に居るようにしているのですが、この日も予定の時間よりも早くロビーに降りて、チェックアウトを済ませ、皆さんを待っていました。


モスクワの交通事情は、朝晩、渋滞が続くことで有名

たった10分ほどの近距離でも、1時間近くかかることもある


部屋を出るときは、いつもベッドの周りから浴室、ロッカーの中も忘れ物がないか確かめて、そして部屋を整えてから出ます。今日もそうしてロビーに降りましたが、バスに乗ってはじめて、パソコンがないことに気付いたのでした。一瞬、頭の中は真っ白になりましたが、落ち着いて考えると、忘れた場所が思い当たりました。すぐに添乗員さんに言うと、バスはホテルまで引き返してくれることになったのですが、添乗員さんは心中穏やかではなかったに違いありません。

というのも、この日は帰国日です。美術館の見学も予定されているし、上記の写真にあるとおり、道路も渋滞する可能性がある、時間が遅れると、予定が大幅にずれこんで、帰国便にも影響が出てしまいます。私は、もしも、バスがホテルへ引き返せないのなら、美術館まで行ってから、タクシーで私一人、ホテルに引き返そう、と算段していたのですが、気が付いたのがバスが出発して5分ほどのことだったので、運転手さんは脇道にそれて、ホテルまで引き返してくれたのでした。


チェックアウトの時は、パソコンはまだ手にしていました


引き返す道中、レセプションで記念写真を撮ったことを思い出し、カメラのプレビューを開いて見てみました。すると、思った通り、この時まではパソコンは手にしていたので、部屋に忘れたということはありません。置いた場所はロビーの椅子の上だと確信を得たのですが、問題は、そのパソコンが見つかるか、という心配です。ベテランの添乗員さんは、過去の数々の経験から、忘れ物は見つからないだろう、誰かに持って行かれている、と思ったようでしたが、でも私は、「ある」、と希望を持っていました。何故なら、私が座っていた椅子は薄暗い隅の方で、ロビーからは死角になっていたのです。客や従業員には目立たない場所、しかも朝の慌ただしいこの時間帯で、置き引きに遭う可能性は低い・・・確信に近い気持ちで、そんな風に思っていました。それでもドキドキとしながら、ロビーに駆け込むと・・・ない・・・置いたはずだと思った場所にパソコンは見当たらなかったのです。

が、しかし椅子を後ろにずらしてみると、ありました。下に落ちていました。ロビーにはチェックアウトする客達でごった返していましたが、幸いなことに、思った通り人々の目から死角になった場所で、更に落下していたために、置き引きにも遭わず無事に見つかりました。バスが引き返してからわずかな時間でしたが、もうツアーの皆さんには、平身低頭。ご迷惑を掛けたことを心から謝りました。よほど、貴女のパソコンは日本に帰りたくないんだね、と言ってくれたイワンさんの言葉に、ほんとだねぇと、皆さんも同調して下さって、バスの中は笑いが起こりましたが、私の不注意は否めるものではなくて、大失態に身が縮む思いでいっぱいでした。


この出で立ち↑グレーの色の荷物がパソコン

教訓:手荷物は一つにすべし

ジャラジャラ持つと何か忘れる(-_-;)

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14 コメント

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同感です (絵里子)
2014-05-01 11:19:43
イタリアの旅行記を楽しんで読んでいます。
次回行くのにとても参考になります。
ロシアも珍しくて、書かれていることも分かりやすいし
面白い内容で更新を楽しみにしています。

今回の忘れ物、私も思い出すことがありつい書き込みをしますね。。私の場合はローマでお土産の荷物だったのですが、見つかりませんでした。
ほんとに手にいろいろ持つと何かどこかに置いてきてしまうことがあるので私も教訓にしたいです。
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ドキドキ (sachi)
2014-05-01 14:57:24

そうだったんですね。
ドキドキして読ませていただきましたが、
とにかくPC.が見つかって良かったです。
日本に連れて帰ってもらいたくて、こっそり隠れていたんですねぇ。良かった・・良かった・・

海外では日本の治安と違うから、様々な面で緊張感を持って行動はしているつもりですが、帰国も間際になると、疲れも出てきて気が抜けてきちゃいますよね。

1月の帰国のヒースローのハロッズで夫婦揃って、値札を読み違えて、買物をし過ぎてしまいました(汗) 3段に書かれたプライス。その中の一番大きな文字で書かれた、プライスを販売価格と思いこみ、買い物したのですが、実はそれは、ただの値引き価格(値引いた分)だったの。おかげ様でネクタイが増えました(笑)
おまけに今日のことです!!
夫がLondonで使ったクレジットカードが某国で偽造され、某国で使われそうになりカード会社から連絡があったのです。どこででしょう?!スキミングされたのね~~ こわこわ!

