細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

2012-04-29 09:37:47 | 人生論

しばらく前の土曜日に,長女をバレエの教室に送るときの話。

長女が電車の中で,雨模様の外を眺めながら私に質問してきました。「ねえ,パパ。雨が降ると,その辺の草や花に水がかかってよい,というのは分かるんだけど,人間にとっていいことってあるの?」

うーん,なるほど。私はなるべく簡潔に,雨が降らないとどういうことになるのか,自分の場所だけは降らなくてもいいかもしれないけど,世界中で雨が降らないとどういうことになるのか,を伝えました。

長女はいろいろと感じながら納得していました。さらに練習前にドーナツを一緒に食べながら,「じゃあさあ,雨はどうして降るの?」
これにもきちんと答えておきました。

ところで,前者の質問ですが,これに対する答え,というのは,世の中のあらゆる問題と通じていると感じます。

雨が降ったら困る人もいるでしょう。だからといって,雨はよくないものだ,雨を降らせないようにしよう,ということにはなるべきではない。
見る人によってバックグラウンドが違うから,視野も関心の広さも違うから,答えが変わってきてしまう。

雨,というものはこういう理由で大事なんだ。一部の人には不要に見えるかもしれないけれど。ときちんと説明することは,世の中の複雑なものごとに対しては簡単ではありません。

そのときに,100%分かっている人はほとんどいないと思いますが,分かってもいない人が勝手なことを論じすぎる。評論家(や)が多すぎる。

もっと謙虚に,勉強いたしましょう。 


一番大事なこと

2012-04-28 11:16:00 | 研究のこと

この一週間もいろいろとありました。

先週末の鞆の浦での濃厚な体験もありましたが,週末で休養を取れなかったこともあり,疲れもたまっておりました。昨夜は11時間くらいぐっすり寝て,GWの初日をすがすがしく迎えています。この3連休は家族のイベントがびっしりです。

鞆の浦でも,研究委員会でも,私の研究・教育活動でも,どこでもそうなのですが,結局一番大事なのは「人」です。以前から分かっているつもりではありましたが,さらにいろんな角度から,「人」が大事であり,すべてといっても過言でないことを,改めて認識しました。人が元気であること,人と人がつながっていること,です。

私の元気の源も,私の好きな人たちにいつも囲まれて,元気な会話をしているからです。好きな人たちとの縁に,涙することもしばしばあります。そして,好きな人たちと一緒に研究,教育をしていきたい。社会に少しでも貢献していきたい。多少,おかしくなってしまってはいるけれど,この日本を少しでも良いかたちで次の世代にバトンタッチしたい。文句を言うのではなく,自ら実践したい。

それ以上に何を求める必要があるでしょうか。本当に自分に必要でないことを求めようとするから見苦しくなる。自らの心も汚れるけれど,周囲から見ると薄汚く見えることでしょう。

周りの目を気にしなくなったら,それもまた人間ではないかもしれませんが,自分の心からのモチベーション,志に忠実でありたい。

私たちにしかできない研究があり,まだまだ未熟ではあるものの,いくつかの研究はかなり面白いステージに差し掛かっている。それらに興味を示してくれる方々も多くおられる。そして仲間が増えていく。

基礎的な研究もやりますが,実用的,実践的,実装も私にとってとても大切なことです。実装するための仲間もどんどんと増えている。

もちろん,研究に対しては,研究室の仲間たちと全力で取り組んでいくことが基本です。

これだけで,何を不満に思うことがあろう。

稲盛和夫さんもおっしゃりますが,死ぬまでに少しでもまともな人間になって死にたい。未熟であるからこそ,修行のしがいがある。

元々私も純粋なところがあるので,精神の本当のコアの部分では,もっと純度を高めていきたいと思います。世の中のいろんなことを学びながらね。 


5/25(金),26(土)現場見学

2012-04-28 11:15:14 | 教育のこと

YNUの土木の皆様へ

改めて,掲示や見学会ブログでお知らせいたしますが,

・5/25(金)の午後に,首都高ウォッチング(首都高速道路の都心の構造物を,首都高の技術者,YNUの先生方,学生たちで歩きながら見て回ります。皆でワイワイ言いながら見て回ると, 構造物の勉強や,劣化現象などの勉強になります)

・5/26(土)は終日,大型バスを借り切って,豊橋方面まで向かいます。第二東名の建設中の現場,その他に訪れます。大迫力でしょう。

お楽しみに! 


