細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

ヴィジョンの無さ

2017-01-29 18:38:33 | 勉強のこと

人間一人一人が成長していく上でもそうですし、組織が成長していく場合でも同じですが、ヴィジョンが必要です。

私は「7つの習慣」の影響を受けて、自分自身のヴィジョンであるミッション・ステートメントを作成し、公開もしています。 このようにありたい、あるべきである、という自己の姿を文章化しているので、適切に努力を重ねていけば、実現するものばかりと思っています。

ただ、実現するためには相当な時間がかかるし、まさに日々の積重ねです。何年も何十年もそれらのビジョンに向かって同じ習慣を繰り返せるよう、ヴィジョンは本当に心の底からの自分の思いでなければなりません。ときどき、思いついたように努力するのでは効果は乏しく、完全に習慣にしてしまう必要があります。だからこその、「7つの習慣」です。

人間一人についても大変ですが、組織になるともっともっと難しくなります。

私も組織運営には年齢なりに携わってはきましたが、長期間存在する組織ほど難しくなります。私の場合は、もちろん、研究室運営が直接的で、かつ最も大事な組織運営になります。直接的、間接的に学科、大学等の組織運営にももちろん関与しますが、このエッセーでは研究室運営にとどめておきます。

組織運営は極めて難しいです。

人間一人と同様に、組織が健全に、たくましく成長していくためには、当然にヴィジョンが必要です。誰かトップの人が勝手に決めたヴィジョンであれば、構成員が心底納得して付いてくることはないと思います。

先ほどの私個人のミッション・ステートメントの近くに、研究室の目指すべき方向も一応、文章化はしています。 この文章は、私個人が作ったものですが、あらゆる機会を通して、研究室の構成員たちにこの方向で全体が努力していくべきであることを伝えているつもりではあります。

組織運営については、私も生涯をかけて勉強していくのだと思います。

そして、個人の成長や、組織運営について、なかなかうまく行かない場合に、相談を受けることもあるのですが、付け焼刃の対策ではどうにもなりません。

相談を受けた場合に、もちろん処方箋のようなものをアドバイスはしますが、その裏には個人、組織のヴィジョンがあり、日々のすべての活動がそれらのヴィジョンに支えられ、ヴィジョンの方向に統合されてなされている、ということを理解しない限り、中長期的に見てうまくは行かないように思います。

うまく行く、行かない、という定義にもよりますが、少なくとも悩んで相談している、という時点で、うまく行っていないと自身が判断しているのだろう、と私は捉えています。

私も、100点満点であるはずはありませんが、ヴィジョンに従って努力を重ねてきました。もちろん、ここからさらに展開、成長していく必要があります。もちろん、社会に貢献するためにです。

1月で研究室を去る、ポスドクの留学生は、2月から日本で働き始めます。彼と進めてきたトンネル覆工コンクリートの数値シミュレーションの研究を、ようやくジャーナル論文に投稿できる直前までこぎつけました。この研究も、日本人学生が引き継いでさらに深度化していきます。また、学生たちの各研究プロジェクトが佳境に差し掛かっており、いくつかはジャーナル論文に投稿できる内容ですので、ここから2ヵ月程度、研究成果の刈り取り、論文投稿準備に精を出したいと思います。大変にやりがいのあるステージです。 


素敵な姿

2017-01-26 17:24:10 | 人生論

先週は、前半がインフルエンザによる療養で、18日(水)から仕事に復帰し、その後は何が何だかよく分からないような状況で、ただスケジュールをこなしております。。。

今週は気が付けば木曜日の夕方。講義、様々な研究のディスカッション、鞆への出張等、充実はしておりますが、1月もあっという間に終わりそうです。

「コンクリート工学」誌の1月号の特集が、「コンクリート界の明日を担う研究者・技術者」というもので、私も知っている若手・中堅の方々が多く原稿執筆されており、とても興味深く読んでいます。

各分野(例えば、土木材料分野)で4名の選ばれた方々が執筆し、その分野のシニアの先生がそれらの4本の原稿を読んで感じたことを書かれる、という構成になっており、どれも興味深いです。

