細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

正しいこと

2018-03-26 13:00:55 | 人生論

3月23日(金)は卒業式、修了式、でした。私は学部の教務委員(もう通算で5年目かな、と思います。教育の現場の最前線で好きな職務ではありますが、最後のおつとめかな)なので、学部4年生の卒業式の切り盛りが担当でした。皆さん立派に卒業されて、教育環境に関わった一員としてもとても誇らしく、うれしく、晴れやかに思います。

その後、卒業生、修了生らが催してくれた恒例の謝恩会も楽しく、その後、これまた恒例の研究室の送別会へと続きました。

送別会では、ご退任される椿先生が主役の一人で、最後はとても良い時間だったと思います。長らくの研究・教育活動、お疲れ様でした。この後はしっかりと我々が研究室の活動を引き継いでいきたいと思います。

送別会での私のスピーチは以下のようなものでした。

「これまで皆さんに私が伝えてきたこと、私が背中で見せてきたこと、はもちろん本質的なことです。

本質的なことであれば、ごく簡潔に説明することもできるし、一方で深く多面的に説明することも可能です。

ここでは、簡潔に説明してみます。

二つのこと、に集約されるかと思います。一つは、良い環境を整備すること。もう一つは、その環境の中で正しいことをやり続けること。

私の日々やっていること、研究室のメンバーにも伝えていることは、この二つに集約できます。

簡単なこと、のように思うかもしれませんが、

良い環境を整備する。できるもんならやってみなさい。言うは易しですが。これから社会に羽ばたいていくと、様々な組織に属すると思いますが、ぜひ、人が育つ良い環境を整備することにあなた方も貢献してほしい。

もう一つの、正しいことをやり続けるについても、正しいことって何?世の中の様々な規範やモラルも崩壊しつつある中で、誰も正しいことを言わない、言えないような世の中になってしまった中で、正しいことって何なのか。ここでみんなの前で、これが正しいことです、って言えますか?私はここで、皆さんに対しても、滔々と正しいことを語ることができる。そのために勉強しているし、努力もしている。

改めて、当たり前のことを当たり前のようにやり続けるようにしたいですね。

これからの激動の時代に、あなた方の活躍は不可欠です。大いに研鑽し、大いにご活躍されることを祈念しています。」

今年度も、研究活動から大いに学ばせていただきました。真実を探求する、というプロセスは、ブレてしまいがちな自分自身を正しい方向に導き戻してくれる作用ももつ、とても大事なものであることを年々感じるようになってきています。

来年度も、適切にテーマを設定して、学生たちと格闘したいと思います。


新しいこと

2018-03-23 12:10:19 | 人生論

2017年度は、自分にとっては少しだけ不思議な1年間でしたが、まだ一週間残っていますので、その期間もしっかりと過ごしてから2017年度の総括をブログにもまとめておきたいと思います。

自分自身は常に変化します。成長する面もあるだろうし、老いて劣化する面もあるだろうし、とにかくエントロピー増大の法則という厳しい自然原理の中で、最後は死んで生命体としての営みも終わるわけですが、常に変化しながら生きています。

ちょっとしたことでよいので、新しいチャレンジを重ねていくことが大事だな、と思います。

2017年度は、勉強・教養という観点でも、新しい軸も取り入れることができ、今後の勉強の幅も広がったように思います。エネルギー、資源、電力という切り口がその一つ。「表現者 クライテリオン」の創刊、もとても大事な勉強の題材になりました。

4月28日には、トライアスロン教室(入門編)に参加。実際の大会に参加するのはいつになるか分かりませんが、小さなチャレンジを開始しました。

5月20日には、大槌のヒルクライムにエントリーしました。この手のロードバイクの大会には初参加です。23歳のときにホノルルマラソンを完走して以来、です。

本業の研究、教育においても、大きなチャレンジも、小さな改善も、いろいろと取り組んでみたいことがあり、新年度に向けて期待が自身の中で高まっています。


2018年度へ向けて

2018-03-21 08:30:15 | 研究のこと

2月末までの最繁忙期は脱出し、3月は出張も少なくないのですが、楽しく過ごしています。

これまでの種まきがいろいろと実り始め、2018年度はまたグイっと力強く前進する必要がありそうです。品質・耐久性確保の取組みも、国土交通省の技術研究開発プロジェクトに採択されましたので、私は研究代表者としてしっかりとマネジメント、研究したいと思います。早速、5月1~2日に横浜国大で盛大なキックオフ会議を開くことになり、今から楽しみです。

