細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

講義

2012-01-31 08:58:50 | 教育のこと

今日で、「土木史と技術者倫理」の講義が終ります。

非常に重たいテーマが二つも講義のタイトルに入っております。土木史だけでも大変なのに、技術者倫理まで教えなきゃいけないわけです。JABEEで求められているから、なのですが。JABEEに求められなくても、私は土木史の講義で、技術者のあり方について述べたことと思われます。形などどうでもよい。伝えるべきことを伝える。

この講義は、実施することは数年前から決まっていましたが、いよいよ今年、開講しました。私の中でもとても楽しみにしていた講義ですが、いざ始まると、本当に面白い講義をできるのか、不安にまではなりませんが、もちろん心配はしました。とにかく学生たちに楽しい、面白い、と思ってもらいたくて、一所懸命に私も勉強しました。その結果、おそらく一番楽しんだのは私でしょう。

かなりの時間を費やしたと思いますが、パワーポイントやビデオなどの講義資料も整備できましたし、私の知識も相当に増えました。来年からは、これを基礎に、さらに充実した講義にしていきたいと思います。

ですが、講義とは難しく、立ち上げのときは講師も緊張感を持ってやっており、その緊張感こそが、学生に魅力を感じさせるようです。講義のスキル、テクニックではなく、学生たちはリアルな臨場感に敏感です。

来年以降、今年のような気迫、情熱で学生たちに情報を提供できるかは不明です。私がもっと勉強を重ねて進化するしかないと思っています。

土木史の講義はとても大切だと思うので、学生たちが魅力を感じられなくなったら、私は退任すべきと思っています。もっと熱意、知識のある教員に代わってもらうことになるでしょう。そうならないよう、努力を続けたいと思います。

講義、教育、研究というもののあり方について、以前の未熟な私も、それなりに考えて、ブログに書いてきましたが、今はかなり違う次元で考察できそうです。また改めて書いてみたいと思います。

とりあえず、講義についての結論は、「講義は大切」ということです。 


てこの原理

2012-01-29 19:59:07 | 人生論

26日、27日と非常に濃厚な二日間を過ごしました。

26日は群馬県。朝から、群馬県の構造物の表層品質の調査を行い、午後は200名を超える聴衆を相手に講習会。群馬会の幹事団の方々、特に半井先生の周到な準備のおかげで、大変充実した講演会+パネルディスカッションができました。山口県の取組みに多大な興味を持っていただけたようで、夜の幹事団と講師陣との懇親会も大変に楽しく、有意義でした。

もちろん、二日酔いで東京へ戻りました。今度は学士会館で、学術振興会の76委員会で講演。初期ひび割れ問題について、基調講演が田村先生と、広大の佐藤先生と、私の3人。その後のパネルディスカッションは、建設界の大物たちがパネラーで、おそらくみなさん50代以上ですが、私だけ30代。非常に楽しいディスカッションでした。

温度ひび割れなども含む、初期ひび割れの問題は、技術的にも簡単ではないですが、不具合が生じたときに、誰の責任なのかが明確になりにくく、それが問題の根本です。というわけで、建設マネジメントそのものであり、技術的にもまだまだ研究することだらけです。また、研究室での研究だけでは絶対に解決しない。行政そのもので実験してしまうくらい、パワーがないと解決に向って前進できない。

パネルディスカッションでも、佐藤先生が、「細田先生、岸先生、山口の皆さんらが、風穴を開けそうな期待を感じる」ですとか、司会の岸先生も、「・・・、進めて行くにはエネルギーが必要ですが、細田先生のパワーは貴重なので、・・・・」だとか、閉会の挨拶でも宇治先生が「細田さんはバイタリティがトレードマークですので、・・・・、みんなでサポートしていきたいと感じました。」だとか、何だか私の突破力で行けるところまで行ってみよう、というような雰囲気になってしまい、本人は苦笑いしておりました。

まあ、やるべきことを積み重ねてきて、このような状況になってきておりますので、とにかく健康に気をつけて、皆さんそれぞれが主役ですので、みんなが楽しくできるように、私は動き回りたいと思います。

パネルディスカッション後の学士会館での懇親会で、ある技術者の方が、私のやり方を「てこの原理を使っておられる」と言われました。本質的なところをつついて、一気に物事を動かそうとしている、という意味です。なるほど、と思いましたし、私の行動原理そのものです。