若手の方々の原稿は読んでいて清々しいものが多く、私も共感したり、刺激を受けたりする箇所も多いです。やはり、読んで清々しくなる文章、って良いですね。

土木構造分野のシニアとして書かれていた宇治公隆先生の文章の中に、こういう一節がありました。宇治先生には、現在、プレストレストコンクリート工学会の防災の研究委員会で、宇治委員長で私が副委員長という立場でお世話になっております。

「新たなものを生み出す、現象の解明に取り組む、など研究者としての使命を果たさなければ、存在価値がない。研究者になった意義がない。歳に関係なく、研究に取り組む姿勢は見ていて楽しいものであり、羨ましい。」

そうなんですよね。研究に取り組んでいる姿勢って、素敵なんだと思います。そして、いつの日か、すごく懐かしく思い出すのだと思います。

私も、周囲の一所懸命に研究に取り組んでいる同志や学生たちの姿を見ていると、素敵だな、と思うし、格好いいと思うこともしばしばです。

私自身が周囲にそのような清々しい印象を与えているかは分かりませんが、できればそうありたい。

研究に限りません。

周囲から見ていて素敵だな、と思う生き方をされている方はたくさんおられます。生き方、とまでいかなくても、素敵だな、と思う考え方、行為にはよく出会います。

そして、私が「土木史と技術者倫理」の講義で、泥臭くも、受講生たちと対話を重ねるのは、ぜひ素敵な生き方をしてほしいからです。

ほとんどの学生は五体満足で、様々な方々のサポートにより一流の大学で学べる、というこれ以上恵まれようがないくらいの環境にいるのに、精神が死んでいる。素敵でないどころか、本当に腹が立つのです。もっと自分の可能性に気付け、と。

来週、1/31が第15回目の講義で最終回になります。

最終回は、土木史からは離れ、学生たちに少しでもヒントを拾ってもらうための、様々な雑談に終始します。

10冊くらい本を持って3日間くらい温泉かビーチなどでボケーっとしたいような気分でもありますが、2月末までの繁忙期、もうしばらく全力疾走を続けます。 


声をかけていただくこと

2017-01-21 11:41:58 | 人生論

体調はほぼ万全に回復しました。

3月20日ごろに発刊予定の、「新設コンクリート革命」 (日経BP社、私は編著者の一人)の校正作業が結構手間取り、病み上がりの体に鞭打っての作業になりましたが20日(金)の未明に完了しました。

20日(金)の日中は重たい仕事は無く、もぬけの殻のような状態でしたが、午前は家族マター、午後は学長諮問組織「YNU21」の会合でした。YNU21では、うわべだけの議論にならないよう、常に本質的な意見のみを言うように心がけています。その後、カイロ大学のハメド先生と、スカイプでのチームミーティング。終了後、カイロプラクティクで体のひずみを解消し、夜はぐっすり寝ました。これで、体調もほぼ万全に回復です。

YNU21もそうですが、ここのところ、学内外を問わず、いろいろと仕事に声をかけていただく機会がさらに増えてきているように思います。

基本的にありがたいことです。

誘っていただいたときに、「うむ、これはなかなか重そうな役割だな」と思うものも出てきました。重そうですが、お話を聴いてみると、私がやるべきと感じる場合が多く、積極的にお受けするようにしています。

声をかけていただいた仕事に対応していくためには、自分の能力を高め、視野を拡げていく必要はありますが、その過程で鍛えていただくことになります。

それらの仕事をしっかりとこなしていくことで、社会への貢献することができます。

これ以上ありがたいこともないわけです。

中にはどうでも良い仕事もあるようにも思いますが、その場合は岡村甫先生に教わった「徹底的に手を抜く」作戦で、これまで通り対応したいと思います。すべてはできません。

私がやるべき、と思った仕事については、駆け引き無しで臨んできたつもりですし、今後もそうするつもりです。YNU21も、場の雰囲気を見計らっての発言や、聞き障りのいい発言が無いこともないですが、私はそのような発言をする気はゼロです。そもそも、そのようなどうでも良い発言が飛び交うような集まりになった段階で私は止めます。そうならないよう、本当にこいつは本気だ、と常に思っていただけるよう、発言には誠意、精魂を込めます。

