今日で11月が終わります。
昨日は,念願の軍艦島上陸を果たしました。 以下は有名な地獄段での写真です(長崎市の許可を得て上陸・撮影しています)。
上陸時は雨が降っていましたが,船がそれほど揺れることも無く,3時間の調査はとても充実していました。長崎市の方と,軍艦島に住んでおられた長崎大学の職員の方も同行していただき,我々の希望ルートをとても上手に案内していただき,大変勉強になりました。
軍艦島調査の詳しくは別の記事にします。
調査後に長崎に一泊し,長崎大の松田先生の研究室の懇親会に参加させていただきました。教員が端の方に固まって座ったせいもあったかと思いますが,利発そうな学生さん(男子ばかり)たちと懇意になるまでには至りませんでした。
その後,松田先生,出水さんと,林さんと私とで2次会。教育について熱く語りました。ご子息を横浜国大の私の研究室に預けたいらしい出水さんのご子息が,奥さんと一緒に迎えに来られて,将来の師弟?が長崎大の門前で会いまみえるという出来事もありました。
明日から12月ですが,例年より少し早く12月に入る前から土日もフル回転に近い状態が求められそうです。「3分でいいから」執筆中の論文を毎日書く,という自分との約束も今週は実行しています。本当に3分だけ,という日もありますが,毎日書くということは良さそうな習慣で,今後も続けてみたい,続けるべき習慣です。
日経コンストラクションで紹介されていた,高橋裕先生の「川と国土の危機」を早速購入し,とても秀逸な新書で,我が国に水害に対する危機の深刻さを学んでおり,今年の土木史の講義にも少しでもフィードバックしようと思っています。その他,三橋貴明氏の「2013年 大転換する世界-逆襲する日本-」など,購入済みで読みたい本もものすごい数になっており,読書欲もとても旺盛です。
研究室の学生たちも,研究を一所懸命に頑張っている様子が顕著で,私も研究の打ち合わせでは,なるべく研究が良い方向に行くように,かつ主役の学生の能力が大きく向上するように,アドバイスや指導できるように全力を尽くしています。
師走に突入しますが,やりたいことだらけの状況で,体調も良く,刺激的な12月となるように全力投球したいです。
もう2年前になりますが,2010年12月21日に第6回の「コンクリート材料-構造の最先端技術に関する研究会」を実施しました。このときのタイトルは「発注者の役割」でした。
その後,私も学外で講演などをする機会が激増し,しばらく研究会を実施していませんでした。
また,2011年4月からは横浜国大に,GMI(Green Material Innovation)というクリーンエネルギーや超寿命材料に関する研究拠点が形成され,各種のシンポジウムや研究会などを開催するようになっていました。私もコンクリート分野の担当としてGMIに関わっています。
私がこれまで独自に開催してきた研究会も,GMIとも連携できるとよいなあ,と思っていました。
今回,GMIのシンポジウムを,コンクリート分野が担当することになり,私が人選を行い,日程が決まりました。
2013年2月19日(火)の午後です。
基調講演3件で,
1. JR東日本の松田 芳範 様で,松田さんの博士論文の内容を中心に,JR東日本の維持管理の最前線をお話しいただきます。
2. 首都高速道路の保全課長の谷 雅史 様で,横浜国大のOBでもあられますが,首都高の大規模改修の最前線で奮闘しておられます。首都高のインフラの現状,課題と将来展望について語っていただきます。
3. 私が話します。山口県の品質確保のシステム,ノウハウを,東北被災地の復興道路の品質確保に応用していく話を中心に,いろいろと話をしたいと思います。
その他,要素技術の話題提供を4件くらい予定しています。
このシンポジウムを,GMIシンポとして,かつ,第7回の研究会として開催したいと思いますので,追ってファンの皆様にもご連絡します。
奮ってご参加くださいね!
