世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

宇宙から降り注ぐ紫外線と放射線との闘いで、生き残った進化生物が人類

2011年05月30日 | 日記


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宇宙から降り注ぐ紫外線と放射線との闘いで、生き残った進化生物が人類


  本日は生臭い政局を離れ、生命が海から陸に上がることが出来た経緯などを考えながら過ごそうと思う。一時、嵌り込んだ現実から目を逸らすことで、リフレッシュされ、眼力が戻ることを夢見ている。

野党の内閣不信任案提出と民主党両院議員総会開催が時間レースを展開しているが、岡田は両院議員総会開催を徹底的に逃げるだろう。逃げることで、民主党中間派議員にも不信任欠席、賛成の“大義”を与え万事窮す、と云うシナリオが一番好都合だ。これなら、公明党も母体の多くの人々の意に沿うのではなかろうか。

では本日の本題を考えてみる。先ずは筆者が先日“目から鱗”だった柳澤桂子氏のコラムの一部を読んでいただこう。

≪ 岩波書店:世界6月号:「原子力発電から離れよう」(生命科学者・柳澤桂子)

□□生命が生まれた
人類の祖先が生まれたのは、今から40億年くらい前のことです。DNAの大敵は空から降り注ぐ紫外線と放射線でした。ですから、初期の生物もDNAが紫外線や放射線に壊されたときに修復する機能を発達させていました。それがDNA修復酵素です。
 生命の誕生の時から、紫外線や放射線から受けた傷を治すということは一番大切なことでした。生物の進化につれて、この機構は次第に複雑になり、私たちのからだを作っている細胞のなかにもあります。
 細菌が生まれてから10億年くらいたったときに、太陽のエネルギーを利用して光合成をする細菌が進化しました。この細菌はシアノバクテリアと呼ばれていますが地球上ではじめて太陽エネルギーを利用した生物です。
 シアノバクテリアは葉緑体と呼ばれる器官を持っていて、太陽光のエネルギーを使って、炭酸ガスと水からブドウ糖を作ることが出来ます。
 ブドウ糖はいろいろな栄養物を作ることができるので、シアノバクテリアは外から栄養を摂らなくても自立して生きていけます。さらに、ブドウ糖を作る過程で、酸素を空気中に放出し、エネルギーを細胞の中に蓄えます。
 シアノバクテリアは、自分で光合成をして生きるだけでなく海のなかにいるいろいろな細胞の中にも入り込みました。ほかの細胞がシアノバクテリアを取り込んだのかもしれません。
 このようにして、海の中には葉緑体をもつ細胞と持たない細胞が出来ました。葉緑体をもつ細胞が植物で、持たない細胞が動物です。

□□光合成で酸素が増える
 光合成で出来た酸素が増えると、酸素が三つくっついた分子であるオゾンが出来ます。オゾンは紫外線を遮りますし、宇宙からの放射線も次第に弱くなっていましたので、細胞は海の浅いところでも生きられるようになりました。 紫外線を避けて海に住んでいた植物の中から、陸へ上がるものが出てきました。放射能も生物の生存に差し支えないレベルまで低くなっていました。
 最初の生物が陸に上がったのは今から4億年ほど前のことです。植物は根を土の中に埋めて、枝や葉を地上に出していました。もし何かで枝や葉が傷められても、根からまた新しい芽を出すことが出来ます。
 初期の植物は水際に根を埋めて用心深く、そろそろと土の上に上がってきました。生物の生存は、誕生の時から紫外線や放射線との闘いでした。植物が陸に上がると、昆虫も陸に上がりました。
 最初の哺乳類は今から2億2500万年前にあらわれたアデロバシレウスです。そして、カモノハシ、トガリネズミ、カンガルー、ネズミ、ブタ、ウサギなどを経てサルに至ります。チンパンジーから類人猿まではもう一息です。類人猿と原人が分かれたのが今から700万年くらい前、私たち現人が進化してきたのが20万年くらい前のことです。
 私たち人類は、アフリカのイブと呼ばれる一人の女性から生まれたことがわかっています。世界中の人は、みんな親戚なのです。≫ (岩波書店:「世界」より抜粋)
*以降は省略しますが、岩波書店:雑誌「世界」6月号は読み応えがありますので、ご一読をお薦めします。

