細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

コーチング

2013-05-01 19:35:27 | 教育のこと

北島康介選手を育てた平井伯昌コーチの「突破論」を以前に読んでとても勉強になりましたが,「ティーチング」と「コーチング」という異なる指導があることもその本で知りました。世の中では常識のようですが。

コーチングの方が心,精神の指導であり,指導を受ける側の気持ちや性格も熟知していないとできません。ティーチングは,私の理解ではより技術的。

昨年度,鞆の浦の研究を行った赤間君に対しては,私はほとんどの指導がコーチングでした。彼が行き詰まったときや,悩んでいるときの,突破するための考え方を提示してあげる。技術的な面で多少はアドバイスしたこともあるかと思いますが,ほとんど記憶にありません。

大学の研究にはいろいろとありますが,私がコーチングするだけでかなりのレベルに到達する研究もあれば,一所懸命にティーチングしないといけないものももちろんあります。

ティーチングは厳しくなりがち。平井コーチの指導も,非常に厳しいようです。一方で,生徒が行き詰まったときは本当に寄り添って,性格も熟知した上で解きほぐしてあげるそうです。

教師として,私もまだまだ未熟ですが,ティーチングとコーチングがある,と知っているだけで,自らの指導力の向上には役立つと感じています。

近年は,私は自分自身をコーチングしています。どのような考え方をすべきか。業務が山ほどあって時間が足りないときに,どのようにその一日を過ごすべきか,常に一歩引いて冷静な自分がいて,実際に動く自身をコーチングしてくれます。

今朝,通勤で歩いているときに,一方の私が,別の私をコーチングしているのを明確に意識できました。コーチの私,ありがとう。

明日はGW後半の連休前の最終日です。講義も3つありますが,私にとっては大事な一日ですので,今夜から明日にかけて大事に時間を重ねたいと思います。 


目的

2013-05-01 11:44:02 | 研究のこと

4月27日に走島で昼食をしながら,昨年度の弟子の赤間君に言われました。「先生もこの1年で大きく変わった」

もちろん変わっているとは思いますが,何が変わったのか聞いたところ,「貫禄が出た。親しみやすくなった,いつもにやにやしているから。」と言われました。

自分の取り組んでいることの目的がしっかりしていてぶれないので,それが自分の自信につながり,貫禄につながっているのだと推察します。私のいう「目的」は多層的であり,また中期的,長期的なものも含んでおり,皆さんの見える表面だけでは伝わらないものもたくさんあります。

なぜ,我々が鞆の浦の研究を行うのか。工学的でない,とか,そんなことをやって何になるのか,などいろいろご批判もあろうかと思いますが,全く気にいたしません。一発で反撃するとすれば,「では,あなたのやっていることは役に立っていますか?」。とにかくポジティブな批判は参考にいたしますが,どうでもよい批判は一切相手にいたしません。

私たちの鞆の浦での活動は,まだまだこれからが本番ですが,その目的は何か,と言われるとすぐには答えられません。ただ,私の直観が,鞆の浦のことをしっかりとやりなさい,と命じます。そこには日本の根幹も関わっているし,本来のCivil Engineeringが解決しなければならない問題もたくさんある。また,そんなことよりも,たくさんの魅力と可能性が詰まっていて,それをみんなに知ってもらうこと,仲間に加わってもらって日本中に何かが広がっていくこと,が楽しみなのです。

今年は4年生の渡辺君が主役になって鞆の浦の研究を進めてもらいますが,とにかくいろんなことが実践されていくでしょう。

一つは,鞆の浦での我々の活動や,学んだこと,皆さんに知ってもらいたいことを,HPにして発信します。このHPを創る過程で,我々の目的も明らかになっていくでしょう。昨年の赤間君の研究の成果も,もちろんこのHPで配信します。

おぼろげながらでよいので,目的の方向性が定まっていること。後は,その方向性に進みながら,目的をなるべく大きく,できれば空間的にも時間軸的にも大きなものに育て上げていければよい。いつもの私のやり方です。

さて,渡辺君らとも,我々の鞆の浦での活動の目的は何なのか,それを常に考えて議論しながら,具体的な実践を重ねていきたいと思います。

この記事を書きながら, 「コーチング」について書きたくなったのですが,別の記事で書くことにします。


寝ること

2013-05-01 09:21:46 | 人生論

先日の三連休の中日,28日はどうにも体が疲れていて,とにかくたくんさん眠りました。私の諸活動の根源は心身の奥底から湧いてくるエネルギーですので,健康的な食事と良質の睡眠が根幹です。

連休最終日の29日の夜は,村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を一気に最後まで読んでしまい,読み終わったら夜中の1:30でした。しばらく眠れず,明らかに睡眠も浅く,起床したら非常に疲れていました。

昨日の30日は日中も切れ味が無く,生活リズムの悪い学生の日中はこういう感じなのだろうなあ,と懐かしく?思いながら過ごしていました。

研究室の学生たちの研究テーマの決定のプロセスに入っており,学生の希望は昨日の昼に提出してもらいましたが,調整が必要です。話し合いもしてもらいますが,基本的には皆がハッピーになるような方向性を提示して,その上で話し合いをする,という方針です。話し合いが先,ではうまく行きません。コミュニケーションが必要なので,簡単な懇親会を設定して,皆がハッピーになると思われる方向性を私が提示し,それを研究室全員にメールでも配信し,話し合いが始まっていると思います。

当然のごとく,昨夜は非常にぐっすりと眠ることができました。これで日常に戻りました。もちろんエネルギーに満ち溢れています。

朝,身支度をしながら,いろいろと思いました。

今日から5月。

私の愛用の歯ブラシ,Sonicareの交換用歯ブラシを交換しました。全く効果が異なり,気持ちよく歯磨きできました。

次女も4才の誕生日を終え,張り切っています。

人間とは,日常を惰性で生きていく生き物ですから,区切りが必要。私も自分自身の体を大切にしよう,と思う大きなきっかけになるのが新年の正月です。

ありがたいことに,我が国には4月,というもう一つの大きな区切りがあります。

次女に刺激されてか,5月1日も私の中では一つの区切りになりました。

日々の業務の締切も,恨めしく思うことももちろんありますが,ありがたい区切りになります。

そして,毎日毎日しっかりと寝て,すがすがしい朝を迎えることができることが,実は何よりの区切りになっていることに,改めて感謝です。

人間の創ったリズム,システムってすごいですなあ。