早くも11月が終わろうとしています。
10月から大学の秋学期が始まりましたが、まさに気づけば2ヶ月が過ぎ去ろうとしています。実質的な年度末の2月まであと3ヶ月、これまたあっという間なのだろうと思います。
過ぎ去った23~25日の連休では、論文執筆作業に没頭するつもりでした。が、いざ休日が始まってみると、いろいろと対応しなくてはならない業務やら家族の世話やらで、あまり進まず。でも、着手することが大事と思い、執筆を進めました。
また、花粉症などで体力が低下していたこともあり、十分に睡眠を取り、これからの数ヶ月に向けて体力を温存することも重要と思い、休養もたっぷり取りました。
1/10締切りのJCI年次論文集は一つの重要な「まつり」ですが、今年は私も筆頭で、山口県の構造物などの目視評価の結果を論文にまとめようと思っています。
また、連休中も執筆を行っていた山口県のシステムの効果(ひび割れ抑制、表層品質向上)は、年内に投稿できるよう、「毎日」少しずつでも執筆、作業の時間を確保することにしました。3分でもいいから毎日書こう。
最近の年末年始は、論文執筆や論文添削に当てることが多いですが、今年は今からその時間が楽しみです。
昨日,三連休の中日は,家族でいろいろやりました。
長女のバレエの習い事があったため,皆で出かけて,初めて訪れるイタリアンレストランでランチ。
その後,家族でインフルエンザの予防接種を受けるためにかかりつけの医院へ。私はついでに花粉症の薬を大量入手。
食材の買い物などをして帰宅して,鮭とキノコのクリームシチュー。ご飯は玄米。付け合せにブロッコリー。
長女が2年生の間に百人一首を二人で全部覚えることを目標にしていますが(昨年は,「声に出して読む論語」の読破を達成),夏休みやら秋学期のバタバタで小休止していたので,再開。この3連休に8個覚えて,62番くらいまで進みそうです。少しペースを上げて,年末までに80番くらいまで頑張ろう,と誓い合いました。
ボジョレーヌーボーを開けて,健康的なディナー。
私は,遅れている仕事に寝る前まで取り組んで,早めに皆で就寝。
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起床して連休最終日の25日。
玄米を食べると,ただでさえスムーズなお通じがさらに快調になり,腸に何も無いようなスッキリ感。健康な食事は基本中の基本です。
今日は子供たちのお世話をしながら徹底的に仕事をする日にする!と決めてまして,朝から仕事を開始。
奥さんが日中遊びに出かけるので,子供たちを連れて,近所の公園に来ています。私はラジオ体操をしてから,この日記を書いています。
この後は,滞っていた論文執筆の再開。「土木史と技術者倫理」の準備への労力を少し軽減して,論文執筆に当てることにします。
非常に寒くなってきたので,マフラーを新調したく,子供たちが十分に遊んだあと,果物などの食材とマフラーを買い物して帰宅後,昨日のクリームシチューと玄米などで三人で昼食予定。
朝,たっぷりと外で遊ばせておくと, その後は家で遊んでも子供たちはストレスはたまりません。私の家での仕事とも両立できるはず。
花粉症の薬を十分に入手したので,症状も近いうちに治まると思います。私の症状はかなりひどいので,これも気分が明るくなる大きな要因です。
来週もかなり濃密になりそうですが,まずは今日一日を最大限に充実させることからです。
昨年から,秋のこの時期にも花粉症と思われるアレルギー症状がひどくなり,今年も同様です。
11/16-18の週末に台北をバカンスで訪れ,友人の結婚式に出てきましたが,帰宅の翌朝に飛行機で山形に飛び,最悪の塩害環境下に供用される暮坪橋の調査を行いました。
20日の早朝に,暮坪橋近くの温海温泉駅を出発して,上越新幹線で東京に戻り,3限の講義「土木史と技術者倫理」の8回目「世界を変えた鉄道」を行いました。アレルギー症状がひどく,講義の途中で鼻水がしたたってしまうような悪条件でしたが,NHKエンタープライズの女性プロデューサー平原さん(「熱血ドボ研2030」の主要メンバー)が聴講され,いろいろとお褒めの言葉もいただきました。
いろいろと仕事を抱えておりますが,アレルギーにより体力も低下しており,とにかく目の前の最重要事項をさばくだけで精一杯になっています。
今回の連休,23~25日は,たまった重要な仕事を片づける大事な連休と位置付けていましたが,初日の23日はほとんど寝ていました。日中起きていた時間が合計で7時間くらいでしたので,それ以外は寝ていました。体力が低下し,疲労も蓄積していたのだろうと思います。
