細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

出すこと

2013-05-30 20:08:59 | 人生論

人間,「出す」ことが大事らしい。

ときどき私の講義でも紹介しますが,齋藤孝さんの呼吸法は,3秒「鼻で」吸って,2秒止めて,15秒かけてゆっくりと「吐く」。ゆっくりと出すことが大事。また,鼻で吸うこともすごく大事。そのために鼻毛があるし,鼻で吸う方が脳みそに酸素が行き届く。これはやってみると実感できる。

でも,15秒間ゆっくりと吐くことが大事なのです。特に切羽詰っているときは,いろいろなものが一緒に息と一緒に出て行く感覚を覚えます。

人間の病気の大半は,食べ過ぎ,飲み過ぎ,摂取し過ぎによるものだそうです。野生の動物は人間や家畜のように決して太ったりしないし,病気にもなりません。排出より摂取が過多になっては,それ以外のことをどんなに気を付けても健康を保つのは難しいでしょうな。

今日はバタバタの中で論文を一つ投稿しましたが,これも「出す」こと。出す過程で様々なメリットが享受できます。インプットばかりだと,頭でっかちになり,消化不良になり,種々,不具合が出てきます。

私もまだまだ自己制御が理想からは遠いですが,今朝は3時台後半に何とか起きて,投稿論文の執筆を頑張り,7時ごろには私の準備したフルーツ中心の朝食を長女と談笑しながら食べていました。朝食を食べるころには一日の主要な仕事を終えて,朝食をゆったりと家族との会話とともに楽しむような生活。これが理想です。

世の中の多くの方々の行き詰まり感,ストレスも,「出す」ことを心がければ軽減されるように感じます。今の世の中,あまりにもインプットが多すぎて,洪水に近い状態ですね。もっと主導権を自分に引き寄せて,身近なところからアウトプットを心がける。これが今後大切になるのではないかな,と思います。

先週末,指導学生の渡辺君と鞆の浦の家具の固定を2つやったのですが,たったそれだけのことでどれだけ充実感があったことか。アウトプット,すなわち実践,の意義は私が思っているよりもはるかに大きいようです。

今年はとにかく実践で行きます。 


5月最終週

2013-05-30 08:43:47 | 研究のこと

5月自体がかなりハードスケジュールではあったのですが,最終週は分かってはおりましたがラストスパートで息切れしかかっております。

今日,30日(木)は,何とか明日締切りのセメント・コンクリート論文集にクリンカ細骨材の自己治癒モルタルの研究を投稿できそうです。まだ完成していませんが,細部を今日の日中のなるべく早めに整えて,原稿の郵送は秘書さんにお願いし,私は日中の講義3発を終えてから,夜には東北へ出発します。

明日31日(金)からは,いよいよ復興道路の橋脚の品質調査。多くの研究者,実務者が集結して本格的な調査を行いますが,その調査隊長を務めます。皆様にサポートしていただいて,何とか充実した調査ができそうな段取りが仕上がってきました。もちろん事前にパーフェクトの準備をすることはできませんが,現場での臨機応変な対応でカバーしたいと思います。

先週末,25日(土)と26日(日)は鞆の浦におりました。念願の,さくらホームでの家具固定を2つ,渡辺君が実践しました。とにかく実践することの意義は大きく,5月の段階で第一歩を大きく踏み出せたことは良かったと思います。家具固定の状況を,鞆小学校,鞆中学校の校長先生にも見ていただけました。このように,鞆ではアクションを起こすと,その波及効果が大きいことが特長です。これが鞆で研究を行っている大きな理由の一つでもあります。

25日(土)の鞆の浦の花火大会では,多くの方々とお話しできました。福山市長ともたくさん話したし,自民党の若手衆議院議員の小林さんとも懇意になりました。鞆の町内会長さんともたくさんお話しをできました。

26日(日)の午前は,鳴門教育大学の村川教授(小学校の総合的な授業の権威のようです)と福山市立大学の大庭先生の鞆の地域教材を開発するワークショップに,鞆の子供や大人たちと一緒に参加。小学校の総合的な授業のやり方についてかなり知見を吸収することができました。広島県の鞆の浦でのそんなワークショップに,私が日曜日に参加していること自体,かなり不思議な光景ですが,私の社会での役割もすでに変化してしまいましたので,自然体です。

