細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

鞆中学校での防災授業

2013-09-30 07:36:47 | 研究のこと

私は、学校での防災授業を、特別の思い入れを持って行なっています。

9/27(金)には、広島県福山市の鞆の浦の鞆中学校にて、初めての防災授業を実施しました。今年度、鞆の浦の研究を行っている学部4年の渡辺君と連携しての授業でした。同じく防災の研究に関わっている伊藤さんも強力にバックアップしてくれました。

私のやっている防災授業には、それこそ私のすべてが詰まっていると思っています。時間は短いですが、私がこれまでに経験してきたこと、一番大切に思っていることなどを凝縮して、生徒たちに全力で伝えることをモットーにしています。

防災授業の内容の根底には、私が2年前に始めた「土木史と技術者倫理」の授業で蓄積してきた情報、フィロソフィーがあります。この授業も、私が最も力を入れて行っている大学の授業です。

また、私が人、日本を心から愛する人間であることも、防災授業を聞いていただければすぐに分かると思います。

そして、この防災の授業をすることだけが目的とは決して思っていません。ここからどう実践につなげるか。防災と一言で言っても非常に多面的な要素があり、真の実践をするとなるとかなり難しいのですが、そこを難しく考えない。

難しく考えるからできない。

私の得意な「実践」です。困難であればあるほど、モデルを単純化して、実践につなげます。

防災の研究ほど、私の実践力が試される研究もないといってもよいかと思います。

今日は、フランス出発の前日で、複数の研究打ち合わせを行いますが、防災の研究についても、私の現在思っている「実践」のアイディアをたくさん、担当の学生に伝えます。

 


終わった・・・

2013-09-28 11:57:03 | 職場のこと

昨日、9/27(金)に、鞆の浦の鞆中学校での防災授業が終わりました。この防災授業のことについては、次の記事で書きます。

終わりました。鬼門であった2013年度の前半戦がついに終了しました。

2013年度は、研究室のスタッフの体制も大きく変化し、つまりスタッフが一名減り、かつ私は2倍の量の講義もこなす、という不安で一杯の船出でしたが、何とかかんとか終わりました。

結果は、何事も無かったかのように突き進み、それどころか、昨年までよりもさらに激しく活動したように思います。復興道路等の品質確保や、防災の研究などの露出度も上がり、研究の推進と情報発信のバランスも向上してきたように感じました。

例年の夏休みとはかなり異なる過ごし方をしましたが、とりあえず追い立てられる状況に区切りが付きました。

暇になるわけではなく、10/1の渡航まではバタバタが続くとは思いますが、注目度の高い大きな仕事は片付きました。

いよいよ、フランスでの生活に頭と心を切り替えます。実は、なかなか手を抜けない性格なので、 ゆっくり休む、ということができるか分かりませんが、渡航後、まずは頭を空っぽにしてみたいと思います。本当に本当にやりたい、と心の底から思うことを、優先順位を付けて片っ端からやっていきたいと思います。論文執筆、読書、勉強、歴史的構造物の見学、研究、フランス語の勉強、・・・・。

先のことは不安に思う必要はないです。どうなることか、と少しは不安に思っていた4月からの半年も、ほぼ最良の形で終わることができたのではないかと思います。どんな条件になろうとも、それなりに事前に想定して、ベストを尽くせば大丈夫。

私が不在の間の研究室のマネジメントや、私自身のフランスでの生活にも、不安が無いと言えばうそになりますが、余計なことは考えず、10年に一度くらいの機会ですから、存分に楽しみたいと思います。 


データベース委員会シンポでの講演

2013-09-28 10:33:38 | 研究のこと

9/10(火)に開催された、JCIのデータベース委員会のシンポジウムでの講演も、You Tubeで発信することにしました。

田村隆弘委員長(徳山高専教授)による、山口県のひび割れ抑制システムについての講演と、

岩城一郎先生(日本大学教授)と細田による、東北の復興道路の品質確保についての講演を、とりあえずアップロードしました。

今は、コンテンツを個々に作成している段階ですが、研究室のホームページの改良作業に着手する予定で、改良されたHPでこれらのコンテンツも集約したいと思います。
品質確保に関する種々の研究活動・論文等や、防災に関する研究の情報発信もいたします。乞うご期待! 


