細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

指導方法の修正

2015-04-24 16:39:34 | 職場のこと

私自身ももちろん変わってきているのですが、研究室のスタッフの構成も変わってきているし、学生のメンバー構成ももちろん変わります。

それに、研究テーマも変わっていくし、特に私の研究室においては使うツールも変化していきます。 

さらに、私のフランス滞在の影響もあって、この4月から、いろいろと研究指導の方法や考え方を見直そうと思い、少しずつ実践しています。

博士2年の留学生については、1年間の私の不在もあったためやはり研究の進捗が少し遅く、4月に入ってから可能な限りミーティングを持つようにしています。私もいろいろと勉強しており、私自身も楽しいし、小松助教も大きく関連するテーマなので、三人でのミーティングを頻繁に行っています。やはり研究のディスカッションでは新しい知見も身に付くし、新しい結果も出てくるので、楽しいです。三人のチームも少しずつ機能し始めたように思います。今年は、このチームの機能を徹底的に高めることが重要な仕事の一つと認識しています。

今朝は、9:30から、私がプレゼンを行う機会を設けました。研究室は椿先生と一緒に運営しているので、学部4年生はまだ研究テーマが決まっておらず、任意参加。

私のこれまでの研究について、私の言葉で背景やら周辺情報等を説明する機会をこれまで怠ってきたと反省しています。

毎週30分や1時間でよいので、そのような機会を重ね、私の経験や知識を学生たちにオープンにし、必要に応じて吸収してもらうようにしました。

上記はごく一例ですが、チャレンジを重ねることが重要と思います。今後は、個別の学生の指導もどんどんと始まるので、いろいろと工夫してみたいと思います。 


全体のPDCA

2015-04-23 09:55:37 | 研究のこと

4月22日(水)は一日、三陸の現場にいました。午前は、宮古の北にある小本の橋梁およびトンネルの現場。午後は、釜石にあるトンネルの現場。

小本では橋梁もトンネルもコンクリートが打込まれており、また、すでに出来上がった橋脚やトンネル覆工の出来栄えについても見させていただき、大変に勉強になりました。改めて品質の調査に来ることになりました。

午後の釜石のトンネルでも、様々な試行がなされており、トンネル覆工コンクリートのひび割れや品質、について私も現場研究に関与することになりました。

前日の21日(火)は小本の近くで現場の方々と懇親会をしました。現場の技術者のある方が、以下のようなことを言われました。

「一つの現場の中でPDCAが実施され、品質が向上していくこともよいのだけれど、企業の中や、業界全体でPDCAが行われて向上していくといいですよね。」

まさにその通りで、少しずつですが、そのような機運になってきているように感じます。私も以前からそのようになるとよいな、と心から希望していましたが、現場の技術者からもそのような言葉が本音として出てくるようになったことに感銘を受けました。大変にうれしく、おいしい日本酒もいただきましたが、翌朝、目覚めたときに力が湧いてきました。

施工者の業界の中でそのような雰囲気になっていくことも望ましいですが、やはり本当に良い雰囲気になっていくためには、発注者がそのような方向に向かう必要があります。そうなるために、私たち学の役割は決して小さくないことを改めてかみしめました。

高品質の構造物を制約条件の中で技術者たちが追い求めること。本来、当たり前の姿なのでしょうが、実際の現場でそのような技術者たちの真摯で苦労しながらも楽しそうな様子を見ると、まだまだ日本も可能性がある、と勇気が湧いてきました。

充実した三陸出張でした。 


片栗粉

2015-04-20 07:22:02 | 家族のこと

3月30日(月)に次女のスクールが春休み明けで開始して以降、今日で16日連続(平日のみ)で次女のお弁当を作りました。私もお弁当を食べられるときはついでにお弁当を作っています。今日も、いつも長引く教室会議の日のため、私のお弁当もついでに作っちゃいました。さらについでに、塾に通う前の長女のミニお弁当も。

よく作るおかずに、から揚げがあります。パリ滞在中に私なりの簡易から揚げを開発し、その後適当にアレンジしてよく作っています。

現時点の定番から揚げは、にんにくをスライスし、鶏もも肉を小さく切ったものに、スライスにんにく、タンドリーチキンのスパイスをまぶし、醤油をかけてしばらく置き、その後、フライパンで揚げるというもの。

これまでずっと小麦粉をまぶして揚げていました。片栗粉の方がよい、と聞いてはいたものの、片栗粉を買おうと思った店に置いてなかったり、でご縁がありませんでした。

先週、スーパーで買い物していたときに片栗粉をたまたま見つけたので購入。

今朝、初めて、片栗粉で揚げました。うむ、おいしい。

どうでもよいこと、ですが、今後、家族が食べるから揚げがおいしくなることは、幸せなことです。


投資

2015-04-19 15:51:51 | 人生論

何事にも健全な投資が必要なのは当たり前で、改革やら合理化やらで切り詰める夢の無い話ばかりに溢れた生きにくい世の中です。

ひとつ前も自転車のネタだったので、今回も自転車と投資、で先ほどアイロンをかけながら考えたことを記しておきます。

フランス渡航前、まだ小学校の低学年だった長女と、ときどきサイクリングに出かけていました。ごくたまに。

フランス滞在中は、レンタカーではそれなりに各地を運転しましたが、自転車には手が出ず、今思うと少しもったいなかった気もします。自転車に関しては、これまではその程度。