とにかく「研究」だ、と今は思っておりまして、表面吸水試験による評価方法についての論文を、林さんが筆頭で鋭意執筆中。かなり形になってきました。もうすぐ土木学会論文集に投稿です。その次の論文は、すでに講演では速報を紹介している、耐久設計指針(案)の評価も盛り込んだ、山口県のひび割れ抑制システムの分析結果です。これは、田村先生、二宮さんと連名で出しますので、私の中でもとても大切な論文になると思っています。

さあ、いよいよ2月です。1月よりもさらにハードな日々となります。もう徹底して楽しんでやろうと思っています。


象牙の塔

2012-01-23 20:03:46 | 研究のこと

ここで書くことは、誰が良いとか誰が悪いとかを抜きにして、私が思ったそのままのことです。

よく、学問の世界で、学者たちは自分たちの世界を作って、現実の世界と離れた世界で、役に立たないことをやっている、というイメージが語られることがあろうかと思います。象牙の塔とか、白い巨塔とか。

歴史学の分野について、そのような学の歪な世界に対する論評を見ることが多々あります。歴史学者の考え方、説が、いかに事実とかけ離れているか。「歴史学者」にもいろんな方がおられるのでしょうが、私が最近読み始めた、岡田英弘先生の本は根底から覚醒させられます。学校教育で学んできたことと全く違う。岡田先生は歴史学者たちのサークルからはひどい扱い?をされたそうです。26歳で日本学士院賞を受けられた、素晴らしい研究者ですが。

私は、まだまだ井の中の蛙かとは思いますが、工学の中の土木工学の中の、コンクリート工学という分野で日々、研究、教育を行っています。私が育った環境は、岡村甫先生の研究室と、JR東日本の実務の舞台ですが、双方から非常な良質のエキスをいただいて、この分野の「学」はまともに機能していると感じていました。土木のコンクリート、というといかにも守旧派のイメージですが、そこでいかに先端的なチャレンジが重ねられてきたか、を私は学んできています。実務における設計法の進展具合は、土木の中ではコンクリート分野が最先端でしょう。今頃、限界状態設計法を導入しようとしている分野もあるようですが、コンクリートでは1986年に先人たちの多大な努力により実務に導入されています。

それで、コンクリート工学の分野で、いろんな方と議論していると、また様々な問題点が見えてきます。上記の、歴史学の分野での象牙の塔、という話をすると、あるゼネコンのベテラン技術者は「コンクリートの学界も同じだと思いますよ」とのこと。また、よくいろんな技術者から言われるのですが、「細田さんは、大学の研究者っぽくない。」と言われます。実社会を相手に思考・行動していますので、そう言われるのは当然かもしれませんが、私はどうも一般的な学の世界の人間ではない、かもしれない。

本日、コンクリート工学の分野の先端の委員会で議論してましたが、いろんな方の視野が狭い、と感じます。それぞれがスペシャリストで、素晴らしい研究者なのは分かっていても、トータルのアウトプットが実社会を適切な方向に導かないのであれば、私から見ると失敗です。トータルがよい方向に行くように、と何度も発言をしていますが、個々の研究者のベクトルの軌道修正は、予想外に難しい。しかも、「学」の方々の示している方向性が、実社会でやっている方々のニーズや問題意識と乖離してきているように思う。どっちが良いのか、悪いのか、知りませんが、乖離している事実は双方が認識した方がよい。

乖離している、ということは、冒頭の「象牙の塔」になってはいないか。

私は、実社会が優れているとか、学が優れいている、とか縄張り争いをするつもりはありません。

ただ、コンクリート工学は、engineering ですので、学問だけ進歩しても仕方なく、実構造物や実社会が良い方向に向ってこそのconcrete engineeringである、というスタンスは固持した方がよいと私は思っています。

私よりも優れた研究能力を持っておられる方はたくさんおられますが、広い状況を見渡す視野の広さは私の特長であると認識しています。岡村先生の研究室と、JR東日本の構造技術センターの双方に、若いときに属した、ということが、学と実務が乖離せずに、適切に連携していくことに貢献せよ、という私のミッションにつながってきているのかな、と感じます。

皆さん、それぞれは正しいことをやっている、と思っており、誰が悪いわけでもないと思う。日本全体がそうかもしれない。どうやって、この細分化した、縦割りの社会を、良い方向に持っていくか、問題の根底は同じですな。


