もう10月も終わりですね。
横浜国立大学は、10月に秋学期が始まり、今日で講義も第4週が終わります。
私は講義は秋が多く、春は3年生の学生実験はオンラインで苦労はしましたが、本格的な講義をオンラインで行うのは秋となりました。様々なノウハウが周囲にも蓄積されているので、私なりにベストと思うスタイルでオンラインの講義を行っています。
このブログの読者であればご存知と思う、土木史の講義も今日の2限で4回目です。昨年は200名を大幅に超える受講生を相手に大教室で格闘していましたが、今年は100名を下回る聴講者ですが、極めて高いレベルのレポートも少なくなく、私も刺激を受けながら全力で講義を行っています。
オンラインでも無事に双方向の講義はできており、この講義については、双方向性という意味ではオンラインの方がレベルが上がっているように思います。「授業支援システム」というものがあり、これを使うと、講義資料を学生たちがインターネットで見れるようになったり、レポートの提出もこのシステム上でできたり、レポートの添削・採点もこのシステム上でできてしまいます。私は旧型の人間なので、昨年まで、このシステムはあまり使っていなかったのですが、今年度は使わないと講義ができないので、初めてディープに使い始めました。
授業支援システムはとても便利で、学生はテキストファイル形式で午前の講義があった日の夜10時までにレポートをシステム上で提出します。私は毎回の学生のレポートから、学生たちの意見を拾って、次回の講義で紹介し、私の考えも提示します。これが双方向性の一つの仕掛けです。それから、例年は、講義の最後15~20分くらいでレポートを手書きで書かせていましたが、今年はそれが難しいので、講義の最後10分くらいから質疑の時間に当て、今年は時間割の変更により講義が正午に終わるので、その後も質疑タイムを延長しています。大教室よりは、オンラインの方が学生は質問しやすいようで、かなりの数の質問が出ます。この質疑も、学生たちの理解や考察を深めるきっかけになっているようです。私の情報を一方通行で聞くよりも、私の情報を一旦受け止めた後、様々な意見や質問に対する私の解釈を聴くことで、視野も拡がる人が少なくないようです。
ちなみに、土木史の講義を始めたのが、東日本大震災のあった2011年で、今年が10年目。その間、様々な出来事がありました。10年は短くないですね。いつまでこの講義を続けるのか分かりませんが、私も勉強や経験を重ね、その時々で学生たちに伝えられる最良の情報を伝え続けたいと思います。動画も撮っているので、誰でも見ようと思えば見れるんですけどね。
また、今年が2年目となった学部3年生の「メインテナンス工学」も、オンラインの今年の方が良い内容となっているように思います。講師の資料がPC上で見やすいこと、録画教材で復習もできること、土木史と同様に、質疑の時間を多くとって、レポートはその日の夜10時を締切りにしているのでじっくり書けること、などが理由でしょうか。
「メインテナンス工学」では、私の信頼する技術者、研究者や、私が信頼する方に紹介いただいた講師が多く登場しますので、私自身も大変に勉強になります。また、講師が一人で教えるよりも、聴講側というか漫才の掛け合いのように、もう一人プロがいると、学生も緊張感が高まったり、講義の場が深くなるようにも感じています。もちろん、その分、コストがかかっているんですけどね。
さて、オンライン講義の良いところを紹介してきましたが、オンラインでやらざるを得ないのでクオリティを高めているだけで、オンラインに頼りすぎるとダメになるのは自明です。
ダメになる理由はここで列挙はしませんが、講義から学ぶだけが大学生活ではありません。講義の後に雑談したり、お昼ご飯を一緒に食べたり、自分たちの自然豊かなキャンパス内の自然の移り変わりを感じたり、すべて重要なことです。それらの機会を強制的に奪っている現在の状況は異常です。
と、愚痴を一応言っておいた上で、私は秋学期の講義は今のところ、すべて自宅で行っています。大学の教員部屋が相部屋というのが理由です。自宅で仕事をするのも、大学のオフィスで仕事をするのも、どちらもメリットはありますが、自宅でやらざるを得ないので、その時間を充実させることにしました。足湯ならぬ、足コタツも1万円ちょっとで購入し、両足をそのコタツに突っ込むと遠赤外線ですごく温まります。会議や講義をしながら足コタツで頭寒足熱をできるのは冬場はとても良いように思います。
それから、10月に入り、自身の繁忙期が2月末まで5か月間続きますので、健康志向を高め、運動の頻度も復活してきました。今日で、毎朝の体操・柔軟体操は休日も含めて20日連続。ジョギングも頻度が増えてきて、一昨日、昨日と連続で行いました。朝は残り湯を活用してお風呂に浸かり、その間に読書。自身の基礎体力や心の調子を整えることが、仕事のパフォーマンスに直結することを知っているので、それらの時間の方がむしろ重要と思い、テコ入れを楽しむようにしています。
