細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

手段の目的化

2010-02-26 05:51:42 | 人生論
よく言われることですが,手段が目的化することは一般には良くないことのように思います。特に,日本人はこの傾向に陥りやすいように感じており,日本人の生来の真面目な性格がこれに拍車をかけるのだと思います。

特に最近は,日本全体がこの傾向に陥っているように思われ,「何のためのものなのか」「本当にやる意義があるのか」を少し立ち止まって,冷静に考える必要があるように思います。もはや,少し立ち止まる余裕も日本人には無いでしょうか。このまま手段が目的化し,火ダルマのごとく追い立てられ,かつ生産性は上がらず,国際的な変革のスピードから取り残されれば,三流国へと成り下がるのは時間の問題でしょうか。

また,世の中を表面的に見ればそれほど以前と変わっていないように思われる場合もありますが,実態としてはあちらこちらに破綻が生じてきています。保育園の入所状況などを見ても明らかです。完全に日本のシステムそのものに限界が来ており,膨大な財政赤字のおかげで何とか体裁を保っていますが,システムの構成員にはかなりのしわ寄せが来ています。

とはいえ,まあそれが世の常です。現在のような下降期は,次に向かってのチャンスです。このまま奈落の底まで下降していくことはないでしょう。次世代の日本のビジョンを描けるのも,このような時代ならではです。

下降するからと行って投げやりになればそれまで。次世代に向かっての上昇気流を築くためには,優秀な人材とそれを束ねるエネルギーが必要です。今こそ,真剣に勉強すべき時代と思います。

それにしても,手段が目的化しないように,常に意識しておきたいものです。

私の役割

2010-02-21 16:33:18 | 人生論
私自身もパンパンの状況ではありますが,研究室では卒論生が最後の追込みに入っている状況です。私自身は,この週末,集中して業務を片付け,かつ家族との時間も確保でき,2月最終週を何とか切り抜けられる光明が差してきた感じです。予断を許しませんが。

2/19(金)の夜は,研究室の懇親会でした。皆,それぞれの立場で全力で頑張っていると思いますが,皆楽しそうでした。特に,学位論文の最終審査を無事に合格した林さんに,お祝いのケーキが登場し,皆でお祝いしたのは良かったです。私は5人での2次会で,さらに林さんを祝福しました。その後さらに3人でラーメンを食べに行きましたが。

この研究室は私にとってのホームグラウンドであり,最も大事にすべき組織の一つです。言うまでもありません。

私の役割は,この研究室に限ったことではありませんが,組織に参画する皆さんの力を最大限に引き出し,皆さんが充実感を味わい,やりがいを感じ,成長できるような組織を整備すること,と思っています。研究室に限らず,家族においてもそうだし,私が主体的に関与する組織においてはほぼ常にそのような意識で行動するつもりです。

今の日本の世の中は,表面的に見える以上にひずみが生じており,一部は音を立てて崩壊しつつあると思います。時代の変化なので,やむを得ません。甘えが許されない時代なので,日本人それぞれが一生懸命に頑張るしかありません。もともと人だけが資源の我が国において,現状の日本人のままでは,この国は衰退の一途をたどるでしょう。

日本はこのまま衰退するような国ではないはずです。私が引っ張っていこうとしている方向性は,日本人にとってごく当たり前の,日本人の本来あるべき姿です。当たり前のことを,楽しく,やりがいを感じてやる,ということです。

なぜ,それが当たり前なのか,どのように考えればやりがいを感じられるのか,それを私の言葉,態度,背中で常に見せること,そうすることで,組織の皆さんが幸せになるはずです。私にとっては当たり前のことなので,今後もそのまま続けます。

当たり前のことを,当たり前と思って育った若者たちが,この国を引っ張っていってくれるでしょう。研究室,家族だけでなく,もっと大きいものを引っ張っていくためには,私自身の修行がもっと必要です。そのための勉強を惜しむつもりはありません。



超繁忙期終盤の週末

2010-02-20 22:00:01 | 職場のこと
当然ですが,この時期は超が付く繁忙期で,もう頑張るしかありません。

数年前だと,この時期は修論や卒論の指導が大変だったような曖昧なイメージ(日記を見ればクリアに思い出すと思いますが)がありますが,今年は少し様相が異なってきています。