横浜市での講演(2/22)に、横浜国大の学生参加可能

2012-01-23 14:50:04 | 教育のこと

以下は、横浜市で参加募集受付が本日開始された、2/22(水)の横浜市での講演です。
横浜国大の学生も参加できます(最大で30名程度)ので、参加希望者は細田までメールで連絡するか、この記事のコメントに書くなど、お願いします。2/6(月)までに連絡をください。


「休日」

2012-01-22 13:45:54 | 家族のこと

昨日の土曜日は早朝から現場見学会。総勢で40名に迫る参加者で、学部生から留学生を多く含む大学院生も参加し、わが研究室のスタッフも全員参加しての見学会となりました。

非常に寒く、見学中に雨も強くなり、とても厳しい天気ではありましたが、圏央道のすごい現場で、三井住友建設の最先端の技術がふんだんに使われており、特に留学生は興奮して教員に質問の連発でした。

事務所での説明では、工期短縮のためのU型リフティング工法、を分かりやすいアニメーションのパワーポイントで教えていただき、みな感激していました。ところどころ、私が留学生のために英語で説明もしましたが、学部生たちはそういう雰囲気からもいろいろと感じ、考えるでしょう。



非常に寒かったですが、その中でも圏央道の早期開通のために全力を尽くしておられる現場の方々の迫力を、寒い真冬だからこそ学生たちも感じたのではないでしょうか。

その後、一件、重要な面接をする必要があり、ほんとは家に帰りたかったですが、大学へ。面接終了後、夕食時に帰宅して、家族でおいしい夕食をいただき、お風呂でしっかりと温まったあと、長女と一緒に、小学校の毎日の音読課題。「声に出して読む論語」を読破したので、同じく斎藤孝さんの「理想の国語教科書」に移行しました。最初は、夏目漱石の「夢十夜(第一夜)」でした。私が先導しながら、長女も上手に読んでおりました。その後、ぐっすり寝ました。

今日は日曜日。早朝に起きて、テレビ体操を長女と一緒にした後、早速仕事開始。家族で健康的な朝食を食べた後も、集中して仕事。合い間に、子供たちとカルタをしたりもしました。

昼食前に、お風呂で半身浴でゆっくりと本を読みました。岩波少年文庫の「トム・ソーヤーの冒険」。当然ですがすごく面白く、これまでの人生のいろんなことに想いが至りました。私も、トム・ソーヤーばりのいたずら少年だったので。

家族での楽しい昼食を挟んで、火曜日の「土木史と技術者倫理」の準備も終了。もうあと2回で終了ですが、今回、学生たちに提供する話題がダントツで衝撃的な情報かと思います。パワーポイントで35枚くらいになりました。岡田英弘先生の「日本史の誕生」(ちくま文庫)を参照しました。

まだおやつ前の時間。この後は、論文の執筆+予算申請書の構想作りです。

年初から肩が痛いこともあって、整体に2回行ったので根本的な治療を行っている最中ですが、十分な睡眠と、体操やお風呂、足マッサージなどでの体のケアもとても大切です。

この週末は、極寒の中での充実した見学会、家族との団欒、心身の休息と手入れ、仕事、と非常にバランスが取れていて、今の私の理想形です。

休日の過ごし方にも、昨年後半に「突き抜けた」結果が表れていると感じています。


これ以上のものは提供できません

2012-01-18 20:39:14 | 教育のこと

「土木史と技術者倫理」は12回が終了しました。もうほとんど終ってしまい、あと2回で終わりです。

古代から現代まで、日本と世界を対象にした文明史ですから、それこそ人類の歴史そのものがターゲットです。

15章で構成された合田先生が書かれた教科書を使いますので、基本的な情報はあるわけです。ですが、私が教科書だけを使った講義などするわけがありません。私の持てる情報をフル活用して、合田先生の教科書も有効に活用しながら(予習しておくことが前提)、学生が歴史、土木、日本、世界に興味を持ってもらうために全力を尽くしています。講義を開始する前は、これだけ広範囲の内容について、毎回本当に面白い情報を提供できる引き出しが私にあるだろうか、とやや不安にも思っていました。が、ここまで12回、心から聞いてもらいたい、見てもらいたい情報ばかりで講義を構成することができました。

毎回、レポートを書いてもらって、次回に返却するのですが、学生たちのレポートが本当に面白い。中には私への手紙みたいになっている方もおられますが、対話ですから結構です。

