カッレ・フランキあたりの夜景
■2016年12月27日(火)
ホテルの部屋に荷物をほり投げたまま、周辺の散策に出かけました。ベネチアは地区ごとに名前が付いていて、それぞれが独特の雰囲気を醸し出しています。リアルトやサンマルコは有名で、誰もが知るエリアですが、少し離れると、ちょっと静かな落ち着いた雰囲気にもなり、又夜になると少々ディープな風情にもなって、そこがまた魅惑的。この町ならではの光景が広がります。
オステリア・スクエーロ
周辺の散策後、連日の疲れが出たか、もう夕食はホテルのレストランで済まそうと部屋に戻りました。ところが、ホテルのレストランの営業は明日からだそうで、さて困った…あまりお腹は減ってはいないけれど、全く食べないというのもなぁと、考えてふと、そういえば近くに老舗のバーカロがあったことを思い出しました。
いつ来てもこの小さなオステリアは人で溢れ、中に入れない客はお店の前の川岸にもたれて、それでも、ワインやおつまみのチケッティを楽しんでいます。ホテルから歩いてすぐだし、毎年店内の混雑ぶりに素通りをしてきましたが、そうだ、今年こそはお店を訪ねよう。
私が頼んだ白ワインとチケッティのクロスティーニ
目的思考が強いのか、こうと決めたら爆走するクセがモクモクと沸いて来て、というのは大げさですが、例によって、ちょっと行ってみよう~となりました。
店の前に来ると、やっぱり店内は地元の人やこのバーカロを知る観光客でいっぱいで、とても入れる雰囲気ではありませんでした。それでも、三人のグループが食事を終えて外に出たのを見計らって中に滑り込めたのはラッキーでした。
記事には関係ないけれど
リド島のヴァポレットの乗り場にて
あのぉ…座りたいんですけど
詰めてもらえます?
こんな時、いかに上手く自分の落ち着き先を確保するか、が課題です。「ペルメッソー(すいませーん、通して下さい)」と米つきバッタのように頭を下げながら、先ずはカウンターまでたどり着く。平たい顔族の女性がただ一人、ベネチアのちょっとディープなお店に入れば、そこは少しながら目立つのだろうけれど、でもそれは一瞬のことで、皆、自分のお酒と次に頼むチケッティのことに興味がいって、私の存在など店の背景にもならない。
記事には関係ないけれど
ヴァポレットに乗って来た地元のワンコ
リド島で降りて行きました
と言うわけで、ちょうど良い位置に、自分の居場所が取れたから、ワインとクロスティーニをゆっくり楽しむことが出来ました。クロスティーノは一つが1.2ユーロで、カウンターで注文してその場でお金を払います。三つも食べると、そこそこにお腹も落ち着いて、人心地が着きました。
沢山の人で溢れる「スクエーロ」の店内
そろそろ出ようと思っていたとき、一人の男性が、日本人か、どこの出身かと話しかけてきました。日本人だということと出身地も答えましたが、すると彼は、自分も昔大阪に住んだことがある、と嬉しそうに言うではありせんか。日本語も披露してくれて、かつて過ごした日本を懐かしんでいるようでした。そして、自分の奢りだと、二つのチケッティを注文して、私にくれました。お金を支払って彼はお店を出て行きましたが、こんな厚意をむげに断る訳にもいかず、有り難く頂戴した次第です。
ご馳走様でした!!
前述もしましたが、旅先でホテルにこもっていたら、なんの変化もないし人との触れ合いもない。いわば、犬も歩けば棒に当たる、ということか。
明日はいよいよ今回の旅行の最終日です。ベネチアは結構温かいし明日のお天気も良さそうです。島内の散策はお休みにして、ちょっと遠出をしようと思います。船に乗って、バスに乗って、又船に乗って歩いてetc無事に行って帰って来られたら、又、行き方を詳しくご紹介したいと思いす。とても綺麗で素敵な町なのだそうです。切符売り場のおじさんが、自分の故郷だと自慢げに教えてくれました。
オステリア・スクエーロ
スクエーロへの行き方は簡単です。ヴァポレットの駅ザッテレで下車して、左に運河を見ながらまっすぐ進みます。右手に有名なジェラテリア「ニコ」がありますので、通り過ぎ、目の前の小さな橋の手前を右に曲がれば、すぐです。河をはさんで向かい側に、ゴンドラの造船所があります。
・オステリア「スクエーロ」
住所:Dorsoduro 943/944―30123
TEL:041 2960479