鞆の浦

2012-04-24 15:20:39 | 人生論

いろいろと事情がありまして,21日(土)~23日(月)の早朝まで,広島県の福山の鞆の浦におりました。宿泊したのは,「さくらホーム」という老人ホームで,何とあの,崖の上のポニョの老人ホームのモデルとなったところです。その老人ホームの離れに2泊しました。

2日間ほど,普段のコンクリート関係の仕事ではありませんでしたが,地域の人のつながり,歴史,文化,地域一体の介護,防災などの観点から,鞆の浦をディープに学ばせていただきました。

鞆の浦は,坂本龍馬がいろは丸事件で紀州藩と談判した場所としても知られていますが,非常に古くから歴史と文化を育んだ場所,ということすら知りませんでした。江戸時代の街並み,人情がここには残っています。

びっくりするぐらいの数の社寺があり,仏教のほぼすべての宗派のお寺がある,だとか。京都以外にこれほどの社寺がひしめき合っているところは他に知らない,私をここに誘った木谷正道さんは言ってました。 なぜ,そうなったのか,は私はいろいろと教えていただきましたが,とても興味深いので,また私の周囲には伝えます。

その鞆の浦の主要人物たちとも懇意になり,今後も何度か行くことになるかもしれません。さくらホームの代表者の羽田富美江さんともとても仲良しになりました。みんながファンになる方だそうですが,とても素敵な女性でした。

「土木」の観点で言うと,埋立てと架橋問題で裁判にまでなってしまった,非常に難しい経緯を抱えた地域でもあります。

とにかく, 一つの記事にまとめられないような,面白い体験をしてきました。また,私の日常にもフィードバックしていきたいと思います。

 


実物での

2012-04-20 15:37:18 | 研究のこと

今日の午後は,横浜市の方々と打合せをしました。

昨年,一気に横浜市との連携が密になりましたが,今年はその関係をベースに,いろいろと活動をしかけていく年になります。

山口県での取組みを参考に,横浜市でも横浜国大と連携しながら種まきを始めました。ゼネコンの協力も得られますので,とにかくやりたいこと,やるべきことを実構造物,実際の行政で実践していきます。

話は広がり,品質確保だけでなく,維持管理もそうですし,横浜の防災の話にもなりました。自治体と大学が連携してできることは無数にあるように思います。 

焦らず,無理せず,着実に実践していきましょう。 


場,役割

2012-04-18 12:49:55 | 人生論

今日は暇な一日なので,気の向くままに行動しています。
(すぐに,このような日は無くなるので,束の間の猶予ということでお許しください!)

朝,長女と一緒に朝を出て,いつもは小学校の近くで別れるところですが,今日は小学校まで一緒に行って,「校庭で遊んでいる様子を見させてもらうね」と言って別れました。

8時過ぎに子供たちが校庭に次々と出てきて,長女も同級生たちと鬼ごっこを始めました。「ドロケイ」が以前は大ブームだったようですが,今は「ふえ鬼」という鬼ごっこのようです。女子が鬼で,男子をおっかける,というルールに見えましたが,最初は女子は長女一人だったので,一人で多数の男子をおっかけて全く捕まえられない,という状況が続いていました。からかわれているようにも見えました。