防災シンポジウム(You Tube発信 No.2)

2013-09-26 00:30:09 | 研究のこと

まだまだ研究室からの情報発信レベルアップの模索段階ですので、動きがゆっくりですが、

9/7(土)に東京都慰霊堂で実施しました防災シンポジウムでの、細田と赤間君の講演をYou Tubeで公開しました。ご興味があればご覧ください。

細田 暁 (「鉄道のコンクリート構造物の耐震補強とその効果」,「あまりにも重要な防災教育」)

赤間 遼太 (「鞆の人とまちを護る」) 

ご参考までに、以下、以前に公開しました、藤井先生のご講演です。

藤井 聡 先生 


役割

2013-09-25 20:28:39 | 人生論

人間とは,常に何らかの役割を演じて生きています。

20日の夜に成田を出発し,数日間パリで過ごして,昨夜,日本に戻ってきました。

私の家族はパリで新生活を始めています。私が最後発ですが,現地では当然に私の役割があり,それはこれまでの日本での私の役割とはかなり異なるものになりそうです。

すべてに制約条件があり,その中でベストを尽くすしかない。

日本でのこれまでの私の生活も,ごく一般の大学教員とは結構異なるものだったと思います。大学で夜遅くまで残って仕事することはほぼ皆無。可能な範囲で子供たちのお迎えや放課後のお世話をし,家族との時間を作るようにする。10年の横浜国大での生活での終盤は,かなり家族に割ける時間も減ってきてはいましたが,基本的には共働きの夫婦で必死に家族を運営してきながら、研究者・教育者としての仕事を遂行してきたと思っています。

これからのパリでの生活はまだ未知数なところもありますが,当面は,日本でよりももっと家族のケアが必要になりそうです。落ち着いたら種々の方策を講じるとは思いますが,家族の生活が落ち着くまでは,なるべくサポート役に回ろうと,今回パリを訪問して思いました。

当然に,私自身の時間は削られます。3月にカイロ,デルフト,パリに出張したときよりも圧倒的に自分自身の時間は少なく,結果,思考する時間も非常に限られていました。

それでも,その制約条件の中で,自分自身の役割を果たしながら,ベストを尽くすのがあるべき姿でしょう。

物事には一長一短があります。

家族とパリに滞在することは,自分自身の時間を確保するという意味ではマイナスかもしれないけれど,独りで悩む時間は減り,日本でのある意味で殺人的なスケジュールから解放され,人間らしい時間をゆっくりと味わうには明らかにプラスでしょう。また,自分自身の時間が限られるために,確保できる自分自身の時間を徹底的に充実させようと努力するでしょう。

子どもたちのお迎え,その後のお世話をするときには,夜中に起床して仕事をこなし,夕方以降はゆったりと子供たちと過ごす,というスタイルを思い描いています。

要は,制約条件があることが人生において当たり前で,その中でどうベストを尽くすか,それが人生というものでしょう。 


新生活

2013-09-18 17:39:02 | 人生論

家族は、パリに渡航して1週間が経過しました。娘たちは二人とも、それぞれの新しい環境がスタートしたようで、学校へ元気に通い始めたそうです。さすがに子供たちはたくましいです。

私はいまだに日本に残って残務処理や、新生活へ向けた準備を行ったりしていますが、着実に新生活に近づいていることを感じます。16日に高松で一日過ごしましたが、あの日が一つの区切りであったように思います。

フランスに行ったら、今は想像も付かないような新しい出会いや、やりたいことがいろいろと出てくるとは思います。今の私が、このような貴重な機会を無駄に過ごすとは思えないので、家族との時間も大切にしつつ、いろんなことを感じ、考え、実行するのだと思います。

仮に現地に行って何も新たな出会いや発見が無かったとしても、滞在期間中にやりたいことはすでに無数にあり、持っていきたい書物などだけでかなりの量になっています。先ほど、私が筆頭著者で書きたい和英の論文をリストアップしてみましたが、すぐに10編を超えました。これらが形になるだけでも、私にとっては大事な1年になります。

スピード・ラーニングでのフランス語の勉強も順調に進んでおり、いくつかのフレーズが口から出るようにもなってきました。結構な時間、聞いていると思いますが、最終的にどのようなレベルにまで到達できるのか、自分でも楽しみです。非常に合理的な語学習得法であると感じます。英語版はやったことはありませんが、英語の苦手な方は試してみるとよいかと思います。何事も同じですが、素直な人が伸びます。

20日(金)に一度パリに行きます。現地での生活に必要なものをいくつか持って差し入れです。昨日、高機能の炊飯器も購入しました。炊飯器も持参です。

16日(月)に台風の影響もあり、高松で一日過ごしました。林さんのお宅で夕食もいただき、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

