世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●正恩、ホントに統治? イラク、ウクライナは誰が統治者?

2014年10月12日 | 日記
日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 (上)
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●正恩、ホントに統治? イラク、ウクライナは誰が統治者?

 以下は産経の記事だが、共同通信社発信のものらしい。シュルツ米大統領副報道官が真顔で、「北朝鮮の政権は、地球上で最も不可解なものの一つ」と表現し、米国メディアに至っては「金第1書記が今の北朝鮮を統治しているのか」と疑問符つきの報道をしているという。

≪正恩氏、ホントに今も統治? 米で関心…報道官「地球上で最も不可解」
  シュルツ米大統領副報道官は10日、北朝鮮の朝鮮労働党の創建記念日に金正恩第1書記の動静が伝えられなかったことについて「北朝鮮の政権は、地球上で最も不可解なものの一つ」だと述べ、米政権内の当惑をうかがわせた。
 オバマ大統領が訪問中の西部ロサンゼルスで、記者の質問に答えた。北朝鮮に関しては「信頼できる公の情報がほんのわずかしかない」として、金第1書記に関する具体的な情報はないと強調した。
 米国内では、金第1書記の動静が1カ月以上も途絶えていることについて、CNNテレビをはじめ各メディアが「金第1書記はどこに」「今も北朝鮮を統治しているのか」などと関心を示して連日報道している。 ≫(産経・共同)

 たしかに、そのような観測も可能なほど、北朝鮮の統治機能が正常に機能しているのか、はっきりしないのは事実だ。しかし、一歩下がって、現在の世界を眺めれば、イラクもウクライナ、エジプト、シリアも、誰が統治者として振る舞っているのか判らないのが実態だ。EUの統治者だって、相当不可解なパワーバランスの渦中にあり、EU各国よりもNATOを牛耳るアメリカの意志の方が優先されているように見える。このような視点に立てば、日本の統治者も大和民族か朝鮮半島民族か、そのこと自体が怪しいうえに、その上にアメリカと云う司令塔が存在するのだから、北朝鮮の真の統治者ことを不可解だと言い切れる国家などありはしないのだ。

 チョッとだけ、一般人や通俗的識者、政治家の目は誤魔化せても、幾つかの視点で物事を観察する訓練を受けた数少ない人々にとって、目くそ鼻くその統治者の確認なのである。具体的に見えるから、彼が統治者だというわけだが、安倍晋三が日本の統治者かと聞かれたら、筆者などは即座に「違う」と答える。国民だと答える人もいるだろう。自民党だと答える人もいるだろう。官僚だと答えるのも正解のようだ。いやいや、絶対にアメリカだと答える筆者のような奴もいる。すべてが正解の一部だが、絶対的正解ではない。足元だけでも、こういう見方が出来るのだから、北朝鮮のことどころか、イラクもウクライナもイスラム国も同様に判らない。

 ウクライナの統治者がポロシェンコ大統領だって思える人は、大変長生きの出来る人だと思う。オバマ大統領がアメリカ合衆国の統治者だと思い込めること自体、すごくピュアな考えである。小学校の定期テストでは丸印がつくだろうが、リアルな世界において、素直にマルな点数が通用する世界など存在すること自体、それが不可解なのだ。戦後の世界史の不幸。ある意味で、戦後の世界史における不幸は、すべてがアメリカ統治と云う括りで読み取るのも面白い試みだ。

 イギリスの植民地から独立を宣言した1776年から数えても、240年しか経っていない国家が、世界の覇権国として君臨したことが、不幸のすべてのはじまりだと思う。ゲームの世界よろしく、何度でもリセットすることが平気な国家が統治権を持っていること自体が不条理なのである。理屈で説明する部分には甚だ強く、金儲けの方法や理論や論理、所謂科学的原理を具体的人間の営みにブレークダウンする能力には長けている。しかし、歴史的慣習や伝統文化、時には魂の問題。時には迷信まで含めて、世界中には彼らの十倍、百倍の歴史における、人知によって築かれたありとあらゆる文化があるわけで、このような目に見えないもののへの理解や造詣に至れない国家であることは、世界の不幸なのだろう。

 歴史の浅い国家が世界のリーダーになるために、きっと彼らは努力をしたのだろう。そして、マネー戦争に勝利するだけの戦略にも長けていたし、マネーが魅力を感じる国家たらんとしたのだと思う。そのためには、世界中の英知を移民と云う形で受け入れ、各国や各民族との融和にも努めたであろう。しかし、あくまでそれは方法論であり、頭で考えたものであり、自然発生したものではない。また、独立宣言後、侵略された経験のない人工国家なのだから、弱者の痛みへの感性が存在しない。そのような人々により構成される国家では、土着性や宗教性に裏打ちされた人間の共同体意識への敬意が希薄になり、上滑りした価値観がすべてとなる。それがアメリカン・デモクラシーと云う観念なのだが、この底の浅い観念を「普遍的価値」として、神格化させようと無意識に思い込んでいる点が最悪なのである。

 それらの長所と欠点を補うために、世界一マネーが集まる国家であり、そのマネーを使って軍備を桁外れに増強して、マネーと暴力装置と云う2大パワーを身に着けたのだから、世界制覇の欲望も湧くに違いない。無意識でも、そういう潜在的なものはあるわけだ。しかし、最後の支配行使において、彼らは現時点で半分ばかりドジを踏んでいる。なにせ、この人口国家は、マネーと暴力装置で、常に桁違いの力量を堅持していないと、怖くて怖くて夜も寝られない国家なのである。そして、彼らの躓きの要因の中に、マネーも暴力も怖くないという勢力を目の当たりにし、力の限界を知ると同時に、歴史の浅さをハンデキャップとして受け止めている賢明なアメリカ人もいるのだと思う。しかし、流れとしては、今さら引き返せないアメリカかもしれない。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先見学から(10年後) (おじん)
2014-10-12 14:33:02
先導国は、アメリカと中国とドイツ。
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Unknown (みゆきん)
2014-10-12 15:42:59
ブログ引越ししました♪
引越し先のURLです
登録変更宜しくd(^-^)ネ!
http://blog.goo.ne.jp/mamazones
引越しソバはないよ~(≧m≦)ぷっ!
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ほんとうにあった! (夢想正宗(元公儀介錯人胴田貫))
2014-10-12 16:11:27
ほんとうにあった怖い話し
先頃 埼玉県警地域課の警察官が 勤務中に交番トイレや休憩室で缶チューハイ500ミリリットル 5本を飲酒し また交通検問にもバイクで向かい 検問場所で 缶チューハイをタオルで隠し 飲みながら交通違反の取り締まりをしていた 監察官室は この警察官を懲戒免職にした
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Unknown (Unknown)
2014-10-12 22:44:35
国家の主権を尊重するならば、
北朝鮮という国の元首は、金正恩さんです。
なんで、他国がそれに対して干渉するような言動をするのでしょうか。
都合の悪い、方向性を危惧した他国からの干渉は、
キノッタマの小さい、小心者と判断するべきではないのでしょうか。
大義名分が、正道ではないからこそ、
事実をメディアによって捻じ曲げようとするのではないですか。
まったくインチキにも程があります。
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Unknown (コムロ)
2014-10-15 02:59:01
全くの同感以上のものはありません。また、主様は敢えて言い足さずにいるようですが、アメリカでもない、とも言える、との見解にも全く反論の余地はありません。
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