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細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

謝罪と、再生の誓い

2025-04-11 09:46:21 | 人生論

「謝罪と、再生の誓い」


コンクリート研究分野の新入生(B4、M1など)、メンバーの皆様へ

細田です。昨日、4月9日の1限の初回のゼミでは、衝撃を受けた方もおられたかもしれません。そのことへの謝罪と、私自身の再生の誓いをお伝えします。

ご存じ?の通り、私は嘘を付けない人間ですので、これから皆さんと研究室での大切な時間を共有していくためにも、以下をお伝えします。

2024年度の1年間、私は心身の病に侵されていました。理由は異常なほどの過労です。2023年の1年間は、盆と正月を含めても、全く仕事をしなかった日は2日しかない、という異常な忙しさでした。普通の大学教授の職務に加え、2023年4月に立ち上がったばかりの豊穣な社会研究センターのセンター長、そして土木の留学生プログラムのディレクターも兼務でした。一部の大学教員の異様な忙しさも知っておいてください。

2024年3月末ごろに、さすがに心身に異変が生じ始めました。3月30~31日は能登の被災地に出張しており、豊穣センターの松永所長(元気なインフラ研究所)らと調査しましたが、被災状況に衝撃を受けたのか、頭がボーっとするような感覚を覚えました。

2024年4月に入り、心身が壊れていきます。1年生用の国土学の講義でも、ろれつが少し回らなくなるような状況でした。

2024年度は豊穣センターの2年目で、学長からの特別の重点支援(年間1100万円)の最終年度でもありました。心身が壊れていく中、豊穣センターを何とか形にしていかなくてはならない、というプレッシャーもあったのでしょう。家族はもとより、行動にストップをかけようとする周囲の思いやりとは無縁に、私は松永所長らと全国のフィールドを過密スケジュールで飛び回った5~7月でした。

おまけに引越しが3件も重なりました。家族の引越しに伴う川崎での一人暮らし、鞆の浦の家の購入(30万円)、そして教授室の移動。極限的な状態で何とか9月の初旬にたどり着きました。

2024年10月からの秋学期は不安な状態でスタートしました。講義もアップアップ。研究は学生たちの自主性で何とか前に進みましたが、もっと100%の力で彼らと格闘したかったです。

何とか12月の年末までこぎつけ、年末の数日間を鞆の浦で過ごし(ひたすらだらけて)、正月を浦和の実家で過ごした後、私の精神状態は極限まで低下します。深刻な鬱病でした。国家的な?入試行事の主任試験監督もできなくなるほどの状況でした。

皆さんも不安になったり、不調になることもあるかもしれません。

鬱病の状況だと、「あなたはこれまで頑張ってきた人だから大丈夫!」などの励ましをしてもらっても、「過去の自分」と「今の自分」は全くの別人なので、本当に苦しみます。

私は、もちろん誠実で、努力を重ねる人間ですが、エネルギーやパワーもすさまじく、その分、鬱状態では「全く中身の無い自分」という感覚に苦しめれます。

何度も自殺しようと思ったのはもちろん(消えた方が楽ですからね)、休職やその先の退職は毎日のように考えて、もだえ苦しみました。

実は、20年くらい止めていたタバコを2024年6月に一本吸いました。精神の高揚や暴走を抑えた方がよいという気持ちからです。その後、本数は徐々に増えました。

地獄のような2ヵ月、一人暮らしの私の家には母親、それから独身で働いている妹が入れ替わりで泊まって面倒を見るような状況でした。3月中旬に復活の兆しを感じ、下旬に一気に良くなり、奇跡的に新年度を良い状態で迎えることができました。

4月からは都市基盤学科の学科長を務める予定でしたが、周囲の温かいご配慮で、藤山先生に交代していただきました。

さて、前置きが長くなりましたが、昨日の4月9日は私の誕生日でした。もう回復したけどまだ心配な母親が家にいて、昼食はそごうのうなぎ屋で私がごちそうしました。

昨日のゼミでは、教員からの研究活動紹介と私が思い込んでいましてフライングしましたが、精神が高揚していたのでしょうね、何と席に戻った私は、タバコに火をつけて吸い始めました。衝撃を受けた人もいたかと思います。藤山先生が近づいてきて、小声で「やめてください」と言われ、消して捨てたのは当然です。