17日(火)、18日(水)と比較的隙間のあるスケジュールでしたが、留学生たちとの研究打ち合わせが多く、今日18日はナイジェリアの留学生の研究のため、横浜市の下水道の技術者たちにヒアリングに一緒に行き、非常に勉強になりました。私のオフィスの片づけもかなり進みました。

明日の19日(木)からまた忙しい生活に戻ります。20日(金)は早朝から、保土ヶ谷区の星川の現場で、東北の復興道路の品質確保を想定した、施工状況把握チェックシートを用いた施工状況把握を、4名の大学・高専の研究者とともに実施します。細田式の現場研修です。その夜、パリへ出発です。

来週もいろいろと詰まっていますが、27日(金)に鞆の浦の鞆中学校で防災授業を実施して、メインイベントが終了します。

10月1日に、本格滞在のためにパリへ出発した後、真の新生活が始まりますが、相当な解放感が待ち受けていると思われます。なかなか味わえない気分だと思うので、楽しみにしておきます。


 


自分の言葉で語ること

2013-09-16 10:57:53 | 職場のこと

今、高松にいます。一人で、今夜宿泊するリーガホテルゼストの、遅い午前の誰もいないレストランでゆっくりしています。

本当は9:55発の羽田行きで帰り、大内先生と石田先生のご昇進祝賀会に参加し、スピーチも依頼されていたのですが、台風の影響で帰れなくなり、大変に残念です。

ですが、割り切って高松に泊まることにし、先ほど、香川高専の准教授になった林さんに、丹下健三さんの香川県庁を見させてもらいました。昭和33年の鉄筋コンクリート造ですが、感激しました。後で、香川県立ミュージアムで開催されている丹下健三の生誕100周年の展覧会に行ってこようと思っています。

二日前の14日から、研究室の夏合宿でした。我が研究室の夏合宿は非常にクオリティが高いことを自負していますが、今年で10年連続の10回目でした。
特に、6年前の4回目から、二泊三日のスタイルに変更し、日本全国どこにでも、行きたいところに行って濃密な時間を過ごす、という方針を貫いてきました。

6年前は黒部(2007)。その後、三陸海岸の橋梁群(2008)、青森ベイブリッジ+青函トンネル+函館(2009)、明石大橋+野島断層+Eディフェンス+琵琶湖疏水(2010)、東北の被災地(2011)、長崎+諫早湾干拓問題+雲仙普賢岳+原爆ドーム+長崎大学道守(2012)と来て、今年の2013年は鞆の浦と豊島でした。

鞆の浦では、私たちの研究室の4年生の渡辺君と伊藤さんが肝試し大会で大活躍。チョウサイという鞆の浦の秋祭りと一体になって、明円寺というお寺の強力なバックアップも得て、なんとお寺+墓地での肝試し。報告は後日しますが、500人くらいのお客さんが入ったようです。長蛇の列。18:45に開始して、最後のお客が入ったのは4時間以上後でした。ものすごい盛り上がりで、町外からもたくさんの子供や中高生も来ていました。そのイベントの代表者が横浜国大のコンクリート研究室の学生です。すごい展開になっています。私も最後にお客として入りましたが、非常に秀逸で、夏合宿として鞆の浦に初めて訪れた学生たちも、臨時のお化けや受付、誘導係などで大活躍し、一体感のある素晴らしい一日でした。

翌日、15日は豊島へ。貸切バスで鞆の浦を出発し、瀬戸大橋を見れる与島PAに立ち寄り、倉敷の景観地区での自由時間も堪能し、宇野港から豊島へ渡りました。

豊島は4年半ぶりに訪れました。前回は、土木の教室見学会の引率で来ました。そのときは、住民会議の議長さんの砂川三男さんのご説明を涙なしには聞くことができませんでした。

今回は、たまたまですが、香川大学の法学部のゼミの先生+学生さんたちと一緒の見学になりましたが、何と、説明をしてくださったのは、まさに豊島の経緯をすべて知り尽くした石井亨さんでした。香川の県議にも選出された、豊島問題の超キーパーソンのお一人です。そのご説明には圧倒され、深い深い経緯も短時間でご説明いただき、前回の豊島訪問とは別の衝撃を受けました。

そして、石井さんが我々の見学会の最後にお話しされたことは、問題解決の一番のキーとも言えたのは、県に裏切られ、県民にも裏切られた豊島住民が、結局は自分たちで勉強し、自分たちの言葉で語れるようになり、県でのシンポジウムを130回以上も開催し、思いを伝えていったことにある、ということです。