ロシアには、たくさんモナリザが居ることが分かりましたが、「桃と少女」は初めて見ました。
このモナリザも愛らしいこと・・。

帰国してから、そーだったのか・・と学ぶこと多いですよね。
もっと、じっくり見るべきだったと思うこと・・多いです。
撮影料金を取る、って、なるほどですが、他の国も真似しないでね(笑)

話は戻りますが、私もパックツアーで何度も添乗員の方、ツアーの皆さんにご迷惑をかけたことがあるので、kazuさんのお気持ち、お察しいたします。でも、帰る頃なら、皆さんと気心も知れて、大きな気持ちで接していただけるのでありがたいですよね。

それにしてもレセプションの方、kazuさんに接近しようと必死? 体が伸びてますけど。
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同じ匂いが・・・ (kazu)
2014-05-01 23:18:50
絵里子さん、こんばんは。初めまして。イタリア滞在記、読んで頂いてありがとうございます。いつの間にかロシアにすり替わっててすいません。でも絵里子さんも忘れ物をされたとか。お土産も大切なのに、見つからないままなんてそれは災難でしたね。イタリアでは忘れ物、滅多に出てきませんものね。日本ならきっと誰かがお店なり派出所なりに届けてくれると思うのに。少しお話を伺っただけですが、何だか絵里子さん、私と同じ匂いがします(笑)あっすいません。手荷物が一つだけだったら、きっと今回のようなことはなかったと思うので、大きな反省点になりました。
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今頃 (sachi)
2014-05-01 23:40:29
思い出しました。

1月に帰国した時に、成田から当地までのバスの中に、我が家の添乗員は、手荷物をそっくり忘れてきたのです。
家に着いて、直ぐバス会社に電話しましたが、既にバスは回送の為、成田に行ってしまった。。。積んだまま??そこが疑問ですが。
また、当地に戻ってくる時間に合わせせて取りに行ってくれと言われて無事戻りました。
これまた、日本だからですよね。
ドジな添乗員でした。。(笑) 
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なんと大変 (kazu)
2014-05-02 00:01:25
sachiさん、まずは、なんと大変なこと。スキミングですか。話には聞いていますが、まさか身近な方が被害に遭うなんて。クレジットカードは怖いですね。自分は気を付けていても、巧妙な手口で来られたら、防ぎようがないですもんね。実害はなかったのですか。ほんとは現金支払いが一番いいのでしょうけど、現金を持っていると今度は盗難に遭う恐れがあるし、海外では危険がいっぱいですね。

それにしても、頭脳明晰なご夫婦なのに、値札を間違われたと聞くと、ちょっとホッとします(笑)値引き価格なら、随分お買い得に思うから、高級品を大人買いされたのでしょうね。でもちゃんと支払われるのは凄い。いつだったか、若い日本人の女の子が値段を間違えて買った物をレジで返品しているのを見たことがありますが、店員さんの態度が悪くて、気の毒でした。日本なら気持ちよく応じてくれるのにね。海外に出るとこんなところにも日本の良さを感じます。

ツアーでsachiさんも失敗談、お持ちなんですね。あー救われるぅ(笑)一人旅なら、少々のことは、なんとでもなるのですが、団体ともなるとそんな訳にはいかないですものね。でも今回のことも、sachiさんが言われるように、最終日で皆さんとも打ち解けていたし、何よりもどなたもほんとに良い方達ばかりで助かりました。あっそのsachiさんの失敗談も又聞かせて下さいな。sachiさんのことだもの、きっと可愛いミステイクなんだろな。