YNUのような中規模大学が、現在のような渾沌とした世の中で存在感を発揮していくのは容易なことではありません。

ビジョンや戦略も大事なのは分かりますが、結局は、個々の教員、職員、学生たち構成員が活き活きと日々の活動に取り組んでいるか、しかないと思っていますので、やはり実践で参りたいと思います。

この週末もやることだらけですが、まず初日の土曜日は、研究論文・解説文の添削等、に注力します。


回復

2017-01-19 08:42:05 | 職場のこと

インフルエンザから回復しました。

14日(土)が最も熱が高く、この日はどうにもならず、終日寝ていました。

残念ながら、何日も寝ていられるほど大学教員も暇ではなく、15日(日)はまだ熱が38℃くらいありましたが業務を細々と開始。

16日(月)の朝は熱が下がっていたので、自宅療養ではありましたが、本格業務を開始しました。極めて重要な書類が大学にあったので、秘書さんにお願いしてバイク便で届けてもらいました。

17日(火)の朝までに、かなり自分を追い込んで仕事を進め、私の父にお願いして大学に届けてもらいました。いろいろな方々にバックアップしていただいて、いくつかの締切りのある重要な業務をつつがなく終えることができました。留学生関係の案件も含みますので、外国ともいろいろやり取りしましたが、無事に対応できました。各方面の方々に感謝いたします。

医者の助言をきっちりと守る形で、18日(水)から業務開始。共同研究の打ち合わせのため、稲毛の某橋梁ゼネコンの研究所の訪問して充実した打ち合わせ。このチームで土木学会の全国大会に5編、シリーズものの論文発表を行うプランも決まりました。

18日(水)午後は、土木学会講堂にて、構造工学セミナーでの基調講演とパネルディスカッションの登壇。安全と品質、がテーマでしたが、意外に盛り上がり、私も40分の基調講演に加え、パネルディスカッションでも、普段から考えていることの延長ではありますが、かなり言いたいことを言いました。「ストレートに本質を言う人だな」と会場で思われたかもしれませんが、普段、私があまり触れ合わない方々が聴衆でしたので、ご挨拶代わりにはちょうど良かったかと。

さすがに病み上がりで、18日は帰宅後に仕事をする気になれず即就寝。

19日(木)は5時に起床して、かなりエネルギーに充満しているのを感じました。ただ、体重が減っており、62kgです。 近年、62.0kgを割り込んだことはないので、ここを防衛ラインにもう少し上で管理したいと思います。あまり体重が減ると、パワフルさや、馬力に欠ける気がしますので。

今日も講義2発。大学院、学部ともにコンクリート構造に関する講義で、耐震性能や、せん断破壊に関する内容なので、教えるのも楽しいです。今年度の講義も最終盤に差し掛かりました。

というわけで、久しぶりに、不覚にもインフルエンザに罹患いたしましたが、実質、お休みしたのは1日、という悲しい現代の40代の大学教員の実態報告でした。どこでも仕事できる環境、というのは良いのか悪いのか。やりたくてやっているのだから、良い、のでしょうね。

さあ、今日もポジティブに頑張ります。 


インフルエンザ

2017-01-16 09:35:13 | 職場のこと

不覚にも、インフルエンザに罹患してしまいました。

13日(金)の午後辺りから体がだるくなり、17時ごろに帰宅して熱を測ると38.5℃。その後、夜に39℃台に上がり、翌日からのセンター試験の監督業務には出勤できないと判断して連絡。

14日(土)が最も熱が高く、最高で39.5℃程度。午前に病院で診察を受け、インフルエンザの診断。鼻に綿棒みたいなのを入れて、の検査はせずに診察だけで診断。タミフルも処方されず。単なる風邪と一緒なので良く寝て治しましょう、と合意。咳や痰などの薬と、漢方薬を処方してもらいました。この日は仕事は完全ストップで、体の中でウイルスと自然バトルを繰り広げておりました。

