細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

品質の向上

2015-07-29 09:03:40 | 研究のこと

今日は、これから三陸に向かって出発します。

13時過ぎに盛岡に到着して、レンタカーで釜石方面へ移動。

16時から、トンネル覆工コンクリート品質向上委員会の第6回目が開催され、私も特別委員に入れてもらっています。前回の第5回目が、これまた私の来訪に合わせて6月20日(土)に開催していただき、大変に勉強になったので、志願して委員会のメンバーに入れていただくことにしました。土曜日開催、というのもすごいですよね。その後の現場事務所での懇親会はすさまじかったですが。

さて、今日の第6回目の委員会では、私もトンネル覆工コンクリートについて研究発表します。先ほどパワーポイントのスライドを作りましたが、50枚を超えてしまいました。トンネルの点検データの分析結果と、ひび割れシミュレーションについてです。私も、一技術者として、この委員会に貢献し、おそらく品質確保ガイド的なものができあがると思いますが、アウトプットにも貢献したいと強く思います。

明日は朝から、トンネル覆工コンクリートの打込みを、最初から最後まで見る予定です。かなり視点もできてきているので、相当に勉強させていただけると思います。実は覆工コンクリートの打込みを本格的に見学するのは2回目(ちょっとした打込みは何度かある)ですが、今回は本当に楽しみです。別の現場で、セントルの脱型も見させていただきます。

実物のトンネルで、ひび割れに関する応力、ひずみ、温度等の計測も進行しており、我々の数値シミュレーションの検証もさせていただけるので大変にありがたいです。

実際の構造物の品質が、ぐんぐんと向上していくこと。これは素晴らしいことだと思います。私が心からうれしく思うことです。

さらに、構造物の建設に関わる多くの方々と、真剣にコミュニケーションできること。これも、私が心から楽しく思い、充実感を覚えることです。真剣なコミュニケーションが大好きなのですね。

私自身も一連の品質確保、耐久性確保のプロジェクトの中で大いに鍛えていただいておりますが、それらの研究に携わる私の指導学生たちも鍛えられますし、実務の方々も成長されているはずです。鍛えられた人々の連携で、さらに創造的な動きが紡ぎだされていくことになります。

まだまだ今後の展開は予想もつかないし、持続可能なシステムの構築には多大なチャレンジが待ち受けているとは思いますが、今のダイナミックな動きはなかなか味わえない、経験できない状況だと思うので、大切に時間を重ねていきたいと思います。

 


国際的,インターナショナル ≠ グローバル

2015-07-25 11:54:36 | 家族のこと

今日もすさまじく暑いです。

今日は夕方からお客さんたちが我が家にやってきます。カイロ大学のHamed先生の一家四人と、私の指導している留学生のうち2名(ベトナム、中国)。

夕方5時から、Hamed先生と2名の留学生と私と長女とで、有楽町付近のレンガアーチ高架橋、秋葉原付近のレンガアーチ高架橋を見学に行きます。どちらも鉄道橋です。これらのレンガアーチ橋や石積みの橋梁の耐震性について、中国人留学生をHamed先生と私が共同指導する形で研究を開始しようとしているためです。

また、ベトナム人留学生は、一週間後にResearch Proposalの発表が迫っていますが、私との議論が全くと言っていいほど進んでいないので、コミュニケーションのために同行させることに先ほど決めました。研究はとにかくコミュニケーションで、学生が一人でウンウンと考えて進むものではないことをなるべく早く認識してもらいたいです。

先ほど、長女と今日のパーティーのための買出しに行ってきました。夕食を準備すると大変なので、フルーツとケーキ類のみでのパーティーとしました。お気に入りのクリームパン(八天堂)をほぼ全種類、マカロンの詰め合わせ、フルーツロールケーキ、にしました。フルーツもスイカ、メロン、桃、ブドウなど、季節のものを揃えました。

もともと、お客さんを呼んでホームパーティーをするのが好きな家ではありましたが、フランス帰国後のドタバタで、しばらく呼んでませんでした。フランス帰国後、親戚関係以外では2度目になります。

インターナショナルな雰囲気を当たり前と思う雰囲気は我が家にはありますが、子どもたちにもぜひその雰囲気を引き継いで発展させてもらえればと思います。

Hamed先生も私も、グローバリズムは大嫌いですが、インターナショナリズムは大好きで、だから連携・交流を続けています。

今日も、Hamed先生や留学生たちが、少しでも日本のファンになってもらえればと思っています。 


7月の研究

2015-07-22 07:58:05 | 研究のこと

7月はとにかく過ぎるのが早い。。。宮古島・沖縄350合宿から始まった7月はあっという間に下旬に突入しております。

3名の研究者を海外から招へいしていることもあり、余計に時間があっという間に過ぎるのかと思います。先週のJCI年次大会では、国際共同研究も含めてすべての研究発表が無事に終了してホッとしました。 すでに2名の研究者は帰国しました。

