細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

「夏休み」の終わり

2018-09-29 09:07:15 | 職場のこと

9月の最後の業務は、9月28日(金)の高知での講演でした。

高知県のコンクリート診断士会の10周年の記念イベントで、「コンクリート サミット in 高知」と題された講演会でした。講演者は、岡村甫先生、魚本健人先生、JR東日本の松田芳範さん、四国地方整備局、高知県と、私でした。そうそうたる方々とご一緒できて幸せな時間でした。

私は70分の講演で、「コンクリート構造物の品質・耐久性確保と生産性向上へのチャレンジ」と題して話しました。

山口システムの本質(困難なひび割れ問題のマネジメント、One for all, All for one、様々な問題のマネジメントに対するEncouragement)、ひび割れ問題の難しさとマネジメント、化学混和剤の力と可能性、様々な問題の一例として維持管理の再劣化の克服、資源の枯渇という人類史上でも最大級の難題が前提条件となる中でのコンクリート舗装の活用と可能性、などについてお話をしました。

懇親会ではいろいろな方と新たなご縁をいただき、島根、福井などの診断士会からぜひ来てほしい、というオファーもいただきました。やはり一つ一つ、誠実に仕事を重ねていくことで輪が広がり、信頼も積み重なっていくのだろうと思います。島根は私のルーツなので、ぜひとも貢献したいと常々思っていました。

9月の後半も各地を行脚し、多くの出会いと再会があり、自分自身の責任の重さも痛感し、10月からの新学期に向けて気持ちが引き締まってきています。

9月14~15は鞆の浦。初めて鞆に来てくれた方々も多く、鞆のファンが増えてくれることを願っています。鞆小中学校での防災授業も新たなステージに入ってきているように感じ、私も一緒に勉強を重ねたいと思います。

9月17~19は山口県。土木学会技術賞受賞の記念講演もさせていただきました。山口システムに深く関わることができたことは、私の人生の確実に大きな転機になりました。これからもともに学んでいければと思います。

9月22~25はベトナムのダナン。直接の研究室の教え子や、学科の教え子たちが着実に増えており、極めて居心地もよく、大学での研究・教育を続けていくことの意義を、私や同行した有馬さんも肌で体感しました。今後の連携に私もさらに貢献したいです。



(右端:私の最初のドクターのSonさん(ハノイから来てくれました)、右から2番目:4番目のドクターのNam先生、3番目:IMPスタッフの有馬さん、左端:現在、研究室でM2のPhan君)

9月27は学部1年生を引率して、大成建設の技術センターの見学と、NEXCO中日本の新東名高速の厚木工事事務所管内の橋梁現場3つと山岳トンネル現場1つの見学。技術センターの見学は7、8年ぶりでしたが、内容が極めて進化しており、Zero Energy Building や、タブレットを使った実験動画の見せ方、など極めて刺激を受けました。トンネルでは掘削の先端までマイクロバスで連れて行ってもらい、学生たちも大迫力を感じたようです。新東名高速は、国土の強靭化に確実に貢献する大プロジェクトです。まだまだひよっこたちですが、将来を支える土木技術者になってくれるものと期待しています。

そして、昨日、高知でのコンクリート サミットで講演。講演後には、師匠の岡村甫先生からも多くの示唆やご助言もいただきました。すべて吸収して、消化していきたいと思います。

やはり私は、多くの方々と夢を語り合いながら、現状の問題を少しずつ解決、状況の改善を行い、少しずつ輪を拡げていく生き方が好きです。

すでに節制モードに入っていますので、心身の調子を自分のリズムの中でも最高レベルに引き上げる努力をしながら、研究・教育に全力を挙げたいと思います。

ほとんど「休日」はありませんでしたが、特に心はリフレッシュで、「夏休み」が終わろうとしています。


秋の節制モードへ

2018-09-20 17:29:10 | 人生論

2年前から、秋の10月からの繁忙期の始まる少し前から、節制・健康モードに入るようにしています。

今年もそうするつもりでいましたが、本日から入りました。節制モードでは、飲酒する日を半分(50%)程度にすることを目標にし、日課の体操・柔軟体操に加え、趣味の水泳、ロードバイク等の量を増やします。

今日は午前は神奈川県庁で仕事、午後2時からは東京都心で会議、という予定だったので、会議が終わって塾帰りの次女を迎えに行く、というスケジュールにしました。朝の時点では、次女を迎えに行く前に少し泳ごうかと思い、準備をして出たのですが、午前の仕事が11時前に終わったため、そのままプールに行くことにしました。

