細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

10月の日常

2016-10-26 06:10:56 | 職場のこと

繁忙期に入って4週目になりました。大学院博士課程の英語での講義(ゼミ形式)も昨日スタートしたので,ほぼ講義もフルスロットル状態に入りました。

土木史と技術者倫理も3回を終了し,ようやく落ち着いて講義できる状態になりました。今年は250名に行かないくらいの受講生かと思います。3回目までに,建設材料,トンネル,橋,というとトピックで講義を行いました。トンネルと橋については,以前よりも土木史,文明,社会,経済等の観点で魅力的に語るスキル,情報が増えているため,過去に比べると2回目,3回目ですでに学生たちの意識が覚醒してきているように感じます。また,初回に教室が溢れかえったので,おそらく500名くらいの学生から(多くは「楽単」と聞いて群がってきたものと思うが)、一応選抜された250名程度だと思うので, 粒が多少は揃っている,ということなのかもしれません。

土木史の授業は,私の現時点での本当の全力で臨んでいます。目の前の聴衆(学部1~4年生の様々な学部,学科から来ている)に対して,これ以上の情報は提供できない,というものをありとあらゆる手段を使って提供し,毎回レポートを書いてもらい,翌週に返す,というスタイルです。相変わらず負担は相当に大きいですが,6年目なので慣れました。あと12回,今年の学生たちとどれくらいのレベルまで登っていけるか,楽しみです。

10月はまさにあっという間に過ぎ去りました。健康にも気を使い,自己管理も自分なりに徹底できたように思います。9月23日に節制モードに入ってからの1ヵ月間,基本的には飲酒は外での会合があるときのみにし,結果的に飲酒した日はちょうど半分でした。水泳を9日間で行い,8割くらいの日にテレビ体操, 6割くらいの日に柔軟体操もしたので,懸案の右ヒザの状態も以前よりかなり良いです。

今年度は昨年度よりも研究室の学生たちの研究活動も活発に思います。個別の打ち合わせ,10月に新たに始めたOpen Hour(今週で5回目を実施します)等も機能し,毎週の全体研究室ゼミは時間が限られているのですが,例年よりは明らかに議論の質が上がっているように感じます。この調子で,みんなでレベルアップしていければよいと思います。

私にとっては初めてですが,9月に博士課程を修了した留学生がそのまま4ヵ月間,ポスドクで研究室で研究を続けますので,研究体制も例年より強化された状態で1月末まで活動できそうです。

例年は10月に入ると,日常を乗り切るのにアップアップする状況でしたが,今年は若干の余裕をもった状態で研究活動にも注力できる状況にあろうかと思います。

来週のタイ出張はかなり久しぶりのタイ訪問ですが,フライアッシュの有効利用の状況について学んだり,研究ワークショップも含めて様々な議論ができると思うので楽しみです。


哲学、ヴィジョン

2016-10-19 07:59:14 | 人生論

繁忙期に入って半月が過ぎ、自身の全力で取り組まないと生きていけないので、結果的には活き活きします。特に今週は、火曜、木曜に講義、ゼミ等が密集した通常スケジュールの中、鞆の浦から東北へと3泊4日の出張を土曜日にかけて行いますので、刺激的です。

昨日の火曜日は、例の「土木史と技術者倫理」の第2回目でした。初回の大混乱の状況は何とか収束し、250名くらいでしょうか、受講生も確定しました。他の教養の科目では「抽選」が当たり前のようでして、受講したい学生が受講できず、抽選に当たった意欲の無い学生がグーグー寝たり、講義も受けずに遊んでいるような状況だとか。皆さん、この大学の状況、どう思われますか?大学だけのせいではないですよ。国民全体で無駄の削減、という聞こえのいいスローガンで切りまくってきた結果でもあるのです。

