「土木史と技術者倫理」は今年で3回目です。歴史に残るであろう政権交代の後の講義ですので,私の伝え方や,伝える内容も2回目とは少し異なってきています。
それにしても,学生たちのこれまでに持っている知識は,あまりにもマスコミの影響を受けすぎていると感じます。毎回,学生たちに講義の終盤に書いて提出してもらうレポートを読んで,そう感じるのです。
「公務員=無駄なことをしている,悪いことをしている」
「公務員は削減した方がよい,給料も減らした方がよい」
「公共事業=無駄の象徴」
「道路=飽和状態,新たな建設は不要」
などなど,どうしてそんな短絡的な等式が成り立つのかもよく分からないような安易な考えが,まさに刷り込まれています。
恐ろしい。
もちろん,マスコミの情報が全ておかしいなどと私は思ってませんし,非常に質の高い番組や情報もあると認識していますし,学生にもそう伝えています。しかし,全体として,上記のような短絡思考を,多くの国民が持ってしまっていることは,マスコミと国民の双方のせいだと思います。
学生たちは,これまでに身に付けてきた知識や考え方が,あまりにも偏っていることに気付き始めています。
学生のレポートの中には,一部の人に事実を,真実を伝えても無駄であり,義務教育の段階で「土木のこと」を適切に教えないといけない,という意見もあります。
新聞という媒体を,ほとんど全ての家庭が毎朝,毎夕受け取って読んでいる,ということも実は恐ろしいことです。活字を読むことで全体的な知識レベルを向上させるという意義は大きいかもしれないけれど,もし新聞に偏った見方の記事が多いとなると,毎日毎日洗脳を受けることになります。
テレビの影響力は少しは落ちてきたとは思いますが,依然として多くの方々にとっては主たる情報ソースの一つなのでしょう。
相手はあまりにも大きいですが,良識を持つ方々の輪を広げて行くこと,また身近な学生や仲間たちには,マスコミの情報だけをうのみにするのはやめて,しっかりと勉強する気概を持つこと,を粘り強く続けていかねばなりません。
そして,小学校,中学校,高校との連携も,私は少し開始しましたが,持ち前の実践魂,改善魂で模索してみたいと思います。
昨日,長女の小学校の運動会で,子どもたちのエネルギーや可能性に感激しました。
人間とはもともと素晴らしいものです。もしおかしくなっているとすれば,人間の作った仕組みや仕掛けが少しおかしくなっていると考えるべきです。
日本人の本来持っている力がしっかりと発揮される社会となるように,皆で頑張りましょう。
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