さて、家族がフランスから帰国して、先月にようやく新しい住居が確定し、何とか新しい生活がスタートしました。私の自転車と長女の自転車はフランスに送っていましたが、結局船便で戻ってくることができずフランスに回収されてしまったようです。私のはママチャリでした。

新居には、奥さんが東日本大震災の日に購入した自転車が一台あるのみでした。次女が自転車を乗る練習をそろそろしなくては、と話したりもしていました。

そして、新年度。私は教務委員ということもあり、新入生を含む多くの学部生たちと話す機会がありました。数名の学生が自転車サークルに入っていたり、入りたいと言っていたり。彼らの話を聴いていて、ああ楽しそうだな、と興味をかき立てられました。

子どもたちに自転車を購入することを提案すると大乗り気で、先週の11日に購入。早速、次女が補助輪付きで練習を始めたり、私と長女で早朝サイクリングに行ったり、さらには平日に私が次女をお迎えに行かなくてはならなかった日には、三人で夕方サイクリングに行ったりもしました。次女はもちろんヘルメットをかぶっていますが、次女が国道の歩道で転倒したのを見て、非常なリスクを感じ、私も、長女もヘルメットを購入しました。これも、投資。

次女は早速、今朝、補助輪無しで乗れるようになりました。また、今朝も長女と6時に起床後、1時間15分のサイクリングで東京タワー、海浜部を走りました。

もちろん、子どもたちとの時間は大切なコミュニケーションの時間ですし、次女が自転車に乗れるようになる過程で私も多くのことを感じ、学びました。

そして私自身も、これまでは自転車にほとんど関心も無かったのですが、自転車の魅力に気づき始めたように思います。とにかく、サイクリングしている時間が心地よい。かなり遠くに行くこともできます。もしかすると、生涯の趣味の一つになる可能性もある、と感じています。

今日はここまで、家事をしたり、仕事をしたり、少時間の昼寝をしたり、で投資的に過ごしていますが、そうするとやはり心身が活発になってくるのを感じます。

もちろん、自転車への金銭的な投資は決して安いものではありませんが、投資とは金銭的なものだけではなく、時間や関心、コミュニケーション、考え方など様々なことを含みます。健全に投資を行うことで、様々な可能性が広がり、連鎖を生むことを今回も実感しました。

今、私の研究室、研究活動においても、様々な投資が必要な時期と考えており、健全に投資することを常に意識したいと思います。 


新年度の生活と自転車

2015-04-19 11:27:06 | 家族のこと

家族がそれぞれの思いで新年度をスタートしています。長女はパリ滞在の影響もあって転校を重ねており、この4月から新しい学校での生活をスタートしました。

4月11日に私と、娘二人が自転車を購入しました。長女はパリでは全く自転車に乗らなかったので、かなり久しぶりの自転車で、買った当日は少し危なげでしたが、すぐに慣れ、翌日の日曜日は二人で早朝サイクリングに出かけました。

次女は、補助輪付きの自転車ですら、パリ渡航前に少し乗った程度で、実質的に自転車は初めてでした。私もなるべく時間を取って、補助輪付きですが自転車に慣らせてやりました。

もうすぐ6才になり、体も大きい次女なので、すぐに補助輪無しでも乗れるようになりそう、と判断し、17日(金)の日没前に、補助輪を外しての練習を少し行いました。

18日(土)も三回、補助輪無しでの練習。車の通りのほとんど無い狭い公道で、コツを覚えさせながら、成功体験を積み重ねさせながら、練習を繰り返しました。教えるのは難しい。

子どもは正直なので、気分が良い、悪いはすぐに分かります。こちらの教え方が良く、上達が目に見える場合、子どもも非常に機嫌が良く、ぐんぐん上達します。逆に、こちらが若干イライラしたりすると、すぐに子どものパフォーマンスにも反映されます。土曜日の午後の最後の練習では、上手になってきているものの、次女のやる気が少し減退する状態で終わりました。

さて、本日19日(日)。昨日の状況では、補助輪無しで乗れるようになるのは1週間か10日くらいはかかるかなあ、と私は思っていました。

次女もあまり乗り気でない。

ですが、二人で練習を開始しました。私もいろいろと工夫しましたが、一気に乗れるようになりました。

自身も誇らしいようで、一人で何とか乗れるようになった以降は、どんどん練習し、私も付き添って走る必要もないので練習も楽になり、自転車を漕ぎ出すのも、バランスを取るのもぐんぐん上手になりました。

