細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

明治維新

2008-01-27 19:22:32 | 趣味のこと
昨日,司馬遼太郎の「花神」を読了しました。
上・中・下の3巻で読み応えがありました。

この本は,解説にも書いてありましたが,「世に棲む日日」と兄弟作の関係にあると言ってよく,明治維新という革命を達成する3つの種別の人間のうち,最後の仕上げを担当する大村益次郎が主人公です。

ほとんどこの人のことを知りませんでしたが,明治維新直後の新政府においては,西郷隆盛と唯一張り合うことのできる人物であったようです。芯からの技術者であり,情念だけで動いているように見える西郷を,何とも思わなかったすごい人物であり,変人です。

「世に棲む日日」と「花神」を読んだことで,幕末~明治維新の大きな流れと,主だった人物をしっかり理解することができました。また,その時代の精神,学問,技術なども学ぶことができました。

司馬遼太郎の本としては,この時代の長岡藩に焦点を当てた「峠」がウェイティングリストに入っています。これも上・中・下の3巻で司馬さんならではの本質論を楽しみにしています。

パワーをもらって

2008-01-24 14:19:05 | 研究のこと
この1月は自分でもなかなか納得の行くものではありませんでした。
インフルエンザにやられたのである意味では仕方ない面もあります。

が,JCIの締切りへ向けて必死に頑張る学生と添削のやりとりをしているうちに,私にも切れが出てきました。みんなで一丸とやっているときは,自分が手を抜くわけにはいきません。それがチームプレーのよいところです。

この締切りで私の仕事力もピークへ向けてグイッと引き上げられました。学生からパワーをもらったわけです。

今夜は一息つくと思いますが,今週末から2月末までは本物の仕事のピークがやってきます。かなり半端ではない量の仕事を片付けていくと思います。

そこへ向けて,今回のステップアップはとても助かります。エンジンがかかると,昨年同様にトップギアで1ヶ月くらいは突き抜けられるからです。

この感覚をあと何年味わえるのかは分かりませんが,とても充実感があるステージです。

教育力

2008-01-20 12:12:30 | 教育のこと
斎藤孝さんの本を私はときどき読みます。

「教育欲を取り戻せ」という新書も昨年だったと思いますが,楽しく読みました。

今は,「教育力」という本を読んでいます。これもとても楽しく読んでいます。教育者はもちろんのこと,人間はあらゆる場面で「教育」する機会を持ちえますので,みんな参考になると思います。

どうすればよい教育ができるか?教育者はみんな悩み,それぞれの方法論を持ち,試行錯誤を重ねていると思います。

私は「良い教育者」かどうかは分かりませんが,教育することが大好きであることは間違いありません。いろんな人の教育法,考えを貪欲に吸収し,「ああ,細田先生に教わってよかった」と思ってくれる学生が一人でも増えるように,努力を続けたいと思います。

本日から仕事再開

2008-01-14 12:04:34 | 研究のこと
昨日,13日(日)の朝に熱が下がっていたので,今日から仕事を開始しています。熱が下がっても2日間は周囲への感染の可能性があるそうなので,自宅では寝室にこもっています。

24日に締め切りのJCIの論文ですが,学生の第2稿の添削が始まっています。少しずつ書き進めてそのつど添削・アドバイスをして,キャッチボールを繰り返しながら仕上げていくという方法を採っています。

論文執筆をある程度任せられる博士課程の学生が相手では別ですが,修論性,卒論生で6~7編の論文を,自分が責任を持ってまとめようとすると,このような手法を採らざるを得ません。

学生も全力でやってくれていますので,私もできる限りの対応はします。

今日は投稿論文の添削と講義の準備くらいにしておいて,余力があれば報告書の執筆を開始したいと思います。

熱は下がってはいるものの,まだ風邪の症状が残っており,体重も2kgほど落ちて体力は十分回復してるようには思えません。

歴史教育

2008-01-14 09:42:06 | 教育のこと
病気療養中ということもあって,昨日は一日中,ほとんど本を読んでいました。
司馬遼太郎の「新撰組血風録」と「花神(中)」を読み終わりました。