昨日は、研究室に集まったメンバーで大掃除。1年前に部屋の大々的な模様替えを実行しましたが、またまた大規模な模様替えとそれに合わせた徹底的な廃棄と清掃です。ものすごい数の書類・本を昨日も捨てました。すっきり。

研究室のメンバーの数も増える一方で、ミーティングルームを確保しようとすると、学生たちの机も入りきらないので、学生個人が一つの机を有するシステムを見直そう、という話になり、早速実践。ある部屋は、個人の机なしで長机を皆でシェアし、どこに座ってもよい、ということにしてみました。その方が、部屋もきれいになるかもしれません。

教員は2017年度は相部屋。2018年度もその方針で行くつもりで、全教員が相部屋。前川先生は相部屋の隣のつながった部屋に個室も準備。私は相部屋のみ。昨年度、個室から相部屋に移動する前は若干の抵抗感もあったのですが、もはや相部屋の方が楽ちんです。無駄な書類はたまらないし、相部屋なので定期的に清掃もされるし、秘書さんやらスタッフも身近にいるので会話も楽。

ものごとすべて一長一短あるので、あまりに相部屋が楽で便利になると、その部屋から出なくなってしまいます。というわけで、少し離れた305室(私の以前の個室)を研究室のミーティングルームに変更し、廊下もうろうろするようにしました。

4月からはまた新しいメンバーも迎えて、スタッフ側も前川・細田・小松の体制で新スタートを切ります。

私も新しい研究テーマも立ち上がるし、これまでの研究テーマを深度化させるべきものも多いし、勉強したいことも山ほどあり、楽しみです。

場合によっては、この4月で私が研究室のトップ(年齢的に)になるケースもあったかと思いますが、結果的に前川先生と一緒に研究室を運営できることになりました。トップになってろくなことはない、堕落する環境になる、と私は思っており、私にとってもありがたい環境だと思います。身近に全くスタイルの異なる世界トップレベルの研究、研究活動を見れるというのは非常に大きな刺激です。もちろん、私も自分自身のスタイルで誰にも真似のできないような研究をするつもりです。

誠実に種をまいてきたことが少しずつ実ってきたということだと思いますが、成果を刈り取るのはもちろんですが、これからに向かってさらにいろいろな種をまいていくことを常に念頭に置いておきたいと改めて思います。


花粉症

2018-03-06 09:15:17 | 人生論

最繁忙期の2月がいつの間にか終わりました。2月の末ごろから花粉症が非常にきつくなり、私の症状は重篤な風邪とそっくり(咳もひどい、声もガラガラ)なので、重要なプレゼンのために薬の種類を増やしたりして、何とかしのいだ感じです。

2月末までに終えなくてはならない仕事をいくつか3月にいくつか持ち越してしまいましたが、少し遅れますが確実に対応していきたいと思います。

学生たちの修論や卒論も終わりました。以前は学生と二人三脚的な面もありましたが、最近は博士論文は別として、修論、卒論は私はでき得るサポートをする、という立場にある意味徹しているので、成果についてはそれぞれの学生が自分の人生の中で評価、咀嚼していってもらえればと思います。成果はテーマ設定や指導教員の能力にも依存するので、学生が自分で評価、咀嚼するに足る努力をできたかどうかがポイントかと思います。

私自身について言えば、激動が続いてきたここ7~8年においては、比較的静穏と言える一年だったようにも思います。一つ一つ振り返ればアクティブにやったとも思いますが、また今後のステップアップに向けて充電も必要であり、いくつかの観点で充電、重要なテコ入れも結果的にできたようにも思います。いつものことですが、アップダウンがあって当然で、ダウンに見えるときにしか得られないインプット、発見も少なくなく、長期的に見ればそちらの方が重要だったりします。

4月からは長らく横浜国大土木を支えてこられた椿先生もおられない環境で新たにコンクリート研がスタートします。

私自身の負荷も2018年度は、少なくとも2017年度に比べると確実に大きくなると想定しています。その後もしばらくは、仕事の負荷は増えることはあれ、減ることはないと思いますので、まあそういうお年頃だと認識してポジティブに行くつもりです。

今月は、これから3月末までに3回、東北出張。

3/6~8:土木工学教室の東北復興の見学会の引率(陸前高田~相馬)
3/15~16:八戸、久慈(三陸沿岸道路の建設視察、品質・耐久性確保の講習会等)
3/27:小佐野高架橋の高耐久床版の打込み

2018年度は、今年度に種をまいてきた全国の品質・耐久性確保を力強く推進していく展開になろうかと思います。そのための、委員会設立の申請や、予算申請等を行ってきました。採択されようとされまいと前進していきますが、された場合は強い責任感を持って臨む所存です。