今日は連休の中日ですが,家族で昼食をゆったりとレストランで食べた後,インフルエンザの予防接種に行き,私はアレルギーの薬ももらう予定です。仕事をする意欲と体力も戻ってきたので,今日から2日間,優先順位も付けて仕事をこなしたいと思います。
来週の後半は,軍艦島の上陸にチャレンジします。12月もアクティブに動き回りますが,兵庫県の播磨,宮崎,仙台(東北地方整備局),札幌,そして26~27日の山口県の構造物の目視評価まつり,で2012年の仕事が終わります。
最後の1ヶ月,かなり体力・気力を必要としますので,今回のアレルギーによる体力低下も,必要な「小休止」と認識しています。時間を気にせずぐっすりと眠るのも久しぶりで,気持ちよかったー。
金~日と,台北に来ています。
16年前に,東大土木の三国交流会(台湾大学,ソウル大学)で台北での交流会で知り合った友人たちと久しぶりに会いました。
その中でも,今でも交流が続いているGregの結婚式,披露宴に家族で出席しました。私が彼らと初めて出会った時は23歳でした。彼らは私より2つくらい年下です。
16年の間に,私とGregは台北で3回くらい,日本で3回くらい会っていますが,10年前の私の結婚式にも来てもらいました。
披露宴では他の台湾人たちとも15年ぶりや16年ぶりに会いましたが,あんまり変わっていない人もいれば,結構見た目が変わっている人もいました。やはり短い時間ではないです。
彼らは台湾大学の土木工学科卒というスーパーエリートですが,結構な数の人たちはCivil Engineeringではない分野で仕事をしているとか。日本の状況とあんまり変わらないように思います。台湾も災害のひどい国ですし,津波だっていずれ来るでしょうから,そのときになって日本と同じようにCivil Engineeringの意義に気づくのでしょうか。「発展期」というのは,とかく大事なものを見失いがちになるのですね。
半年後には40歳になりますが,人生の折り返し地点は過ぎましたでしょうか。いろいろと抱えることも多くなってきますが,楽しくおしゃべりして美味しいお酒と食事を楽しめる友達がどんどんと増えることは,単純に楽しいことだなと感じています。
今回の休暇では,毎日長女とプールで泳いで十分に睡眠を取り,読書もたくさんできており,帰国後,年末までの繁忙期をタフに乗り切るための英気を養えました。
昨年から,秋のこの時期も花粉症が出るようになってしまい,今年はひどくなる前から飲み薬を少し飲み,マスクをするようにしています。
昨日,地盤研に用事があったので,入っていくと,私のマスクを見てある学生が,「先生,風邪ですか?」
花粉症であることを説明して,「風邪なんか2年くらい引いてない」と説明すると,
「そういうイメージです。風邪のウイルスなど寄せ付けないイメージです。」と,質問した学生でなく,一緒におられた菊本先生が言われました。さらに,「花粉症なんかも『気合い』ではねのけてしまうようなイメージです。無敵,なイメージ。」と笑って言われました。
私だって普通の人間ですので,確かに気合いで二日酔いやら疲れやら風邪のウイルスやらは吹き飛ばしますが,花粉症はかなりひどいです。決して無敵ではありません。
世間からどのようなイメージを持たれているのでしょうかね,何となく想像は付いていますが。
今日はこれから羽田空港から,台北に行ってきます。初めて,羽田空港から出国です。入国したことはありましたが,出国は非常に便利ですね。羽田の積極的な活用は,日本の活性化に不可欠と感じました。
つかの間のバカンス,楽しんできます。
16年前に,東大土木の三国交流会で友達になった台湾人の友人の結婚式に,家族で出席してきます。
現在、学部3年生用の少人数ゼミ(全5回程度と少ないのですが)をやっている最中で、3人の男子学生が受講してくれています。
まず「7つの習慣」を買ってもらってそれを各自のペースで読み進め、それに加えて私が推薦した図書をそれぞれが読んでその内容を紹介しあいながら、議論を進めていっています。
生きることとは何なのか、よりよく生きることとは何なのか、自分とは何か、自分のミッション・ステートメントは何か。
昨日、第2回目が終わり、すでにミッション・ステートメントの原案が出来上がってきた学生もおり、感嘆しました。私も、自分のミッション・ステートメントを少し改善しようかな、という気にさせられました。刺激を受けたわけです。
「7つの習慣」の中に、「影響の輪」、「関心の輪」という話が出てきます。私も「関心の輪」ばかり広げて文句を垂れ流す現状の世の中と違い、「影響の輪」に集中して注力してその輪を大きくし、それに見合うように「関心の輪」を広げてきたつもりです。