自分の言葉で語る。

重いです。

4年半前はこの問題をどこか他人事で捉えていました。今は違います。私もいろいろな現場で闘っています。そして私も自分の言葉で語り始めています。山口のシステムを私が自分の言葉で語るから、東北の復興道路の品質確保も動かすことができる。鞆の浦だって、我々は中途半端にやるつもりはありません。徹底的にやります。自分たちの言葉で鞆の浦を語れるようになるまで、徹底的にやります。

そして、小豆島に移動しての二日目の懇親会。ここが一番大事です。

私が夏合宿の段階で研究室の雰囲気に満足することはほとんどありません。今年も例外ではなく、むしろ今年はかなり不満を感じています。

これだけのことを見て(鞆の浦、豊島)、なぜ感じない。感じているのかもしれないけれど、それをどうして語り合おうとしない。バカ話をするのもいいけれど、それは本当に心の底からの声なのか。

二日目の一次会では、スピーチをすることが伝統になっています。その伝統が伝わっていなかったので、私が合宿の幹事に依頼して、スピーチの時間を取るようにしてもらいました。もちろん、最初は修士2年(今年は男子7名)にスタートしてもらうようにしました。誰が最初にやるか押し付けあっている。

私は言いました。夏合宿の意義と伝統と、我々がこれまで込めてきた思いと、この夕食会、二次会の意義を。そして、お前らが最初にやりたくないなら、俺が最初にスピーチする、と。

私はこの合宿で非常に多くのことを感じていました。研究室の学生たちと長く過ごす時間が取れなくなってきている私にとって、丸二日間も一緒に過ごす機会はとても貴重です。彼らの良いところも、問題点もよく見えます。そして、私がこの研究室に感じていること、どのようになってほしいか、ということを話しました。9/7(土)の防災シンポジウムに来てくれた、ある横浜国大OGから私に届いた御礼のメールを口頭で紹介もしました。実は、その東京都職員であるOGは、今年の研究室の修士2年の男子たちと同級生なのです。

非常に高い意識で、自分の意識を変えるために、防災シンポジウムに来てくれたその女性のメールは、私も感激しましたし、研究室のメンバーにも刺激になったと思います。なんと彼女は、我が研究室の卒業生ではないのです。

本当に君たちが、研究室の環境を生かしているのか、本当に心の底からの言葉を語っているのか、問いかけました。そうでない現状の研究室に、私は一切の刺激を感じないし、魅力も感じない。私には外にいくらでも同志がいるし、その人たちとのあまりにも充実した時間で私は成長していっている。

10年間が経過し、私も自分自身を見直す時期に明らかに来ています。海外渡航はちょうどよい機会です。

でも、やっぱり私の本拠地は研究室であり、そのかけがえのない時間をともに過ごしている仲間たちとの時間を、もっともっと大切にしたいし、してほしい。もっともっと本音で、本当に大切だと思うことを語り合ってほしい。二次会はぜひそのような場であってほしい。

二次会はとても良い時間になったと思います。広い広い和室に皆が二つの輪を作って語り合い、一次会での修士2年の素晴らしいスピーチに続いて、下級生たちも二次会でスピーチをしました。最後の女子学生二人は泣きながらのスピーチでした。最後のスピーチは合宿幹事でもある山崎さんでした。頑張り屋さんですから、思いが溢れたのでしょう。

そして、それらすべてを受けて、ゲスト参加の林さんが一次会でもスピーチはしたのですが、最後のスピーチと締めをしました。

林さんも忙しい中、いろんなことを勘案して、研究室の夏合宿の二日目(豊島)から参加してくれました。

彼も、目的の一つは自分のホームに戻って刺激を受けること、と話していました。

結果、素晴らしい二日目の夜になったと思います。皆が自分の言葉で、本当に思っていることを語っていた。

ここから、全てがスタートします。本当に大切に思うことに対する本音を、ぶつけ合うことからしか、始まりません。

今年の研究室はどうなるでしょうか。楽しみです。


シンポジウム、講演ラッシュ終了

2013-09-14 09:52:25 | 研究のこと

いわゆる大学の夏休み期間(8月上旬~9月)の過ごし方は、毎年異なるのですが、今年は休みがありません。過去には10泊くらいの国内旅行、海外旅行に行った、「暇な」ときもありましたし、海外出張をたくさん入れ込んだ年もありました。今年は、10月からの海外渡航のこともあるので、お盆休みも無しで、とにかくいろんな仕事をこなしています。