1200m泳いで、午後の会議へ。

これで、今日から節制モードに入ることに決めました。

2月末ごろまで節制モードで行く予定です。昨年度は、年始に目まいがしたので、節制モードを緩めることにしましたが、今年は2月末まで到達できれば、と思います。

節制・健康モードでは、仕事のギアも一段かそれ以上、上げようと思っているので、論文のネタも結構溜まってきているため、学生たちと切磋琢磨しながらせっせと投稿していきたいと思います。

もう一つ、今回の節制・健康モード中に、ハーフマラソン(12月2日)があります。ひざ痛と上手く付き合いながら、になるので、どのような準備をするかも含めて、自分なりに楽しめればと思います。

次女のお迎えまで1時間。現在、留学生と一緒に、私にとっては初めての、機械学習(今回はニューラルネットワーク)を使っての論文を執筆しており、その添削です。


小学校での防災授業

2018-09-20 08:31:47 | 教育のこと

8月下旬からも、
・チェコへ一週間(8/27~9/3、fib phD symposiumのための出張)
・新潟(9/11~13、JR東日本 信濃川発電所、山古志村、大河津分水路、関屋分水路、親松排水機場など)
・鞆の浦(9/14~15、鞆小学校、鞆中学校防災授業、地域活性化のための空き家掃除)
・山口(9/17~19、第12回のコンクリートの品質確保講習会での記念講演(土木学会技術賞受賞)、350委員会)

等の出張が続き、9/22からはベトナムのダナンへ出張します。ベトナムには私の教え子たちが順調に増えてきており、今回もいろんな方々とコミュニケーションができるものと楽しみにしています。

さて、9/14に鞆小学校で2時間ほど防災授業を行ってきました。

今年度は、小学校4年生の総合的な学習の時間が防災に当てられており、担当の山口先生がコーディネートしながら、要所要所で私を活用していただいています。

今回は、「避難」「避難グッズ」というものを少し念頭に置きながら授業をしてほしい、ただし、子どもたちが夏休みの宿題で作った避難バッグについての詳細な議論は来週にしたいので、あまり踏み込み過ぎないようにしてほしい、という依頼でした。依頼はそれだけ。

先生方や子どもたちも、日本の各地で激甚な災害が多発しており、ただごとではないことは気付いています。全くただごとではありません。

私は以下のように授業を進めました。子どもたちとやり取りしながら、です。

防災とは何か?

災害を防ぐこと。では、災害とは何か?

地震や崖崩れなどが起こるだけでは災害とは言わない。それは自然現象。人が誰も住んでいないところでそれらの自然現象が起こっても、災害ではない。

人の命が失われること?人の命だけ?

少しずつ理解が進んできました。「自然のおそろしさから、人の命や財産を守ること」と一応、防災を定義しました。

さて、そのような目的を達成するためにはどうすればよい?

逃げればよい?逃げても、財産は失われるかもしれないよ。財産を持って逃げる?財産の中でも最も大切なもののひとつの家はどうする?

避難や避難グッズを否定は決してしない、それらも大切。でも、一番効果があるのは、「対策」です。地震、台風、土石流、崖くずれなどが起こっても、避難しなくてよいように対策することが、実は防災の本命なのです。

この町にもたくさんの対策がなされているのは知ってる?(鞆小の4年生はそれなりに知っています)

この学校の裏の谷筋にも、砂防堰堤はあります。

砂防堰堤って知ってる?(この後、砂防堰堤についての説明)

神戸の六甲山での話をします。昭和13年(1938)の豪雨では、土石流等により695名の方が無くなりました。これはさすがにまずい、ということで砂防堰堤の工事を一所懸命なされました。昭和42年(1967)に同程度の豪雨があり、98名の方が無くなりました。被害は少し軽くはなりましたが、大変な災害でした。2014年に同程度の豪雨がありましたが、死者はゼロ、でした。これが防災です。

同じ砂防堰堤が、君たちの町も守ってくれているのです。

防潮堤の話もしました。「潮」は高潮から来ています。鞆町の防潮堤はまだ十分ではなく、だからかさ上げや新設の工事が今もなされています。高潮がいかに恐ろしいかは、伊勢湾台風の被害の話をして説明しました。

