細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

シンポジウム

2010-10-30 21:34:15 | 研究のこと
昨日は京都で開かれたコンクリート構造物の補修・補強に関するシンポジウムに出席してきました。第10回目で,関係者の皆様の真摯なご努力の積み重ねにより,盛況で,私も昨年から参加させていただいていますが,とても楽しみな学会の一つです。

我が研究室からは2つの論文を初めて投稿しました。一つは林さんの博士論文にも関連する研究で,修士1年の長沼君が発表し,優秀論文賞を受賞していました。もう一つはJR東日本と行ってきた表面含浸材に関する研究で,修士2年の松田さんが発表しました。お父様も連名に入っており,いろんな意味で貴重な論文です。二人ともしっかりと発表していました。

維持管理のプロフェッショナルが集まっているシンポジウムとあって,質疑も活発ですし,またこういうシンポジウムで成果をきちんと発表しておくことは実務においても影響が大きいことを感じました。長沼君の発表を見るために,会場を移動している人がかなりいることを生で見ました。かぶりが大きすぎるとよくない,ということをある視点から提言する論文ですが,東北大の久田先生も「横国がそういうことをきちんと言ってくれる論文のようだから,見に行く」とおっしゃって,私と一緒に会場に行きました。

含浸材の論文も,実構造物の暴露試験の8年目の調査結果なので,貴重な成果と思います。こちらもその方面の方々には注目していただいたようで,よかったです。また,そのセッションでは含浸材の研究ばかりだったのですが,私の研究のことが何度も質疑でreferされ,私も何度か発言しておきました。

以前よりも我が研究室の注目度も高まってきているようなので,どんどんと研究を進め,しっかりと成果を発信することの重要性を再確認しました。

また,もちろん聴講者としても多くのことを吸収させていただきました。

特別講演が,人口減少社会でコンクリート構造物に何が期待されるか,というテーマだったのですが,少し偏った視点だなあと思って聞いていたところ,段々と論旨がエスカレートしてきて,会場が暗くなってきているのに講演者は意気揚々,というような雰囲気だったので,手を挙げて発言しておきました。境界条件をきちんと設定していない議論は嫌いです。マスコミのことを批判しておられましたが,まさにマスコミの論調でございました。残念!私と同じくらいの年代でしょうが,もうちょっと修行しましょうね。

大雨の日

2010-10-30 21:04:55 | 家族のこと
昨夜,京都から帰ってきました。コンクリート構造物の補修・補強に関するシンポジウム。我が研究室からは2件発表で,情報収集なども含め収穫が多くありました。また長沼君が優秀論文賞を受賞。こちらの件は本家ブログなどで改めて。

今日は夕方から台風が来るらしいということもあって基本的には家で過ごしたかったのですが,長女のバレエの習い事のため,午前は二人で外出。往復はかなり風雨に攻撃されながらも,長女はバレエをしっかりと練習し,私はスーパーで食材の買い物。スーパーが開くまでは,コーヒーを飲みながら平家物語の読書。

京都で林さんに勧められた牛煮込みなどを食べ過ぎてすごく太って帰ってきたので,週末はダイエット。稲庭うどんの束をたくさん買いました。昼食,夕食は主食はうどんにして,豆腐,さんま,トマトなどでヘルシーな食事。夕食後には私の体重もあっという間に減っていました。

子供たちと遊ぶ時間(本を読んだり,すごろくをしたり,パソコンの着せ替えゲームで遊ばせたり)も確保しながら,お仕事もやりたいことを中心に実施。今月末が締切りの予算申請書も今日1日で完成。初めて応募する助成金ですが,まあすぐに書けるものだし,当たれば儲けもの。

一週空きましたが,またPowersの勉強会も始まるので,2章の予習も開始。

平家物語は2巻に入りました。保元の乱がメインテーマですが,すごい世界です。崇徳天皇についてはそれなりには知っていますが,小説として読んだことはなく,吉川英治の描写からいろんなことを感じながら学んでいます。

明日もいろいろやりたいですが,いくつか溜まった議事録の作成,12/21(火)の研究会の段取り(講演者の交通や宿泊,講演内容などの段取り)などは絶対にやっておきたい仕事。

11/5と11/12の両金曜日は,岡山と八戸でライブです。どちらも田村先生とご一緒。おいしいお酒が飲めそうで,楽しみでございます。

第6回研究会

2010-10-28 09:11:08 | 研究のこと
前回の第5回が昨年2009年の11月11日でしたから,1年ちょっと間が空いてしまいましたが,コンクリート材料-構造の最先端技術に関する研究会の第6回目を開催いたします。