15日(日)は少し熱が下がったものの、38℃台。非常に急ぎの仕事をいくつかのみ、こなしました。夜には37℃台まで熱も下がり、大分楽になってきました。

16日(月)に起床すると、 36℃台。9時半に36.5℃なので、ほぼ平熱まで下がりました。もちろん、今日は自宅療養。仕事はできるので、自室でいろいろと仕事を始めました。

明日の17日(火)は土木史の講義がありますが、武田信玄の信玄堤に関するアニメ動画、八田與一の烏山頭ダムの動画をTAに見せてもらうことなどで、何とか休講を防ぐ作戦です。もちろん、17日も周囲に感染拡大でご迷惑をおかけしないよう、自宅療養です。

18日(水)から仕事に復帰いたします。

周囲にいろいろとご迷惑をおかけいたしますが、申し訳ありません。

健康にはかなり気を付けていたつもりですが、うがい、顔洗い等が徹底できておりませんでした。


40代と時間

2017-01-06 08:45:07 | 人生論

来週、連休が明けた10日から、「土木史と技術者倫理」が再開します。あと4回ですね。来年度からは、「土木史と文明」という講義名に変更して、都市科学部の教養科目として提供を続けます。内容は大きく変わることはありません。

何百人もの学生たちと毎週接して、彼らのレポートを読んでいると、現代の(ある層の)学生たちの実情が細かく見えてくるし、なるべく多くの方々に、大きく育って社会に貢献できる人財になってほしい、と願わざるをえません。願うだけでなく、私自身のこれまでの過程もさらけ出す形で、何らかのヒントをつかみ取ってほしい、という気持ちで毎週の講義を行っています。

現代の40代はとにかく時間がない。特に日本人はデフレーションを根幹の原因とする「貧乏暇なし」状態なため、まあ忙しい。よくもこんなに無駄な仕事をつくり出すワイ、と感心するほど、無駄な仕事を与えてくれます。どうでも良い仕事は何とか適当に片づけて、本質的な重要な仕事に注力するよう、必死の努力を重ねています。

今の私のような時間の使い方が望ましいなどとは思っておりません。もっとゆったりと過ごせるなら過ごしたいし、自然の摂理を体感できるような農村での生活もやってみたい、などと思ったりもします。でも、現実から逃げるわけにはいかない。

誰にも等しく24時間が与えられています。有効に使うしかありません。

仕事にまともに向き合いすぎると、意欲も減退するし、能率も下がります。中長期線と捉える。

運動を習慣付ける。習慣にならないとあまり意味が無いので、忙しい中で習慣にできることを見出す。自分に合っていないと習慣にはなりません。

私の場合は、体操、柔軟体操。ウォーキングもちょっとした工夫でどこでもできるので、以前習慣にしていた時期もありましたが、元旦から復活させました。意識さえすれば、普段の歩きに少し工夫を加えることでウォーキングになります。水泳も何とか時間を見つけて通う。水泳はすでに私にとって特別な時間になりつつあります。サイクリングはまだ自宅発の旅ばかりですが、今年は電車・車と組み合わせてのサイクリングにもチャレンジするつもりです。自分だけの努力では限界があり、カイロプラクティクでの体に溜まったひずみの解消も、特に冬場は必須になりつつあります。

運動することによって、結局心身の調子が維持され、仕事の効率も高まります。

夜も早く寝る。明らかに効率が落ちてくるのが分かるとスパッと止めて寝ます。早朝、誰も起きていない家での時間は、極めて効率高く仕事ができます。

一つの時間を多目的に使う。

子どもの世話をしながら仕事をする(家族とコミュニケーションしながら仕事をする)。家事をしながらマネジメント能力・精神力を鍛える(いやいややるのではなく、トレーニングだと思う。将来、じいさんになったときに一人で何でもできることは強力な武器になる。家事は極めて創造的であり、家事から学ぶことは数多い。)。研究室の懇親会で、リラックスしながら、留学生・日本人学生たちに考え方の指導をし、シェアし、研究室の雰囲気を向上させる。などなど、具体例は無数にあるかと思いますが、とにかく時間は限られています。時間の価値を高めるしかありません。