とにかくうれしいのが、学生たちが本をたくさん読むようになったこと。司馬遼太郎を片っ端から読んでみたい、とか、ローマ人の物語を読み始めたとか読破したい、とか、その他にも数え切れないくらい本や作家を紹介しましたが、皆さん本当に読書に目覚めて、楽しんでくれているようです。昨日は、シャーロックホウムズや、トムソーヤの冒険まで紹介しちゃいました。とにかく心底から興味を持ってもらいたいので、手段を選びません。

また、歴史や世界史などに興味を持ったことに学生自身が驚いている、という記述がレポートに多く見られます。これもとてもうれしい。日本の学校での歴史教育って何なのでしょう。受験のシステムが諸悪の根源とは思いますが、それにしても、ほとんどの日本人が歴史に興味を無くすこの学校教育とは何なのだ。歴史のプロでも何でもない私が、100名の学生をたった10数回の講義で覚醒させているのである。学校教育でずたずたにされた興味を、たった10数回で育て上げようとしています。覚えることが大事なのではなくて、心からの興味を持たせることが教育なのです。日本全体が考え直した方がいいね。

もうこの講義の目的はほとんど達成したと思いますので、あと2回は気楽に行きます。とりあえず、38歳の現時点で、これ以上の講義を提供することは私にはできません。心からベストを尽くしたと思えます。

この講義が今後、どうなっていくか分かりませんが、私もこの講義とともに成長していきたいなと思っています。


つなげる、つながる

2012-01-16 17:38:46 | 教育のこと

土木史の講義(正式名称は、JABEEの関係で「土木史と技術者倫理」)では、講義の目的を明確に、学生に伝えているのですが、一つのキーワードは「つなげる、つながる」です。

歴史は非常に大切だと思っており、現在の日本の混迷状態の一つの理由は「歴史」を軽視していることです。

自分自身が何のために生きているのか分からない、貢献したいという気持ちは心の奥底にはあるけれど何をしていいのか分からない、という人が相当な割合かと思いますが、これも歴史に興味がないことの弊害です。

歴史、土木史、我が国、に興味を持つことで、自分と社会がつながり、自分と過去がつながるのです。つながれば、自分の存在意義も、存在価値も分かる。何をすべきかも見えてくる。そして、講義で何度も言っているのは、勝手につながるのではなくて、「つなげる」という能動的行為が重要なのです。

「つなげる」という意思があるから、歴史を勉強しようと思うのです。調べてみようと思うのです。

一方で、学生たちのレポートにもありますし、私も特に最近痛感するのですが、「つなげる」意思を持って積極的に行動していると、いろんなことが勝手に「つながってくる」のです。

「つなげる」ことは楽しい。これはいつまでも積極的に行いましょう。つなげる能力もどんどん向上します。

一方で、「つながる」ことはもっと楽しい。自分の予想を超えてつながっていきます。つなげたときの喜びは大きいけれど、つながっていくときは驚きというか、自然界のたくましさ、美しさ、すごさに感嘆いたします。そうやって人類はバトンタッチしてきたのだな、と感じ入ります。

講義の直前の思いつきで黒板に書いた、「つなげる、つながる」ですが、意外に奥深いです。


真の理解

2012-01-15 13:02:48 | 人生論

「無知の知」とは良く言ったもので、人間とは本当に、知らないことだらけです。

先ほど読み始めた「シャーロック・ホウムズの冒険」もあまりにも面白くて困っておりますが、「見ることと、観察することは違う」とのホウムズの言葉です。研究指導をしていると、学生が見ているつもりでも、実際には全く観察できていないことがしばしば。

ユリウス・カエサルは、「人間は自分の見たいものしか見えない」ところを、「人の見たくないところまで見通して」帝政への舵を切った人です。

さてさて、我々凡人は、どこまで自分のことを知っているでしょうか。年を重ねるほど、自分のことを、もしくは自分との付き合い方を深く知っていくのかと思います。私もまだまだ自分のことについて知らないことだらけ。知るのは、トラブルに遭遇したとき、がほとんどです。

約10年前に自身との折り合いを付け始めたのが、歯の健康。約6年前にほぼ付き合い方を確立し、ここ10年近く、歯医者のお世話になることがほぼゼロ。今は、自身にできるベストと思われることを日常では実施しているので、定期的に検診してもらうことを付け加えていこうと思います。