51年の人生を昨日終えました。あと何年生きるかはわかりませんが、生まれ変わって、何とか日本の再生に貢献すべき、死力を尽くします。良くない習慣のタバコはもちろん止めるつもりでしたが、昨日、ケリを付けたく、「不良ぶって」吸いました。鬱から復活してやる気に満ち溢れると、生来のいたずらっ子は、いたずらをしたくなるものなのです。冗談にもほどがありますよね。

51年の人生の終了とともに、タバコの習慣にもさよならをしました。昨夜は、母親とゆっくり、質素な夕食を食べ、就寝前には二人でマンションのベランダから下の桜を見て、私は日本の復活、豊穣な社会を夢見ながら、そして、みなさんへの謝罪と、私自身の再生を誓いながら寝ました。

コンクリート研究室へようこそ。藤山先生、小松先生は誠実な、素晴らしい先生です。

皆さんの大切な一年間、素晴らしい日々になりますように。私も一緒に努力をします。

細田 暁

 


近く出版する土木史の教科書のイメージ

2025-04-08 16:16:04 | 研究のこと

土木と文明:記憶の風景をたどる旅

『土木文明史概論』から学ぶやさしい土木の話


1. 土木って、そもそもなんやろ?

私たちが暮らすこの世界には、道があって、橋がかかっていて、町がある。
でもそれらは、いつからあって、どうやってできたんやろ?

答えはシンプルで、でも深い。
風が吹いて、川が流れて、地面がちょっとずつ変わっていく――
そこに「人の手」がそっと触れてきたことが、すべての始まりなんや。

この「人の手で自然と関わること」。
それが 土木(どぼく) なんやね。


2. 文明と土木は、いっしょに育ってきた

文明って聞くと、ちょっと大げさに聞こえるかもしれんけど、
もし「文明ってなんやろ?」と聞かれたら、こう答えてみてほしい。

「それは、人が自然と語り合いながら、
思いを形にしてきた旅のことやと思うんよ」

川を渡りたい、道を通したい、雨をしのぎたい。
そんな小さな願いから始まって、やがて町ができ、国ができ、文化が生まれてきた。
その土台にはいつも、土木のしごとがあったんや。