そうこうしているうちに,今週には,私の長女が通う小学校での防災授業が実現することが決まりました。7/8(月)に,総合的な授業の枠で,小学校3年生に対して防災授業を行います。私の長女も私の授業を聴くことになります。あまり特別な気はしませんが,冷静に考えるとなかなかすごいことのように思います。長女はすでにとても楽しみにしています。

先週,今週,来週と3連続で週末が無い状況ですが,体調もやや上向いてきたので頑張ります。

さあ,明日からの東北の復興道路の調査は大一番です。これから,大一番がしばらく続きますが,重ねているうちに大一番ではなく,当たり前になっていくことでしょう。復興道路の品質確保には,私の真の全力を投入します。 


新幹線の時間

2013-05-25 12:09:33 | 研究のこと

よく出張するわけですが,以前よりも東海道新幹線に乗る機会が増えています。

私は名古屋や大阪への出張はほとんど無く,最近の東海道新幹線を使う出張のほとんどは,鞆の浦に行くときや,山口県に行くときです。

従って,乗車時間が長い。

私は行きの新幹線の時間が好きです。今日は珍しく,土曜日の朝に鞆の浦に向かっています。3時間半弱,のぞみに乗れるわけでして,これは大チャンス。セメント・コンクリート論文集に投稿する論文を,昨年度のM2の学生が卒業前に書きかけた2割くらいしかできていない原稿を引き継いで執筆。自己治癒について久しぶりに投稿論文を書いています。

この研究については,修士論文もしっかりと添削したので,その修士論文を眺めながら,投稿論文の原稿をテンポよく書いています。

今日の日中で,主要な部分を固めることができそうです。

卒業してしまって,現在は研修が大変だそうですが,研究を行った渡辺君にも投稿論文の原稿のある章を仕上げることを担当してもらうことになっており,やりとりを少し行いながら投稿したいと思います。

今日の午後と明日の日中は鞆の浦にいますが,なるべく自分の仕事も進め,かつ鞆の浦での家屋の家具固定(地震対策)の実践の第一歩を刻みたいと思います。何事も,口で言うだけでなく,とにかく実践が大切。実践すれば具体的な答えが出てきて,また様々な課題も見えてきます。

新幹線出張で,帰りの便でまともな仕事をできたためしがないのですが,明日の帰りは頑張ってみたい。いつもは出張の内容に満足し,またお酒も飲んでいるので疲れが噴出し,爆睡しているうちに新横浜,というパターンがほとんどです。

もう一つ,遅れに遅れている英語の論文があり,気にかかっております... 


下がる

2013-05-25 07:17:38 | 研究のこと

人間,リズムが大事であって,下がることもあるので,上がることができる。

昨日の午後は予定を空けてありました。2週間ほど前に食らった被害を復旧するために,空けておく必要があったのです。なかなか平日に行くことのできないところでして,二か所行く必要がありました。一カ所は場所が決まっていて大学からやや遠い。もう一カ所はいろんなところにあるのですが,頭の中には「横浜駅近く」という固定観念がありました。

横浜駅でまず一カ所目Aでの用事を終えてから,大学から離れた二カ所目Bでの用事を終え,大学に戻って学生の指導をする予定でした。

ですが,AもBも受け付け時間があり,なかなかタイトだなあと思っていました。

ふと思いついて,Bの近くにもAの支店はあるかもしれない,と思い,調べてみると案の定ありました。

結局,同じ駅の周辺で,AとBの予定をこなすことができ,得した気分。

下がった後の復旧作業なのですが,下がった身にしてみれば上がる一方なので,その中でちょっとした得があると気分も良くなります。おめでたい性格ですな。

まあ,人間とはこういうものなのだと思います。下がったことをくよくよしても仕方ない。大局的なリズムも大事にしつつ,日々の中の小さなアップダウンにも良い意味で敏感になれるようにもしたい。

今日は土曜日ですが,家族にわがままを言って,土日で鞆の浦に出張させてもらいます。福山駅に着いたら,復旧作業の総仕上げになりそうな,入れ物の購入を行なおうかと思います。福山で買ったということで,愛着も湧こうかと思います。