今年の年初からの肩痛をきっかけにハイレベルの整体と出会い、考え方が大きく変わりました。自身の体をもっといたわらないと、長い年月にわたってハイパフォーマンスを維持することはできないと悟りました。今後のためにとても大きな転換点だったと思います。

食生活や歩行などの生活習慣は以前に大きく見直しています。

タバコは6年前に完全に絶ちました。

脳みそも体も、とても酷使しているので、適切にいたわらないと、長持ちしません。国家的なインフラの長寿命化を目指す研究者、技術者が、自分の体を適切にメンテナンスできなくては説得力が全くありません。

古代ローマのようにインフラ(ハードもソフトも)を長く機能させるためには、国家が強い意志を持ち、尽力しないといけません。

我々が自身の肉体、精神を長く健全に保つためには、自身が強い意志を持って、努力しないと達成できません。

古代ローマのインフラは何のためにあったか。人間が人間らしく生きるために必要不可欠な大事業でした。

我が肉体・精神の健全は何のためにあるでしょうか。

結局、人間とは、生きていく過程で、特に老いながら、自分自身に対して真の理解を深め、それを社会に還元すべきなのかと思います。

 


教師ってね

2012-01-14 11:41:52 | 教育のこと

新年に入って、連休も明けて、1/10の火曜日から、「土木史と技術者倫理」の第11回目が始まりました。この講義も、1/31の火曜日で終了です。私自身も毎回楽しんでますし、私の現時点での全力で学生に対峙?しています。100名の学生たちも非常に多くのことを感じてくれており、意識も相当に切り替わったようです。

以下は、1/10に提出されたある2年生の男子学生のレポートからの引用。毎回、各自が好きなタイトルで書かせているので、それぞれのレポートが個性的で、私も楽しく採点しております。

「前略・・・ 実家に帰省したり、両親が横浜に来て、会って話をするときには、いつも細田先生の話をします。ものすごく熱い先生がいて、いつも熱心に勉強している話をします。『将来は先生みたいな人物になりたい』と両親に話すと、『横浜国大の土木に入って良かったね』と言われました。私はその言葉をとてもうれしく思いました。・・・・」

まあ何ともうれしいコメントではありますが、大学の教師とは、真にしっかりとやれば、想像を絶する影響力を持つ、ということでしょうか。決して手を抜いてませんし、講義だけが仕事では全くありませんので、可能な範囲で全力でやっておりますが、責任感を肝に銘じ、これまで通りの延長でよいと思うので、頑張ろうと思うのであります。

学生たちや若者、子供たちは、大人の生き様そのものを見ています。「言うことを聞かない」と大人が愚痴を言うのをよく聞きますが、それはその方の生き様の問題でしょう。大人がしっかりして、その後姿を見て若者たちが頑張る、それが当たり前の姿です。

私も、今は上記の学生のように思ってくれる後輩たちがいるようですが、手を抜くとすぐに堕ちることくらい分かっています。幸いに、私はまだまだ未熟であり、知らないことだらけであり、やりたいことがいくらでもあり、同志が多くいます。相当な期間、手を抜くことはできないでしょう。その生き様が、多少なりとも後輩の参考になれば幸いです。

あと3回でこの講義が終ってしまうのが名残惜しいのですが、私のやり方(教科書を後ろから使う)のため、どんどんと古代へ遡っていくのですが、私の持てる力すべてを注いで、学生が面白いと思う情報をどんどんとインプットしていこうと思います。


ストレス耐性

2012-01-12 05:44:20 | 人生論

今日はJCI年次論文集の締切り日。年々締切りが早くなっているように思いますが、さすがにこの締切りだと4年生は厳しいです。

今年は、私が著者に入るものでは3編と少ないのですが、質で勝負?したいと思っています。

以前はこの論文の締切日に、学生たちの論文を複数添削しながら仕上げていく過程がスクランブル状態で、かなり手こずっていた記憶があるのですが、最近は少しスマートになってきました。いろいろ理由はあると思いますが、筆頭著者の力量が上がってきていること、以前のように無理に4年生やM2に書いてもらっていないこと、自身の添削能力の向上、など。

1月が中旬に入り、かなり仕事満載の状態になってきました。一部、締切りに遅れつつあるものが生じていますが、全体としては比較的スムーズに回っています。左肩が痛いのは明日、生まれて初めて整体に行って様子を見るとして、仕事等に対するストレス耐性がかなり向上しているように思います。