今日は、今年初めての出張です。仙台で、東北地整の道路工事課にて、今後の品質確保・耐久性確保の戦略会議。コアメンバーでの会議なので楽しみ。もちろん、その後の懇親会の方が楽しみです。


三日坊主ならぬ

2017-01-05 14:37:19 | 趣味のこと

新年が明け、5日目になりました。

学部3年生の少人数ゼミ(全5回、最終回は12月に実施)のレポート2つを新年2日にこのブログに掲載しましたが、私自身のご挨拶はまだしておりませんでした。

明けましておめでとうございます。今年もなにとぞよろしくお願いいたします。

昨年末に思い立った通り、元旦は浦和の実家にて、甥っ子と次女とウォーキングをしました。ついでに鬼ごっこもしました。捕まえることができませんでしたが。

元旦以来、今日で5日連続、朝のウォーキングをしています。昨日4日から次女の学校が始まったため、4日と今朝は朝の送りをし、その後、家まで違うルートで歩いて合計で30分以上のウォーキングになります。十分な運動です。

元旦以来、朝の体操、柔軟体操、ウォーキングを毎日行いました。ウォーキングは今年の習慣になろうかと思います。それでも腰が張っており、今日は夕方に今年初の水泳に行き、明日の朝は今年初のカイロプラクティクです。

明日の午後、仙台に出張して、東北地方整備局での品質・耐久性確保の戦略会議です。来週11日は群馬県にて、250名以上の聴衆が参加する予定だそうですが、品質確保・耐久性確保の講習会です。私は朝10時ごろから、トップバッターで講師を務めます。2017年も引き続き、全国で展開されていくよう、私にできることを全力でやりたいと思います。

昨年は、自分からいろいろと仕掛けて行こう、という気持ちが強かったように思います。

今年は、仕掛けるまでもなく、大きな動きに巻き込まれるように予感しておりますので、とにかく心身の調子を整えておくこと、体を鍛えること、に意識を向けたいと思います。

村上春樹の「海辺のカフカ」をもうすぐ読み終わります。読むのは2回目ですが、「職業としての小説家」(すごくお薦めです)を読んでからの「海辺のカフカ」なので、多くを感じながら年末年始にゆっくりと読みました。明らかに、全体主義が主題の一つであり、それとどう戦うか、非大衆たるにはどうすればよいか、も随所に述べられていました。以前の私は十分には読み取れなかったかな。

また、中野剛志氏の名著の誉れ高い「富国と強兵」も年末に読み始めていましたが、読み応えのある本なので、ゆっくりと読み進めたいと思います。自身の教養などたかが知れており、常に良質のインプットを心がけないと、すぐに化けの皮がはがれます。

趣味的な読書としては、司馬遼太郎の「花神」を読み始めます。これも2回目。

仕事はそれこそ、無数に降りかかってきます。もちろん、結局はほとんどすべてに対処するのですが、仕事に向き合うのではなく、自分自身の心身にしっかりと向き合うことを、今年の基礎に据えたいと思います。健康な心身が、仕事は適切にさばいてくれるはずです。

というわけで、今夜の水泳が楽しみです。


少人数ゼミのレポート②

2017-01-02 18:24:00 | 教育のこと

二人目の鈴木孝英君のレポートです。

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「『7つの習慣』を通して、人間学とリーダーシップを考える」

都市基盤EP 3年 鈴木孝英

1. はじめに

私は今回「人間学とリーダーシップ」というテーマの細田先生の少人数ゼミに参加した。本レポートでは、①少人数ゼミを通して考えたこと,②私のミッションステートメント について記述する。