土木史の授業は私にとって6年目になりました。昨日は、「トンネル掘削技術の発達」という回で、古代のトンネルや箱根(深良)用水などから、丹那トンネル、青函トンネル、Alp Transit、横浜環状北線や外環自動車道のシールドトンネルなどにももちろん触れました。「ストック効果」を最重要キーワードに設定して、講義をつむぎました。少し、学生のレポートを読みましたが、例年よりも早く、土木史の面白さ、に気付いてくれているようです。「正直、土木史からこんなに学べるとは思っていなかった」という感想もありました。

昨年、300名の受講生を経験しているので、今年は少し余裕を感じます。また、当然ですが、受講生たちに土木への興味を持ってもらうスキルや情報は、年々増えていきます。数年前だと、トンネルについてそれほど語るものを持っていなかったであろう私も、今年はいくらでも引き出しがある状態でした。これも、一つのストック効果でしょうか。

ちなみに来週は、「橋梁の発達」です。楽しみです。

今日は4時に起きていろいろと準備をし、鞆の浦に向かっています。鞆の浦に関わり始めたのが2012年4月ですから、4年半が経過しました。2013年1月に、初めて鞆小学校で赤間君と防災授業を行いました。それ以降、毎年、鞆小学校や鞆中学校で防災授業を行わせていただいています。今日は、13時25分からの家庭科の授業で家具固定を中核に据えた防災授業を、今年の卒業研究で取り組んでいる石橋さんと一緒に行います。

鞆は、ご存知の通り、まちづくりの問題で長らくもめてきた地域で、道路港湾整備の事業は立ち消えになってしまいました。この状況を改善すべく、これまでの経緯も踏まえた上で、福山市が新たに、鞆まちづくりビジョンを来年度に策定予定で、そのためのワークショップを今年度から始めています。合意形成のためのファシリテータを桑子敏雄先生が務めておられ、私たちのチームも何とかこの状況に貢献できればと願っています。

今日の防災授業では、ビジョン(ヴィジョン)の話もします。

本来、ビジョンよりも先に、哲学(フィロソフィー)があるべきと思います。

フィロソフィー(人はどう生きるべきか)とビジョンの話をして、ビジョンがいかに大切かを、具体的に話すつもりです。

また、竹村公太郎先生の文明モデルも活用しながら、地形、自然の特徴を適切に踏まえた社会の土台がいかに大切か、を説明します。その土台(下部構造、インフラ)が、そこに住む人間に与える影響は極めて大きいことを、分かりやすく説明します。

では、鞆ではどのようなビジョンを持つべきでしょうか。中学2年生たちと一緒に考えてみたいと思います。もちろん、私の考えはありますが、生徒たちと話し合ってブラッシュアップし、それを鞆まちづくりワークショップでの発表(11月下旬)につなげていければと思っています。

講義やら、研究指導やら、予算申請やら、本や論文の執筆やら、研究出張やら、隙間のほとんどないスケジュールではあるのですが、それらがすべて有機的に結びついている感覚は心地よいものです。多くの方々と結びついて、連携しながら、コミュニケーションしながら仕事をしていると、いろんなヒントもいただけるし、エネルギーもいただけます。

今日も一日、姫路のホテルの温泉につかるのを楽しみに、ベストを尽くします(口癖)。 


気持ちのよい秋晴れ

2016-10-15 11:00:39 | 人生論

今日は10月15日の土曜日で,関東は本当に気持ちの良い秋晴れです。朝から体操,部屋の掃除もして,書籍の原稿の執筆もはかどっています。10月からポスドクとなった留学生と,ジャーナル論文へ投稿する原稿の打ち合わせもスカイプで行いました。

毎年心して臨む10月に対して,夏場の緩んだ生活規範も見直す形で臨みました。人間とは習慣が本当に大切で,いいかげんな習慣を基礎に置いていると,向上心すら失いがちで,「ま,これでいいや」と思ってしまう。健康への配慮もいいかげんになり,すべてが健康といって過言ではないため,いいかげんな健康に支えられた日常の活動のレベルもいいかげんになります。