私の中での大きな区切りまであと4ヶ月。とにかく今を一所懸命やるしかありません。


気圧

2013-05-22 10:30:43 | 人生論

気圧と体調には関係がありそうだな,とは以前から思っていました。どなたかの本で,低気圧になると体調が悪くなる,と読んだことが記憶に残っています。

私も,どうも低気圧が来ると体調が悪く,単に天気が悪いことに対する精神的なものではないな,と思っていたのですが,ネットでちょっと調べてみるとやはりそのような研究もなされていて,なかなか興味深かったです。低気圧が来る前に血圧が上がるそうな。「来る前」というのが面白いですね。

さて,今日は山口県徳山に新幹線で向かっていますが,低気圧も通過して晴天であり,体調もすごく良いです。

月曜は雨天で,首都高ウォッチングという見学会を引率したのですが,体調が優れず。低気圧のせいかと思います。
昨日,火曜は1限の研究室ゼミ,2~3限講義,4~5限は学生実験(私はオブザーバ),18:00過ぎから復興道路調査ミーティング,という隙間の無いスケジュールでしたが,その合間を縫って,もしくは内職をして猛烈に仕事もこなし,くたびれきって子供たちと一緒に寝ました。

そして,今朝,起きたら非常なエネルギーに満ち溢れており,アイディアも次々と湧いて来て,現在,新幹線のぞみの中でもバリバリと仕事をこなしています。家を出る前に,子どもたちの夕食も作っちゃいました。

やはり私の場合は,内部から湧いてくる強烈なエネルギーが原動力であり,これが無くなるととても今の諸活動を実践していけないな,と感じます。

昨日の土木史の講義は,第6回目「自然災害の克服」でした。もう3年目ですが,この回の主テーマを「治水」に置いています。昨日の学生のレポートはなかなか読み応えがあるのですが,その中の一つ。「最初,「治水」と聞いて,地震や津波の最新情報を勉強したいな,と思ったのですが,講義を受けてみて,これまでで一番面白かった。興味を持てた。」という感想がありました。

そう思ってもらえると確信しているので,敢えてこの私が「治水」を主題に挙げています。

全力で講義をして,それに対する反応が学生から返ってくる。これも,私のエネルギー源になります。

低気圧は,脳内出血のリスクも高めるそうでして(ネット情報),私は家系的に,その手の病気でぶっ倒れる可能性が高そうですので,いつ倒れても後悔しないように,暴れまわれるうちは徹底的に実践で行きたいと思います。とりあえず40歳までは到達しましたので,1年ずつ積み重ねるつもりで,自らのエネルギーと,体と,付き合っていきます。 

今日はすでに行きの新幹線の一人タイムで十分に楽しみましたが,午後の山口県の官学共同研究,ひび割れ抑制に関する第一回の「ケーススタディミーティング」に出席します。 15を超えるケーススタディのご紹介,質疑があるようで,これはかなり楽しみです。

徳山高専で実施されますので,田村大将ともお会いできますし,二宮さん,森岡さんともお会いでき,議論でき,夜は食事もできますので,これ以上の喜びはありません。だからエネルギーが湧いてきたのでしょうか。

今日一日も,充実した一日になりそうです。


防災の研究というもの

2013-05-22 08:20:49 | 研究のこと

昨年度から,私の研究室で,防災に関する研究をやる,という旗を立てて,実際に赤間君が鞆の浦を対象に防災の研究を行いました。

我々がなぜ鞆の浦の研究を行っているのかは,近いうちに専用のホームページを立ち上げる予定なのでそれも見ていただきたいですし,赤間君の卒業論文は立派な表紙もデザインして,製本を発注する直前です。とりあえず300部くらいを目標に印刷しますので,ご希望の方はお知らせください。こちらからお渡しした方がよいと思う方々だけでかなりの人数になりますので,それらの方々にはこちらから押し売り(無料)いたします。

鞆の浦の研究はこれからも続けます。実際に,この地域が災害に対して強くなり,それとともにこの地域が活性化し,鞆の浦が本来持っているとんでもない魅力が日本全国に発信されていくように,我々も微力ながら努力を続けます。特に鞆の浦の地域介護には,とんでもない可能性が秘められていると思っていますので,その力を日本全国に波及していくことにも,我々は少しでも貢献したいと思います。

赤間君は鞆の浦だけを対象にしたのではなく,首都圏の防災への種まきもしてくれました。

私自身は,狭い意味での防災の研究をするつもりはありません。National Resilienceのための研究,と捉えています。つまり,国土強靭化,もしくは国家強靭化です。