8月末から昨日まで、シンポジウムや講演が続き、まさにラッシュでした。一段落してほっとしています。準備の時間も十分には取れない状況で、ベストは尽くせたと思います。以下、記録・記憶のため、私自身が話したものではないものも含みますが、リストです。

・8月28日(水) 前川宏一先生2時間インタビュー。前川先生のお話があまりに濃厚で、しかも最後は涙がこぼれてしまいました。
・8月29日(木) 横浜市の夜間研修第2回目にて2時間 (「調査、点検、診断」)
・8月30日(金) 石川県能登でのセメント若手の会にて1時間 (「コンクリート構造物の品質確保のためのマネジメント」) 夜のグループディスカッションの司会進行も務めました。
・8月31日(土) コンクリートカヌー大会。惜しくも準決勝で敗退。学生のみなさん、ご苦労様。
・9月3日(火)  東北地方整備局の橋梁担当者会議にて、1.5時間 (「復興道路の品質確保のための目視評価と施工状況把握チェックシート」)
・9月4日(水)  橋梁担当者会議の現場研修。目視評価のフィロソフィーと実践。
・9月5日(木)  宮古市田老の田老トンネルの建設現場事務所にて、復興道路の品質確保(橋梁、トンネル)についての概要説明。
・9月7日(土)  東京都慰霊堂にて、防災シンポジウム、2.5時間。私は、鉄道構造物の耐震補強と、防災教育について話題提供。
・9月9日(月)  横浜市の夜間研修第3回目にて2時間 (「補修・補強」)
・9月10日(火) JCIデータベース委員会(幹事長)の報告会・シンポジウム。懇親会+二次会+三次会。
・9月12日(木) 熱血ドボ研の定例会にて25分ほど話題提供。懇親会+二次会。
・9月13日(金) 横浜国立大学GMIシンポジウムにて、2時間 (復興道路の品質確保、高エーライトセメントによるコンクリート構造物の高耐久化、防災教育、津波による橋梁の被害)

 これで怒涛のようなシンポジウム、講演ラッシュが終わり、今日は鞆の浦に向かっています。

2泊3日で研究室の夏合宿。今夜は鞆の浦に泊まりますが、夜には第二回目となった大肝試し大会です。私と一緒に防災の研究をしている学部4年の渡辺君、伊藤さんがこの肝試し大会で大活躍しているようなので、期待しています。研究室のメンバーも初めて鞆の浦を訪れると思うので、いろいろ感じて楽しんでもらえればと思います。

夏合宿の二日目は、香川県の豊島を訪れます。私は、4年半ぶりに豊島を訪れます。宿泊は小豆島。

さすがに、今回のシンポジウム、講演ラッシュでは、たくさん話しました。参加していただいた方には感謝申し上げます。複数の機会で応援に駆け付けていただいた方々もたくさんおり、多くの方々に支えられて活動していることを実感しました。体がとても疲れているときもありましたが、話し出すと全く関係なく、熱く話している自分がいることが何度かありました。本当に伝えることが好きなんだな、と感じます。

10月からは、日本にいるときよりも圧倒的に自分の時間が取れるはずです。その時間で、今度はこれまでの活動を、文章やHPなどで発信していくためのコンテンツ作りに精を出したいと思います。日本語、英語での論文、解説文、場合によっては本の原稿も書きたいと思っています。研究室のHPからも、もっともっと魅力的な情報を発信すべきで、その作業もやります。

そして、全部を吐き出して、まっさらな気持ちで新たな一歩を踏み出したいと思っています。 


9/7防災シンポジウム@東京都慰霊堂の藤井聡先生のご講演

2013-09-13 08:52:10 | 研究のこと

「迫りくる大地震 日本をどう守るか」というタイトルで実施いたしました、東京都慰霊堂での防災シンポジウムの内容のうち、藤井聡先生のご講演を、You Tubeから動画発信しました。

大学の研究者、教育者として、社会に貢献するための情報発信にはいろいろなやり方があると思いますが、講演を動画で発信するという媒体も積極的に活用していきたいと思います。

近いうちに、同じ防災シンポジウムでの私の講演も発信します。

また、9/10に行ったJCIデータベース委員会での秀逸な講演についても、動画発信を試みます。

研究室のHPに、防災の研究や、構造物の品質確保(マネジメント)の研究などの情報を集約するサイトを構築し、動画はそこからも見れるように整備していきたいと思います。これも、フランスにいる間の仕事の一つ。

 