あるしきいレベルを超えると,健康にももっと配慮したくなります。いつまで続くかわかりませんが,ほぼ毎朝テレビ体操と柔軟体操をし,週末を中心に水泳・サイクリングをし,お酒は飲む日と飲まない日が半々,普段歩くときも体のバランス等を考えて歩くようになっています。右ひざ痛も緩和しています。習慣による好循環を感じています。

基礎がしっかりすると,日常の活動レベルも向上します。文明の下部構造であるインフラがしっかりすると,文明の上部構造である文化的な活動も活き活きするのと同じです。

昨日は,コンクリート工学会のコンクリート診断士という資格更新のための研修会で50分の特別講演をしました。350名の聴衆で,全員資格を持っている方々なので,顔見知りも結構いましたが,お得意の復興道路の品質確保・耐久性確保の話をしました。声をかけてくださる方々もおり,また今後の展開の一助となればと思います。ポジティブなエネルギーが伝播するよう,昨日の私なりに全力を尽くしました。

大学での日中は自分の自由時間はほぼ皆無ですが,研究を頑張っている学生たちも多いので,十分に指導できるよう今学期から週1回のOpen Hour for research discussionを開催したり,個別の研究指導の時間に使うようにしています。Open Hourも来週で3回目で,留学生たちの議論が2回続いたので,3回目は4年生が2人発表する予定です。いわゆる研究室ゼミとは別の研究ディスカッションの場で,今のところ,効果を発揮しそうな予感です。

講義も大学院の講義も含めて本格始動しましたが,それぞれ全く対象や手法も異なる講義ですが,今の私にできるベストで臨みたいと思っています。

読書欲も旺盛とまではいかないものの,読みたいものが溜まっており,通勤時や余暇に読んでいます。

余暇に読んでいる一冊。「福澤諭吉語録」 (齋藤 孝 著)

本屋で見かけて買った本ですが,斎藤先生の本はときどき読むようにしており,いろいろな気付きやヒントをもらえてありがたいです。土木史の講義でも福澤諭吉の言葉はいくつか紹介しますが,今こそ学ぶべき人物の一人だと強く思います。

その他,薦められたり,勉強のために読み始めた本は以下。

人間にとって科学とは何か」 (湯川秀樹、梅棹忠夫)
日本の思想」 (丸山真男)
社会的合意形成のプロジェクトマネジメント」 (桑子敏雄)

明日はまた次女と水泳もしますが,今日は日中は自分で自由にコントロールできる時間。夕方からは以前のバスケ仲間の結婚のお祝い会。旧友たちと再会でき楽しみです。

皆様,気持ちのよい秋晴れの週末をそれぞれお過ごしかと思います。明るい日本の未来のために,それぞれが充実した日々を過ごしましょう。


今年、「土木史と技術者倫理」を受講希望の学生たちへ

2016-10-11 14:10:37 | 勉強のこと

講義を担当する細田です。

10/4(火)に第一回が終わりました。大変な混乱状況であることはご存知の通りかと思います。教科書を入手する方法は4通り、私から提示しましたが、何らかの方法で教科書を入手しないと、この講義を受講できないことは、一回目で伝えた通りです。

私の予想を大きく下回る数の学生からしか、私が貸し出す本(過去にこの講義を受講した都市基盤EPの先輩方から貸してもらう)への貸し出し希望が届きませんでした。その他の受講希望者は、本当に教科書を入手できるのでしょうか?きちんと私の話を聞いていない学生が多いと、二回目も大混乱になる可能性が高いです。。。

10/18(火)に第二回目があります。 第一回目に欠席した人は、受講できません。一回目ですでに溢れかえって、選抜方法を伝えたので了承してください。第一回目の出席者にはレポートを提出してもらっていますので、第一回目のレポートを提出していない人は受講資格はありません。

また、教科書を持っていない人は、受講資格はありません。第二回目はまだ混乱していると思うので、何とか授業を遂行することに専念しますが、第三回目以降に教科書を本当に所有しているかを、確認させてもらいます。

教養教育の現場は、大学改革の一環ですでに崩壊しつつある、というのが私の認識ですが、フェアに、クオリティの高い講義を提供するつもりで私も全力を尽くしていますので、受講側も誠意をもって臨んでください。