そういう意味では,私の「土木史と技術者倫理」という講義は,National Resilienceのために必須の講義と思っています。自分の身の回りから,覚醒した若者たちを育て上げて行く。その過程で,自分自身も徹底して勉強する。防災のことも含まれますが,我が国の成り立ち,歴史を通じたチャレンジについてもしっかり勉強します。もちろん,ここで培った知識やノウハウは,防災授業や講演などでいかんなく発揮されます。

私の防災に関する研究でキーワードにしたいのは,「実践」です。本質と思うことを見極めて,徹底的に実践する。

今,着目して実践段階に入っているのが,「家具固定」です。大地震が来た時に家具が転倒して住人を殺傷したり,窒息させたり,逃げ遅れて焼死したりすることを防ぐための家具転倒防止です。

これは,防災を真剣に進めて行く上でのキラーコンテンツになると思っており,私の直観が捉えたからには,徹底的に実践します。

さっそく,今朝起きてから出張前に湯船に浸かっていると,次から次へとアイディアが湧いてきたので,担当学生たちにメールを送っておきました。

もう一つ,池田尚治先生が発案,提唱されている「ペットボトル」で津波の際に命を守る,という実践的な防災活動も,かなり発展,展開を見せてきています。これも,今までは傍観者でしたが,その真の意義を私ももっと真剣に考え,私の直観が捉えたならば,徹底的に実践に入りたいと思います。

このように,やると決めたら,その本質を見極め,私自身の全て,さらに私の周囲の総力を注ぎ込んで実践に持っていきます。

昨年は手探りで始めましたが,今年は一つのしっかりした流れになりつつあるように思い,やりがい(と楽しみ)が増えました。

まずは5/25(土)の鞆の浦のさくらホームの家具固定,6/5(水)の横須賀高校での防災授業,に向けて全力を尽くしたいと思います。


前に

2013-05-22 05:49:53 | 職場のこと

もみくちゃになっている様相ではありますが,後ろではなく,少しでも前に進んでいることで,とりあえずよし,といたします。

社会に出て会社生活を頑張っている橋本君が,5/17が締切のアップグレードシンポジウムに電柱の劣化メカニズムと高耐久化の提案の論文投稿しました。立派だと思います。

今度は5月31日に,セメント・コンクリート論文集の締切があり,渡辺君にクリンカ細骨材を用いた自己治癒モルタルの研究の論文投稿をチャレンジしてもらいたいですが,JR東海の研修が非常に忙しいそうで,私ができうるバックアップをして,投稿にチャレンジすることにしました。このタイミングでやらないと,今後やることはありえないからです。

今日は山口県の徳山に日帰り出張です。帰りの新幹線はくたばって寝ているかもしれませんが,行きは4時間,のぞみに乗りますので,有効に活用したいと思います。

とにかく一歩でも前に! 


9月10日(火) データベース委員会の型破りシンポジウム

2013-05-19 19:43:00 | 研究のこと

ちょっと先ですが,9/10(火)にJCIデータベース委員会のシンポジウムを行います。型破りのシンポジウムで,山口システム,長崎道守,復興道路の品質確保,各地域の優れた維持管理システムなど,興味深いプロジェクトの最新情報を,最前線の方々が発表します。パネルディスカッションも企画します。

場所は東大の浅野キャンパス(根津の近く)。

マスコミも含め,一般の方々にも興味深い内容と思いますので,ご予定を空けておいてくださいね!

参加費用も安く抑える予定でして,ぜひぜひ多くの発注者の方々に聞いていただきたい内容です。発注者が変われば,世の中は変わる! 


マスコミというもの

2013-05-19 12:45:25 | 教育のこと

「土木史と技術者倫理」は今年で3回目です。歴史に残るであろう政権交代の後の講義ですので,私の伝え方や,伝える内容も2回目とは少し異なってきています。

それにしても,学生たちのこれまでに持っている知識は,あまりにもマスコミの影響を受けすぎていると感じます。毎回,学生たちに講義の終盤に書いて提出してもらうレポートを読んで,そう感じるのです。

「公務員=無駄なことをしている,悪いことをしている」
「公務員は削減した方がよい,給料も減らした方がよい」
「公共事業=無駄の象徴」
「道路=飽和状態,新たな建設は不要」