データベース委員会

2013-09-11 22:56:56 | 研究のこと

昨日、9/10にJCIのデータベース委員会の報告会+シンポジウムが盛大に、無事に終了しました。

私が幹事長を務めた二つ目のJCIの研究委員会でしたが、非常に思い入れの強い、本当にやりたいことをやれた、楽しい委員会でした。 報告会もありきたりの報告会にはしたくなかったので、私なりに工夫は凝らしたつもりでしたが、非常に濃密な情報が終日発信される素晴らしい内容であったと思います。そのような感想を非常に多くの方々からいただきました。

山口県のひび割れ抑制システムにほれ込んだ方々が集まり、フィロソフィーを語り合い、ぶつけ合い、ベクトルを共有しながら発展的に展開していった創造的な委員会でした。

品質確保も複数の自治体・事業者に展開し始めただけでなく、東北の復興道路の品質確保にまで大きく展開してきたこともこの委員会の成果と言ってよいと思います。

各自治体等での維持管理の先駆的な取組みの好例をしっかりと勉強できたことも、今後につながる活動でした。

懇親会、二次会、三次会と夜も大変な盛り上がりでしたが、何だか終わった気がしません。幹事長として閉会の挨拶でも申し上げましたが、これからまだまだチャレンジが続く取組みが多く、ようやく本当のスタートラインに立った気分です。

明日も、熱血ドボ研の定例会+懇親会(壮行会No.2)ですが、爆発的なエネルギーが生まれることでしょう。

以下、今朝、データベース委員会の皆様にお伝えした御礼のメールです。

+++++++++++++

皆様

おはようございます。昨日は一日、ありがとうございました。

報告会+シンポジウムの後も、懇親会、二次会、三次会と濃密な時間を過ごさせていただきました。

閉会の挨拶でも申し上げたことの続きですが、非常にチャレンジングな時代に、しかも東京オリンピックも開催される時代に、大好きな方々と思いを一つにしてチャレンジしていけることに心からの幸せを感じます。

この委員会は、人財を育てることにも大きく貢献した委員会だと思いますが、私自身も皆様とのご縁で、この2年間に大きく成長できたことを実感しています。今後も我が国のために精進を重ねますが、我々に続く世代をもっと大きく育てる責務も感じ始めています。

昨夜は、フランスに出発してしまった家族のいない空っぽの家に帰宅し、私も新たなステージに差し掛かろうとしていることを実感しています。

朝、通勤時に「ハナミズキ」を聴きながら、「君と好きな人が100年続きますように」というフレーズに、皆様やいろいろな方とのご縁が思い浮かび、涙がこぼれました。

素晴らしいご縁ですが、100年続くことはありません。皆、命に限りがあります。限りがあることを肝に銘じて、これまで以上に、皆様との日々を充実させていきたいと改めて強く思いました。

これからは、ますます我々に求められる役割は大きくなると思います。先のことは全く予見できませんが、皆様との大きなチャレンジが待っていることは確実だと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

楽しい研究委員会、ありがとうございました。
 

細田 暁


壮行会No.1

2013-09-09 17:44:06 | 職場のこと

9/6(金)の夜は、教室の先生方に壮行会を開いていただきました。何と、主役であるはずの私が30分時間を勘違いして遅刻する、という大失態でしたが、二次会まで楽しい時間をご一緒させていただき幸せでした。

同じ組織に10年間もいる、ということは人生で初ですが、送り出したり迎え入れたりばかりでしたが、よい区切りになりそうです。スピーチでは、どのような気持ちで私がフランスへ出発しようとしているか、正直な気持ちを真面目にお伝えしました。

これから10月1日の出発までに、数回、壮行会のようなものを各所で開いていただくことになりそうですが、少しずつ少しずつ、渡航後のことも考えられるようになってきました。家族は先行して私より先に、いよいよ明日、渡航です。

9月に入ってからは全く息付く暇の無いスケジュールで、教務関係の本務も何とか今日、片が付きました。
9/10(火)データベース委員会のシンポジウム
9/12(木)熱血ドボ研の定例会+壮行会!
9/13(金)GMIシンポジウム@横浜国大

とイベントをイベントを立て続けにこなした後、9/14(土)からは研究室の夏合宿。今年は鞆の浦と豊島(香川県)がメインの訪問先です。

私は夏合宿の三日目の9/16の早朝に東京に戻り、大内先生と石田先生の教授昇任パーティーに出席です。

そこで一息。

さて、これから、横浜市の技術職員の夜間研修の三回目。無理にスケジュールに詰め込みましたが、今日で終了です。2時間お話ししますが、ご満足いただけるよう、ベストを尽くします。

 


円熟?

