細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

セカンドウインド

2019-06-30 16:57:49 | 趣味のこと

6月14日に泳いでから、本日の6月末までに7回、水泳をし、今日は2000m泳ぎました(自分の場合、足腰の強化のため300mの水中ウォーキングを含む)。今日は、奥さんと次女と一緒にプールに行きました。

6月前半は体操以外の運動を全くできていなかったので、明らかに自分の中でモードが変わりました。6月24日からは節制モードに入ったので、体調も良く、仕事への意欲も高まっています。

2000mを超えて泳いだことはこれまでなく、記録を見たところ、2018年10月20日に2000mを泳いで以来、でした。

ときどき体験するのですが、1000mを超えた辺りで、疲れを全く感じず、ただ泳いでいることに没頭できるような状態になることがあります。おそらく、セカンドウインド、という状態なのだと思います。高校のバスケ部のときに国体で優勝した経験のある監督でしたが、「セカンドウインド」という状態があることを教えてくれました。バスケットでその状態を味わったかどうかは記憶が定かではありませんが、おじさんになって水泳で体得できてよかったです。

鞆の浦のトライアスロンは海での水泳が1.5kmなので、今は明らかにそれを想定しての練習になっています。一度、海でスイムスーツを着て泳いでおくと安心なのですが、機会を模索したいと思います。

運動していることは少しずついろんな方に知られていますので、新たなつながりもできそうで楽しみです。先日は、他学科の先生に通勤のバスで隣に座った時に、最初にロードバイクのことを話しかけられ、どちらもロードバイクをやっているので、ずっと運動の話で盛り上がりました。

研究室の教え子でトライアスロンをやっている人がいるので、相談に乗ってもらおうとfacebookで声をかけたら、一緒に練習しましょう、ということになりました。Runを一緒に練習して、その後一杯やることになりまそうです。こういう教え子とのつながりも大切にしたいものです。

今日のエッセーは趣味についてですが、料理についてもレパートリーを徐々に増やすことにしました。今日も簡単な新しい料理を2つほど作ります。料理に使う材料のメモだけ残しておけば作れるので、健康管理のエクセルシートに、料理のレシピのシートを追加しました。健康管理のエクセルシートも2015年度に始めているので、もう5枚目です。体重、運動の記録、飲酒の有無などが記録されています。。。

今日は朝食、昼食、夕食ともにヘルシーな食事で、食事や洗濯等の家事の合間に仕事にもリラックスして取り組んでいます。2つの学会委員会の報告書の仕上げの時期に入っており、原稿の執筆、添削、とりまとめ等です。仕事でもセカンドウインドが訪れるとよいのですが。。。


狂気

2019-06-28 09:02:29 | 人生論

人間誰しも、一人きりであれば狂気をまとうことは十分にあり得ます。誰も見ていない密室であれば、人間なぞ何をしているか分かったものではありません。

だけど、人と触れ合うことで、家族と触れ合うことで、社会の一員となることで、誰しも持っていると思われる狂気を理性で抑え込んで、全うな人間として振舞おうとするのだと思います。そういう意味でも、「交流」というのは極めて重要な要素なのですね。

私自身、今週の月曜日の未明に自身の「底」を打ち、人間としての活動のレベルが上昇モードに入りました。さすがに自身のだらしなさに嫌気がさし、自らの意思で底を打ちました。

何てことのない1研究者、1技術者、1教員ではありますが、それでも非常に多くの方々に見られているし、自分では意識していなくても周囲に影響を与えているものです。調子の良いときはもちろんそのように意識して行動していますが、調子の良くないときでも周囲からは見られています。

底を打ち、しっかりと普通の日常を過ごす。朝早起きして、子どものお弁当を作り、体操・柔軟体操をして、なるべく子どもと一緒に家を出発して会話し、日常の仕事をしっかりこなす。適度にスポーツをする。勉強のインプットと、執筆等のアウトプットをバランスよく行う。自分の場合は低調の場合は大体、飲酒量・頻度が多くなってしまい、自己嫌悪に陥るので、量・頻度ともに減らす。今回の底打ち後は、しばらくは外での会合以外は飲まないようにしようと思っています。たったそれだけで、体調は大幅に改善し、何よりも意欲が増し、研究、執筆、勉強等にもモチベーションが向上します。

昨日は、精神・哲学修行仲間(単なる友人)と一緒にお弁当ランチをし、お互いの悩みやどう生きるべきかについてリラックスして語り合いました。そのような時間がとても大切ですね。交流、です。

梅雨本番や本格的な夏を迎えますが、今年度の研究の種まきの時期も終盤を迎えつつあり、それぞれの研究が本格的に進み始めており、私自身も楽しみです。今年度は7月ごろから、研究室にインターナショナルな中期滞在者が4~5名も次々と来られるので、様々なディスカッションも活性化しそうでこれまた楽しみ。

さらに、ここ数年は、節制の開始時期が9月中旬ごろ(終わりの目標は2月末)ですが、10月13日に鞆の浦のトライアスロンに出場するため、今回の底打ちを節制の開始時期にして、トライアスロンに向けてしっかりと体のトレーニングや準備を行い、夏や大学の夏休みの出張ラッシュの時期を上手に過ごしてみたいと思っています。