3. 昔の人も、自然と向き合ってきた

『土木文明史概論』を読むと、
世界中の人たちが、昔から自然と向き合って生きてきたことがよう分かる。

  • ナイル川のそばでは、水とともに暮らす知恵が育った

  • メソポタミアでは、洪水を予測しながら空を見ていた人がいた

  • 中国の万里の長城を築いた人たちは、ただ石を運んでたんやなく、
    遠い未来を見つめながら作業してた

  • 日本でも、川を治め、山を整えながら、自然と「仲良くやっていく」ために工夫を重ねてきた

これ全部、土木の話なんやね。


4. 土木は、自然と「うまくやる」ための知恵

よくある誤解は、「土木って、自然に勝つためのもんやろ?」っていうやつ。
でも、実際はぜんぜんちゃう。

土木は、自然と“戦う”んやなく、“うまくやる”ための技術
いわば、自然と手を取り合う“しぐさ”みたいなもんなんや。

  • 土を掘る

  • 水を引く

  • 石を積む

どれも地味でシンプルな作業やけど、そこには人の「願い」や「未来への祈り」が込められてる。


5. 土木がつくる「かたち」と「こころ」

土木って、見えるものだけやない。
見えない「気持ち」や「想い」も運んでるんよ。

たとえば――

  • は、人と人をつなぐもの

  • は、「遠くにいる誰かに会いたい」って気持ちのかたち

  • ダムは、まだ生まれていない未来の人たちへのプレゼント

こういう考え方をすると、街の風景の見え方もちょっと変わってくるんちゃうかな。


6. 日常にひそむ、土木の気配

実は、私たちのまわりにも、土木のしごとはたくさんある。

  • 駅前の歩道

  • 通学路の段差

  • 雨の日に水が流れる溝

それらは全部、誰かが考えて、手を動かして、つくってくれたもの。
つまり、**「誰かの技術」と「誰かの気持ち」**がそこにあるってことやね。


7. 『土木文明史概論』という本について

合田良実さんの『土木文明史概論』は、土木の知識を教えてくれるだけやなくて、
もっと深い、「土木の心」や「人の歩んできた道」まで教えてくれる。

言うならば――

これは、“知識の本”であると同時に、“風景の詩集”でもある。

ページをめくるたびに、どこかで聞いたような風の音や、
誰かが汗を流して石を運んだ音が、ふわっとよみがえってくるんよ。


8. いま、そして未来へ

土木の仕事は、過去の話やと思われがちやけど、
実は、今もこれからも、ずっと私たちのすぐそばにあるものや。

いま歩いているこの道も、これからつくられる街も、
そのすべてに「人の手」が関わっていく。
その積み重ねが、また新しい“記憶の風景”になっていくんやと思う。


おわりに

土木とは、自然と人との、静かで、長い対話の歴史やった。
そしてそれは今も続いてるし、これからも終わることはない。

気づかんうちに、足元に広がってる。
それが、土木という名の記憶の風景なんやね。


合田良実「土木文明史概論」

2025-04-08 14:13:08 | 研究のこと

土木という記憶の風景
――『土木文明史概論』をめぐる、ひとつのやさしい物語

風が吹く。
川が流れる。
地面が少しずつ変わり、人の手がそっと触れていく。

その営みの果てに、道ができ、橋が架かり、町が生まれた。
文明とは何か――と誰かに尋ねられたら、私はこう答えたい。
それは、自然に語りかけながら、人と人とが寄り添い、記憶をかたちにしてきた旅路のことだと。

合田良実の『土木文明史概論』は、そうした旅の物語を静かに紐解いてくれる。
教科書のような硬さはない。むしろ、ページをめくるたびに、耳をすませば聞こえてくるような、古の人々の声がある。

ナイルのほとりで、水と共に生きた民。
チグリスとユーフラテスの狭間で、洪水の予兆に耳を澄ませ、空を見上げた知者たち。
長城を築きながら、遙かなる地平を見つめていた、名もなき石運びの男。
そしてこの日本で、流れる川に土を盛り、崩れる山をなだめ、神のように気まぐれな自然と、そっと手を取り合って暮らしてきた人々。

土木とは、自然をねじ伏せるものではなかった。
それはむしろ、自然と和解し、共に生きるための、やさしい“仕草”だったのかもしれない。
土を掘り、水を導き、石を積む。その繰り返しの中に、誰かの願いや、不安や、未来への想いがひそんでいた。

たとえば、道は人と人をつなぎ、
橋は遠くを想う心をかたちにし、
ダムはまだ見ぬ世代への、贈り物として存在している。

日々の景色のなかに、私たちはふとした瞬間、土木の気配を感じる。
それは駅前の歩道かもしれないし、通い慣れた通学路の段差かもしれない。
けれどそのひとつひとつに、誰かが思いを寄せ、技を注ぎ、時には夢を託してきたことを、忘れずにいたい。

『土木文明史概論』は、知識の本であると同時に、
私たちがどこから来て、どこへ向かっているのかを教えてくれる、風景の詩集のような一冊でもある。

過去は静かに眠っているようで、
実は今この瞬間も、そばにいてくれる。
土木という名の記憶の風景は、いつだって、足もとに広がっているのだ。


暑中コンクリート

2025-04-08 13:56:22 | 研究のこと

暑中コンクリートの計画・設計・施工に関する指針(案)の概要

近年、夏季の高温多湿な気候条件において、コンクリートの施工における品質管理や作業者の安全確保が重要な課題となっています。特に、コンクリート施工時の温度管理は、施工品質に大きな影響を与えます。このような環境に対応するために、コンクリート業界では「暑中コンクリート」に関する指針(案)が策定され、施工現場での実施方法が具体的に示されています。本稿では、この指針(案)の内容を概説し、施工現場における実務的な取り組み方を探ります。

1. 暑中コンクリート指針(案)の目的と適用範囲

この指針(案)は、暑中期におけるコンクリートの計画、設計、施工のための標準を示すものであり、特に日平均気温が25℃を超える夏季におけるコンクリート施工を対象としています。具体的には、打込み時のコンクリート温度が38℃以下の場合に焦点を当てています。これは、過去の施工実績を踏まえた上で、安全性や品質の確保を目的に設定された温度範囲です。実際に、日本国内ではコンクリート温度が38℃を超える事例は非常に少なく、これを超えると施工の難易度やリスクが大きくなることが指摘されています。

また、この指針(案)は場所打ちコンクリートを主な対象とし、現場で直接製造されるコンクリートに焦点を当てています。一方で、プレキャストコンクリートや現場練りコンクリートについても言及されており、これらの施工においても暑中対策が有効であることが強調されています。

2. 暑中コンクリートにおける品質確保

高温環境でのコンクリート施工では、品質を確保するために特別な対策が必要です。指針(案)では、施工現場での品質管理を確実に行うために、以下のような対策が提案されています。