2013-09-06 09:05:01 | 研究のこと

9/3-4の仙台での研修が無事に終わりました。

9/3(火)は座学ですが、9/4(水)は復興道路の現場での実構造物を用いた目視評価の研修で、50名を超える方々を相手に取り仕切るわけですから、事前のシナリオもあるようでな無いような。おまけに雨もかなり降ってきましたので、結局上部構造物のある雨のかからない、供用されているすぐ隣の仙台塩釜道路の橋脚で研修を実施しました。

ある意味では百戦練磨ですので、50名以上の方々や、この研修を企画されている東北地方整備局の方々を満足させることはもちろんできます。笑いも多々交えながら、よい研修になったと思います。

研修終了の報告を、私の仲間、同志たちにしました。徳山の田村先生は、「宣教師として円熟してきた」と言ってくださりました。「冷静に将来のことも見据えている」とも評価していただきました。


確かに、9/3-4の研修は絶対に成功させるつもりでしたし、その自信も当然にあったし、それよりも、その研修の先に、本当に復興道路の品質確保を達成していくための光の筋を、皆様に共有していただくことが私のミッションでした。みんなが品質確保をできると思えば、できるのです。

研修の後も、宮古市の田老に移動して、田老トンネルの現場や、三陸国道事務所でも打ち合わせを行いました。そこでもたくさん話をしたり、短いプレゼンをしたりしましたが、田老トンネルでも覆工コンクリートの品質確保のチャレンジがポジティブにスタートするようにバックアップすることばかり考えていました。このプロジェクトも、復興道路のトンネル全体に影響を及ぼすくらいの可能性を秘めていると強く感じます。その私の思いも、しっかりと関係者に伝えておきました。

良い仕事ができる、という意味では円熟という表現はふさわしいのかもしれません。本人はまだまだ若いつもりですが、 40歳といえば完全なおっさんですので、多少は円熟しないと格好が悪いです。

周囲からすると多少の迫力は出てくるとは思うのですが、丸く収まることなく、やはり最前線の現場で飛び回り続ける技術者でありたいと思っています。 


防災シンポジウムのシナリオ (シンポジウムは参加申込み不要)

2013-09-04 13:16:51 | 研究のこと

以下,9/7(土)の防災シンポジウム@東京都慰霊堂,のパネリスト(藤井聡先生,岩城一郎先生,私の教え子の赤間遼太君)に少し前にお送りしたメールの内容です。皆様,ぜひぜひ防災シンポジウムにお越しください。

+++++++++++++++++++++
9/1~8に関東大震災の90周年を記念し、東京都慰霊堂にて首都防災ウィークが開催されますが、9/7(土)の東京都慰霊堂での防災シンポジウムも近づいてまいりました。今後につながる情報発信とパネルディスカッションも含めた有意義なディスカッションをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

以下、段取りをまとめておきます。

場所:東京都慰霊堂 (JRの最寄は総武線の両国駅)
時間:13:30開始、16:00終了

開始時間に少し余裕を持って、東京都慰霊堂に来ていただければ幸いです。

当初の予定より、30分ほど時間が短くなりました。以下、私の描いている作戦です。

シンポジウムのタイトルが、「迫りくる大地震、日本をどう守るか」です。

結論は明確で、行政も、道路や鉄道などの事業者も、我々個人も、我が国の置かれた状況をこれまでの歴史も踏まえて適切に認識し、できうることを実践するしかありません。みんなが当事者です。それを様々な情報で聴衆に伝えたいと思います。

第一プレゼン:岩城先生

インフラの老朽化に対して、財政、人財の制約条件も大きい中、福島県で住民と協働した非常に先駆的な維持管理の取組みをされています。平田村の道づくりもしかりです。明日来るかもしれない大地震に備えるのも重要ですが、30年後、50年後のことも考えておきたいです。一人一人の住民にできることは実はたくさんあります。その辺りを熱く伝えてください。

第二プレゼン:細田

・国民には知られていませんが、鉄道や道路の耐震補強は着実に進められてきています。それらの営々たる努力が無ければ、東日本大震災でどのような悲惨な状況になっていたか、国民は知るべきです。事業者も全力でNational Resilienceのために努力していることを、ごく短時間で伝えます。

・学校での防災教育は極めて重要。細田は、生徒たちの意識を覚醒させ、そしてそれを実践につなげる(地震の場合は家具固定)ための防災教育の研究を開始し、すでに防災授業を複数回実施している。その意義、波及効果、将来ビジョンを語ります。防災教育の研究の一環として、広島県福山市鞆の浦の防災力向上と地域活性化の研究を行っており、第三プレゼンで紹介しますが、その前フリをします。