例年、10月に入ると私は繁忙期に突入します。今年は、コロナの影響もあり、秋学期の私の講義もすべて遠隔で、教員部屋が相部屋ということもあり、講義は自宅の方がやりやすく、今のところ木曜、金曜に集中している講義は自宅でリアルタイムで行っています。
コロナ社会の中で絶好調、という人もそんなにいるとは思えませんが、私自身も、自分の感覚では低空飛行が続いています。10月に入ると、ウダウダ言ってられないので、強制的にテンションが上がっていくのが例年ですが、今年もそのような感じです。
昨日は、今年度、結構な回数を重ねるであろう横浜市の配水池の内部調査の初回でした。正直言って、この共同研究の依頼を受けたときはあまりモチベーションが湧きませんでしたが、私の考える「適切な維持管理システム」に向けてチャレンジしてくれるのであれば受ける、と宣言してスタートし、今は、すごく様々なことを学べるし、技術の社会実装という観点でも楽しんでおり、大事な研究テーマの一つになっています。
講義や現場調査などが重なると、テンションが低い状態では対応できないし、人と話しているうちに元気になる、というタイプなので、徐々に調子が上がってきてるように感じます。昨日は起床後、かなり体調がよくなかったのですが、一日経た今日は、体に大分エネルギーがみなぎっているように感じます。
低空飛行中は、周囲に迷惑がかからない程度に(墜落しないように)、低空であっても飛び続ければよい、と半ば割り切って過ごしていた時期もありました。
10月も中旬に入り、上記の配水池の研究以外の研究プロジェクトも動きが活性化するので、ますます忙しくなりそうです。不思議なもので、忙しくなると、勉強する意欲も湧いてきます。つくづく、バイオリズムが大事、ですね。
昨年度から、私の研究室と横浜市の水道局とで共同研究を行っており、そのターゲットは上水道の「配水池」という施設群のメインテナンスです。横浜市として確たる維持管理システムを持っていないように私の目には見えたので、配水池の果たすべき「機能」(求められる役割)と、機能が果たされるために構造物が保有すべき「性能」(パフォーマンス)をしっかりと議論しながら、私の研究グループが提案する手法を今年度から取り入れてもらっています。
まだ研究途上なので多くは述べませんが、定期点検においては「外観目視」を主軸に据え、「機能」に影響を与えうる劣化現象に限定して、目視での4段階でのグレーディングによる評価を行うことにしました。
「目視評価」については、私は、新設のコンクリート構造物の目視評価法で実績を持っています。4段階のグレーディングの評価の仕方が「定性的」である、とか、経験の無い方からするといいかげんな手法に思われたり、何がすごいのか全くピンとこなかったりするようです。この研究を修士論文のテーマとしている中国からの留学生の楊君も頑張ってくれていますが、発表では真価が伝わらず苦労しているようです。
昨日が、今年度の実際の配水池構造物の最初の調査でした。地下にある大きな空間で、コンクリート構造物です。今年度、最初に、新たな外観目視評価を行うということで、私も終日対応できるように予定を空け、横浜市の職員、私と楊君、それから点検業務を請け負っているコンサルタントがそれぞれ外観目視評価を行いました。
昨日の構造物は、極めて品質が高く、設計段階での止水構造と、施工段階での基本事項の遵守がしっかりなされた構造物であることがよく分かりました。
その上で、すべての天井、壁、柱などに対して外観目視評価を行ったのですが、
・劣化した部分だけでなく、健全な部分も記録に残す。
・劣化現象、劣化の状況をそれぞれの目で見て、原因が分からないような場合は議論をする。
というような目視評価ならではの「特長」により、なぜこの部分でコンクリート表面の「すりへり」が激しいのか、など、現象の理解が深まっていったように思います。
もちろん、私はコンクリートの専門家なので、私がレクチャーする場面も多かったですが、点検業務をいろいろと経験しているコンサルタントの監理技術者と議論することで、私も初めて理解できたり、理解が深まったり、ということがいくつもありました。
横浜市の配水池は30個程度です。管理する横浜市の職員が、それぞれの配水池の劣化の状況や劣化のメカニズムを、アウトソーシングではなく、自分たちの五感で感じ取ることが重要と思います。
今回の共同研究は、私の研究グループはもちろんいろいろと勉強させてもらっていますが、横浜市の職員やコンサルタントの方々にもよい勉強の場になっているのではないかと期待しています。