などなど,どうしてそんな短絡的な等式が成り立つのかもよく分からないような安易な考えが,まさに刷り込まれています。

恐ろしい。

もちろん,マスコミの情報が全ておかしいなどと私は思ってませんし,非常に質の高い番組や情報もあると認識していますし,学生にもそう伝えています。しかし,全体として,上記のような短絡思考を,多くの国民が持ってしまっていることは,マスコミと国民の双方のせいだと思います。

学生たちは,これまでに身に付けてきた知識や考え方が,あまりにも偏っていることに気付き始めています。

学生のレポートの中には,一部の人に事実を,真実を伝えても無駄であり,義務教育の段階で「土木のこと」を適切に教えないといけない,という意見もあります。

新聞という媒体を,ほとんど全ての家庭が毎朝,毎夕受け取って読んでいる,ということも実は恐ろしいことです。活字を読むことで全体的な知識レベルを向上させるという意義は大きいかもしれないけれど,もし新聞に偏った見方の記事が多いとなると,毎日毎日洗脳を受けることになります。

テレビの影響力は少しは落ちてきたとは思いますが,依然として多くの方々にとっては主たる情報ソースの一つなのでしょう。

相手はあまりにも大きいですが,良識を持つ方々の輪を広げて行くこと,また身近な学生や仲間たちには,マスコミの情報だけをうのみにするのはやめて,しっかりと勉強する気概を持つこと,を粘り強く続けていかねばなりません。

そして,小学校,中学校,高校との連携も,私は少し開始しましたが,持ち前の実践魂,改善魂で模索してみたいと思います。

昨日,長女の小学校の運動会で,子どもたちのエネルギーや可能性に感激しました。

人間とはもともと素晴らしいものです。もしおかしくなっているとすれば,人間の作った仕組みや仕掛けが少しおかしくなっていると考えるべきです。

日本人の本来持っている力がしっかりと発揮される社会となるように,皆で頑張りましょう。 


暗記

2013-05-19 09:15:41 | 人生論

覚えてしまうこと。

今の世の中で,軽視されてきている非常に大事なことの一つと思います。

押し付ける教育はよくない,子どもたちの持っているそれぞれの個性を大切に伸ばすべきだ,などいろいろと議論され実施されてきていると思いますが,物事には必ず長所短所の両面があります。

考えてみれば,我々の行動のほとんどは,見よう見まねで体に習得させたスキルに基づいています。これほど日本人が苦労する英語も,基本は暗記することです。これだけ日本人が英語が下手くそなのは,教育システムが悪いのでしょう。もっともっと覚えることを徹底させた方がよいです。

また,最高レベルの数学者が「数学は暗記だ」と言っているのも本で読んだことがあります。

エジソンも,百科事典を片っ端から読んで覚えていたとか。

人間のアイディアは,自分の引き出しの中に無数にしまわれている記憶が,外からの刺激(ニーズ)を受けて,見えない回路でつながり合って,出てくるものでしょう。

私も現在,様々な活動を行っていますが,その過程で出てくるよさそうなアイディアというのは,常に上記のパターンで出てきます。

今の世の中,情報は何でもインターネットにあるから覚える必要はない,というのは間違っていると思います。

やはり,人間の諸活動の根源は暗記することにあるように思います。もしくは経験して体得する知識にあると思います。

これまでの教育システムがすべて悪いわけでは決してない。また今のままで万全であることも決してない。ですが,すべてをひっくり返すような乱暴な議論はよろしくない。

少なくとも私は,自分の講義やコミュニケーションの場で,物事には両面があること,どんな行為にもプラスの面があることを説明して,学生たちにモチベーションを持ってもらうように努力したいと思います。 


分かっていたこと

2013-05-17 18:57:17 | 職場のこと

ようやく金曜日の夜になりました。

今日は午前も,午後も,東京で2つの学会の委員会。午後は土木学会の津波委員会で,私は幹事長を務めていますが,いよいよ取りまとめの時期に入ってきました。11月の上旬に委員会報告書を発刊し,シンポジウムを開催しますので,ご期待ください。日程はもうすぐ確定します。

18:00に津波委員会が終了して,帰宅したいところですが,横浜に戻って横浜国大土木同窓会の事務局の会合。今年は,我が研究室が事務局担当になりますので,どさっと事務仕事が降りかかってきます。秘書の小林さんを中心に対応していただくように作戦を練ります。