あのレセプションのお兄さん、まっすぐに立つとカメラから消えるの。背がめっちゃ高くて(笑)残念ながら、あの姿勢はそれが理由なんですよ。でも愛想良くてイヤな顔ひとつせず、ポーズを取ってくれました。
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更に癒されるぅ (kazu)
2014-05-02 00:05:50
sachiさん、お話聞いて、うっふふです。ご主人様には申し訳ないですが、更に癒されました(笑)私のパソコン同様、きっとご主人様の手荷物ももっと旅行したかったのでしょうねぇ。成田に一人で行っちゃうとは。どちらにしても、無事に手元に戻って良かった良かった。私もよかった(笑)
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Unknown (もかまま)
2014-05-03 10:55:50
本日、羽田 や成田は出国ラッシュのようですね。海外旅行が昔に比べると気軽なものになったとはいえ、じゃあ買い物ついでに忘れてきたパソコン取りに行ってくる~てなわけには^^
でも実は海外にパソコン持参していくアルママさんがえらいと思いましたよ・・。みなさんそういう方多いのかな。
落っこちていた。。壊れてなくてよかったですね。我が家はみごとにテーブルから落ちて修理するはめになったことがあるので。ご用心。
う~んこれからはおっちょこちょいのちょこさんと呼ばせて頂きます。
よい連休をお過ごしください。
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こんにちは。 (sachi)
2014-05-04 12:39:38

ご心配かけましたが、カードに関しては、カード会社からの連絡ですので、カード会社が保障してくれます。
いつもびんぼう臭い買物の人間が、いきなりアメリカで高額買物したら、カード会社が気がつくんでしょうねぇ。
それにしても、どこでされたかな?とばかり考えています。
例えば、バッグに入れていても、その近くで、何かしらでスキミングできるようですけど、、うーん、可能性が高いのは、ショッピングの時ですよね。カードは良く利用しますが、大型店などで、小さな小売店での買い物は現金でしているつもりです。
レストランなどでも、イマドキは目の前にスキャンの機器を持ってきて、目の前で処理してくれますよね。暗証番号入力の時はスタッフは背中を向けてますよね。それが定着してきたと思っていましたが。。うぅむ、、、

私の若い友人は、カード利用は避けているタイプなのですが、某国の某世界遺産のショップでだけカードを使ったそうです。なのに、やられちゃって、その後パリでの高額買物があり、やはりカード会社から連絡がきたそうですよ。
彼女の場合は、そのパリでの買い物時期に、間違いなく日本に居た・・という照明(パスポートのコピー)を提出させられたそうですけど。

海外旅行は楽しいけれど、気を抜けない・・あちこち神経を使いますから、ちょっとしたドジなどは、旅の思い出としないといけませんね。

あ、家のハロッズでの買い物・・よそ様に比べたらたいしたものではありませんよー(笑)
夫のネクタイ、子供たちへマフラー、私の旅行用に持ち歩くロンシャンの折りたたみバッグなど、、、ですから。
どれも、間違っても重宝するものばかりでした。
でも、もう少し時間があったら、ロンシャンの折りたたみバッグをバラまきお土産として10個位、買っていたかも・・と思うと恐ろしい。。(笑)
「London市内での価格」「空港での価格」「値引き分の価格」を3段にしているプライスカードって!!教訓として、やはりメガネをかけて、しっかり見ないといけないですな!

最後まで気は抜けないけど止められない海外旅行かな。。sachi心の一句。

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Unknown (sachi)
2014-05-04 12:41:51
また、間違えてる・・<照明>→<証明>
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もかままさんへ (kazu)
2014-05-04 22:17:40
こんばんは。;連休はいかがお過ごしですか。ご覧の通りカミングアウトしましたが、まじ今回はやばかったです。一人で旅行している時は、こんな私でも結構気を付けているのですが、少し気がゆるむとこんなことになります。一人旅では迷子はしょっちゅうなんですが、緊張しているせいか意外に忘れ物はまずなくて、ツアーでは迷子にはならないものの、忘れ物をする~どっちがいいですかねぇ(笑)今回は運も良くて、パソコンも落ちるといってもずり落ちた感じでしたし、専用のクッションのあるバッグに入れていた為に壊れなくて済みました。もかままさんちのパソコン、修理でしたか。それは散在されましたね。私もパソコンが見つからなければ、さすがに保険は効かないし、大散在のところでした。ツアーの皆さんにはご迷惑を掛けましたが、良い方達で救われました。
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