そして、また最近、「影響の輪」が広がろうとしているのを感じます。山口県の取組みに関与するようになってから3年半が経ちましたが、被災地の復興道路の品質確保にまで話が広がってきました。パラダイムシフトも含んでおり、しばらくは同志と全力で頑張る時期が続くと思います。
そして、「影響の輪」の土台が広がろうとするときは、多くの未知と遭遇し、とまどうこともありますが、そこでまた勉強するのです。そうやって、「影響の輪」が確実に広がり、実力が向上し、それにつれて「関心の輪」も広がって、視野が広がっていく。
また、大分前から希望していた海外渡航もそろそろ現実的に実現しそうな状況になってきており、それに向けても種々の準備、段取りを始めています。自分自身の準備というよりは、その間に周囲にかける迷惑を最小限にしようとする準備です。すでにこの件に関する思考は完全にポジティブになっておりますので、関係しそうな皆様はご安心ください。
今日も楽しい一日でした。
朝4時に起床する予定が,やや惰眠をむさぼって4時半起床。3限の土木史の講義の準備から仕事を開始し,子供たちの夕食を準備し,長女と出発。大学に到着したら,もはや自由な時間は無く,講義準備,研究打ち合わせ,講義,講義,共同研究打ち合わせ,懇親会,で一日終わり。
土木史の講義は今日で半分が終わって折返しですが,非常に楽しい講義でした。その内容は別の記事で。
今日一日,朝4時半に起床してから,結局夜の21時過ぎまで,仕事と学生たちの指導でほとんど隙間の無いスケジュールでした。夜の18時以降は酒が入ってますが,共同研究先2社との懇親も兼ね,学生の指導も兼ね,結局は仕事です。よく働いております。
「アホ」はその後でして,22時過ぎに徒歩で自宅に帰っている間に,Michael Jacksonの音楽を大音量で聴きながら気分よく歩く。おそらく体も勝手に動いてるとは思いますが気にしない。
自宅に帰ったら誰も起きてないので,引き続きiPnoheで,若かりしころによく聞いたAerosmithのRock Musicを久しぶりに聴いていい気持ち。
どんなに仕事で忙しかろうが,楽しむときは楽しむ。また,若い時の感性は,おっさんになっても同じ。死ぬ間際もRockやPopを聴いて,ノリノリで病棟を歩き回ってそう。もしくは病棟から脱走してそう。
今日の講義2発で紹介した,今週のセメント新聞の國分先生のコラムは面白かった。講義では朗読しました。教授の要件とは,「超人的なパワー」だそうです。妙に納得。超人的とは,アホ,ということかと思います。このコラムは非常に面白かったので,私の周囲では,PDFでシェアします。
「土木史と技術者倫理」での学生のレポートに,以下のような文章があった。
「『知らなくてもいい。でも知っていると豊かな人生になる。』 本当にその通りだと思います。自分の中に素直に言葉が響いてきました。歴史のことなんか,数学のことなんか,文化のことなんか知らなくても,飯を食って,睡眠をとれば人間は生きていける。でも,そんな受動的な生き方をして,食べ物を消化するだけの管として生きるだけの存在にはなりたくありません。能動的に外に出て,興味のアンテナを張り,引出しを増やし,生き生きと輝いて生きたいです。・・・・・」
知ること,とは物の見方が変わること,です。私の講義を受けた学生は,大都会の満員電車を見た時の感じ方も変わっていると思う。目の前の現象だけを見ると,満員電車の地獄絵図に見えるだろうけど,それが我が国の歴史や現状,国力とどうつながっているのかを知ると,見え方が変わってきます。また,そのような鉄道システムを運行している鉄道会社に対する意識も変わってくると思います。
知ること,も大事なのですが,「知らないこと」も素敵です。知らないから,知ろうとする。知ることの喜びも,知らないから味わえるのです。
そして,知ること,知らないこと,どちらもよく分かる人が,上手に教えることができる。知らない人が,どのような情報に興味を示すか,「知りすぎている人」には分かりません。これが,「専門家」のよろしくないところでしょうか。
私は知ることの喜び,楽しさは知っています。しかし,知らないことを恥ずかしいとは思いません。それなりに一所懸命に生きていますので,知らなくたって仕方ない。本当に大事だと思い,興味があれば,これから勉強すればよい。このような姿勢をストレートに学生に見せています。
実は,土木史を私のような人間が教えている,という横国土木の現状はとても面白いと思っています。他の大学では難しいのではないでしょうか。「素人のお前に教えることなんかできない。」となってしまう気がする。横国土木の柔軟性や可能性を示しているようにも感じます。