最終的にどのような維持管理システムが出来上がるのか、まだ分かりませんが、良いものに仕上がっていくよう、私も当事者として、エンジニアとして、貢献できればと思います。
10月に入り、私の大学の秋学期が始まりました。私は、秋学期の授業が多く、各講義の第1回目がすでに始まりましたが、私自身もやりがいを感じています。オンライン授業がほとんど、という状況は普通ではなく、いくらオンラインが便利とは言え、普通でない状況はいずれ人間社会をダメにするとほぼ確信しています。なるべく早く対面授業が支配的になることを願いつつ、今のオンラインの環境ででき得ることをやり切るのがミッションと思っています。
この異常な状況は、自分を見つめ直す機会にもなるのですが、1日、1週間、1ヶ月、1年、といった時間の区切りは、人間にとって適切で、ありがたい長さであるように思うし、おそらく人間の普通の一生も、適切で、ありがたい長さなのだろうと、今のところ思っています。
一生、については実際に終わるときでないと満足なのか後悔するのか、分かりませんが、現時点の私にとっては短すぎる、というものでは全くないため、悔いのない人生とすべく、自分なりに生きようと思います。
今日の日曜日は、6時半の起床以後、皿洗いや洗濯などの家事から積極的に動き始め、家族の朝食・昼食の準備、体操、入浴等を行い、活動的な一日の伏線を貼りました。そして、9時半ごろから、遅れている予算申請書の作成を、追い込まれたからこその、自分のベストのモチベーションで書きました。。。もっと早くやれば?、という話ですが、今の自分にふさわしい申請区分、申請テーマで結構悩んだので、今に至っております。無駄に飾るのはやめよう、という境地です。。。
無駄に飾るのをやめる、という意味では、
元々、肌が弱いのもあり、2019年の8月頭に白髪染めを止めました。若いころから白髪が結構あったのですが、年相応でよいかな、と。白髪染めをやめたことで、もちろん見た目には老けて見えるのでしょうけど、いろいろと無駄な行為も無くなりましたし、つまらないこだわりを一つ二つ捨てられたような気がして、自分としては心地よいです。
それから、過剰に卑下する必要はないとは思いますが、どうせ大した能力があるわけでもないので、他人と比較するのではなく、自分にでき得ることを一所懸命やろう、とより強く思うようにもなってきています。ただ、やるからには、自分の得意なことを中途半端ではなく徹底的にやって、結果的に誰もかなわないようなレベルに自分らしく到達できれば、それが社会への貢献に自然につながるのであろう、と思っています。
今年度、コロナに翻弄される大変な社会状況ですが、
コンクリート構造物の品質・耐久性確保(ひび割れ抑制)、の研究については、新たな展開に入っています。
国土交通省の技術調査課が音頭を取っている、全国の地方整備局等での品質確保の試行工事は2017年度から始まっていましたが、私たち土木学会の350委員会のメンバーが、これらの試行工事のバックアップや技術的指導に深く関与してきた、とはとても言えない状況でした。
しかし、2020年度は、年度当初から技術調査課と我々がコミュニケーションを開始し、上手に連携できるように模索を行っています。
その一連で、以前から存在した、品質・耐久性確保チャンネルを大幅に改善し、試行工事に関わる様々な方々に活用していただけるようにすることといたしました。このチャンネルの特長や活用法がすぐに分かる短い動画も作成し、チャンネルにも掲載しましたので、いろいろとご活用いただければと願っております。
実際に試行工事が始まると、私や私の仲間たちが、どれくらい現場と連携していけるか、未知数ではありますが、チャレンジしたいと思います。
私自身は、10月に入って、秋学期の講義も始まり、明らかに身が引き締まる思いで満たされています。私の場合、春学期は講義が少なく、オンライン講義のテクニックは適度に身に付いた程度でしたが、秋学期は講義が多く、相当な聴講者数の土木史も今日から始まります。昨日に2つ、大学院の英語での講義と、学部3年のメインテナンス工学が開講しましたが、いろいろと考えた挙句、録画ではなく、リアルタイムでの講義手法を選択しました。明らかに教師側の緊張感が違いますし、学生との対話も可能です。昨日は、どちらの講義も私はとても楽しんでできました。今日の10時半から、いよいよ土木史の開講です。壊れゆく我が国の問題の根幹を知ってもらい、どうすれば改善していけるのか、私たち自身はどう振舞っていくべきなのか、全員に真剣に考えてもらえるように努めます。リアルタイムの講義を録画しますので、一般の方々にも見ていただいてもよいかもしれませんね。。。(授業料払わないとダメか。。。)