  1. 温度管理と品質確保
    暑中期においては、コンクリートの温度管理が最も重要な課題です。コンクリートの打込み時温度が高いと、フレッシュ性状(新鮮なコンクリートの状態)や強度、施工性、温度ひび割れなどが影響を受けます。このため、施工時のコンクリート温度を38℃以下に保つための対策が必要です。これには、コンクリートの配合設計において温度を下げるための材料選定や冷却方法が含まれます。

  2. 混和剤の活用
    コンクリートの品質を確保するためには、暑中対策用の混和剤を使用することが推奨されます。これにより、コンクリートの流動性を長時間保持し、適切な凝結時間の遅延を実現することができます。特に、35℃以上の高温環境では、これらの混和剤が重要な役割を果たします。

  3. 施工計画と調整
    暑中コンクリートの施工計画は、現場の気温や湿度に応じて柔軟に調整する必要があります。例えば、施工時期を早朝や夜間に変更することで、気温が低い時間帯に作業を実施することができます。これにより、コンクリートの品質を損なうことなく施工を進めることが可能となります。

3. 作業者の安全衛生対策

高温環境下での作業は、作業者の健康や安全にも深刻な影響を与えるため、暑中コンクリートの施工においては安全衛生対策が不可欠です。この指針(案)では、作業者の安全を守るための対策として、以下の点が強調されています。

  1. 熱中症対策
    高温環境での作業は、熱中症のリスクを高めます。そのため、作業者が適切に水分補給を行えるような環境を整備し、定期的な休憩を設けることが重要です。また、作業時間を短縮したり、作業の負荷を分散することも効果的です。

  2. 安全設備の導入
    近年では、安全設備として空調服や冷房設備を備えた休憩所の導入が進んでいます。これらを活用することで、作業者が快適に作業を行い、過酷な環境下でも安全に施工を進めることができます。

  3. 施工時期の調整
    作業環境が極端に暑い場合には、作業時期を変更することが必要です。早朝や夜間など、気温が低い時間帯を選んで施工を行うことで、作業者の負担を軽減し、コンクリートの品質も守ることができます。

4. 施工現場での具体的な取り組み

この指針(案)に基づく施工現場での具体的な取り組みとしては、以下のような方法が考えられます。

  • 事前の施工計画と調整
    工事の初期段階で、気温や湿度、施工条件に応じた施工計画を立案することが重要です。必要に応じて、工期の調整や施工方法の見直しを行い、暑中期におけるリスクを最小限に抑えることが求められます。

  • コンクリートの温度管理
    現場で使用するコンクリートの温度を管理するために、冷却方法を取り入れることが必要です。例えば、冷却水を使った冷却や、コンクリートの製造時に温度を下げる方法を導入することが効果的です。

  • 品質管理と検査
    コンクリートの品質が確保されているかどうかをチェックするための品質管理と検査体制を整備することが不可欠です。温度管理が徹底されているか、混和剤が適切に使用されているか、施工後の品質が設計通りであるかなどを確認します。

5. 結論

暑中コンクリートに関する指針(案)は、酷暑の環境下でもコンクリート構造物が所定の品質を満たすよう、施工方法や対策を具体的に示しています。施工者、発注者、設計者、製造者が協力し合い、安全衛生対策や温度管理を徹底することが、コンクリート施工の成功に不可欠です。今後は、これらの指針を実践し、猛暑に対応できる施工環境を整えることで、より高品質なコンクリート構造物を提供できるようになるでしょう。


ピアノ

2025-03-25 10:27:26 | 趣味のこと

現在の趣味の一つはピアノです。

今回の一連のメンタルの不調?をきっかけに、久しぶりにピアノを再開しました。小学校4年生でやめたピアノですが、現在は、モーツァルトの簡単なピアノソナタ(K.545)も第一楽章から第三楽章まで弾ける程度、です。

自宅に新しい電子ピアノも購入し、結構弾いております。

今朝は、体操、柔軟体操と坐禅(15分)をして、ピアノもそれなりに弾きました。

不調のときは、生活の習慣が大きく崩れます。

以前は、ジョギング、自転車、水泳などもやっていたので、少しずつ、自身の生活習慣を再構築していければと思っています。

大学教員を続ける自信も無くしておりましたが、何とか持ち直しそうです。。。

無理しないように周囲のアドバイスも踏まえて心がけておりますので、仕事を断る場合や、お付き合いの悪い場合はご容赦ください。。。


不調から脱却?