そのうち,女子の仲間も増えたり,だんだんとつかまった人が鬼に「増えて」いって,背の高い強そうな男の子も終盤にはつかまったりしていました。

他にもドッジボールをやっている集団やら,いろいろ。校庭では微笑ましい子供たちの遊びが,8時25分まで続いていました。

小学校によっても違うのかもしれませんが,マスコミ等で言われている学級崩壊のような様子も,長女の小学校では無く,私が子供のときと同じような,平和な小学校のように思います。校庭で遊んでいる子供たちは元気そのものでした。

終盤には男の大人の人が校庭に来て,白いラインを引き始めていました。体育の授業か何かの準備でしょうか。

今後,どうなるのかは分かりませんが,平和な現時点において,皆が社会のルールに従って,整備された場で,役割をこなし,生きている。白いラインを引いている先生も,社会の決め事の中で先生という役割を演じている。決め事が無ければただの男のおじさん。私ももちろんそう。

そして,みんながそれぞれの役割をきちんきちんと演じることで,社会が円滑に運営されている。小学校の場であれば,子供たちがきちんと育てられ,社会に出る準備を始めている。

社会,システムってすごいなあ,と改めて感じ入りました。

お昼にうなぎを食べました。最近,うなぎって特別な食べ物だなあと感じます。

うなぎを食べながら,村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読みました。

私も,社会の一員として,決め事にしたがって役割を演じている。それが尊いことであって,それ以上に求める必要はない。

いずれ消え去ることは分かっているので,世の中で生きるチャンスをいただいて,自分のやりたいこともできて,感じさせていただいている。それだけで尊い。小説を読んで,うなぎを食べていることが,どれだけありがたいことか。

もちろん,平時のシステムは,崩壊するかもしれません。そうなると私もただのおじさんです。そうなっても,そのときのシステムの中で役割をこなしていけばよい。

とにかく,大きなシステムを変えるとか,そういう乱暴な議論ばかり飛び交っているけれど,社会システムのすごさにまずは敬意を表し,その中でできうることにチャレンジする,ということが大事ではないかと思います。

今日は決して遊んでいるのではなく,仕事しております。土木学会からWebで発刊される英文newsletterというものに,津波委員会の活動状況を紹介する記事を作っております。 


重箱の隅

2012-04-16 21:59:19 | 職場のこと

4月も半分が終わり,いろんな意味の日常が戻ってきました。

相変わらず,くだらない書類の提出を求める連絡がたくさん来ます。まさに,重箱の隅を突くような,どうでもいいことなのに,作業を求めるメール。全くもって,この国はどこに向おうとしているのでしょうか。手続きが透明でさえあれば,皆が平等でさえあれば,一切のクリエイティブな成果なしに,皆で沈没していってもいいと思っているのでしょうか。

あの書類もこの書類も出せ。予算も獲得せよ。講義はしっかりやれ。授業評価アンケートを踏まえての改善レポートも出せ。研究もしっかりせよ。論文もたくさん出せ。学内委員会もしっかりこなせ。社会貢献もしっかりせよ。

まあ,トップレベルの企業であれば,トップはこんないいかげんな指示は出さないでしょうなあ。相手にする気になりません。

まあ,間違いなく,こんなやり方では,ジリ貧でしょう。

かなりの仕事をサボってますが,もっとサボろう。

今日は月曜日でしたが,週末に集中して取組んでいた論文を仕上げる作業を頑張っていました。卒業した学生がしっかりと引継ぎをしてくれなかったこともあり,生データをチェックしながら,間違いを修正し,総論的ではありますが英語での論文を仕上げました。午後,5時間ほど集中して作業して終りました。

今週は比較的,日中に作業時間が確保できますが,幸せに感じました。

 


粗食

2012-04-15 13:20:14 | 家族のこと

今日のお昼は,粗食にしよう,とあらかじめ家族で合意していました。

朝5時に起床のつもりでしたが,春の惰眠をむさぼって8時起床。今日はとにかく,無駄な時間がほとんど無いように頑張ってみよう,と決意して,起床後すぐに英語論文執筆。ずっと書き続けることはできないので,疲れたら昼食の準備など。12時にご飯が炊き上がるようにセットしました。

