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サッカーとヘイトスピーチと

2017-05-07 20:37:15 | サッカー
 ACL出場の川崎のサポーターが、韓国での水原三星との試合に旭日旗を掲げて応援して、スタジアムでトラブルになり、その後の移動にも支障をきたす事態になりました。

 旭日旗は戦前の海軍の旗であり、現在も海上自衛隊の旗です。植民地支配を受けていた国と人々にとっては、軍事力で支配することの象徴であり、許しがたいことです。すでにAFCで処分が決まっており、厳粛に受け止めるべきでしょう。
 しかし当初の川崎の社長の談話は、その見識が疑われるもので、残念でした。「そのような意図はなかった」ということでした。つまり韓国のサポーターが反応したような意味は、旭日旗にはないということでしょう。しかし旭日旗は海軍旗だったわけだから、一般的旗のデザインとことなり強いメッセージが含まれているものです。
 それに川崎でおこなわれていたヘイトスピーチのデモの時、旭日旗を使われています。ヘイトスピーチ規制法ができているぐらい事態は改善に向かっているので、そのような状況認識も必要でしょう。

 これを考えるうえで、例えばハラスメントの場合を考えてみましょう。当事者の意図はどうあれ、受けた側が不快あるいは抑圧を感じた人への配慮をするのが、人権の基本的考えです。
 国際試合をするクラブの社長としては、見識を求められるところです。

 ヨーロッパでは人権問題には敏感です。象徴的エピソードとしては、当時フランス代表のジダン(現レアルマドリード監督)が侮辱行為があった試合の時、頭突きでやり返しました。ジダンの行為は許されることではありませんが、そのようなことは時には起こります。
 FIFAは人権問題については敏感に扱います。日本サッカー協会は今回のAFCの裁定を踏まえて取り組んでいるようですが、敏感に対応して今後このようなことが起きないようにしなければならないでしょう。その取り組みを怠れば、アジアサッカー界からの信頼が薄れ、リーダ的役割は担えないでしょう。協会は深刻に受け止め、クラブ上層部の教育、選手への教育、サポーターへの啓もう活動など力を注ぐべきでしょう。
 
 Jリーグでぼくが気になっているのは、浦和サポーターが旭日旗と思われる旗、あるいは旭日旗の白の部分を黒にした類似のデザインの旗の使用をしていることです。これは禁止させるべきでしょう。

*ジダンをモナコの監督と記述しましたが、レアルマドリードの監督の誤りでした。UEFACLの準決勝にモナコがの試合があったので勘違いをしました。UEFACLの決勝はレアルマドリードとユベントスで争われます。(5月15日)

 


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