「新撰組血風録」は,新撰組の隊員を主人公に,15の短編小説を描いたもので,それぞれの小説から,新撰組の実態や,当時の浪士の生き様が克明に描かれており,すべてに惹きこまれました。

「花神(中)」はすごく面白い。いよいよ村田蔵六が長州陸軍の総司令官として,幕府軍と対決を始めました。名前も大村益次郎に変わりました。四境戦争で,大村益次郎自身が最前線で指揮を取った石州の戦い(島根県益田市が戦場)では,胸のすくような快勝続きで,彼の軍司令官としての傑出した能力がよく分かります。

この本の良いのは(私が知的に非常に満足するのは),村田蔵六の人生を描くことを通じて,幕末~明治維新後までの,日本の技術,蘭学・洋学,攘夷思想と革命,日本人の気質・考え方,などが詳細に描かれているからです。これ以上ない知的な情報です。

このような読書を積み重ねていくと,時代へのイメージが醸成されていき,しかもそれは今の私ともつながりを持った生きた情報であります。

これらを考えると,学校での歴史教育とは何だったのか,と改めて思います。
ほぼ何一つ,私の血肉になった情報はない。大村益次郎が何をした人かなど知るよしもなし。正直に言えば,吉田松陰ですら,高杉晋作ですら,大久保利通ですら,何をした人なのか,ほとんど知りませんでした。私の無知は重々承知ですが,私が特別無知であるとも思えない。すべての時代を満遍なく,しかも生じた事実のみを暗号のように教えようとするから,このようなことになるのでしょう。

歴史とは,本当に興味を持てばこれほど面白いことはない。作り物の話でなく,実際に起こった話なので,当然ノンフィクションです。しかも,今の我々と何の関係もない過去の終わった話ではありません。人間の営みとは,過去から連綿とするものであって,その上に我々は生きているのです。当たり前のことです。日本人を良く知ろうと思えば歴史を知らねばならず,国際化の世の中では,我々日本人はまずは自らを良く知る必要があります。そのために,歴史教育は非常に重要と思います。

まず,歴史というものが,そのように重要であることを,私に説いた教師がいなかった。これまで何人の教師に教えてもらったであろうか。もちろん,小学校から高校までの間の話である。このことからして,日本の歴史教育が機能していないことは明らかではないか。私が教わった教師たちが日本の中で例外であったのならば幸いであるが,そうとはとても思えない。同じ教科書を使ったとしても,教師が異なれば教える内容は異なる。教育が持つ影響の大きさを肝に銘じ,歴史を学生に教える機会を持つ教師は,最大限の努力をせよ。

歴史教育だけの問題とは当然思っていません。が,国語教育,歴史教育は国,国民の根幹に関わるものであり,相対的に重要性が大きいと思います。教師がその思いを十分に持っているか?本当に持っていれば,生徒に何としてでも伝えたいと思うでしょう。その気持ちを感じたのは,甲陽学院中学・高校で国語を教わった中倉邦男先生だけです。今でも教わったいろんなこと,先生にご指導いただいて読んだいろんな本が,きちんと頭と心に残っています。素晴らしい先生だったと思います。


インフルエンザの経過

2008-01-13 13:13:26 | 家族のこと
1月10日(木)の夕方にけだるさを感じました。娘をお迎えに行って,帰宅後熱を測ると36.7度。大したこと無いと思っていました。

1月11日(金)は昨日と同じようなけだるさ。咳が出ていたので,終日マスクを2重にしていました。帰宅後熱を測ると37.6度。入浴もやめて,家族とは別室で寝ていました。