昼食の準備は私の担当。野菜のふりかけとジャコが入ったおにぎり+海苔,お豆腐(絹ごし),厚揚げをスライスしてごま油で炒めたもの,サラダほうれん草+ゴマドレッシング。以上。

夜はイタリアンのレストランなので,昼は粗食。こういう粗食,私は大好きでして,明らかに体にいいのが食べていても分かります。年齢を重ねるごとに,ヘルシーフードにシフトし,最後には酒もやめて,かくしゃくとした爺になりたいと強く思います。

昼食の前後も,とにかく論文執筆。途中,留学生の論文の添削も少しやりました。

当たり前だけど,書き続けると,形になってきます。今日は14:30に家族でおでかけなので,その後は奥さんが用事を済ませている間などに,執筆の作業を続けることになります。何とか,今日の夜には仕上がりそう。公表される論文としては,田村先生,二宮さんと連名の初めてのものになります。それが英語,というのも何だかよいものです。

夜はせっかく家族にバースデーを祝ってもらうので,おいしくお酒をのもー。

 


発信できること

2012-04-14 21:37:54 | 職場のこと

今日は悪天でしたが,もうすぐ何気ない土曜日が終ろうとしています。

長女のバレエの発表会が近づいており,2年前にも発表会を見ましたが,プロのバレリーナも多数出演する超本格的な発表会なので,練習が相当ハードになってきているようです。長女も2時間の練習。送り迎えが私の役割。送り届けた後,QBハウスで散髪して,ドトールで仕事。セメント・コンクリートという専門誌の5月号に掲載される,JCI膨張コン委員会の成果の概要についての解説記事の最終校正を済ませました。

行き帰りの時間などに,目黒公郎教授の「間違いだらけの地震対策」 を読んでいましたが,かなり衝撃を受けています。私も防災NPOともつながりができたこともあり,自分や自分の組織にできることがいくらでもありそうな気がしており,今年,実行に移す決意を固めました。

このブログもそうですが,先の専門誌の記事にしても,自分の考えていることを世の中に発信できる,ということは本当に恵まれていると感じます。まだ私ごときの発信する専門誌での情報に大きな影響力があるとは考えていませんが,そういうチャンスを与えていただけることはとてもありがたいです。「コンクリートテクノ」という専門誌の4月号に,山口県のひび割れ抑制システムの本質を書かせていただきましたが,「思いが書かれていて良かった」という感想もいただき,素直にうれしかったです。

今日は,英語の論文2つの作業。一つは留学生が筆頭著者で,その添削作業。もう一つは,私が筆頭のもので,明日が締切り。

明日が締切りのものは,山口県のひび割れ抑制システムについてです。もちろん,執筆にはかなりの時間を要しますが,書いているときはやはり楽しい。書く,という行為に着手するまでに苦労するときが今でもあるのがまだ課題。

明日のディナーは,家族でお気に入りのイタリアンの店で,一応私の誕生日祝いも兼ねてます。そこでおいしくお酒をいただくためにも,明日の日中に英語論文を仕上げるつもりで,今日できるベストのことをやりました。明日も早く起きて続きを書きましょう。英語の論文ばっかり書いても日本のためになるとはちっとも思いませんが,やはり英語で書くことも大事です。

防災に関しては今年は新たに活動を開始しますが,さっそく来週末の21,22日に広島県の鞆の浦を訪れ,平塚市の防災のリーダーのイベントに参加させていただきます。何と,宿泊するのは「ポニョ」に出てくる老人ホームのモデルになったところです。地域のつながりの再生の最先端を行く鞆の浦の,核となる老人ホームです。全く新しい人たちとのつながりがどんどんできると思うと,ワクワクします。

コンクリート工学などのこれまでの研究活動については精進を重ねますが,防災という私にとって新しい分野においても実践して経験を重ね,何とか我が国の危機の回避に貢献したいです。