2025-03-24 13:26:29 | 人生論

私には珍しく?メンタルの不調に陥っておりまして、

2ヶ月ちょっと相当な低空飛行を続けておりました。出張も全くせず(むしろ講演をキャンセルしたりして)、どうしちゃったの?という状況でしたが、ようやく回復の兆しです。

まだまだ完調の3割くらいかもしれませんが、考え方がポジティブになり、行動量も増えてきました。

元気の無い方が周囲に迷惑がかからなくてよいのかもしれませんが、よろしくどうぞお願いいたします。


動画配信:国土交通省のコンクリート構造物の品質確保の試行工事の講習会(12/9に実施)

2024-12-16 09:28:02 | 研究のこと

12/9(月)に開催した、オンライン講習会の内容が動画で配信されました。すべての講演や、話題提供を動画で見ることができます。品質確保の実践にご活用ください!


第7回 元気なインフラ研究所 公開セミナー(今回は情報交換会)

2024-12-10 15:05:43 | 研究のこと

2024年の12月20日(金)14:00~15:00 (Zoom)

元気なインフラ研究所の第7回の公開セミナーを開催いたしました(動画はこちら)。

https://us06web.zoom.us/j/88552846788?pwd=wFBJRF4Zzgo6R2uRX5Fk9VtiPXq18U.1

Zoom ID: 885 5284 6788
パスコード:425905

「元気なインフラ研究所の情報交換会」

主な参加者:彌永 貴裕 氏(高岡市、元気研コンソーシアムメンバー)、宮本 充也 氏(長岡生コンクリート、元気研コンソーシアムメンバー)、松永 昭吾 氏(元気研所長)、二宮 純 氏(山口県の品質確保システムの創始者)、宮川 洋一氏(愛知県、元気研コンソーシアムメンバー)など

今回は、元気研のコンソーシアムでの様々なプロジェクトの情報交換や、今後の皆さんの連携(各自がどんなことができるのか)などを、気楽に情報交換する場とさせていただきます。

今後もセミナーは何度も重ねて実施していきます。膨大な既設インフラの維持管理はもちろん、新設インフラの品質確保と長寿命化、圧倒的な環境負荷低減型の建設材料の開発と実装、などを推進していきます。

セミナーなどで語られる哲学に基づいて、着実に実践、実装を重ねていきます。粘り強いこと、しつこいこと、良いことはいつまでも続けること、などが我々の取り得と思ってます。。。

元気なインフラ研究所のコンソーシアムへの行政機関の会員が増えてきています。民間企業の会員も増えてきています。

コンソーシアムが軌道に乗ってくると、会員限定のセミナーを開催したり、共同研究やコンサルティングなどもどんどん増えていくと思いますので、ご興味のある方はぜひ、コンソーシアムへの入会をご検討ください。こちらを参照ください。


2024年12月9日、国土交通省のコンクリート構造物の品質確保の試行工事の講習会

2024-11-15 09:41:31 | 研究のこと

国土交通省のコンクリート構造物の品質確保の試行工事の講習会を開催します。プログラムを以下に示します。

ご参考までに、
2023年11月27日の講習会の動画や資料はこちら
2022年12月16日の講習会の動画や資料はこちら
2021年11月26日の講習会の動画や資料はこちら

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「コンクリート構造物の品質確保の試行工事に関する講習会」 プログラム

日時:2024年12月9日(月)14:00~17:00(オンラインのみ。無料です)

オンライン(Zoom)での講習会
https://us06web.zoom.us/j/88552846788?pwd=wFBJRF4Zzgo6R2uRX5Fk9VtiPXq18U.1
Zoom ID: 885 5284 6788
パスコード:425905

講習会のスケジュール

1. 開会の挨拶(国土交通省 技術調査課)(5分)

2. 品質確保の試行工事の目的や土木学会の品質確保の委員会の活動状況
(土木学会コンクリート委員会235委員会 委員長 細田 暁)(10分)

3. 各地域での試行工事におけるGood Practice(優れた取組み)(14:15~15:15,15分程度×4件)

3.1 極寒冷地の凍害対策に向けた配合試験の報告・冬季打設の施工報告
発表者:西松・植木・堀口・戸沼岩崎 北海道新幹線,倶知安駅高架橋JV 佐藤 亙 氏
3.2 北海道十勝地方の橋台試行事例(紋別川橋橋台工事,北海道開発局)発表者:加藤建設 加藤 茂樹 氏
3.3 広島県福山市の鞆未来トンネルでの覆工コンクリートの品質確保,発表者:五洋建設 古山 純也 氏
3.4 下水道処理施設のRC構造物におけるひび割れ抑制の取組み,発表者:勝井建設 吉廣 幸司 氏