2. 少人数ゼミを通して考えたこと 
 私が初めて課題図書である「7つの習慣」に触れたのは少人数ゼミが始まるよりも前のことであった。当時私はこの著書の本質が理解できず、しばらくの間本棚に並んだままであった。しかし今回のゼミを通して細田先生やゼミの参加者と議論を繰り返すうちに、この図書への理解が深まったように感じる。以下ではその内いくつかを挙げる。

(1) パラダイムという考え方

人はそれぞれ違う考え方をもった個人である。たとえ、同じ組織、同じ世代であったとしても個人が有している考え方や価値観は異なり、そのパラダイムを通して世界を見ている。私が正しい、当然であると思うことが他人にとっては全く理解されないものかもしれない。このように、他人は自分とは異なるパラダイムを持っていること、また私もパラダイムを通して世界を見ていることを理解しなければならないと考えた。

(2) 主体的でなくてはならない

今回のような少人数のゼミを例にとっても、積極的に議題を提示する人も受動的にそれを聞いているだけの人もいる。私は後者であった。しかし、2回目のゼミで細田先生が「君たち(特に学部3年生の参加者)のためのゼミだ」と仰っていて、そのときに私は「なんてもったいないことをしていたのだろう」と感じた。主体的でなければ自分が学習することもなく、いる意味もないのではと感じた。他からの刺激に反応的な人物ではなく、刺激を選択し、こちらからの影響も与えられるような主体性をもった人物にならなければならない。

(3) 影響の輪

ゼミの議論でも度々議題に挙がったが、「自分がどこまで影響を与えるか(与えなければならないか)」,「『みんな』とはどこまでを指すのか」ということについて。私は今まであくまで自分は自分、他人は他人という考えをしていたが、一見何の関係もないような人であっても実は関わりあっているということを理解した。しかしその中でも自分が影響を与えられる範囲は限られており、その影響の輪を広げるとともに、影響の輪の中の物事には主体的に良い影響を与えなければならない。そのことで相手からの信頼の貯金もできる。ただ自立するのではなく、相互に影響を与え、与えられることが成長する過程で重要である。

(4) 最優先事項を優先する

7つの習慣の中で最も考えさせられ、実行することが最も困難であるのはこの習慣であると私は考えている。現代では緊急であるが重要でないことにあふれていて、本質的に重要であることが分からなくなってしまいがちである。P/PCの話でもあるが、このPCが最優先事項にあたり、私にとってそれは人間関係の構築と将来のための勉強である。将来のための勉強は大学の講義もそうであり、英語や教養などがある。これらは受動的、反応的に学ぶことでは身につかず、自分で時間をつくり主体的に実行しなければならない。学生のうちから最優先事項を見極め、優先する習慣をつけることが重要である。

3. 私のミッションステートメント

最後に2016年12月現在の私のミッションステートメントを記述する。

「私の人生のミッションは、誠実に生き、私を含めるすべての人を幸せにすることである。」

このミッションを果たすために:

「私は誠実に生きる」 自分の評価だけを気にすることなく、他者の最善となる行動をする。
「私は妥協しない」 自分の時間、能力の全てを用いてミッションの遂行に一切の妥協を許さない。
「私は良い息子、兄、友人であろうとする」 両親や兄弟、友人への感謝を忘れず、信頼され、互いに影響を与えられるようにする。
「私は『恥』を忘れない」 たとえ原則から外れたとしても、自分の非を認め、謝罪し、この原則から外れないよう努める。
「私は向上心をもつ」 現状で満足せず、ミッションを更新するなどして、より成長するようにする。
「私は学ぶ姿勢を忘れない」 本から、知人から、偉人から多くを学ぶ。

以上のことを原則とし、これからも更新していく。

このように生き方を考える機会は少なく、このような機会がなければ考えなかったことかもしれない。とても有意義なゼミであったと感じ、このような機会を設けて頂いた細田先生や、多くの議論を交わした他の参加者には感謝しています。ありがとうございました。