仕事の中にも様々な種類があり、元からやりたくて仕方ない研究や教育に関することや、仕方なくやっていることもあります。ですが、基本的には可能な限りポジティブに考えることと、仕方ないことに対しては気にしない、という態度を心がけてきた結果、ストレス耐性がめきめきと着いてきたように思います。

年末年始も仕事をしなかった日は無く、新年に入ってからも休日もコンスタントに仕事をしていますが、このまま年度末まで行くものと思います。行かないと、さばける仕事量でない。早朝未明に起きて仕事する、というのも実行できるようになってきています。

早朝未明には、「インプット」でなく「アウトプット」の仕事をするのが良いそうです。インプットは切りがないし、期限もあるアウトプットの仕事を、冴え渡った起きたばかりの頭でするのが良いとのこと。また、早朝未明に仕事をしようとすると、前夜のお酒も控えるのだそうです。

本当に早朝未明の頭は冴えている。この自分を活用しない手はありませんな。

では、朝風呂入ってくつろいで、テレビ体操。


戦闘体勢

2012-01-09 11:50:26 | 研究のこと

この3連休は、家族との時間も大事にしつつ、仕事です。

昨日は、奥さんの親友一家が突然遊びに来ることになり、私は学生の指導が複数件あったので大学に行かなくてはならず、1時間くらいしか一緒にランチを楽しめないはずでした。が、ご夫婦お二人とも建築家。ご主人は昨年の3月まで横国でも非常勤で勤務されていた建築家。それはそれは話が盛り上がります。奥さんが夢想?中の別荘建築の話の相談にも乗ってもらったりと、話が楽しいので、大学に行く時間を1時間遅らせて、2時間ほど団欒いたしました。人と話す、ということはほんと楽しいですな。

12日締切りのJCIの年次論文集ですが、今年は締切りが非常に早いこともあり、3本と少なめの投稿で、原稿執筆が進んでいます。数年前に比べると、我々の論文の重要性がかなり増していると思っているので、しっかりとした内容にして投稿すべく努力しています。以前にはお恥ずかしい論文も多々ございましたが、継続的に成長しているということで、お許しいただければと思います。

Journal of ACTに1つは投稿完了しましたが、もう1つが未完。3連休中に完成するのが黄信号になってきましたが、平日にかかってもよいので投稿完了したいです。

土木学会論文集に私が連名で1本。これは表面吸水試験のとりあえずの総括論文で、とても重要と思っています。1月末に締切りを設定して鋭意執筆(私は添削)。もう1本は、以前から言及している、山口県の調査結果の総括。これはM2の青木君の研究成果も取込むので、年度内の投稿としたいですが、私の30代の総括論文になると自覚しています。

明日から講義が始まるので、その準備にも追われています。また、1月、2月と続く外部での講演の原稿の締切り、論説原稿の締切り、大型予算申請の準備など、クリエイティブではありますが、ぼけっとしている時間がない状態です。

そのくせ、読みたい本も山積。

まあ、優先順位は明確なので、メリハリをつけながら、家事や育児もしながら、やっていくしかありません。

3連休が終ると、3月初旬までは戦闘体勢となりそうです。年初から左肩が痛いのが続いており、かなり良くなってきたように思いますが、大事にしながら戦闘したいと思います。

明日、いきなり土木史の講義11回目。


坂の上の雲

2012-01-07 15:48:31 | 人生論

12月25日の最終回の放送から大分時間が経ってしまいましたが、ようやく今日、最終回を見ました。奥さんが長女をバレエの練習に、次女も伴って連れて行っている間に、一人で見ました。

何度も泣きました。命を懸けて、日本の存亡の危機に立ち向かった、当時の日本人に心から共感し、感動しました。

司馬遼太郎は、何度も、明治は楽天的だった、と述べます。

今の我々に求められているのも、楽天さではないでしょうか。なぜ悲観する。これほどチャレンジが求められている時代も珍しいのです。私のような人間にとっては、これほどチャレンジできる時代が楽しくてたまらない。また、周りが萎縮するほど、「何とかしなきゃ」という責任感で、どんどんと元気になっていく。みんなを元気にする必要があるからです。