質疑応答(15:15~15:30)

休憩(15:30~15:40)

4. 品質確保に関連する話題提供 (土木学会コンクリート委員会235委員会から)
4.1 一般構造物の目視評価法の評価法の改善について
4.2 トンネル覆工コンクリートの目視評価法の評価法の改善について
4.3 山口県の毎年の品質確保の講習会について
4.4 山口県の構造物群の品質の向上についての研究成果の発表
4.5 施工状況把握チェックシートの適切な活用方法
4.6 暑中コンクリート等での品質確保のためのスランプ保持型混和剤の活用

5. 全体的な質疑応答・講評(16:40~16:55)

6. 閉会の挨拶


和のAI・コーチング

2024-11-15 08:58:52 | 研究のこと

ご無沙汰しております。本調子でない状況が続き、日常を乗り切るのにアップアップしておりました。。。少しずつ元気になってきているように思います。引き続き、皆様のご支援、よろしくお願いいたします。

さて、豊穣な社会研究センターのつながり方研究所も、いろいろと活動の展開をしておりますが、「和のAI・コーチング」が今後、大きな展開となりそうです。これについての対談を、豊穣だよりの第7号として発刊いたしました。ぜひご覧ください!


元気なインフラ研究所 第6回セミナー、『オワコン』

2024-10-01 11:14:39 | 研究のこと

豊穣C、元気なインフラ研究所の第6回の公開セミナーを開催いたします。

2024年10月9日(水)、15:30~16:30ごろの予定です。テーマは、噂の『オワコン』!お楽しみに!


今後の社会のあり方とは?

2024-09-06 08:33:34 | 社会問題

失われた30年、という言い方をよくされます。

経済政策の失敗(緊縮財政、デフレ状況で政府が適切な財政出動=投資をしっかりしてこなかった)という見方もよく言われますし、その背景には大東亜戦争での敗北(受け入れざるを得なかった)の後の、アメリカの強烈な占領政策の影響があるのは間違いないと思います。

とは言え、時代は激変していくし、私たち日本人もこの激動の世界をたくましく生き抜いていく必要があります。

大雑把に言うと、産業革命の影響が日本にも明治維新のころから及ぶようになり、いわゆる近代化の中で、人間の力(田+力=男)でやるべき仕事が、機械に置き換わりました。膨大なエネルギーや資源を使って、苦行から解放されてきた、という歴史が一つあります。武田邦彦先生は日本においてはその頂点が1970年ごろであった、とのことです。

その後、いわゆる重厚長大から、ソフト分野が大きな進展を見せ、ITの時代が始まりました。日本では1990年ごろからと言われています。皆さんがパソコンや携帯電話などを普通に使い始める時代です。

産業革命により人間が「力」から解放されたのに続いて、今度はIT革命により人間は「知」、頭脳労働からも解放されようとしています。

30年間が失われた時代だとしても、その間、とてつもなく便利な時代になりました。

そして、この先は、何を「豊かさ」としていくのか。

GDPに象徴される単純な経済発展の時代は終わった、とする識者もいます。

GDPがどんどん縮小してよいとは私は思いませんが、物質や情報を得ることだけで幸せが得られるとは全く思いません。

見た目には、物質にも満たされ、情報(ガラクタ情報も含め)に溢れた社会になっている。

だけれども、多くの方々が幸せである、とはとても思えない。

今後は、どのような社会を目指すべきなのでしょうか。

私は、「絡合」、適切につながる社会、であろうと思っています。

私の専門のインフラも、IT技術も、基本的には人々をつなぐためのものです。

特に日本においては、強力な絡合的な社会であった状態を、分断と孤立、という悲惨な状況に追い込まれてきました。

今さら大家族制が復活するとも思えませんが、生物の本質である絡合的な生き方(人間の体も、無数の細胞が絡合して、一つの生命体を成している)に向かっていくべきだと思っています。

同志たちでつながり合い、生命体のように自律分散的に、かつ、ゆるく大きな正しい方向性に向かって進化していく。正しい方向性とは何か、についても常に議論が必要ですが、私は本来の日本人の伝統・文化・死生観などは、世界の正しい方向性のために重要な役割を果たすと思っています。

絡合、つながる、とは仲良しこよしのお友達グループ、というわけではありません。生命体、生物集団は強い。弱肉強食や壮大な食物連鎖の中で生き抜くための根源が、絡合です。絡合はしなやかであり、強靭なのです。