第一回目に私から教科書を受け取った人は、2800円を支払ってください。毎週、私は13時からの講義のため、12時半ごろには講義室に行きますので、講義が始まるまでの時間に払ってもらうのがありがたいです。

それでは、第二回目でお会いしましょう。


10月初旬の三連休

2016-10-09 16:16:52 | 人生論

10月に入り、いきなり繁忙期のスケジュールに変化しましたが、9月の下旬から自己節制を始めていたことと、この三連休で一息付いて挽回したり貯金を作ったりできるので、何とかペースをつかめています。

9月の中旬ごろに、ラジオ番組だかYou Tubeだか本だか忘れましたが、私の日常の情報ソースから、「人生の意味を問うのではなく、自分の人生が問われていると考えるべきである」 という言葉があり、はっ、とさせられ、自分自身の生き方、時間の使い方も、自分にふさわしいか「問われている」という感覚で見直すことにつながりました。

お恥ずかしい話ですが、仕事柄、お酒のお付き合いも多く、自己節制ができず、家でも頻繁に飲んでおり、自分の生活習慣の中でも最も見直したい要素となっていました。9月下旬から、外の懇親会はそのままで、家で基本的に飲まない生活に切り替え、毎朝の体操や、休日の水泳・サイクリングと合わせて、健康をより意識した生活に移行しました。半月を経過しましたが、非常に体調が良く、仕事への意欲も高まり、満足の行く状態で繁忙期のスタートを切れたように思います。今日までの17日間で飲酒なしが9日。約半分ですが、しばらくはこのペースを持続してみようと思います。

三連休の初日は、二週間ぶりのプールだったので1000m、夕方に国会議事堂の辺りまで一人でサイクリング。二日目は次女とプールに行き、1500m。家族のための食事も作り、今朝は受験生の長女の塾の日曜特訓のためのお弁当も作りました。自身の健康もそうですが、家族の健康にも貢献できるのはうれしいことです。

三連休は、運動、家族のための時間、睡眠・昼寝を除いた時間は、仕事に当てています。熱血ドボ研で今年度内に本を出版予定で、私の執筆分担もそれなりに多いのですが、9月中にはなんだかんだと結局執筆ができませんでした。10月7日の熱血ドボ研で、この本に関する打ち合わせも行い、その後、阪田憲次先生を囲む座談会でした。座談会の内容も本に収録されます。この熱血ドボ研での議論がやはり刺激的で、この三連休は執筆もはかどっており、悩みの種が一つ、軽減しました。

今年は科研費にも申請しますが、ざっと書き上げたVersion 1を、この三連休にもブラッシュアップします。ぜひ、自分の現在の力でベストと思えるレベルにブラッシュアップして、申請したいです。

土木史の講義もスタートし、初回は講義室も完全に溢れかえって、入室できない学生たちも相当に多かったです。初回のレポートは400枚くらいはありそうに思いますが、採点します。まだ、受講生も完全に確定しておらず、最終的に何名に落ち着くのかは知りませんが、教室の最大収容人数が300名ちょっとのようなので、今年も非常に多くの学生たちと対話をすることになりそうです。

次女に呼ばれて、約束していた通り、これから自転車で公園に遊びに行きます。


鞆の浦、5年目

2016-10-06 10:11:22 | 研究のこと

昨日は鞆の浦に出張でした。福山市が「鞆まちづくりビジョン」を平成29年度に策定するための住民とのワークショップに参加するためでした。今年度、5回のワークショップが開かれ、その2回目が昨夜ありました。