柳澤氏が反原発の考えの方であるかはさておき、筆者は生き物が宇宙から降り注ぐ紫外線と放射線と闘った挙句に、海から陸に上がることが出来た部分に、理屈抜きに感情移入したしたわけだ。そうなのか、生命は海の中で、紫外線と放射能と鬩ぎ合いの結果、勝利して陸上に上がり、気の遠くなるような時間を経て今の我々人間がいるのだな~、と今さらながら感心させられのである。

そして、太古の昔とでもいうか、生命の原点バクテリアが誕生した海に、今まさに、福島原発から放射能を撒き散らしているのだな、と思いを馳せるのである。政局を語る自分が愚かにさえ思える瞬間だ。 しかし、この生命発祥・聖地の海に放射能を撒き散らしているのは、何も福島原発に限ったことでない点も、語っておいた方がイイだろう。菅が歓びそうなので多くは語りたくないが、核爆弾を有する国、核実験を行った国家。原子力発電所を有する国家は多かれ少なかれ、地球上に放射能をバラ撒いている事実は確認しておかなければならない。

石原慎太郎風に言うならば、「世界の我欲が、痰壷のように海を放射能で汚染して口を拭っている」と云うことだ。この辺の情報は「現代ビジネス」の川口マーン惠美「シュトゥットガルト 通信」 が適時適切な記事を配信している。主に核廃棄物の処理が中心の話だが、プールでそら惚け、小便をするが如きの惨状を呈しているようだ。海は広いな大きいな、「希釈・希釈」で逃げ切ろう、何という人類、否、生命への冒涜なのだろう。

福島原発での海への放射能汚染水流出に抗議してきたロシアは ≪マヤークというところに原発がある。なんと、スターリンが40年代にアメリカに対抗して作らせたという年季の入った代物で、それが驚いたことに今でも稼働している。1957年には大事故が起こったが、ひた隠しにされ、事故の状況や被害者の数などは、まだ公表されていない。確かなのは、今日のマヤークが、少なくともチェルノブイリと同じぐらい激しく放射能汚染された場所だということだ。≫(現代ビジネス)

≪一方イギリスは、低レベルの液状廃棄物を恒常的に海に流している。イギリス北西の町セラフィールドの原子力センターは世界的に有名だが、ここで発生した低レベルの廃棄物はアイリッシュ海に捨てられる。当然のことながら、アイルランドとノルウェーがひどく迷惑している。それでも、近海で漁業が営まれているというから、何だか腑に落ちない。≫、≪かつての海軍王イギリスは、どうも昔から、手に負えない核廃棄物を海に捨てる悪い癖があるようだ。IAEA(国際原子力機関)の資料によれば、49年から 82年の間に多くの国が核廃棄物をドラム缶に詰めて海洋投棄しているが、イギリスの捨てている量が群を抜いている。大西洋と太平洋に投棄された放射能量の 76.6パーセントがイギリスの物である。アメリカはその10分の1に過ぎない。≫(現代ビジネス)

≪イギリスの次に多かったのがスイス。スイスは山岳国家で海がないのに、わざわざ海に持って行って捨てていたかと思うと、何だか腹が立つ。汚いものはなるべく自分とは関係のない遠いところへという魂胆が見え見えだ。≫、≪IAEAの統計には旧ソ連が抜けている。旧ソ連は原発だけでなく、核兵器も持つ。北海に投棄された核廃棄物の45%以上が旧ソ連の物だったことは分かって いるが、正確な資料はない。≫(現代ビジネス)

川口マーン惠美氏は指摘していないが、昔の核実験は福島のキノコ雲を生みだす形の実験を数多く海で行ったし、陸地でも行った。地中でも行った。これらすべても何らかの形で、地球上に放射性物質を内在させることになっている。生命の起源とも密接に関係している紫外線と放射線との闘いが、このようなかたちで人類にブーメランのように戻ってくるとは、なんとも複雑な気持ちになるのは筆者だけではないだろう。人類の進化とは異なる情動で生きはじめた人間、千年先にはどうなっているのだろう。


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