絡合。つながり。どのようにつながるか、がつながり方。

豊穣な社会研究センターのつながり方研究所、の役割は大きいと思っています。


「豊穣祭」?「新嘗祭」? ー米と土木ー

2024-09-05 08:43:56 | 研究のこと

11月23日が何の日かご存じですか?以前は、新嘗祭の日だったことをご存じでしょうか?今は、へんちくりんな名前の日になってしまっていますが、なぜ変わったのか(大東亜戦争で敗北を受け入れたことが関係しています)、ご存じで無い方は勉強してみてください。

さて、11月24日(日)に、豊穣センターのイベントを実施することになりそうです。23日に実施したかったのですが、コアメンバーの予定が合わず、23日は前夜祭的なイベント(都合の付く方々で遅めの午後からイベント)、24日の午前にイベント本番、としたいと思っています。

「食糧」とくに、「米」をテーマにします。

私は、土木、インフラの重要性を、個人の生活への影響や、社会の健全な発展、防災・減災などの観点から話すことが多いのですが、理解していただける場合も多いですが、なかなか一般に浸透しません。

「食」をテーマにした方が面白いし、身近に感じるのではないか、と以前からぼやっと思ってはいましたが、昨日の、元気なインフラ研究所の所長のマツさんと、仙台でゆったりと昼食を取りながらの対話で、双方が確信し、今回のイベントを実施することにしました。

日本人にとっての最重要な食糧とは?間違いなく、米です。

新嘗祭。五穀豊穣を祝う、最重要とも言える神事。

米を食わなくなり、小麦食が激増し、健康を失った日本人。大きな圧力が、戦後かかり続けていることは当然ご存じかと思います。

ベトナムに数多く出張しますが、様々なおいしい麺の食事がありますが、米の麺ばかりです。私の周囲にはずっと力説していますが、小麦の麺などやめて、米の麺を普及すべきと思います。ものすごくおいしいですよ。

自然災害に対する防災も大事。でも、まずはとにかく食糧安全保障、です。食わなければ死にます。

米、大豆、魚。極論すると、この三つを死守すれば、日本人は生きていけると思っています。我が国家、国民は、この三つをどれくらい大事にしてますか?本当に飢える時代が迫ってますよ。

極端な減反政策。食糧安全保障を捨てて、札束で食糧を輸入し、増えた人口を危険な土地に密集させて住む。災害が増えるに決まってます。

米の問題から、国土の利用の仕方、個人の健康問題、新嘗祭をはじめとする日本国の成り立ちや伝統・文化への興味・憧れ、様々な話題に発展できます。

とにかく日本の食事はおいしい。8月下旬にアメリカの西海岸に一週間ほどおりましたが、使いやすいフリーウェイ(高速道路)と大谷翔平の活躍をドジャースタジアムで観たこと以外、アメリカに魅力を何一つ感じませんでした。食事はまずいし、高すぎる。

食事は楽しいですね。食文化と言いますから、日本の良さを見直すことにもなるでしょうし、少なくとも食事をしない人はいませんから、極めて多くの方々の関心につなげることができると思います。

米と言えば、日本酒。日本酒も、戦前は純米酒しかなかったことをご存じですか?日本酒にはいろんな種類がありますが、私は基本、純米酒しか飲みません。大吟醸、吟醸、などとこだわっている方もおられますが、そもそも純米でないかどうか、そちらの方が重要と思います。なぜ、純米酒で無いものがこれほど多く出回っているのかも知ってますか?結局、敗戦(終戦)がきっかけです。

米、五穀豊穣、豊穣な社会、土木、食文化、安全保障、国土、田園、天皇、古事記、・・・

キーワードは増えるばかりと思いますが、

11/23、24にイベントを開催しますので、ぜひご参集ください。イベントの詳細は、追ってご案内します。


素直さ

2024-09-05 08:08:36 | 人生論

「素直であること」の大切さについては、私の過去のブログでも何度か書いてきました。今の時点で、改めて、素直さの大切さを強く感じていますので、土木学会全国大会で仙台に来ている今、書こうと思います。

時代は激変しています。100年に一度くらいの変化が生じていると言う人もいますし、もっと大きな変化だと言う人もいます。私もそう思います。また、過去の古き良き時代があるとして、そこに戻りたいという気持ちを持つ人も少なくないと思いますが、我々人類は、前に向かって進んでいくしかありません。

人口爆発、食糧・エネルギー不足、大都市の過密化と地方の過疎化、人間個人の分断と孤立、先の見えない時代における不安、問題は限りありません。豊穣センターが真正面から立ち向かう、防災・減災や、インフラの長寿命化・維持管理なども、極めて大きな課題です。