対策がいかに重要か。

そして、我が国は対策への投資、公共投資をずっと減らし続けている。

だから北海道のブラックアウトが起こったと言っても間違いではない。

子どもたちは真剣に聴いて、たくさん質問してくれました。

山古志村の話もしました。2014年10月23日の新潟県中越地震で全村避難という大変な苦境を経験された山古志村の展示館を訪れました。語り部のおばさんにいろいろと教えていただきました。全村避難、家族の大切な財産をたくさん失った関さんは、その後にたくさん建設された砂防堰堤等のインフラへの感謝の気持ちはたくさんお持ちでしたが、避難生活についてはみなで寄り添った、今やよい思い出であり、避難グッズについての言及など一つもありませんでした。(誤解のないように、避難、避難グッズももちろん重要です。もっと重要なものがある、と言っているだけです。)

この総合的な学習の時間はまだまだ続きます。最終版には授業参観も行うようで、大人にどう考えてもらうか、伝えていくかもすでにこの授業の大きなテーマになっています。


コンクリート工学分野の准教授 公募

2018-09-17 08:18:40 | 職場のこと

2019年4月1日着任の予定で、横浜国立大学のコンクリート分野の准教授を公募しています。

前川宏一先生、細田と一緒に研究分野を運営していくことになりますが、明るく元気な研究室です。

応募の締め切りは2018年12月7日です。奮ってご応募ください!


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2018-09-04 08:44:57 | 人生論

昨日、1週間のチェコ出張から帰ってきました。fibのphDシンポジウムに指導学生たちの指導教員の立場で参加しましたが、いろいろと刺激を受けたり、学んだり、新たなつながりができたり、旧交をあたためたり、と有意義な時間でした。プラハの街は大変に気に入りました。7月以降、9月末ごろまで国内外の出張が相次ぎますが、そこで学んだり感じたりしたことは、徐々に日常に消化してブログでも書いていきたいと思います。

7月に入って移動が極めて多い生活がいまだに続いており、かつ10月以降のように極めてタイトな生活が続くわけでもないので、自分自身のペースを保つのがとても難しい時期です。

ですが、今朝はしゃきっと戻りました。台風が近づいていて天気も悪いのですが、自分自身の体調も良く、気分もとても明るいです。

昨日、成田に到着後、自宅に戻って、洗濯を済ませ、大学へ向かう前にシャワーを浴び、その前に測った体重が66.0kg。私のこの時期のベスト体重からは2kg程度重いです。チェコでもそれなりに体調には配慮していましたが、ホテル暮らしだとどうしても運動量が少なくなるし、特に帰国直後はロングフライトの影響もありどうしても体重が増えがちです。

今朝は、64.8kg。一日で体重的にはほぼ日常に戻りました。そうなるように、昨夜の夕食は豆腐、納豆を主体とした食事にしました。

また、今朝は長女のお弁当作りと朝食の準備を担当しました。一週間ぶりのお弁当だったので、やや手際は悪かったですが、炊飯をして、いくつかのおかずを作り、自分のコーヒーを沸かし、朝食のフルーツの準備をし、そうこうしているうちに6:25になったのでテレビ体操と柔軟体操をし、昨日に干した洗濯物をたたみ、などなどしているうちに体がアクティブになり、ペースが戻りました。

外国や国内の出張が続くと、いくら配慮していても、やはりホームグラウンドにいるときとは調子が異なります。また、ホームで本来自分自身が果たすべき役割もこなせないので、周囲にも迷惑がかかったりします。

ホームで自分自身のペースをしっかり取り戻し、家族とも他愛もない話かもしれないけどコミュニケーションし、よい気分で日常の一つ一つの時間を大切に過ごしていくことがやはり大事だな、と思います。

ホーム、ホームグラウンドのおかげなのですが、私が今一度強く意識すべきは、ホーム、ホームグラウンドにさらに愛着を持ち、それらを強くしていくこと、です。家庭はもちろんのこと、家族、研究室、自身の属する組織、社会などに対してです。

チェコの出張でもちょっとした会話から気付かされましたが、私のような立場の人間の発言や行動の影響の大きさは、自分自身の想像よりもはるかに大きいです。チェコ工科大学のある女性の博士課程の学生は、2年くらい前に指導教員(YNUのOB留学生で現在は教授)と一緒に来日し、そのときに参加したYNUコンクリ研ゼミでの私の発言や厳しさをよく覚えていました。

9月8日の土曜日には、私の教え子たちの企画で、昇任のお祝い会をしてくれます。お祝いしていただくのはいつもありがたく、うれしいですが、私のホームグラウンドで一緒に過ごした教え子たちにお祝いしていただくのは特別な時間だと思います。

これまでも真面目に生きてはきましたが、そのお祝い会のときにホームグランドに対しての私の思いがしっかりと伝わるよう、まずはこの一週間をしっかりと過ごそうと思います。