今回は,「発注者の役割」(仮題)です。すでにいろんな方々にメールでご連絡いたしておりますが,やはり皆さんの関心の高い内容なのでしょうか。参加希望のご連絡をいただき始めていますが,普段よりも聴衆の幅が広がりそうで,私の目論見どおり,多くの発注者の々に来ていただけそうな感じです。

この研究会も今回がターニングポイントになる可能性があると思っておりまして,ただ単なる技術の研究会から,自治体のひび割れ抑制対策や維持管理システム,ひいては発注システム(総合評価含む)などの情報交換の場,自治体をバックアップしていく場などに発展していく可能性を思い描いています。

まあ良かれと思う方向に発展させていきます。

力量と度量

2010-10-23 13:20:12 | 人生論
今日は土曜日ですが,奥さんに協力してもらって,自宅で仕事に時間を使わせてもらっています。予算の申請書の仕上げや,その他いろいろな仕事をこの週末に終わらせておく必要があるからです。もちろん,ずっと仕事をするわけではないので,家事もやるし,子供とも遊びます。

ここのところ,少し自身の度量の小ささが気になるときがあります。

力量は年を重ねるごとに付いてきているのを感じます。専門家として,教育者として,全力で努力を重ねてきたので,力量が付かないでは困ります。

しかし,それに見合う度量を合わせもたないといけません。

学生と私の力の差は付いて当たり前。学生は毎年入れ替わるのだから,准教授になりたての30歳の頃の私と,今の私とで,当然に力の差は広がっています。当たり前です。

でも,常に学生の目線に立って考えることのできる大人でありたいと思っています。私自身はスーパーマンでは決してありません。良い先生たちにめぐり合い,良い師匠たち,先輩たち,仲間たち,学生たちに恵まれて,向上してくることができました。苦労もしてきたし,どうすれば楽しく向上していく人生を送れるかを学生に伝えるべき人間であると自覚しています。

学生たちが悩んでいる気持ちにもっと敏感になり,度量を大きく持って接し,厳しいけれども楽しい雰囲気を醸成できるようにしたいと思います。


家事の様子

2010-10-19 05:49:47 | 家族のこと
昨夜,月曜日の夕方以降の家事の様子。

17:00過ぎに大学発。バスで読書しようとするも,日中の会議・会議中の内職疲れで読書断念。iPhoneで遊ぶ。

18:00過ぎ,保育所着。2箇所の保育所を回って娘たちをピックアップ。

果物,パン,魚などの買い物。

大戸屋で夕食。

20時前帰宅後,以下の家事。

・長女に子供部屋の片付けを指示。
・食卓の片付け
・洗濯
・魚の煮付け(翌日の子供の夕食用)
・お風呂準備,子供の入浴
・洗濯干し
・子供たちの寝かしつけ(次女が泣きじゃくって苦戦。奥さんにSOS)

21時45分ごろ就寝。

AM2時半に次女の泣き声で起床。奥さんがあやしていた。

・仕事開始。メール処理。予算申請書の作成作業。
・コーヒーを沸かしながら,2匹あまっていた魚を塩焼き。
・仕事終了後,台所の食器洗い。
・子供の夕食用の炊飯の準備。

AM6時前,ゆっくりと入浴(平家物語を読みながら)。

といった感じです。いつもいつもではないですが,家事を頑張るときはこんな感じ。

もちろん,入浴後はいつもの日常が始まりますから,朝食の準備,保育園の送りからスタートです。

家事はとにかく並行作業でやる段取りがすべて。家事が上手にできれば,仕事のやり方も変わります。


朝飯まえ

2010-10-19 05:10:53 | 人生論
外山滋比古さんの「思考の整理学」という本を9月上旬に読んで,いろいろ参考になりましたが,その中の「朝飯前」という随筆も印象に残り,最近よく思い出します。

朝飯前,という言葉がありますが,「簡単」という意味で用いられてますが,どうもそうではなく,朝ごはんの前が一番仕事がはかどる,と外山さんは言ってます。ご飯を食べるともうダメ。それは私も感じるときが多いです。エネルギーが消化に使われるからでしょうか。

私は朝食はフルーツ主体なので消化もよく,朝食後は大丈夫です。昼食後,夕食後はアウト。

外山さんは朝目覚めてから「朝飯前」に思い切り仕事をして,食事を食べたら睡眠。また起きて,二度目の「朝飯前」に思い切り仕事をして,食事をしてまた休む。というリズムだそうです。

家庭もあり,大学で働いているとそうもいかないことはありますが,今日のように非常に早朝(3時前)に起きると,朝食までの間はとても仕事がはかどります。

山口県のひび割れ抑制対策

2010-10-19 04:51:10 | 研究のこと
山口県のひび割れ抑制対策に私が本格的に関わるようになったのは平成21年の3月でしょうか。そのときに山口県の構造物を見学させていただき,ひび割れ抑制対策についての概要を教えていただいて,強烈なインスピレーションを感じたのを覚えています。