時代や社会が変わるのですから、人間個人も変わらざるを得ないと思います。何のために変わるべきなのでしょうか。

幸せに生きるためだと思います。

何をもって幸せ、豊穣、豊穣な社会、というのか。それこそ、今、そして今後、問い続けるべきです。問うて、実践すべきです。

変わるためには何が必要か。素直さ、でしょうね。

私の周囲を見ていても、素直でない人はとても多い。私の本当に近くにいる方々は、素直な方が多いです。

素直でない人と話していると疲れる。もう一度話したいとあまり思わない。話していても、受け入れる様子もないし、とにかくクリエイティブに会話が進まない。

素直な方、学ぼうとする方、変わっていく時代、社会に適切に対応し、少しでも貢献したいという気持ちを持つ方々とは、話していて楽しいし、その時間こそが幸せ、豊穣、であると感じます。

私自身は、素直な方だと自覚しているし、いろんな方に「素直ですね」と言われるので、おそらく素直な素質は持っているのだと思います。そのように育てていただいた両親や先輩方に深く感謝いたします。

私自身、本質的には生まれたときからそれほど変わっていないとは思いますが、多くの方々の導きや、自身が置かれた環境において、数知れず、変化を遂げてきました。

今回、2024年の3月末くらいから経験した、自身の体調の不良(基本的には過剰な業務、責任から来ていた)、精神面での脱皮、心身のバランスを高次元で確保するための人生設計・生活環境・生活スタイル・仕事スタイルの大転換、は私自身にとって極めて大きな学びの期間となりました。

その期間、本当に信頼できる方々とたくさんコミュニケーションを重ね、多くの新たな出会いがあり、同志が増え、豊穣な社会を目指していく人のつながりが急速に増えてきました。

素直であり続け、学び続け、そして誠実であり続けるために努力を重ねる。

逆説的ですが、素直であるためには、したたかさも必要です。

私が素直で、学び続けられるのは、そして誠実であり続けられたのは、研究者であるから、という面が大きいと思っています。

自然科学、工学の場で研究、実践をしていると、自分の仮説や思い込みが覆されることなど日常茶飯事。日々、学びます。そして、自分の思い込みほど恐いことはない、と思い知らされます。

社会で実践、技術や考え方などを社会に実装、していくとなると、素直なだけでは上手く行きません。原動力は素直さでよいと思うのですが、誠実かつ、したたかさ、たまにはずる賢さも合わせ持っていないと、大きな改善は形になりません。

清濁併せ呑む、というような言葉もあります。

今回の仙台出張は、とても大きな仕事はすでに終わりましたが、自分一人の時間も多く、休養も取りつつ、その時間を貴重に使わせていただいています。また、多くの方々と懇親する場もいくつかあるので、豊穣な社会のための、豊穣な時間となるよう、素直さを前面に出して全力で懇親します。。。


ベトナムのダナンの出張レポート(前半)

2024-08-17 15:36:38 | 研究のこと

今年度、初の海外出張となりましたが、4月頭からの地獄のような「脱皮」「大転換」の4ヶ月を、「無事に」?乗り切って、今回の出張にたどり着きました。

ダナンに来るのは10回目くらいだと思いますが、多くの教え子やその仲間たちにいつもサポートしてもらい、充実した出張になります。今回は、生コン工場、ゼネコン、山岳トンネルの運用やメンテナンスも担当しているゼネコン、大学の研究者たちとの交流や将来の協働のための議論を、たくさんさせてもらっています。

私自身の言葉で書いてもよいのですが、私の出張の前半に同行した、長岡生コンの宮本充也さんのブログが面白いので、それらをご紹介します。。。

1. 何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート① 「やっぱ最初からトラブル」

2. 何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート② 「なぜかダナンでひとりぼっちなんダナン」

3. 何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート③ 「生コン工場さえあれば世界中どこでもオワコン」

4. 何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート④ 「お仕事の合間に観光で骨休め」

5. 何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート⑤ 「建設コンクリートグループDUFAGO訪問」

6. 何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート⑥ 「ベトナムの残コン現場視察」

7. 何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート⑦ 「インフラ大手DEOCA訪問」

8. 何かとお騒がせ中 【ホソヤン】 と行く! ベトナムダナンのコンクリート視察レポート⑧最終章 「日本のゼネコンが手がけたトンネル視察。ありがとうベトナム」