少人数ゼミのレポート①

2017-01-02 18:20:34 | 教育のこと

学部3年生用の少人数ゼミで、私は「人間学とリーダーシップについて考える」というタイトルでゼミを提供しました。

学部3年生の男子二人と、研究室から修士1年の岩間君と、学部4年の十川君、石橋さんが参加してくれての議論となりました。

公開を前提にレポートを提出してもらいましたので、ここでは一人目の坂西純平君のレポートから。

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「人間学とリーダーシップ」より 自己啓発の契機

坂西 純平

このゼミで変わった事
・自分を成長させようという契機になり、その後の行動全てが変わった。
・自己啓発のために本を自分で買って読むようになった。
・出会った悩みや問題に対し、自分の人間性のどこの問題か認識するようになった。
・目の前の課題よりも、自分の人間性磨きを優先するようになった。

考えたこと
①自分の中心
 ゼミで、自分の中心は原則よりも自分中心寄り、その中でも特に承認欲求を満たす事に偏っている事が分かった。偏りを認識した契機は、7つの習慣を読んだ際に自分中心寄りだなと感じた事、ゼミで自分の中心について議論しても原則とブレがあり本質的なものではないと自覚した事、ゼミの後に周りの空気を気にしすぎているという指摘を受け、根本的な理由を考え、承認欲求を満たそうと空気を読み過ぎているという結論に行き着いた事である。

 ここで述べた自分の中心の偏りは、自分のミッションステートメントを作る際に目指す方向性の原則とのズレを及ぼし、過度に承認欲求を満たす計画が出来上がる原因になる。そのため、自分の中心の偏りを認識した上で、それを補正するように方針を立てている。

②ミッションステートメント
 承認欲求に偏っていた自分の中心を、「自分の生き方」に据えることにした。理由は、努力したり自分特有の考えを組み込んだりした事を「自分で」認められた時に幸せと感じる事、「後世への最大遺物」を読んで生き方を重視する重要性に気づいた事、ゼミで「他人のニーズに答えたい、それは誠実に生きるため、誠実に生きるのは次の代に何かを残すため…」と、根本的な原則を突き詰めた際に、最終的に何かを継承する事だという結論に至り、その「何か」とは自分の生き方だろうと考えた事、等がある。

 自分の生き方を大事にするとは、自分の場合は努力家になる事、その結果自分にしか出来ないものを生み出す事、と定義した。「自分にしか出来ない事」とは何かまで突き詰めなければ行けないと考えたが、ゼミで「今の時期に自分にしか出来ない事を理解するのは早すぎる」という結論に至った。

③最優先事項を優先する
 ミッションステートメントを立て実行しようとしたが、なかなか書いたことが実行出来ないという壁にぶつかった。その理由は3つある。1つ目は、所要時間の判断が出来ていなかった事、2つ目は、他にもっと重要そうな事を見つけて移る事、3つ目は、やる気にならない事である。1つ目は強制的に打ち切ったり慣れたりで解消するものであろう。2つ目と3つ目の根本的な原因は、ミッションステートメントと掲げた最優先事項にズレがある事だろう、と考えた。実行が出来なかった時は、ミッションステートメントや目標も見直す事にした。また、これまで当たり前にやっていた目の前の課題に対して、本当に今まで通りにやる必要があるのか、と自問自答するようになった。その結果、ミッションステートメントに合わない重要性の低いタスクは省略するなど、時間のかけ方が変わった。

このゼミに関して

ゼミ、並びに7つの習慣が何より自分を変えた事は、自分を変えようというきっかけになったことである。最優先事項を、目先の課題から自分磨きに向かわせていただく事が出来た。また、いざ実行してみて障害になる部分はゼミで疑問を投げかけ、解決への道筋を構築する事が出来た。

最後に

これから自分が行うべきは、自己啓発を継続し、まず言動一致をする事である。言動一致は、行動を律する事はもとより、自分の意思が最優先事項とズレていないかを省みる事も含まれる。こうして自分の最優先事項が固まり実行出来るようになったら、7つの習慣の次のステージである相互扶助に取り組む。ゼミと本で得た方針に従い、実行を継続する事と軌道修正を継続する事が今自分に求められている。