発信できる,という立場にあることに強い責任感を感じて,精進を重ねます。 


調子の悪いとき

2012-04-12 09:46:30 | 人生論

ここ2週間くらい,自分の中ではあまり調子が良くはありませんでした。ですが,過去と比べるとそういうときの心のあり方もだいぶ違うので,少しその様子を書きとめておきます。

非常に激しい活動を3月のインドネシア見学会辺りまでほぼ休みなしで続け,卒業式があり,その後,家族休暇でシンガポールに行きました。そして,年度が切り替わって昨日くらいまでの2週間の調子があまり良くなかったわけです。

周囲から見ていると調子が悪いことも気づかないかもしれませんが,自身の心身のベストコンディションからは明らかにほど遠い状態でした。ですが,それで調子を崩している,という感覚はありません。メンタルで落ち込むこともない。ベストコンディションでは無いな,ということを冷静に認識しているだけ。

人間にはどうしてもリズムがあります。いつもいつもベストコンディションで走り続けられるわけでもない。羽生義治さんも言うように,徹底的にボーっとする時間も大事で,それがあるから集中力も発揮できるのだと思います。曽野綾子さんも言うように,人間の悪の部分も見ないと,良いことも相対的に見ることができない。人間とはどちらの対極も本来持っているべき存在です。

調子が悪くなるときは,自分に自信がなくなるので,「ああ,自分は価値の無い人間だ」とか「自分のやっていることは大したことがない」などと思いがちですが,たった2週間で自分の価値がガラッと変わるわけもない。そういうときはくよくよ考えるのをやめた方がよい。

4月になって,研究室に新しい仲間も加わって,放っておいても気分は入れ替わります。新陳代謝とは本当に大切なことです。そして,人間は忙しい方がよい。その方がリズムができて,活性化して,結局成果もたくさん出る。教務委員の仕事も,講義も,もちろん忙しくなる要因ですが,仕事をさせていただいていることに感謝し,そのリズムを楽しみましょう。

また,激しく活動しているときのおかげで,放っておいてもどんどんといろんな魅力的な方々との打ち合わせがスケジュールに入ってきます。それらの方々と話していると自然に元気になります。この環境は,頑張っているときの自分からのご褒美でしょうが,本当に素晴らしい方々と仕事ができることに感謝です。

こうやって,またベストコンディションに入っていくことを経験的に知っているので,調子が下がっているときも冷静に自分を見ることができます。心身が休息を求めているのだから,そのときにやりたいと心から思うことに身を任せればよい,と割り切るのです。 

というわけで,今朝からベストコンディションに入った感覚です。頑張ろう!

(参考までに,1年前に読んだ「老子の無言」 の考え方が,昨年度にかなり身に付いたと思っていますが,それが上記のようなフレキシブルな考え方を支えてくれています。)


研究開始

2012-04-11 17:44:59 | 研究のこと

教務関係やら,教室,研究室の歓迎会やらが昨日で一段落し,今日は日中,ほぼ自分の自由に使える時間となりました。

研究室に配属されたばかりの4年生たちに声をかけて,あるプロジェクトを開始しました。神奈川,横浜の防災に関する取組みです。学生たちの勉強になり,教員が学内外の講演や講義でも活用できるパワーポイントの形に成果をまとめるように,マネジメントをしたいと思います。

私も仲間に入れていただくことになりそうな,「東京いのちのポータルサイト」 に紹介されている,チェックリストとマニュアルを学生にも紹介し,さっそくチェックリストで計算してみました。大地震が夜中,寝ている間に来ると,我が家もかなり危険な状況に追い込まれるかもしれないことを認識し,ぞっとしました。また,東大生産研の目黒先生が書かれた書籍なども早速購入し,まずは正しい知識を身につけることにしました。