それから1年半が経過しました。

いろいろと動きがありましたが,一つはひび割れ抑制対策と表層品質の関連。これももはや大きな動きの一つになりかけているかと思います。ここは私のオリジナリティを最大限に発揮するチャンスですので,精一杯頑張ります。

また,ひび割れ抑制対策が全国展開する土壌が十分にできてきたと思います。そのためには,山口県のひび割れ抑制対策のブラッシュアップも不可欠です。連携する全国の研究者たちと,予算の申請書を作成しています。もちろん,ヘッドは田村先生。

競争資金だから外れることもあるでしょうが,夢をともにできる同志がたくさんいるというのは何だかいいものです。深夜に作業していても,その夢のためと思えばなんてことはありません。夢をともにしているから,やるときはやって,夢を肴においしいお酒を飲む。ひび割れ抑制対策においては私はあくまでお手伝いですが,私が加わることで夢が大きく広がるのであればやりがいがあります。

自分自身の予算申請書も頑張らなきゃね。今週が勝負です。

ですが,木曜日は浦佐で夜勤!防音壁でひたすら表面吸水試験です。それもまた楽し。別の夢のためです。

後世への・・・

2010-10-17 19:35:06 | 人生論
今度の水曜日21日から,学部3年生を対象にした少人数ゼミが始まります。

回数が限られているので,初回に集まってもらう前に,内村鑑三の「後世への最大遺物」を読んでから来てもらうように指示をしました。というわけで,私も週末に読みました。

読むのは最低3度目です。もう読む必要はないかと思っていましたが,やはり今回も読んで刺激を受けました。ほぼすべての考え方は私の血肉にはなっていますが,内村の言葉として直接聞きなおすことで,励まされることになります。

後世に残すべき「最大」遺物は,「高尚なる勇ましい生涯」である,と内村は説きます。そして,障害があればあるほど,それを乗り越えようとする生涯は高尚で勇ましいものになります。

私にも多くの「障害」がありますが,それでこそ自らのトレーニングのしがいがあるというものです。

15日の金曜日には,長女の保育園に「保育参加」。朝9時からお昼ご飯の終わる12時半まで,娘の保育園のクラスに入って一緒に過ごしました。長女は楽しみにしており,クラスの子供達のことも私はよく知っているので,思い切り遊びました。特に公園でのリレー,その後のおにごっこはすさまじかったです。私もすべて参加して,おにごっこは30分以上,ほぼ走りっぱなし。即筋肉痛になり,日曜日まで痛かったです。しかし,さすがにそこまでやる親はいないのでしょうが,完全に子供達と一緒になって遊ぶことができ,お昼ご飯のときもたくさんおしゃべりして食べました。

子育ては私にとって「障害」かもしれませんが,家庭も子育てもしっかりとやりながら,教育者,研究者として活躍することは,「高尚で勇ましい」生涯と言えるでしょう。その姿をいろんな人が見ていることも認識しています。

自身の能力も含めて,数え切れない「障害」がありますが,それらを言い訳にするのなく,乗り越えることを楽しんでいきたいと思います。

今日もPowersの本を読みました。だんだんと面白くなってきました。

続・源平

2010-10-11 14:56:30 | 趣味のこと
昨日から,吉川英治の「新・平家物語」を読み始めました。文庫本で16巻もあるので,超大作です。

平清盛が20歳のところから物語が始まります。描写が巧みであっという間に引き込まれてしまいました。すごく面白い。

吉川英治の作品はいくつか読んでいますが,さすがに16巻もの大作とあって,端折る雰囲気が全くなく,庶民の生活なども細かく描かれており,また登場人物の心情描写も細かく,とても読み応えがあります。

海音寺潮五郎いわく,日本の歴史の6大スペクタクルの一つが源平の争いだそうで,いつか新・平家物語を読みたいと思っていました。

しかし,16巻の構成を見てみると,それぞれのコンテンツは私も何となく勉強したり,知っていることが多いです。平清盛についてはほぼ無知ですが,頼朝や義経を通してのこのスペクタクルについてはそれなりの知識は持っています。

たて穴を掘る力と,横に展開するπ型もしくはT型の力。日本の歴史を学んでいく上で,この二つの力の大切さを痛感します。源平については,私はいくつかのたて穴は掘ってきたのでしょうが,横に展開して全体像をつかむ努力をしてこなかった。意識すればすぐにできます。「新・平家物語」は私にとって,源平という我が国の歴史のスペクタクルの一つを,縦にも横にも学ぶことのできるとても楽しみな歴史小説です。

