細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

√2倍

2008-05-30 07:24:24 | 人生論
この考え方は、失敗学で有名な畑村陽太郎先生のお考えと、私の恩師の岡村甫先生の考えを合わせて、導いたものです。

畑村先生は、適切に目標設定して、「仮想演習」を繰り返し、実行していけば、人間の能力・影響範囲は5年で5倍にすることができる、と言ってます。10年たつと25倍。20年で625倍。30年たつと・・・・

もちろん、適切な努力をしなければ、いつまでたっても1のまま。

社会的に大活躍している方々も最初からそうだったのではなくて、適切なステップを踏んで現在に到った方ばかりだと思います。

もう一つは岡村先生の、「人間は能力の2倍の負荷がかかると壊れるが、1.5倍の負荷であると伸びていく」です。5年で5倍を1年に換算すると大体√2倍。岡村先生の言葉と大体一致します。

ここで難しいのは、毎年コンスタントに√2倍成長していくということです。どうしたって人間には波があり、5年で5倍よりも毎年コンスタントに√2倍の方が難しいように思います。

私の場合、2006年度には大幅に自己改革を実行したので間違いなく√2倍以上の成長があったと思います。2007年度には活動領域を意図的に大きく広げたので、特に年度の前半だけで√2倍以上の成長があったと振り返ります。ここでの成長とは、能力だけではなくて影響範囲も含めての話です。

2008年度はどうか。まだ自らが大きく成長したという実感はありません。コンスタントに√2倍、というのは自らの努力だけでは難しいようにも思います。日常の生活で、自らの能力の√2倍の負荷をかけ続けることが容易ではないからです。

と思っていたところ、池田尚治先生からいくつかお話をいただきました。ひとつは、ヨーロッパの委員会FIBの技術委員会に入らないかという推薦、もう一つはNEXCOの技術委員会にご推薦いただいたこと。特に前者は、私の実力ではやや荷が重いとは思いますが、ヨーロッパを中心とする世界の研究者たちと密接にかかわるチャンスなので、ぜひチャレンジしようと思います。後者ももちろんいろいろと勉強させていただきます。

自らのベストを尽くし、それを見ていただいて応援してくださる方にいただいたチャンスを生かし、何とか√2倍というのを積み重ねていけるのかな、と思っています。

代表的日本人

2008-05-18 09:40:32 | 趣味のこと
昨日,内村鑑三の「代表的日本人」を読み終わりました。
以前,読み始めて,西郷隆盛のところで止まったまま置いてありましたが,昨日再開して一気に読んでしまいました。

特に感動したのが二宮尊徳です。実質的に何をした人なのかほとんど知りませんでした。人のあるべき姿,誠を貫くことの大切さ,を私も勉強させてもらいました。「7つの習慣」の「農場の法則」に通じるところがあります。が,一日の睡眠時間2時間という勤勉さは今の私には到底まねができません。果実を得ようとして果実を収穫するのを待つ人はだめで,果実を得ようとして地を耕し木を熱心に育てる人は自然に大収穫を得る。それが本質ですが,人の道を究める,という意味でも偉大な目標となり得る人物です。

ベストティーチャー賞

2008-05-11 08:05:39 | 教育のこと
平成19年度の横浜国立大学のベストティーチャー賞を受賞したとの連絡がありました。とてもうれしいです。

講義だけでなく,普段の教育に対する思いが評価されたものだと勝手に理解して,励みにさせていただきます。

教育に対しては私なりに思うところがいろいろとあり,それなりに熱心にやってきたつもりではあります。しかし,数年前まではベストティーチャー賞をいただけるようなことはないだろうと思っていました。講義で特段にツールを工夫しているわけでもない。学生との双方向の授業を心がけているわけでもない。ただ単に「熱心に」やっているだけ,と自分では思っていました。

しかし,その「熱心に」をもう少し突き詰めていくと,いろいろな工夫が出てきます。「熱心に」やるということは,そのベースになる私の思いがあります。ただ単に漫然と熱心にやるのではなく,ストレートにその熱心さを一つ一つ形にしていくようになってきました。講義の初回は90分すべてを費やしてイントロダクションに当てています。講義中の雑談にも思いをこめています。どうせ学生と一緒に講義の時間を過ごすのであれば,ぜひ一緒に楽しんで欲しいし,私から少しでも多くのヒントを学んで欲しい。徹底してそう思うと,それが工夫として表れることになります。

最近,私が思っていることは,「講義はテクニックではない」ということです。学生に何かを伝えたい,という気持ちは教員であれば誰でも持っていると思います。その伝え方はそれぞれの先生で得意技が違うと思います。結局は,その得意技を徹底して突き詰めるしかありません。中途半端にテクニックだけ磨いても学生の心には響かないと思います。

今回の受賞を励みに,私は私の得意技にもっと磨きをかけていこうと思います。その方向性が間違ってはいない,という自信を与えてくれました。

燃える季節

2008-05-03 09:14:31 | 職場のこと
ブログの壁紙をひまわりにしてみました。
ちょっと強烈ですが,5月から8月ごろまで,燃えるような時期を過ごすことになろうと思いますので,意思表明でもあります。

昨日は,バスでの帰りに,違う研究室の学生と一緒になり,彼も私のHPを見て読書の参考にしてくれているようです。HPの読者数も年々増加しており,少しずつではありますが,私の思いも広がって行っているように思います。

Sonさんの研究も少しずつスタートし,修士の学生や卒論生も動き始めました。構造勉強会もスタートし,林さん主導のひび割れ勉強会もまもなくスタートします。いよいよ5月は全力で勉強するステージです。夏合宿での打ち上げまで,みんなで動き回りましょう。

今日から,四国へバカンスです。

リーダーの資質

2008-05-01 08:37:25 | 人生論
昨夜は札幌で委員会のメンバーで飲んでました。
2次会ではリーダーの資質について激論しておりました。

リーダーには能力ももちろん必要ですが,「この人になら付いていって大丈夫」と下の人たちに心から思ってもらうようにする人間力が絶対に必要です。それが無いのであれば,いずれ彼らの心が離れていくでしょう。「誠実さ」が必要だと思います。

人間の言動はすべて見られています。人のいないところで悪口を言っても,それは人の口を伝わっていずれその人の耳に入ります。人の心をつかむのは難しいですが,人の心が離れるのは一瞬です。リーダーたるもの,部下のいないところで悪口を言うことは禁物です。

まあこのリーダー論とは無関係ですが,今日は札幌から大学に戻って,夕方には学生と勉強会をして,その後に学生と飲みに行こうと思います。やはり私は彼らと一緒にいるのが楽しいし,彼らと話をする時間が最も好きなのです。