第三プレゼン:赤間君

昨年度、細田と研究を行った、赤間君(非常に素晴らしい優秀な行動力のある学生でした)が行った、鞆の浦の地域活性化と防災力向上の研究を紹介します。災害に対して非常に脆弱な鞆の浦は、日本の本来の魅力が凝縮したような港町です。まさに、「迫りくる大地震、日本をどう守るか」です。

赤間君の研究成果を受けて、今年度後継の学生たちが鞆の浦、首都圏で展開しているプロジェクトを,大地震から命を守る家具固定の奥深さ,魅力も含めて短時間でご紹介します。

最終プレゼン:藤井先生

上記の話題提供を受けて、今後の我が国の進むべき方向性、個人のやるべきこと、各組織のやるべきことなどを、一土木技術者、研究者、教育者として、また内閣官房参与のお立場からも、存分に語っていただければ幸いです。

その後、首都防災ウィークイベントの実質的なリーダーである木谷さんにも加わっていただいて、パネルディスカッションをできればと思います。

会場も意識の高い人が多いと思うので、活発な議論となるように私が適切にコーディネートするつもりですが、よろしくお願いいたします。

時間がタイトなので、各話題提供者の持ち時間は最大で30分になると思いますが、これから調整させてください。パワーポイントは使えます。

私も8/17に首都防災ウィークの実行委員会の最終打ち合わせで、初めて東京都慰霊堂の中に入りましたが、何ともいえない雰囲気のある慰霊堂でした。

以上、長くなりましたが、取り急ぎ、ご連絡いたします。


パンパン

2013-09-03 09:35:35 | 研究のこと

切羽詰まることはよくあることなのですが、今回もだんだんと切羽詰ってきております。

私より先にフランスへ渡航する、家族たちの出発が一週間後に迫ってきており、慌ただしくなっています。

私は、今日(9/3)は仙台に向かっています。午後に、東北地方整備局の橋梁担当者会議があり、その後半で、復興道路の品質確保について1.5時間のプレゼンテーションを行います。ある意味では、これまでの種まきの集大成のプレゼンであり、今後の本当の品質確保の実践に向けた大事な会議だと思っていますので、同志の皆様の思いを背負って、ベストを尽くしてきます。

明日(9/4)の午前は、橋梁担当者会議の皆様が、おそらく十分にモチベーションも上がった後(懇親会でも大盛り上がりになった後)で、復興道路の橋脚で目視評価を体験していただきます。

私はその後、宮古市の田老へ移動。トンネルの覆工コンクリートの品質確保の共同研究の打ち合わせです。9/5の午前には、三陸国道事務所に品質確保の説明に行くことになっています。その担当者は、9/3-9/4に私の話をたっぷり聞く予定の方だそうですので、いろんなことがつながってきていますね。

9/7(土)には、これまた重要イベントですが、東京都慰霊堂での防災シンポジウムです。藤井先生にも、岩城先生にも来ていただきますので、しっかりとコーディネートしたいと思います。まだ私自身の発表の準備ができておりません。このシンポジウムには、鞆の浦から羽田冨美江さんたちも応援に駆け付けてくださいます。シンポジウムの後は、羽田さんらと、日本の幸せを語り合う少人数の楽しい食事会も予定されています。

9/9(月)は今年度最後の横浜市での夜間研修の講師。そしてその翌日9/10(火)が、ビッグイベントのJCIデータベース委員会の報告会+シンポジウム。この報告会も、これまでの種まきのある意味では集大成です。これで終わりではなく、これからの将来に向けた始まりだと思っています。

などなど、イベントをこなしていくだけでも精一杯なのですが、いよいよ土木学会の津波委員会の取りまとめも佳境に差し掛かってきて、私自信の作業時間が確保できずに四苦八苦しています。大学の教務(本務)関係の仕事も処理が終わっておらず、何とか出張中に作業を前進させたいところです。

パンパンではあるのですが、今日の仙台の東北地方整備局でのプレゼンは、我が国の中で私が最適任者ということで、わざわざ私の日程にも合わせていただいて開催されています。すべてをうまくこなしていく能力が私にはありませんが、少なくとも一つ、二つでは、日本の先端に立って仕事をできている、ということに皆様への感謝の念と、誇りを持って、

それでは、こまち号で、仙台へ行ってきまーす。