もちろん,修論(M2の4人が最終審査に合格,M1の5人が中間審査終了)や卒論(4人を指導中)の指導もそれなりに大変ではあるのですが,それ以外の業務が明らかに増えています。博士課程の学生の指導もあります。

以前ならば相当にストレスを感じる状況かと思いますが,処理能力が向上していることと,精神的にタフになってきているため,過剰なストレスは感じません。やるしかないので,うまく気分と体調をコントロールしながら,実行していっています。

すでに終わったものもありますが,期末テスト等の成績処理(終了),次年度のシラバス作成(終了),学内の改組に伴うさまざまな資料作成,入試の段取り(入試委員),外部競争資金の予算申請書(複数),卒論の添削,発表の指導,査読論文の査読,学協会のテキストの校正,などなど。これらを2月末,実質的には2/26までに終わらせる必要があります。まあ,普通だと処理できません,こんな量は。

平日に十分時間が取れればよいのですが,学会の委員会やら入試業務(前期入試),研究室ゼミやらで,平日の日中はほとんど時間が取れません。

ここに家庭のことものしかかってくるともう不可能。さすがにこの時期は非常事態でもあるので,親に手伝ってもらったりもしています。

30代の後半に差し掛かると,このような状況になります。

研究!

2010-02-03 22:12:29 | 研究のこと
今日も刺激的な一日でした。

起床はAM3時。本当は真夜中の12時に起きるつもりでしたが起きられず,真夜中の3時ごろに起きて仕事開始。予定より寝坊したのでかなり追い詰められた状態で英語論文を仕上げました。

AM6時過ぎに仕事を仕上げ,後はひたすら家事,準備。バタバタしながら準備を整えて家を出発。娘二人を保育園へ。その後,東大生産研で委員会のWG。表層品質検査システムの委員会のWGでした。いつものポリシーで,そのWGおよび委員会全体がよくなる方向の意見のみを申し上げました。タスクは重い委員会ですが,やりがいがあり,私も全力で貢献するつもりです。

その後,大学へ直行。お昼を食べる隙間もなし。到着後,学部3年生に向けて研究室紹介。いつもの調子ですが,普通の人から見ると私の迫力に圧倒されたかもしれません。が,いつも通り,です。

その後,14:00からは,共同研究打ち合わせ。3者合計9名での打ち合わせで,時間は3時間ですが,濃密でした。私も数多くの経験をしてきていますが,わずか1年でここまで変化してきた研究もそうはありません。電柱,自己治癒,などがキーワードでしょうか。刺激的な,楽しい打ち合わせでした。

その後,9名で懇親会。楽しい懇親会でした。

さらに,そのうちの4名(身内)で軽く2次会。これも楽しかったです。

未明から夜まで楽しかったのですが,実は私にとって一番濃密だった時間は,朝の保育園への送りの途中での,長女との会話でした。これは,私にとって相当にびっくりする,また感動的な内容でしたので,また改めて,記載します。

2010年の冬

2010-02-03 05:54:23 | 研究のこと
予定より2日ほど遅れてしまいましたが,表面含浸材の論文をACTに投稿しました。年末年始に頑張って書き進めていましたが,通常業務が始まると体が疲弊してどうにも論文執筆に時間が割けず,結局30日の週末から論文執筆に専念してようやく仕上がりました。

執筆に専念すると,他の仕事への意識がおろそかになり,さっそくいくつかご迷惑が生じ始めています。それにしても,こういう状況って何なのでしょうか。本来やるべき最重要事項に対する時間確保にこれほど苦労する状況が良いとは決して思えません。

いずれにせよ,ソンさんが高炉スラグの論文を11月末にACTに投稿して査読中。合成短繊維の論文も1月末に土木学会論文集に投稿しました。もしかするとこれらすべて査読で×になるかもしれませんが,まあ仮にそうなったとしても,レベルの高い論文集にどんどんと投稿できるレベルには最低でもなってきたということです。もちろん,まだまだ未熟であると思っており,投稿するだけで満足するつもりもさらさらありません。

とはいえ,5,6年前の冬とは比べるのもおろかですが,数年前と比べても仕事の質は格段に上がってきています。2010年の3月が終わるまでに,まだまだ実施すべきことが執筆も含めて山ほどありますが,後から振返っても「ステップアップの時期」であった,と懐かしく思えるよう,全力でのアタックを続けたいと思います。