いろいろと感じることが多くなってきているこの頃です。
今日も移動の時間に「土木史と技術者倫理」の学生のレポートを採点していて,感動するようなレポートの数が多くなってきて,教師冥利に尽きます。私の発する情報や言葉に,印象的なものが多いようで,それらを取り上げてレポートで言及してくれていると,講義をやっている側としては本当にやりがいを感じられます。90名近い受講生なので,双方向の講義はなかなか難しいのですが,それなりに成り立っているように思います。秀逸なレポート(感動します)を,受講生の間で共有したり,私のブログで公開することも考えてみます(匿名でね)。
さて,「自律的」であることは大事だと思ってまして,私はなるべく組織の構成員が自律的に活発に活動できるようにマネジメントをしようと心がけています。学会の委員会などでもそのようにマネジメントしようと思っていますが,JCIのデータベース委員会も自律的に活動が展開されており,何が当初の目的だったのかも分からないくらい,目的自体が進化していっています。委員長やら中核人物が目的を強要して,最悪の場合は作業も強要して進めるような委員会など,今の時代には無くてもよいのではないかと思ったりします。
私の本拠地である研究室も,自律的に動き始めており,頼もしく思っています。何も指示しなくても勝手に鞆の浦でもどこでも出張に出かける学部4年の赤間君を筆頭に,自律的にアクションを起こせる学生が増えてきて,うれしい限りです。
私の下には林さんや小松君,留学生などもいますが,私は行動を強制しません。方向性のアドバイスや修正はしますが,彼ら中核的なスタッフが自律的に動けている現状は,組織としては非常に魅力的な状態に近づいていると思います。
今後,我々の組織にも大きな変化が複数訪れますが,それらもチャレンジだと思って,組織運営にベストを尽くしたいと思います。まあ,お任せあれ。
昨日は,横浜市の浄水場の建設現場にて,コンクリート表面の品質の目視評価「祭り」を行いました。
鹿島の坂田さんらに仲間に入れていただいて,目視評価に関わることとなりました。
私の中では昨日11/7が第一歩目の練習。30名近くの方々に参加していただき,同一の対象(柱15本,壁10箇所で,しかもそれぞれ高さ方向に2リフト)を,多くの目で目視評価できて,非常に貴重なデータを取得できました。たったの数時間で。
次回は12/26-27に山口県の構造物で目視評価「祭り」です。これはかなり大がかりな「祭り」になろうかと思います。
そして,その先には,被災地の復興道路の品質確保プロジェクトが私の視野に入っています。
とにかく,自分のできることはすべて実行して,実構造物の品質確保につなげていくつもりです。さすがに研究室の学生たちも,その迫力に反応しているようで,皆が研究を頑張り始めています。 どうせやるなら,実構造物が良くなる研究をしたいし,我が国の将来につながる研究をしたいですよね,学生たちだって同じ気持ちのはずです。
目視評価の調査結果は,JCI年次論文集に投稿する予定であります。
土木工学(Civil Engineering)とは何なのか、人間の文明社会にとってどのように重要なものなのか、一般の市民に伝えるのは簡単ではありません。
私自身のことを記しておきます。東日本大震災が発生して、3月と4月に調査に行って自分の目で現地を見て、土木学会会長を含むいろいろな方とたくさん話をして、Civil Engineering無しにこの国は成り立たないことを肌で感じました。逆に言うと、東日本大震災が発生する以前は、私も心のどこかでCivil Engineeringに対するネガティブな感情がわずかながらあったということです。いわゆる長年の公共事業バッシングや「コンクリートから人へ」などの「思想」は私をもわずかながら蝕んでいたということでしょうか。
また、昨年の10月から、「土木史と技術者倫理」という講義を担当することになり、とにかく学生に、歴史、文明、日本、土木に興味を持ってもらい、どんどんと読書するきっかけとなる講義にする!ことを目標に、全力で準備し、合田先生の秀逸な教科書を軸に、手段を選ばずに講義に臨んでいます。この講義は私にとって非常に大きな機会となり、Civil Engineeringを深く知る機会となっています。また、それを低学年の学生という、ある意味では市民の代表格のような方々、しかも100人に迫るような聴衆に、魅力的に伝えなくてはならない、というのは私の本領を呼び起こす貴重な機会になっています。