私は第1回目のワークショップが終わってから、さくらホームの方々に8月下旬に教えていただき、第2回目以降をとても楽しみにしていました。

楽しみにしていた理由は、合意形成のプロの桑子敏雄先生がこのワークショップのファシリテータを務められていると聞いたからでした。

昨年の土木学会の全国大会の全体討論会には、私たちの熱血ドボ研2030の後藤千恵さんがパネラーで登壇したのでその応援に行きました。全体討論会の前の特別講演では、両備ホールディングスの小嶋光信会長のお話をお聴きでき、津田永忠のことも初めて知り、結果的に今年9月12~13日の岡山見学会に結びつきました。全体討論会では後藤千恵さんの応援もしましたが、パネラーの一人に桑子敏雄先生もおられ、すごい先生だな、このような先生が鞆の問題にも関わってくださるといいのにな、とそのときはぼんやりと思っただけでした。

その桑子先生が鞆の問題に関わってくださる。福山市が桑子先生のチームにファシリテートを依頼しているわけですが、福山市も本気、ということです。

昨夜のワークショップは大変に勉強になりました。これまでの問題のこじれ方が極めて複雑なため、やはりポジティブな意見が飛び交うワークショップ、というわけではありませんでした。桑子先生はそのようなことは百もご承知でしょうから、とにかく発言したい方の発言を聴きながら、粘り強くワークショップが将来的に良い方向に向かうように発言、誘導されていました。

私や私の学生たちが鞆に関わり始めて5年目になります。鞆を舞台にしてはいますが、鞆のことだけをやっているのではなく、鞆で学ばせていただいたことを様々な我々の活動にも活かしているつもりです。鞆に育てていただいていると思っています。

今回の一連のワークショップや、来年度のビジョンの策定においては、我々も何からのお手伝い、貢献ができそうで楽しみです。

次回のワークショップは11月26日(土)に鞆中学校を舞台に行われる予定のようですが、住民の意見発表会も行われるようで、1件5分の発表だそうです。

昨夜はワークショップの後、さくらホームの羽田さんご夫妻や羽田知世さん、私の学生の石橋さん、バスセンターの片岡さんらと食事をしながら懇談しましたが、次回のワークショップには3~4件程度、若者が発表する形でチャレンジしましょう、ということになりました。私は、発表の内容を支援する形で関わりたいと思います。

1件はもちろんさくらホームの取組みと将来ビジョン。羽田知世さんが発表することになるでしょう。

2つ目は私の指導学生の石橋奈都実さんが、鞆中学校の生徒たちと連携する形がよいと思いますが、地域の防災と将来の鞆について。

もう一つは福山市立大学の卒業生で鞆町平に移住した鷲野君が、9月に大成功した肝試しや竹あかりのプロジェクトについて。

最後はまだ構想段階ですが、鞆で子育てする若い世代からの発表。

10月19日(水)には、鞆中学校の家庭科の2年生の授業で防災授業です。家庭科の教科書に家具固定のことが載っているので、このような機会をいただきました。石橋さんと私とで、充実した授業となるように努力し、11/26のワークショップにもつながるように描いていきたいと思います。

何事も、続けることは大事。細々と、ではありますが、鞆で続けてきたことがつながっていく可能性を感じます。鞆の問題は、桑子先生もおっしゃっていましたが、極めて大変な問題であり、少しでも状況が改善し、鞆の素晴らしい将来につながるよう、微力ですが当事者の一人として努力したいと思います。


繁忙期、いよいよスタート

2016-10-03 15:27:12 | 職場のこと

なんだかんだと言っているうちに、繁忙期の10月がスタートしました。

10月1日(土)は、仙台の深松組に招待されて、コンクリート構造物の品質確保についての講義を行いました。2時間があっという間だったという声を多く聞くことができ、よかったかと思います。私からすると、社長の深松努さんに2016年2月2日に横浜国大にて特別講演していただいたことへの恩返しのつもりでしたし、すごく尊敬する方なので、今後もお付き合いさせていただく関係になれたことがとてもうれしいです。

今日、10月3日(月)は、午後が空いているので、科研費の申請書をゴリゴリと書いています。本当はもっと早く着手したかったのですが、結局、締切りが近づかないと動けない性質は相変わらず。でも書き出すと楽しくなってきて、それなりに筆が進んでいます。書いていて楽しい、というのは過去の経験に照らし合わせても、良い兆候かな、と思います。とりあえずざっと書き上げて、10月8日からの三連休にブラッシュアップすることになろうかと思います。