5年くらい前の長女のときもそうでしたが、自転車は漕ぎ出しをうまくできるようになることが極めて重要。これは何事にも通じますね。

仕事が大学教員ということもあり、子どもたちとの時間でも、常に学生の研究指導のことが頭をよぎります。子どもも学生も同じ。

自転車を漕ぎ出すこと、最初は少しアシストしてやること、コツをつかませること、成功体験を積み重ねること。

自分でできる人は勝手にやりますが、誰だって自転車に乗れるように、誰だって適切に指導されれば、研究もスムーズにできるようになるはずです。

スムーズに行き過ぎることはデメリットもあるとは思いますが、本人の能力を中長期的に最大限に引き出すことは極めて重要で、そのために学生の間に何をすべきか、また、研究のスタート時をどのようにマネジメントすべきか、は私も教員としてもっともっと試行錯誤したいと思います。

今朝は、次女の頑張る姿を見て、私も誇らしくなりましたし、勇気づけられましたし、いろいろと考えさせられました。


普通に

2015-04-09 12:54:55 | 人生論

普通の人が、普通に暮らせる、ということが極めて大切なことなのだろうと思います。様々な意味で普通に暮らせなくなってきている、ということにこの国や世界の問題が集約されているように思います。

私も42年間、多少の山や谷はありましたが、特筆すべき大事もなく生きてくることができました。あまりにも多くの方々に支えられてここまで生きてくることができましたが、42年という決して短くない時間をとりあえず無事にやってこれたということに感謝いたします。

大学教員という仕事は幸せな仕事です。この春から大学の執行部(この言葉、キライ)に行かれた隣室の中村先生は、「僕は管理者じゃない、教育者だから。」とおっしゃっていました。講義、ゼミという場で教員も学生たちから多くのエネルギーを受け取ります。もちろん、私たちもエネルギーを発したり、考え方を見せたり、やり取りがあるわけですが、やっぱり我々は教育の最前線の現場にいるのが楽しい。執行部(やっぱりこの言葉、キライ)に行かれても、講義も研究指導もされる中村先生のお言葉に、私もすごくうれしく、元気になりました。

大学教員が凡人であってよい、とは思いませんが、私も所詮は凡人です。凡人なりに必死に努力はしますが、でもどこまで行っても凡人です。普通の人が普通に生き生きと暮らせる世の中であってほしいと思います。そのために、私たちにできることは実はかなりあるように思いますので、やるべきことを普通に実践し続けたいと思います。

新学期が始まって、教務委員として学部生たちの前に立ったり、2年生用の通常の講義が始まったり、今朝も1年生のオムニバス演習の初回オリエンテーションの進行でしたが、学生たちからもらうエネルギーは大きいです。

昨年度の終盤、私が研究室の雰囲気に十分に満足できなかったのは、私たちの研究室に普通にあった雰囲気や慣習が、やや希薄になっていたからだと思います。その原因は、私にもあるだろうし、それぞれのメンバーにもあっただろうし、私のフランス渡航も少なからず関係していたものとは思います。

今年は、そのような本来の雰囲気が、普通のものとなるよう、私もなるべくたくさん学生たちとコミュニケーションしようと思っていますし、研究のミーティングも昨日、さっそく新しいメンバーにも公開する形で開始しました。当たり前ですが、良い研究をするためには、どれだけ質の高い議論を重ねるか、だと思います。昨年度は、議論の質が低かったように感じます。

私自身も、大分ペースは戻ってきましたが、まだまだ本来の普通の状態に届いていません。そうなるよう、もう一度自分のミッションを見直し、生活・仕事習慣から構築し直したいと思っています。


子育てと仕事と

2015-04-01 13:32:17 | 家族のこと

今日は2015年度の初日です。今年度は久しぶりに学部の教務委員を務めますので、明日から新入生のガイダンス等、教務関係の業務が詰まっています。

ですが、今日は大学には行けません。春期講習中の長女や、スクールに通う次女のお世話と、仕事と両立です。

今日は水曜日ですが、月、火、水と連続でお弁当を作りました。今日は、春期講習が終わった後の長女と一緒にお弁当を食べることにしたため、三人分作りました。現在、お弁当を食べ終わって、14時からの長女の新しい小学校の面談まで待機するため、広場のようなところで私は仕事をし、長女は宿題をしています。

次期、コンクリート標準示方書の改訂にそれなりに影響を及ぼす可能性のある示方書連絡調整委員会の報告書の原稿執筆を、昨日、今日と鋭意進めており、明日にまでかかると思いますが、担当箇所の原稿を仕上げたいと思います。「性能と品質に関する論考」 、「施工編の意義と役割」、「山口システムと復興道路の品質確保」等、5年前の私ではとても執筆できないことを書いているので、それなりにやりがいを感じています。

長女の小学校の面談が終わった後は、一緒に次女をお迎えに行き、自宅でそれぞれ活動です。土曜日にも食べたのですが、今夜も三人で手巻き寿司にすることにし、夕食までの時間をそれぞれ充実させる約束をしています。

明日から、桜が満開のキャンパスにて、多くの学部生たちの前に立ってオリエンテーション等の説明を行うので、気分が高揚してくると思いますが、大学、学校に特有の新年度のフレッシュな雰囲気に乗って、私も2015年度を気持ちよくスタートしたいと思います。