この二つの出来事をきっかけに、私のCivil Engineeringに関する理解や見方、日本に関する理解や見方は深く広くなっていくことになりました。まだまだ浅く、狭いのかもしれないけれど、深く広くしたい、という欲望はもう止められません。
「私ですら」、Civil Engineeringのことを以前は分かっていなかった。当時37才の「大学教員」がです。本質を理解していなければ、 本当に伝えることはできません。伝える側のレベルがこんなお粗末ですから、伝わらないのも仕方がない。
日本の現状はよくないと思う。様々な事象に対する正確な(なるべく)認識を、多くの国民が持てていない。そのような国民に支えられた政治家たちがまともな判断をするわけがない。文明や国家というものは広く大きく捉えないと、部分最適化が全体を崩すことに容易につながります。歴史も踏まえて広く大きく捉え、かつしっかりと本質を捉えて勉強しないと全体像が分からない。国民もそうですが、政治家がどのような勉強をされているのか聞いてみたくなります。
適切に伝える努力も大事だし、マスコミと技術者の信頼関係なども時間をかけて醸成していけばよいと思うが、伝えるよりもまずは理解を深めるのが大事。私の土木史の講義は、毎年100人近いCivil Engineeringのファンを量産することになるので、とても重要であると認識をしています。彼らが将来の日本をリードしてくれるであろうことを信じて、私も勉強しながら、講義の後半戦も全力で取り組みたいと思います。
11/2(金)は日帰りで京都へ。この日はいくつかの予定がバッティングしていたのですが,いろいろと考えた末に,京都へ行くことにしました。
発表も座長の仕事も無いのですが,コンクリート構造物の補修・補強・アップグレードのシンポジウムに参加。このシンポジウムは,構造物の劣化や維持管理についての貴重な情報が効率よく勉強できますので,数年前からなるべく参加するようにしています。今年は残念ながら発表できませんでしたが,来年はぜひ複数の論文を投稿したいと思います。
維持管理の電気防食などについては,発表を聞いていてもよく分からない専門用語が出てきます。ということはまだまだ勉強することがある,ということです。同じように,建設マネジメントの分野も,分からないことだらけ。
ものは考えようですが,将来,維持管理やマネジメントの分野に研究活動を展開していこうとしているつもりですが,勉強すればするほど伸びることが可能,と捉えています。これは「未熟」であることの特権です。
シンポジウムの後,関西の共同研究先の企業と打ち合わせ。コンクリート電柱について共同研究を重ねてきています。
担当学生の修士2年の学生は,私の求めるレベルまで作業が到達しておらず,ギリギリの状態で準備してきたパワーポイントで説明を開始しました。企業と契約を結んでの共同研究なので,学生にとっては大きなプレッシャーになっているかと思います。
シンポジウムの会場の座談スペースでの簡易な打ち合わせでしたが,私にすれば,この打ち合わせには以下の目的を持たせています。
・このような打ち合わせを設定することで,学生は締切りに合わせて最大限の努力をする。
・共同研究先に,年度内にそれなりの成果が出てきそうであることをPRする。
・この打ち合わせの場も「指導の場」であることを出席者に公言し,学生の説明をときどきストップさせて,リアルタイムで「指導」しながら,研究を前進させ,それを企業の方にもみていただく。
・学生も,事前の準備は大変だったであろうが,緊張した打ち合わせの場での指導でブレイクスルーも経験し,その状態を企業の方にも見ていただけることで安心し,今後への大きな自信となる。
結果,事前はこの打ち合わせに対して,皆がそれなりに不安を感じていたと思うのですが,終わった後は皆が満足していました。企業の方々も喜んでおられて,その後の懇親会では「すごい指導を見させてもらった」とか「来年以降もぜひ一緒に続けたい」という話になりました。また,懇親会でもいろいろとアイディアが出て,12/5(水)には兵庫県の播磨工場にみんなで集まって,ある調査を行うことに決まりました。
11/2(金)は,私がキャンセルした新潟県のイベントでも有意義な交流があったようです。山口県の取組みと北陸の取組みが情報交換し,被災地の復興道路の品質確保にもつながっていく大きな流れです。こちらの情報は自然に私には入ってきますので,今回はお任せすることにしました。
全体の動きを見ながら,常に自分の出来うるベストの行動をとる。それの連続で,未熟な研究者でも少しずつステップアップしていけます。