1月12日(土)起床後,7時ごろに熱を測ると38.7度。インフルエンザの疑いが濃厚と思い,かかりつけの医院で検査をしてもらい,陽性反応が出ました。

治療にはいろいろ方法がありますが,タミフルを処方してもらいました。10:30に1錠飲みました。18:00ごろには熱が39.2度まで上がり,かなり苦しくなりました。その後,8時間近く寝ました。その間,発汗が著しく,13日(日)の午前1:30ごろに目覚めたときには熱が37.6度まで下がっていました。

13日(日)の午前1:30ごろにタミフルの2錠目を飲みました。午前9:00ごろに熱を測ったところ,36.7度まで下がっていました。12:00ごろにタミフルの3錠目を飲みました。念のため,夜にあと1錠,タミフルを飲んでそれで終わりにします。

タミフルの他に,数種類の薬を処方してもらい,それらも飲みました。一般的な風邪の症状を抑える薬です。

熱が下がってから2日間は,他人に感染させる可能性があるようなので,もちろん,13日(日),14日(月)は自宅の寝室で家族と離れて生活します。外出もしません。

出勤は,今の調子だと15日(火)からするつもりですが,無理をするつもりも無いですし,周囲に感染すると甚だしい迷惑なので,場合によっては16日(水)からにするかもしれません。

インフルエンザ

2008-01-12 17:29:06 | 家族のこと
今朝病院に行って検査をしてインフルエンザの陽性反応が出ました。
もちろん予防接種はしていたのですが,少し型が外れているようです。

発熱した金曜日は終日マスクをしていましたので,
周囲の人に感染していないことを願います。

木・金あたりに私と接触して,発熱が出た方は病院に行かれた方がよいと思います。

ひたすらベッドで寝てます。司馬遼太郎の新撰組血風録を読んだり,寝たり。
タミフルも飲んでいますが,まだ熱が下がりません。

スキー

2008-01-06 08:05:43 | 家族のこと
おそらく5年ぶりだと思いますが,昨日,スキーをしました。
リフトに3本乗っただけなので,ちょっとだけです。しかも初級コースにしておきました。

素晴らしく景色の良いコースで,雪山の連山が見えました。足元ばかり見てるのももったいないので,なるべく遠くの景色を見ながら滑りました。

5年前のスキーも,数年ぶりだったと思うので,かなりスキーは頻度が減ってます。学部生のときは結構行ってたのですが。

まあ,初級コースであれば,頂上から降りてきても1度も転ばない程度には滑れるので,楽しむことはできます。来年は娘もスキーを始めると思います。そのうち,スイスの雪山を家族で滑走?することが目標であります。

感謝の気持ちに基づいて

2008-01-05 08:18:51 | 人生論
人生,前向きに進んでいるといろんなことを見失いがちになることもあります。

夫婦でゆったり食事でもしているときに,これまでのことを振り返ると,
私が横浜国大で勤務していることもいろんな偶然が重なって,のことであることを改めて痛感します。

日本国内で,コンクリートの研究をする,という場合に,またとない環境で仕事をさせていただいていることに感謝です。奥さんも今の仕事をやりながら,一緒に家庭を営んでいけるのも,私が現在の職場に勤務しているからです。優秀なスタッフ,学生と一緒に活動できるのも幸せなことです。

私にできることは,私しかできずに,私が心からやるべきであると思うことを,きちんと実行すること。それらのことは,私だけのためのことであってはなりません。まずは,所属する組織の学生たちの教育が最優先ですが,横浜という地の利も生かして,関係する皆さんが繁栄する道を模索し,提示し,進んでいくのも私の仕事と思います。

毎年繰り返しのリズムと,チャレンジと

2008-01-04 16:37:12 | 家族のこと
今日は午後から越後湯沢に来ています。
昨年も宿泊した,越後湯沢駅前の旅館に宿泊です。
旅館もリニューアルされてあまり時間が経ってないので,とてもおしゃれで,とにかく食事がおいしく,家族で貸切で入れるお風呂が絶妙。もちろん,雪遊びもします。