岐阜大学の杉戸先生らのデータも私は衝撃を受けましたが,学生たちと生データを当たってみることにしました。

土木学会が,小学生や中高生など,それぞれの年齢層に向けて開発した防災教育のDVDもいくつか購入し,勉強してみることにしました。

防災はほぼ素人ですが,詳しい方々に教わりながら,また自分たちで勉強,研究しながら,大学教員という発言や教育する機会の多い立場にある身として, 責任を果たせるように努力したいと思います。

幸いにして,自治体等と連携できる土壌は年々大きくなってきているので,とにかく自分にできることをやってみようと思います。

その他にも,表面吸水試験,表層品質の研究のディスカッション,研究の展開に関するマネジメント,津波の研究に関するマネジメント,などをやって日中が終りました。 

スロースタートの4月ですが,今日が24年度の研究のスタートの気分です。 


我が道

2012-04-10 16:54:10 | 人生論

昨日は,我が土木工学教室の教職員の歓送迎会でした。

新しく加わったメンバーは,2名の准教授と1名の研究教員で,またまたパワーアップし,若返りました。教室会議も壮観で,今後がとても楽しみな組織です。

いろんな先生方と本音でお話しました。2次会にも有志で行き,議論はさらに白熱しました。3次会が余計でしたが,副学長と鈴木先生と3人のみで行きました。

1次会で,女性教員(2名のうちの1人)M先生から「細田先生を見ていると,ああ,自分の思ったとおりに行動,発言していいんだな,と教わります」としみじみ,かつ笑いながら言われました。

そんなに奔放にやっているように見えるでしょうか。本人はいたって真面目に,良かれと思うとおりに行動しているだけなのですが。

藤井聡先生とお話したときに,すぐにシステムを改革する,という議論をするな,という話になりました。皆さん,これだけの閉塞感に浸りきってしまうと,どうしても外環境のせいにしたくなります。自分が悪いんじゃない,制度が疲労したからうまくいかないんだと。でも,山口県のひび割れ抑制システムにしたって,他のさまざまな先駆的な取組みにしたって,今の制度の中の改善で,できちゃうわけです。藤井先生は,「熱血」が足りんのだ,とおっしゃってました。私もそう思います。

システムを改革,変革する,ゼロクリアして構築する,というのは聞こえはかっこいいけれど,よっぽどの場合でないと取るべきスタンスではありません。

私も単に,熱血でやっているだけです。 

YNUの土木工学教室は,ポジティブなinteractionが非常に多い組織ですが,私ごときのbehaviorが,同僚たちの刺激になって,さらに活発になるのならば,とてもうれしいことです。

准教授の中では一番の古株になってしまいましたので,適切にリーダーシップを発揮する所存です。頑張りましょう!

今日は研究室の歓迎会。船出の段階から,素晴らしい研究室になる予感が大きく,とても楽しみです。 


ひと段落

2012-04-09 16:23:14 | 職場のこと

4月に入ってからは教務委員関係の仕事が目白押しでしたが,バタバタとした状態はとりあえず今日で一息です。

明日から私の講義「材料と複合」も始まりますが,もう4年目ですね。今年は教科書も昨年までのものを引き続き使うので,大きな変化は無し。大震災や昨年の土木史の講義での経験なども踏まえ,深みを増すように努力したいと思います。

曽野綾子さんの「人間の基本」も読みましたが,改めて,非常に幸せな環境で仕事をさせていただいていることに感謝。所詮,凡人ですから,仕事をさせていただけることが幸せです。教務委員の仕事だって,ほとんどは誰でもできる仕事ですが,それ無しには教室がうまく回転しない。こういう仕事をさせていただくことにまずは感謝しましょう。でも,せっかく2回目の教務委員をやるのだから,自分じゃないと思いつかないようなことも少し織り交ぜながら,教室の総力がアップするように実行したいと思います。それが恩返し。