研究も全く同じ。たて穴を掘る力と,全体を見渡して本質をつかむ力とどちらも必要。

今年の終盤は平家物語でどっぷりいきそうです。

源平

2010-10-10 13:17:40 | 趣味のこと
吉川英治の「源頼朝」を読み終わりました。

吉川の超大作である「新・平家物語」への布石,という位置付けもあろうこの「源頼朝」ですが,読み応えがありました。

わずか五,六百の兵しか携えていない頼朝のところへ,二万もの兵を携えた上総介広常が参上したときに,参上が遅れたことで頼朝が広常を付き返した有名な場面の描写には見ごたえがありました。頼朝が父親の義朝の敗戦で孤児になった場面から,壇ノ浦で義経が平家を滅ぼすところまでを単行本わずか2巻で描いているので,有名な場面の吉川の表現力には感嘆させられました。

義経は司馬遼太郎の「義経」で,政治に対してあまりにも鈍感な義経のイメージがこびりついていますが,これだけ人気のある武将なので,もう少し多角的にいろんな作家のイメージをインプットしてみようと思いました。

次は,いよいよ「新・平家物語」を読もうと思っています。今日から1巻を読み始めます。

我が国の歴史の6つのスペクタクル(海音寺潮五郎)の1つである,源平の争いにどっぷりつかることになりそうです。

刀を研ぐ

2010-10-10 09:51:08 | 人生論
7つの習慣に,「刀を研ぐ」という習慣があります。

人間は,日々の責務を果たすために一生懸命生きているわけですが,その責務は将来にわたって一定ではなく,活躍する人ほど責務はどんどんと大きくなります。とんでもない勢いで責務が大きくなっていく人もいます。

社会に出たばかりの若い人たちが,新しい仕事を任され,その重圧に押しつぶされそうになる話をよく聞きます。私もかつてはそうであったのでその気持ちもよく分かります。

今の私の仕事だって,私は楽しみながら日々を過ごしていますが,いろんな責務の固まりではあります。7年前に赴任した直後は,多くのプレッシャーを感じていました。今の時点で振返ると,英語で国費の留学生を指導し,一級の研究成果をあげて博士に育て上げる,ということが最も大きなプレッシャーだったでしょうか。人によっては,研究費を獲得する,などが大きな問題の場合もありますが,私の場合は幸いにいろいろと支えていただいて,それほど苦労せずに研究室を軌道に乗せることができました。

そこで,「刀を研ぐ」です。

今現在の責務を果たすために汲々としていると,将来に増大する責務に追従しきれない場合が多いと思います。つねに,自身の「刀を研ぐ」取組みや時間を設定し,将来に備える。読書で教養を高め,体を鍛え,感性を磨くことです。また当然ですが,専門分野やその周辺について勉強を重ねることです。

刀というツールも大事ですが,将来に責務が増えることに対しても心の準備をしておくことも重要です。岡村先生からは,常に一つ上の立場に立ったことを想像して,そのときにやるべきことを今やれ,と言われました。私はそのように実行しているつもりです。

刀を研いで,心の準備をしておけば,次々と責務が降ってきても,動じることは今のところありません。

何でもかんでもこなそうという気もありません。仕事,家庭も含めて優先順位を付ける考え方も徹底しているつもりです。ただ,子供の成長と合わせて,自身が仕事に割ける時間も増えるとは確信しています。今は,子育てを重視すべき時期です。

私自身がきちんと責務を果たすことにより,周囲の皆さんの活動が円滑に進み,その成果が社会に還元されるよう,努力を続けたいと思います。また,研究室のリーダーとしては,毅然たる態度を取り,大きなビジョンを描き続けることにより,研究室の活動を大きく前進させていくかじ取り役であると認識しており,そのように行動します。

連休

2010-10-09 07:15:10 | 研究のこと
今年の3連休は,金曜日を休みにしたので4連休になりました。

奥さんが海外出張中なので,私の実家に娘2人を連れて来ており,娘たちは祖父母の家でのバカンスを満喫中。さいわいに次女も高熱が出た状態から回復してきており,一安心です。

私もこの3連休はやりたいことをできそうで,とても楽しみです。

・実家でカレー,豆腐ハンバーグなどの料理。

・長女と私の父親と3人でスイミングプール。

・科研費の予算申請書の作成(調子に乗れば2つ以上)。9日起床後から作成を開始しました。

・源頼朝②,上杉謙信,新平家物語①など吉川英治の歴史小説の読書。

・「新しい歴史教科書」で日本史のお勉強。

・構造工学論文集の雑用の片付け。

仕事と家族とリラックスと,今の私にとってとてもバランスの取れた連休になりそうで,楽しみです。