継続

2019-06-15 12:23:42 | 人生論

令和に入ってしばらくブログを更新していませんでしたが、新年度に入って2ヶ月が経過しました。梅雨入りもしたようで、今日は母の古希のお祝いを家族で1泊2日でしますが、かなりの雨です。

10連休や、5月19日の2年連続での大槌ヒルクライムへの出場(完走、昨年より5分程度タイムを短縮)、初めてのポーランドへの出張とアウシュヴィッツ訪問、高校生を対象とした夢ナビでの30分+3分講義、等いろいろありましたが、段々と日常に落ち着いてきました。その間、締切りを大幅に過ぎてしまった原稿などもありましたが、何とか仕事も追いついて、巻き直しに向けて一息、といったところです。

昨日、都心での仕事を終えた後、久しぶりに水泳をし、1100mのスイム。今朝はお祝い会に出かける前にジムにて5.7kmのRunと1100mのスイム。やはり、日常で、しっかり体を動かして、当たり前のやるべきことをやる、という時間が自分にとってはとても快適です。

当たり前のことを当たり前のように継続する。それが本質なのだろうと思います。

今年度も2ヶ月半が経過しました。私のような凡人の場合、基本的には1年間を一つのプロジェクトと捉え、その間にしっかりと成果を得られるように事前設計し、種まきをし、メインの活動をし、刈り取っていく、ことがルーチンです。やはり1年単位で、自分の役割も大きく変化するし、数年や10年単位で考えることもありますが、基本は1年を見据えます。山あり谷ありですが、一応の区切りのある1年間の毎日をコツコツと積み重ねるしかありません。

ヒルクライムにしても、今朝の30分のRunにしても、終わりはあります。一応見えている終わり、山頂に向かって、自分を奮い立たせて、しかしやるべきことは目の前の一歩一歩しかない、この感覚が今の自分にはとてもフィットします。そして、目標を達成したときの達成感は自分を根底から支えてくれる自信を強化してくれます。

また、当たり前のことを一つ一つきちんとやっていく、ということは実はとても幸せなことです。アウシュヴィッツで感じたこと、その前後で再読した「夜と霧」から感じたことには触れませんが、日常を過ごせる、とは幸せなことです。その感覚が、特にポーランド出張の後は強くなり、長女のお弁当を作るとき、学生や共同研究者たちと打ち合わせをするとき、水泳での一かき、Runningでの一歩一歩、などに幸せを強く感じられるような感覚が戻ってきました。

私のような平凡な研究者にとっては、とにかく継続するほか、一級に迫っていく方法はありません。平凡であろうと、真摯に目的を考え、妥協せず、しつこく取り組んでいれば、他の誰もが発見し得ないようなことにも偶然に遭遇したり、信頼できる多くのデータの積重ねで新しいことを提言できたり、あまりにも失敗を繰り返しているので経験値が増えたり、と多少なりとも社会に貢献できるようになるのかと思います。

一人の人間ですから、自分の行動、生き方には一貫した哲学を持ちたいものです。研究者、教育者、エンジニアとしての振舞い、生き方と、趣味や日常の過ごし方にも、自分なりの哲学を貫きたいと思います。

今日の午後から明日の昼にかけては、私の親愛なる母の古希のお祝いを、家族揃ってお祝いできるとても大切な時間です。皆で心をこめて準備をしてきたので、ささやかではありますが、母が幸せな時間を過ごしてくれると嬉しいです。


都市づくりとコンクリート工学

2019-06-14 12:47:39 | 職場のこと

ある書籍のために原稿執筆を求められました。ほとんど一般の人の目に触れない本と思いますので、これからいろいろ修正も入るでしょうから、初稿ということでブログで一般公開したいと思います。私に与えられたお題は、「都市づくりとコンクリート工学」でした。

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「都市づくりとコンクリート工学」

■都市とインフラと日本人

近代の都市を除いて,古代から世界の都市の多くは囲郭都市であった。農耕によって穀物を集積し,富を蓄え,大勢が集まって住む集落を,周囲の部族からの攻撃や略奪から守るためには,城壁や環濠で防御することが不可欠であり,集落が発展して都市となったもののうち,その周囲に防御壁を巡らせたものが囲郭都市である(参考文献1)。大陸にできた都市の多くは,防御壁なしでは成り立たず,もし無かったとしたら略奪と虐殺が待ち受けているだけであった。自分の愛する家族を虐殺されるというこれ以上ない悲しい経験を重ねてきた大陸の都市に住む人間は,自分たちの命を守るインフラの役割を本能的に理解していると思われる。一方で,日本は歴史的に主たる敵が自然災害であり,相手を憎もうにも憎めず,インフラによって合理的に相手に備えていく,という思考をしにくい環境であるという考察ができる。