新たな留学生二名とも今日会って、また一回り、大所帯になりました。私が責任指導教員として関わる学生だけでも、ポスドク1名(1月末まで),博士課程3名(全員留学生),修士2年4名(うち1名留学生),修士1年2名(うち1名留学生),4年生5名,です。これだけ多くの学生たちをしっかりと指導できるかしら。もちろんこれまでそれなりに経験は積重ねてきていますが,再度気持ちを引き締めて,できうるベストを尽くしたいと思います。

毎週一回の研究室ゼミはあるのですが,このゼミは時間も限られており,参加者も多く,徹底的に議論する,という場にするのは難しいのが実情です。今朝思いついたアイディアなのですが,私の"Open hour"(for research discussion)という時間をなるべく毎週設けるようにし,公開で研究の徹底的な議論を行うことにしてみました。早速,今週の木曜日の夕方に1回目を実施します。

今週は,例の「土木史と技術者倫理」も開講しますし,5日の水曜日には鞆の浦へ出張して,街づくりのワークショップにも参加します。7日の金曜日には,阪田憲次先生,青山俊樹さん(元事務次官)も囲んだ,熱血ドボ研の座談会も開催され,私も座談会のメンバーとして登壇します。

11月初旬に熱血ドボ研のタイ場所でタイに出張するので、繁忙期の滑り出しをスムーズに開始し、そこまでの一ヵ月を全力疾走したいと思います。

 


「土木史と技術者倫理」を過去に受講した学生やOBOGの皆さんへ

2016-10-01 06:52:50 | 教育のこと

過去に、私の「土木史と技術者倫理」を受講した方は少なくないと思いますが、今年度も10月4日(火)から開講します。

一つ、問題があります。

故合田良実先生の秀逸な「土木文明史概論」を教科書に使っているわけですが、初版の在庫が少なくなり、廃版の予定だったそうです。ですが、横浜国大でたくさん使われているのだから、重版を検討すべきではないかという議論が出版社であったそうで、結局、重版が決まったそうです。残念ながら、10月からの講義には間に合わず、来年度になるそうです。

現在、初版で残っているものをかき集めても120冊程度。

昨年は300名が受講しました。今年も、10月4日の初回の講義では、部屋が溢れかえるかと思います。私の講義の人気があるとかそういう話ではなく、教養科目の数自体が減ってきているので、それなりに評判のいい科目や、楽に単位が取れるという噂の科目には人が集中するのです。

シラバスで教科書の購入を義務付けていますし、この秀逸な教科書をベースにした講義システムは、まだあと数年は続けたいという思いもあります。120名程度しか受講できないことになります。

そこで、昨日、私の学科の2~4年生の学生たちに少し相談したのですが、過去にこの講義を受講した学生で(もちろん教科書を持っている)、この講義を今年受講する学生たちのために、自分の教科書を貸してもよい、という優しい、後輩思いの学生たちがいるならば、教科書を貸してやってもらえないだろうか、という相談です。

汚れると困るのでカバーは外し、 持ち主の名前はきちんと書いてもらい、書き込みなどはしないように私から依頼をします。

あまり貸し出す冊数が増えても問題かと思うので、土木の3、4年生もしくは、修士の学生たちから、各学年で10冊ずつくらいで、合計30冊も貸出本が集まれば素晴らしいと思います。

土木の2年生は、ぜひ自分自身のために教科書を購入していただきたい。

120名で切り捨てる、というのが一般的な考え方かと思いますが、やっぱり土木のファンになってほしい。土木の歴史を通して、日本、世界、社会へ広い興味を持つ学生が一人でも増えてほしい。私はそう思います。

ご協力いただける場合、10月11日(火)の3限の講義までに、なるべく早めに、何冊の貸出本が揃うか、把握しておきたいです。

ご協力、お願いします。

貸出本の集約に関しては、各学年のリーダーに、私から個別に依頼をします。