今年度は,博士の学生たちと一緒にしっかりと勉強をしたい。修士,学部の学生とも勉強するつもりです。

それらの勉強とは別に,社会心理学,建設マネジメントなどの勉強は自分で行い,幅を広げていきたいと思います。

今日は39歳の誕生日でした。なぜか,今回の誕生日はかなり前から意識していたので,39歳になる心の準備だけは万端で迎えました。30代最後の1年ですから,充実させたいと思います。いよいよ待ち焦がれた?壮年期。facebookでもたくさん,お祝いのお言葉をいただきましてありがとうございます。感謝です。 


教務委員の仕事

2012-04-05 10:50:07 | 職場のこと

4月の第一週が始まりましたが,教務委員の仕事でほぼ一色です。

手抜かりがあると良くないし,すべてが厳格な締切りとともに進んでいく仕事ですので,昨日の全学年のオリエンテーションはさすがに疲れました。研究室のメンバーと軽い花見(3分咲き)を楽しんで,さっさと帰宅し,祖父母宅に預かってもらっていた娘たちを引き継いで,濃厚にじゃれ合って,就寝しました。次女の甘え方もかなり激しくなってきました。

教務委員をやりたい,と事前に思う人はほとんどいないと思うのですが,いざやってみると,学生との距離が最も近くなる役割ですので,楽しいです。やはり,根っからの教師なのだなあ,と一人で苦笑。

来週一杯辺りまでは教務関係の仕事が目白押しですが,もちろん自身の講義もスタートします。研究論文の筆頭著者,共著者の原稿も多々あり,作業が滞っています。

一方で,読書はまたまた変な展開を見せておりまして,今は「ベートーヴェン」の伝記を読んでいます。曽野綾子さんの「人間の基本」という本も同時進行で読んでいます。乱読っぷりが著しくなってきたように思いますが,今も4~5冊,並行して読んでいます。いろいろと読みたいものは止めようがない。

ベートーヴェンを読み始めたのは,村上春樹の「海辺のカフカ」がきっかけです。もちろん,子供のころにベートーヴェンの伝記は読みましたし,何となく悲運の大作曲家の人生は知っていたつもりですが,改めて読んでみてすごく感銘を受けています。まだ少年ですが。

村上春樹のような小説を読んでいると,普段だと興味を持たない領域に入っていくことができ,これはうれしいことです。

以前,英語の小説を読むと,普段使わない語彙が強化されることを言われたり,思ったりしたことがありますが,ほとんど実行してません。シドニーシェルダンの小説は結構好きだったので,英語で家にある小説を読んでみよう,と数日前に思い立ちました。また乱読に拍車が。 


スロースタート

2012-04-02 10:49:32 | 職場のこと

今日は久しぶりに大学にやってきました。3/23の卒業式以来なので,10日ぶりになります。珍しく,まだ桜が咲いていません。すこーし,開花が始まったくらいです。新しいメンバーとたくさん花見ができそうですな。

今年度は教務委員,ということで年度当初に仕事がたくさんあります。まあ,ルーティンワークなので,しっかりとやることだけが求められる仕事ですが,それよりは学生たちにやる気を持たせる役割の方が大きいかなと。

どう放っておいても忙しくなるのは目に見えているので,今年度はスロースタートを切ることにしました。昨日も仕事をストップして,ひたすら読書。まさに乱読でしたが,「海辺のカフカ」も読み終わり,読みたい本が数十冊待ち構えている状態になりました。土木史への興味がますます大きくなり,今年も「土木史と技術者倫理」をてこに,たくさん勉強しようと思います。

迷っていた4月中旬のオランダ出張も,行かないことにしました。行かない方が,下が育つだろうし,その分,日本で勝負の24年度の基礎固めをしたい。研究テーマも,これまでよりもさらによく考えて設定したいと思います。私自身もよく勉強しなくてはならないテーマも織り交ぜて,今後の展開を図りたい。「施工学」「マネジメント」の観点を大きく打ち出そうとも思っています。

ゆっくりと,しかし確実に,24年度のスタートを切りたいと思います。