もはや、日本はいろんな意味で地に堕ちました。私は、日本人の思う「坂の上の雲」を、これから楽天的に目指していくので良いのだと思っています。私の仕事においても、社会の理想像があり、それを坂の上の雲として、それこそ真に楽天的に、楽天的な同志とともに、力強く歩み始めています。本当に楽しいのです。

ドラマ「坂の上の雲」のファンは多いと思いますが、これを見て皆さん、どう感じたでしょうか?古き良き時代にあこがれただけでしょうか。今こそ、我々に求められている考え方として、司馬遼太郎の応援歌として、自分自身のこととして捉えられたでしょうか。

ちょうどドラマが終わりかけるころ、家族が帰ってきて、号泣している私をみて奥さんが笑い、次女はすごく心配?してくれました。長女はマンションの事務室のお姉さんと話していて帰ってくるのが遅れ、泣いているのは見られませんでした。。。


朝の時間

2012-01-06 05:38:27 | 研究のこと

一つ前の記事では、朝3時に起きてうんぬん、と決意を書いてありましたが、惰眠をむさぼってしまいました。

その翌日、今日は、3時過ぎに起きて仕事を開始。まあ、毎日、完全に自己管理できなくとも、節酒と同じように少しずつ自分の理想に近づけていければと思います。

3時過ぎから、まずは投稿論文の原稿の仕上げ。年末年始に作成してきた原稿2つのうち、1つを仕上げて投稿完了しました。もう1つは今度の3連休に仕上げて投稿します。

その後、本日、企業の方が大学の「超寿命材料研究拠点」を通して私に面会に来られますので、そのときの説明の準備。この研究拠点は、文科省の競争資金により設立され、産学連携機能を高めるためのものです。私も平メンバーですが、コアメンバーの一人として参画しております。この研究拠点をいろんな方面で活用させていただくことを考えており、私の展開している自治体等との連携も、この拠点を核に展開してみようと思っています。

その後、朝風呂。あるビッグプロジェクトの戦略を少しずつ描く必要があり、お風呂につかりながらボーっと考えていました。いろいろアイディアが浮かんできました。

お風呂から上がってきてまだ5時台。やはりどう考えても、自分の仕事は未明にするしかありません。1/4、1/5とお酒も飲んでいないので、頭も冴え渡っています。節酒とセットでの早起きは、とても効果的です。

さて、いよいよいろんな締切りが降りかかって来始めたので、自身の第二領域の仕事とのバランスを取りながら、ですが、新年の日常に入ろうとしています。

朝のテレビ体操・ラジオ体操までもう少し時間があるので、先のビッグプロジェクトのイメージ図の作成と、届いた年賀状の返事の残りを書いてしまいます。今日から正常出勤!


正月休み

2012-01-04 11:31:28 | 研究のこと

奥さんは今日から仕事始め。私は今日4日は、子供二人と過ごします。明日5日も、子供と過ごしますが、大学で学生との打合せを2件予定しているので、子供たちを大学に連れて行きます。

今回の年末年始はとにかく論文を書いていました。仕事のメールもほとんど来ないし、子供たちの面倒は家族が見てくれるし、家事もしなくてよい。しかも、1月7~9が三連休で、私の講義が始まるのも10日から。というわけで、急ぎの仕事に一切手をつけず、ひたすら論文を書いていました。

自分の時間はほぼ全て、論文執筆、Facebook遊び、日記の執筆、読書で費やしました。

1月の日常が始まると、自分の自由な時間が非常に確保しにくくなります。今日4日は、早速メールがたくさん来始めましたし、子供の世話をしていると、とてもとても昨日までのように時間を確保することができません。

今年は、元日の最初の実質的な行為を、論文執筆にしました。自身の中で、インプットばかりの時期は終わり、アウトプットにも相応の時間をかけるべきステージに入ったことを深く自覚したからと思います。

もう数日すると、無数の締切りに追われる状態になります。やらなくてはならないこと、で日常が埋まると、本当に取組むべき第二領域の仕事ができなくなります。

年末年始と、ほとんど第二領域のことのみで過ごすことができたので、これを持続し、この冬は、未明早朝に第二領域の仕事をする時間を確保するように自己管理してみようと思います。節酒、体操、健康管理が確立したので、次は高度な時間管理です。

明日も午前3時から、第二領域の仕事をできる、ということを楽しみに、安眠。。。奥さんがプレゼントしてくれたマクラガ快適。