カイロ大学のHamed教授が20日間弱の滞在で、昨日も濃厚に研究の議論ができました。今日も引き続き、私の空いている時間すべて、研究の議論や情報交換になります。Hamed先生と私の共同の学生指導、という形で、破壊シミュレーションを活用した研究をここ数年行ってきていますが、今年も継続する予定で、新たな研究対象についても議論しておりとても楽しいです。

4月から、いろいろと苦悩した時期もありましたが、私のそれぞれの研究プロジェクトについて、学生や関係者と真摯に議論を重ね、研究を少しずつ進めてきた結果、それぞれのプロジェクトが良い感じで温まってきたように感じます。試行錯誤は続くでしょうが、やりがいのある研究に育ってくれればと願います。

事務的な仕事や、大学の運営的な仕事もかなり増えてきてしまっておりますが、根幹は研究と教育にあることは十分に承知しておりますので、愚痴を減らして研究の時間を確保したいと思います。

3名の研究者を同時期に招へいすることはそれなりに大変なことではあったのですが、活き活きと交流している現場を見ると、素敵なことだな、と感じます。頑張って続けよう。 


JCI年次大会

2015-07-14 13:06:00 | 研究のこと

今日からJCI年次大会@幕張メッセです。

7月1~3日に宮古島・沖縄出張で7月が幕を明けてから、あっという間に日々が過ぎていきます。もはやほぼ半月が終了。

JCI年次大会では私の関与したたくさんの研究発表があります。この大会に合わせて、3名の海外の研究者を招へいしました。エジプト、ベトナム、バングラデシュです。それぞれ、研究発表します。

また、これらの研究者とはこれまでも連携してきましたが、これからも連携していくので、来日した機会にいろいろと研究を進めたり、ディスカッションを行うことになります。

彼らとはとても親しい間柄なので、滞在中の適切なケアも必要です。二人、イスラム教の方がいるので、現在ラマダン中で、猛暑の中、飲食や体調にも気を使います。

それでも、やはり研究の議論が深まったり、前進したりするのはとてもうれしいことです。

彼らとの共同研究ではないのですが、トンネル覆工コンクリートに関する種々の研究もしっかりとチームで前進しており、7月末にはまた三陸のトンネル現場に行くことになりました。

今日は午前の講義を終えてから幕張メッセに向けて移動中です。2日半になりますが、学会を楽しみたいと思います。 二日目には私の発表もあり、三日目には私が代理で発表する研究もあります。楽しみ。


仙台河川国道事務所

2015-07-11 11:12:15 | 勉強のこと

7月10日(金)に仙台河川国道事務所で品質確保の講習を行いました。

仙台河川国道事務所の監督官が全員集まったのではないか、という話を聞きましたが、45名程度の聴衆を相手の講習会でした。聴衆のほぼ全員が、直接、コンクリート構造物の品質確保に関わる方々なので、やりがいのある仕事です。

私が90分の講義を行い、その後に、品質確保チャンネルにもアップロードされている、20分の教材用動画を復習も兼ねて視聴し、その後、仙台塩釜道路の現場に移動して、目視評価法等の実習を行う、という内容でした。

現場での実習では、志願してこの講習に参加された日大の子田先生に講師を務めていただきました。

非常に充実した内容となったようです。この講習を半ば主導的に企画した東北地方整備局の道路工事課の遠藤専門官がそう言ってました。遠藤さん自身が非常に勉強になったようです。

品質確保の土壌を整備する、施工状況把握チェックシートと目視評価法は、どちらもA4一枚で実施できる簡単な方法ですが、その奥深い背景や、本当の目的がなかなか理解されにくいものです。昨日の私の講義も、哲学的な内容も多く含みますし、東北の復興道路で実践が始まった経緯から、今後に目指すべき本当の目的も含め、具体的な事例をふんだんに盛り込んだ内容にしました。

遠藤さん曰く、講習に参加した国交省の職員も、現場では目を「キラキラ」させて楽しそうに実習していた、とのことでした。

うれしいことです。

仙台河川国道事務所は、北は陸前高田から、南は福島県との境までを扱う非常に事業量の多い事務所だそうです。今後、東北での展開の中核の一つを担っていただけるものと大いに期待しています。

今回は国交省の職員がほとんどでしたが、すぐに施工者も対象とした講習会をする必要がある、という提案をしました。昨年、南三陸国道事務所や三陸国道事務所では施工者を対象とした講習会を行い、それが起爆剤になった経験があるからです。

夜は、遠藤さん、子田先生と、駆けつけてくださった南三陸の佐藤所長と4人で、濃厚に懇親をして、新幹線で帰宅しました。 

 


ビール

2015-07-09 11:42:06 | 人生論

6月の健康診断の結果が返ってきました。

診断を受けたときに分かっていましたが、なんと視力が向上!両目とも1.2と過去より良くなりました。そんなことあるんですね。フランスで一年過ごした成果でしょうか???