今週の平日はかなりハードでした。木曜,金曜はかなり追い込まれましたが,何とか乗り切れました。私の母親のバックアップもありましたし,いつもながら,周囲の皆様に支えられて乗り切ることができました。

今年度の前半の半年は,以前から予想はしていましたが,かなりタフな半年になりそうで,実際にかなりタフになってきました。

幹事長として取りまとめに差し掛かった,大きな委員会も二つあり(JCIデータベース委員会,JSCE津波委員会),メラメラと闘志も湧き上がってきました。

研究室の体制も大きく変わり,私自身は適応力がある方だと思うので,新体制で構成メンバーの力を最大限に引き出せるように,日々努力しているところです。

この半年はある程度覚悟していましたが,私自身の中では週末も無い覚悟も持ってはいました。私にも家族があり,週末には種々の家族のイベントや本来取るべきコミュニケーションもありますので,バランスは大切にしたいですが,いよいよ週末もフル稼働状態になりそうです。

指導する学生たちの指導ももちろん重要であり,平日が詰まってくると,土曜日の指導なども真剣に考えざるを得ません。学生たちが望むのであれば,私は週末に研究指導することも,この半年は覚悟しています。

例年,1月や2月はスクランブル状態になっていますが,それが半年続くと思えばよいだけですね。

9月にはデータベース委員会の型破りシンポジウム(9/10(火))や,関東大震災90周年の土木防災シンポジウム(9/7(土),藤井聡先生も参戦),東北復興道路の品質確保のための大研修会(予定)などなど,超ビッグイベントも目白押しになりそうですので,極限までハイテンションで突っ走れそうです。

まさに,自身の体力,気力との戦いになりそうですので,体にいいものを食べて,しっかり飲んで,しっかり寝ようと思います。

結局,いつも通り?


新年度最大のピンチ

2013-05-16 19:29:04 | 職場のこと

今朝はさすがに追い込まれました。

9時から,SWATのミーティング。香川から林先生も来て,SWATの開発に携わるメンバーでの戦略会議。

ですが,私は10:30から講義3連発で,講義の準備ができていない状態で朝目覚めてしまいました。4時に起床する予定だったのですが,昨日,郡山から帰宅したのが0時半で,起きることができませんでした。郡山から帰る最終の新幹線の中でも,アップグレードシンポジウムに投稿する卒業生の橋本君の原稿を添削していました。完了せず力尽きて就寝。

6時に目覚めてしまったので,ジタバタしても仕方なく,精神統一して,できうることをこなしました。9時からのミーティング中も,発言したり,議論を聞きながら小テストの採点と講義資料の準備。

2限の講義はいろいろと準備が間に合わず,小松君に二回ほどアシストしてもらって何とか無事に講義ができました。

4限の英語での講義が終了した後,明日が締切りの研究予算の申請書の作成を開始。今日のなるべく早い段階で作成途中でよいので送ってくれ,と事務担当者に言われていたのでざざっと書いて送付。

明日も学会の委員会が二つの後,夜に東京から横浜に移動して,横浜国大土木の同窓会の運営会議。今年は同窓会の事務局の役割が回ってきてしまいます。

この状態で,すでに締切りを過ぎてしまった原稿が2本。一つは英語。いよいよ本当の締切が肉薄してきたので,この週末にやるしかありません。土曜日は長女の小学校の運動会。

笑いながらやるしかございませんですな。まあ,何とかなるのでしょう。

今日,帰宅間際にうれしかったのは,私の指導する学生たちの研究テーマが確定したこと。ようやく,細田研究室の今年度の研究,本格始動です。 指導する6名のM1と,簡単なミーティングをしました。さあ,力強く前進を始めましょう。


コンクリートの研究ゼロ

2013-05-15 22:46:16 | 研究のこと

種々の事情で難航していた,研究室の学生の研究テーマの調整が最終段階に入ってきました。

学部4年生で私が指導教員を務める学生のテーマで,コンクリートの研究がゼロになりそうです。
いろいろな事情で,私が指導する4年生は2人になりそうです。2人とも,コンクリートではなく,防災をテーマに研究することになりそうです。

修士1年生は,私の指導は6人となる見込みです。全員がコンクリートの研究です。

いろいろと事情があるのですが,今年度後半から私が不在がちになることも理由の一つです。コンクリートの研究はどうしても追込み型になりがちなので,学部4年生でコンクリートの研究を指導しないということは,かなり身軽になれそうです。学部4年生と研究をしたいという気持ちもありましたが,解放されることもたまにはよいですね。