■近代都市とインフラとコンクリート

都市を形成する際にインフラは不可欠であるが,近代の都市においては,過去に比べてさらに高度なインフラが必要となった。都市に求められる機能が高度で複雑になったためである。そして,産業革命以降,セメントの工業生産が1850年ごろに可能となり,引張に弱いコンクリートを鉄筋で補強する鉄筋コンクリートが19世紀後半に実用化されたことにより,膨大なインフラがコンクリートで建設されるようになり,現在に至っている。なぜ,これだけコンクリートが多用されるのであろうか。コンクリートの主要材料であるセメントは,石灰石が主原料であるが,セメントを構成する元素はクラーク数の上位5元素,すなわちO,Si,Al,Fe,Caである。セメントとは,地表部付近の素材を活用した地産地消の材料であるため,世界中のどこでも生産でき,安価であるため,多用されるようになったのである。なお,セメントの主原料である石灰石は化石であり,砂利や砂をセメントペーストで接着したコンクリートは無機質な印象を与える場合が多いが,過去に生きた膨大な生物の化石がコンクリートを成り立たせていることを付記しておく。

■コンクリートの長所と短所

都市づくりの観点から,コンクリートの長所と短所について述べる。

長所として,価格が安いこと,耐震性,耐火性,遮音性,適切に設計・施工された場合の耐久性や,巨大な構造物の建設が可能であることなどが挙げられる。コンクリートの技術が無ければ,これだけ密集した巨大都市において,安全で便利で快適な生活や社会活動を営むことは不可能であろう。特に,地震国である日本においては,耐震性と耐火性に優れたコンクリートのインフラが社会を支えていることを強調しておきたい。また,日本では,道路舗装の95%程度がアスファルト舗装であり,この数字は諸外国と比べて非常に高い。コンクリート舗装は白舗装と通称で呼ばれることもあるが,日射による温度上昇はアスファルト舗装よりも低いことが知られており,耐久性にも優れることから,快適でサステイナブルな都市づくりにおいて今後も活用が拡大されていくと思われる。

短所として,不適切な設計・施工がなされた場合に生じる劣化の維持管理に膨大なコストがかかることや,美観や景観の観点で難癖が付けられる場合がある。前者については,そのような劣化が生じないように適切に設計・施工をしたり,深刻な劣化に至る前に適切な予防保全をしながら活用していくべきであり,人間側の問題であろう。後者は主観の問題でもあるが,本来,コンクリートは任意の形状を創ることができるのが長所の一つであり,コンクリートの本来の能力を引き出し切れていない人間側の問題と捉えることもできる。

■今後の都市づくりとコンクリート工学

コンクリート構造物は耐震性に優れると前述したが,これはコンクリート工学における耐震設計の改善や耐震補強技術の開発の結果である。土木構造物の場合,1978年の宮城県沖地震や,特に1995年の阪神淡路大震災が契機となり,耐震設計が大幅に見直され,現在に至っている。また,供用期間の極めて長い土木構造物の場合,既存不適格の耐震性の低い構造物が無数に存在し,それらを最新の設計基準の要求水準を満たすようにするための耐震補強が必要であり,様々な補強工法が開発され,実用されてきた。しかし,大都市を巨大地震が襲ったときの被害想定はいまだに想像を絶する大きさであり(参考文献2),構造物や建築物の耐震性も含めた都市の強靭性の向上は,都市が存在する限り永続しなければならない取組みと言える。

もう一点,明確に意識しなければならない観点はサステイナビリティである。本原稿執筆時点は,人類史上最も資源がふんだんに使用されている瞬間であろうが,資源の枯渇や供給可能量の急激な減少が人類を襲うであろう。特に日本は現時点では資源の自給率の極めて低い状況にあり,豊かな生活レベルを維持しつつ,サステイナブルな社会を構築するために取り組むべきことはまさに無数にある。

完全な純国産のエネルギーであるダムによる水力発電は有望で,既存のダムの嵩上げや運用方法の見直し等により,周辺環境への影響をほとんど与えずに,現在の2倍程度の発電が可能である。

生産年齢人口が急減していく社会においては,生産性の向上は必須である。都市部のみでなく国土全体のインフラの質の向上と,車両等に関する技術開発等により,生産性の圧倒的な向上と,エネルギー消費量の大幅な削減を,同時に達成できるはずである。

気象環境の厳しい日本において,インフラの長寿命化も重要な課題である。資源が枯渇していく中で,コンクリートの使用材料,設計,生産,施工方法,維持管理等の技術も現時点では想像できないような変化が待ち受けているはずで,それをさらなる発展の契機と捉えたい。

参考文献:
1) 合田良実:土木文明史概論,p.23,鹿島出版会,2001
2) 土木学会,平成 29 年度会長特別委員会 レジリエンス確保に関する技術検討委員会:「国難」をもたらす 巨大災害対策についての 技術検討報告書,2018.6






東名高速道路 大和トンネル拡幅工事の現場見学

2019-06-11 10:52:52 | 職場のこと

YNU土木 見学会ファンの皆様

6月29日(土)の午前に、魅力的な企画を設定できました。受入れ数に上限があるので、希望者はお早めに。

何と、これが令和の初ブログとなってしまいました。元気に生きてはおりますが、何となくブログを書く気になりませんでした。これを機に、ブログの方も更新を活性化したいと思います。。。