昨年は自己治癒コンクリートの英語の論文でも書いていたような気がします。

今年はもう少し気分が仕事モードです。自己充填コンクリートについて原稿を書く必要があり(私は開発者でも直接の研究者でも無いのですが),原稿を今夜書き始めます。

出発前に,SED(JR東日本の建設系技術論文集)の最新号にざっと目を通しました。耐震補強の設計施工のマニュアルが制定されたようで,参考になりました。

Nevilleの"Properties of Concrete"は,年末年始10ページ/日で,期間中に150ページ読み進めると決めました。12/23から開始していますが,少しだけペースに遅れているだけで,今日明日で予定通りになりそうです。現在,「凍害・塩害」の11章を読んでおり,相変わらず勉強になります。

司馬遼太郎の本は「花神」を読み始めました。大村益次郎についての本で,早くもはまってしまいました。

日本電産の永守社長の本も2冊目を半ばまで読みました。永守さんの考え方も大まかには分かってきました。すさまじい成長志向で,社員の教育方法も半端ではありません。ご自身も,365日休み無し!です。私も民間企業の社長であれば,そこまでやるかもしれませんが,大学の教員という立場ではもう少しバランスが大事と思います。参考にできるところは取りこまさせてもらって,やはり私自身の納得できる生き方をします。

毎年,気に入った場所を訪れ,気に入ったおいしい食事をして,リラックスする,というのもとても大事です。英気を養う,という感じです。それとは違って,新しいことにチャレンジする,というのもとても大事なことです。

イチロー

2008-01-03 21:35:50 | 人生論
昨夜、浦和のホテルに泊っていましたが、寝る前に「プロフェッショナル」という番組でイチローのことをやっていました。

イチローの密着取材で、2007年のシーズンは、プレッシャーから逃げるのではなく、プレッシャーと直接闘う、という大きな意識転換をした、という内容でした。

イチローは日本の歴史に残るスタープレーヤーですが、私でも共感できるところはいくつもありました。基本的にはものすごくまじめ。とにかく自らを高めていって、今まで見えなかった世界を体験することに無上の喜びを感じている。しかし、とてつもないプレッシャーを感じているし、自分でも言ってますが、プレッシャーに強くない。

目指すレベルが恐ろしく高いので、プレッシャーを感じるのだと思います。私は目指すレベルがあまり高くないので、現在はプレッシャーをあまり感じず、比較的楽しくやっているのかと思います。自分の現在の力と、近い将来成長していくスピードと、現在短中期的にかかっている負荷、でプレッシャーが決まると思います。力が付いてくれば、過去と同じ付加ではプレッシャーを感じなくなります。適切な負荷、を自ら設定するのは難しいことです。ほとんどの人がそれをできずに堕落していくのだと思います。

その辺りの観点から、イチローにインタビューしてみたいと思いました。常にプレッシャーを感じている、ということは、自分の能力のかなり上の負荷を自らにかけている、ということだと思います。そこにイチローのすごさがあると思います。

私も、まずは年度当初に掲げた目標をしっかりと達成することから始めます。それですら、これからかなり作業をしないといけないので、結構なプレッシャーになります。

仕事始め?

2008-01-03 21:24:05 | 職場のこと
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

実質的には今日から仕事を開始しました。

年末年始は正月2日までは、読書とNevilleの専門書を読むことしかしてませんでした。今日は、学生たちが頑張って年末に提出してくれたJCIの投稿論文の第1稿の添削を済ませました。これから4~5回やりとりを重ねて、原稿が仕上がっていきます。締切は24日ですね。あと20日ちょっと。

明日からは種々の執筆作業を開始します。

大学に出勤するのはまだ先になります。1月中旬からギアを高速に入れ始めて、2月には自分の作業としてはトップギアに入ります。