何でも抱え込み過ぎることもよくないので,少しは身軽にさせていただいて,海外での時間を有効に使わせていただきます。

身軽と言っても,ドクターの学生の他に,修士2年を4人抱えていますので,身軽になることをもっと喜ぶべきなのかもしれません。

 


大学というところ

2013-05-15 13:47:36 | 職場のこと

大学というところは不思議なところです。

私が知っていることは国内の大学のことがほとんどであり,また教員として勤務した経験は横浜国立大学だけなので,限られた知識なのかもしれませんが,もうすぐ10年近くの経験になりますので,私の言うことは著しく的外れなことでもないかと思います。

まず,大学の役割は大きいと思います。世の中から無くなったら結構大変かなと思います。

分野によって違うかとは思いますが,世の中に相当に貢献できる可能性はある組織です。私も研究室を構えていますが,同じような社会システムの中の大学の研究室でノーベル賞を受賞するような研究者も日本にはたくさんいるわけですから,やはり大学のポテンシャルはすごいんですね。

Civil Engineeringの分野での大学の果たせる役割も相当に大きいと思います。果たせるかどうかは個人次第ですが,やり方によってはかなりのことができるように感じます。

一方で,大学ほど腐りやすい組織もない。世の中と徹底して交わることも可能ですけど,世の中から隔絶することも可能。

また,大学にいると,企業に比べると,批判されることも少ないので,自己批判するしかない。それが甘い人は腐る。特に,若い時から教員で,自分が研究室のボスで,学生とばかり接していると,誰も批判しなくなるので,この状況で腐るなと言う方が難しいのかもしれません。

これだけ流動性が高く,激動と言える世の中で, 活動レベルの低い研究者,教員が非常に高給を受け取り続けている場合も少なからずあるでしょうから,やはり矛盾を感じます。大学だけではないかと思いますが。

シニアの教授で本物の方々はしっかりと君臨していただければと思いますが,本物でない方々が居座り続けていることの弊害はこれからますます目立ってくると思います。我々若手(中堅?)も相当な業務や負担を抱え込んでおりますが,明らかに我々より高給取りで,我々よりも業務量・貢献度の少ないシニアは存在すると思います。私の場合,給料がモチベーションではありませんが,何でもかんでもできるわけではありません。

しかるべき年齢で一度活動状況を精査して,継続的に登っていただくのか,再雇用等で給料も大幅に見直すなど,何らかのアクションは必要でしょうね。

近年,あまり以上のようなことは思わなかったのですが,いよいよ日本も本当の激動ステージに入ろうとしていますので,大学も本格的に変わるべきと私が感じているのかもしれません。


私の信用しない人

2013-05-13 21:07:57 | 人生論

職業柄,非常に数多くの人を見てきました。大人も子供も。

私は基本的に素直な性格なので,非常に多くの尊敬すべき方々と出会ってきましたし,多くの仲間とも出会ってきました。

私が基本的に信用しない人,というのは,いくつかパターンはありますが,
・人の悪口ばかり言う人。これは信用できません。どうせ私のいないところでも,私の悪口を言われているのだろうな,と思ってしまいます。
・自分より立場の弱い人にだけ,強く振る舞う人。

この二点目は性質(たち)が悪いですな。いじめと言ってもよい。

相手によって言葉を変える。自分より強い人には何も言えない。自分より立場の弱い人にだけ強圧的な態度を取る。こういう方は私は全く信用いたしません。

基本的には,信用しない人とはお付き合いするつもりはありません。また,あまりにもおかしいと思った場合は,私は正します。

今日の午後は,テクノクリート研究会という会合の総会で講演してきました。山口県のシステムと,復興道路の品質確保へのチャレンジの話をいたしましたが,世の中の様々な矛盾に悩んでおられる方々に共感していただけたようです。

もう私が出会ってから4年になりますが,やっぱり山口県の構築した品質確保システムは,すごいんです。やるべきことをしっかりやった,という意味で文句なしです。官と産の関係も,建設業界においては革命的とも言える協働システムです。 

このシステムで学んだことを,東北地方で復興道路の品質確保に生かすチャレンジに関われることは,エンジニアとして本当に幸せなことなのだと感じます。