世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●困った人々 主権なんて要らない、生活さえ保証してくれるなら

2015年08月21日 | 日記
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●困った人々 主権なんて要らない、生活さえ保証してくれるなら

今夜は体調不良なので、短めでご勘弁いただく。まあ、中谷にしろ、安倍にしろ、“第3次アーミテージ・ナイリポート・日本への提言9項目”を属国らしく、忠実に実行しているだけで、罪の意識など欠片もないだろう。無論、アメリカ議会で約束しちゃったからなんて話は、議会制民主主義の国家ではあり得ない話なのだが、“隷米保守主義者”にとっては、思考停止で、正しい選択なのだ。いや、選択と云う選択はないわけで、マンマで実行するのが、日本の国益に合致すると、自己暗示に陥った人々の正当な判断や実行なのである。現に、そのように振る舞ってきた、政治家、官僚、言論人が、戦後の世界でメインストリートを闊歩したのだから、実績も充分だ。

出世したい、権力を握りたい、有名になりたい、金を儲けたい。そう云う日本人は、明治であれ、昭和であれ、平成であれ、時の世界の覇権国のお眼鏡に適う言動に徹すれば、後は、幾分の学歴を入手すれば済むように、この世間が出来ている。最近の安倍や閣僚の醜態も、一時の恥の方がベターであり、不都合な事実を認めるなんて、自分で自分の首を絞める行為にお及ぶ人間は稀だ。それが、覇権国に支配された国の運命であり、逆らうことは、その世界で、一流になれないことを意味している。特に、政治家と官僚に顕著に現れる日本人エリートの性癖である。

2012年8月にアーミテージ・ナイレポート(日本への提言)てのがあって、悪名が高くなった「年次改革要望書」に替わる変化球として、アメリカが日本に赤裸々に要求項目を並べたのが、アーミテージ・ナイレポートに姿を変えたのである。
・原発再稼働―米国軍事、原発産業を守る。
・ペルシャ湾海賊対策で日本は汗を流せ。
・日本のTPP参加は米国の確信的利益。
・日韓歴史問題を刺激するな。―これは一部守らなかったので、安倍に地位は一時危うかった。ゆえに、申しませんと外交を通じて土下座した。
・日米印豪台フィリピンの強力な連携強化。
・戦時において米軍への自衛隊の全面協力。
・自衛隊は単独でホルムズ海峡の魚雷に除去のために掃海艇派遣。
・日米、及び日本独自の国家機密の保全。
・PKO派遣時に自衛隊等の法的権限の拡大。
・集団的自衛権行使の禁止は、日米同盟においては邪魔だ。
・軍事産業育成、日米兵器共同開発を速やかに行える包括的法整備。
・日本防衛産業の育成のために、武器輸出禁止3原則の見直し。

以上のように並べ立てたレポートが、民間の研究機関の衣を被せて、アーミテージとナイが代弁したものに過ぎない。結局、独立国では、アフガニスタンや北朝鮮よりも劣った、独立性を持っていないのが、日本と云う国なのだ。ただ、筆者は、日本人の多くが、別に歴然たる独立の主権を持たなくても良いのではないか、と思っている戦後世代が多数を占めはじめているのではないかと云う不安は持っている。

そうなると、水を飲みたくないと言っている馬を水辺の引っ張っていかなければならないわけで、容易なことではない。日々の生活がそこそこであり、日々命や財産を強奪されるような国でないのなら、主権が自分たちになくても良い。生活さえ保障してくれるのであれば、それで良い。難しいことは考えたくないし、興味もないし、考える能力もない。まあまあの政治外交をするのであれば、自分たちの主権が脅かされても痛痒はない。ただ、困った事に、米国一国の属国主義が、彼らの生活を安全に守るだけの力を失っていたら、どうなるのか、そこが問題なのだ。

世界第二次大戦後、本土に殆ど影響を受けずに戦勝国となったアメリカが、英国やロシア、フランス等、同じ戦勝国でありながら、一人勝ちな状況を生み、20世紀のアメリカ覇権は盤石になった。しかし、21世紀に、アメリカの覇権は、未来永劫の権力と云う錯覚的地位さえ危ぶまれている。有史以来の歴史的事実として、覇権国が力を失い、普通の国になるのは自明なのだ。つまり、独立国でなくても良い、そうして、自分たちの生活にける平穏さえあれば、主権国である必要もない。その安穏さは、ある日突然、コインの裏表みたいに、劇的に変わる危険と隣り合わせの運命と云うこと、少しは理解してほしいものだ。

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3 コメント

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思った通りの防衛費要求増 (おじん)
2015-08-20 08:15:39
これから軍事産業が伸び続くであろう。
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Unknown (武尊43)
2015-08-21 05:32:59
アーミテージ・ナイレポートで外務省と日本会議が一番引っかかったのは、リポートの最後に在る「これらを行わなければ2等国のままである。2等国からの脱却をの望むか」でしょう。外務はこの2等国と言う言葉が一番嫌いな省ですからね。「天皇を戴いて輝ける国」って思想から抜け出せていないのでね。国民会議も、何せ1等国になりたい症候群集団ですからね。
本当はどっちの願いも、国際連合に敗戦国条項が有る限り絶対に有り得ないですが、その呪縛から抜け出せない悲しい性の「虜」なんですな。
それともなんですかねェ。アメリカに付いて行けば解除されるとでも、本気で思っているんですかねェ?(笑)
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日本が2流なら、アメリカは「下流」 (加藤 貴史)
2015-08-25 22:13:47
「これらを行わなければ2等国のままである。2等国からの脱却をの望むか」これに対して「ええ、2流のままでよいです。アメリカさんは3流どころか格付け不能なほどさがっちゃっているでしょう?」とハッタリをかませられれば良いのですが。まあアメリカは日本と別れられれば底なし沼からの脱出は可能でしょう。
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