今回は何らかの危険信号が出るのではないかな、と思っていましたが、すべてA評価で、唯一、尿酸値が標準値の上限に接近していました。

右ひざが少し痛いときがあるので、痛風でしょうか。

私の簡単な人体実験によると、ビールを控えると痛みが明らかに治まるので、痛風かと思います。

というわけで、ビールを控えております。

近年、あまりビールをたくさん飲んではいませんでしたが、確かに最近、ビールの割合が増えていました。地ビールって、プリン体多いんですね、知りませんでした。

酷使しているボディですし、すでにそんなに若くもありませんので、少しずつ警告が発信されるようになってきました。

あちこちから発せられるアラームに五感を澄ませ、健康を維持したいと思います。


走る7月

2015-07-07 12:54:24 | 勉強のこと

2015年の後半が始まった7月ですが、私の7月は宮古島・沖縄本島出張から始まりました。3日間の出張の翌日は、横浜国大土木同窓会の総会と、研究室OBOG会だったので、夜遅くまで。

さすがに5日の日曜日はくだばっていましたが、一日疲れを癒しながら読書していました。

今週辺りから、休日も休めないスケジュールに入っていきますが、心身の状態がよいので、適切に気分転換しながら元気に仕事したいと思います。

昨日の月曜日は、サマースクールに通学中の次女のお迎え役が確保できず、私が午後の来客をキャンセルしてお迎えに行きました。前週の疲労も完全に抜けていなかったこともあり、私がお迎え役を買って出ることにしました。

次女も私のお迎えを喜んでくれましたが、次女と私の夕食、それより1.5時間遅い塾帰りの長女と妻の夕食を、準備しました。緑色野菜たっぷりとシラスのサラダと、パスタです。

その合間を縫いながら急ぎの仕事を片付けました。

長女はそれなりに泳げるのですが、次女は水が恐くあまりプールで練習してこなかったこともあり、まだ全く泳げません。でも、小学校に入るまでに泳げるようになりたい、と先日私に告白しましたので、できうるトレーニングをする約束をしています。この日も、お風呂でゴーグルを着けて潜る練習をすることになりました。10秒間、顔を付ける練習を何度かやり、できるたびに抱き合う、というスキンシップ。

入浴後は、次女が絵本を読んでほしい、ということで、私のベッドで「はじめてのキャンプ」というかわいらしい絵本を読んであげました。ここ数日、次女に絵本を読んであげる機会が増えていますが、絵本の読み聞かせは、特に父親の読み聞かせは、親の想像を超えて子供への影響があるらしいので、リクエストがあるときは心を込めて読んであげようと思っています。日曜日だかに読み聞かせているときに、次女が「パパの読み方、好きなんだよね」と言ってました。いつまでも続くことのない、大事な時間です。

今日も私と次女のお弁当を心を込めて作りました。今週は金曜日の仙台出張がありますが、大型出張はないので、月から金まで5連続、次女のお弁当を作ることになると思います。

家事も育児もバリバリこなしながら、仕事もパワフルにこなす、走る7月になりそうです。


激烈な塩害環境

2015-07-06 12:33:12 | 研究のこと

7月1日(水)~3日(金)まで、宮古島と沖縄本島に350委員会(品質確保)で出張してきました。

日頃の行いが良いのか、自称晴れ男が多く集まり過ぎたのか、天候にもこれ以上ないくらい恵まれ、二日目には船上から長大橋梁(離島架橋)を見学することもでき、大変に勉強になりました。

以下が、今回のスケジュールです。

1日目(7月1日)(宮古島)
・宮古島入り
・世渡橋
・池間大橋(陸上+耐震補強現場)
・伊良部大橋
・伊良部大橋暴露試験場

2日目(7月2日)(宮古島)
・池間大橋(海上視察)
・伊良部大橋(海上視察)
・来間大橋(陸上)
・深江橋+深江橋暴露試験体
・沖縄本島へ移動

3日目(7月3日)(沖縄本島)
・古宇利大橋暴露試験場
・古宇利大橋
・辺土名暴露試験場
・旧呉我橋
・(新)呉我橋(メタル橋)
・会議(南部土木事務所)

高温多湿の激烈な塩害環境で、コンクリート構造物の高耐久化を真摯に実践されてこられた、350委員の風間さん、富山先生らと沖縄県の方々の取組みに感銘を受けるとともに、3日目の最後の会議では、現場をじっくりと見た後の沖縄の取組みのプレゼンと、350の山口&東北の取組みのプレゼン、その後のディスカッションががっちりとかみ合い、今後の新しい方向性も見えてきました。

いつまでも記憶に残る委員会地方場所になりそうです。




池間大橋の陸上視察。きちんと潮の引いている時間帯を選んでおられました。すべての段取りがパーフェクト、さすが風間さんでした。



船上から伊良部大橋。



しっかりと勉強しております、350の面々。



来間大橋も潮の引いているタイミングで桁下に入りました。これは農道。



潮の引いているタイミングでないと入れないところで塩害レクチャー。



来間島のこの展望台からの眺めはあまりにも美しい。これも、光の差す時間帯も計算して、風間さんが段取りを組まれていました。



来間島の展望台にて記念撮影。


下地島の通り池。



飛行機マニアには聖地、らしい、下地島空港の滑走路の端っこ。



最終日、激烈な塩害環境でボロボロになった通行止めの橋も見ました。