世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

麻生太郎は戦後最高の指導者?

2009年06月23日 | 日記

麻生首相は戦後最高の指導者なのかも?
これは筆者のひねくれた麻生首相への評価というわけではない。本当に、もしかすると麻生太郎と云う人物が、我が国を名実ともに独立国家として踏み出す夜明けの扉を開いた人物になるような気がしてきた。
皮肉でも何でもなく、そんな感じがしてきた。勿論、それを彼が意図していたかどうかは別なのだが、結果として独立国家の夜明けを導いたことになるような気がしてきた。勿論米国から独立である。

最近の政治論壇の主たるテーマは郵政西川社長の継続は是か非かである。
解散総選挙が何時なのか?都議選で自民は第一党が守れるか?果たして総選挙で自民は勝てるのか?ではなく、郵政の西川社長の人事にスポットが当たっていた。
そして、昨夜(22日)麻生首相は既定方針通り、佐藤総務相の報告を受け日本郵政西川善文社長の続投を了承した。これで、西川社長継続問題は取敢えず決着したわけだが、世論の75%が反対している西川社長を承認したことで、鳩山邦夫衆議院議員を更迭して(辞表の形式)支持率を下げ、完全に承認したことで支持率は又僅かに下げることになるのだろう。

西松事件の公判冒頭陳述を読む限り、検察の捜査能力不足と冷たい世間の視線に晒され、見えてきたのは立ち往生している検事達の馬鹿面だと云う事がほぼ判明してしまった。
郵便不正での厚労省村木局長逮捕も勇み足が濃厚で、全面否認に合い立ち往生しているようだ。また、この関連では民主党議員ばかりではなく自民党の派閥領袖にまで話が伸びる危険が生じてきて、藪蛇な捜査に着手してしまったらしく、これも立ち往生しているという噂である。

つまり、麻生政権が何処でどのように解散しようと神風は吹かず、総選挙で惨敗することはほぼ確定的になってきた。マスコミもそのことは概ね認識しており、諦めの境地に入っている様相だ。朝日新聞やテレビ朝日などは政局絡みの報道を後ろへ後ろへと追いやる戦術に出ている(笑)

ところがである、郵政の西川社長の人事関連では死ぬ物狂いの擁護論があらゆるメディアに登場している。この点が、実は非常に重要なのだ。
戦後のわが国に流れていた目に見えぬ、具体的組織も明示できない、雲のような米国の圧力(時には幻想や妄想まで手伝って)の呪縛が今も現実に起きているということなのだ。
西川擁護に立つ人々は経団連を中心とする財界人(奥田・トヨタ、御手洗・キャノンら)と改革派と称する(小泉-中川秀-竹中-安倍晋・菅義偉・石原伸―ゴールドマンサックス)そして評論家(田原・財部-大谷-高野など)マスコミでは(日経新聞・朝日新聞・報道ステーションなど)であるが彼らが必死で守ろうとしているのは麻生政権でもなく、自民党でもないのだ。
では何を守ろうとしているのか?それは既存の「日米の国家間の構造」なのである。米国の消費構造に依存した日本の経済構造と米国の核に依存した日本の安全保障構造を守らなければ大変になると云う危機感なのである。
総選挙で自民党が下野、民主党中心の政権が出来たとしても、この「日米の国家間の構造」を壊してはいけないという考えに囚われている人々なのだ。
民主党政権が、この「日米の国家間の構造」を大きく破壊しようとした時自民党の復活もあり得るし、場合によると民主党政権を「雲のような米国の圧力」が積極的に潰しにかかるに違いないと思い込んでいる人々なのである。勿論、この既存の「日米の国家間の構造」の中で泳ぐことで多くの利益を得ている集団でもある。

麻生太郎の功績は、正論を語り国民の大きな支持を得た鳩山邦夫という変人を切り捨て、西川と云う住友財閥の男を選択したことで、これらのパワー集団「日米の国家間の構造維持派」をあぶり出し世間に晒したということだろう。この集団は「日米の国家間の構造」=「米国の属国としての日本」の方が自分たちに都合が良いし、結果的に国民も幸せに違いないと思い込んでいるわけである。

しかし、米国が今後も現在の「日米の国家間の構造」を守りきれるパワーがあるのか、維持する気があるのか?或いは中国を日本の替わりにしようとするのか判断しかねる時代に突入しているのも事実なのだ。
永遠に米国が最強の国家だという保証はどこにもない。モノ作りを忘れ、金融に明け暮れ、消費に明け暮れ、国債を乱発し、戦争に明け暮れた国家が永遠だと断言できるものではない。
世界が米国中心に永遠に回り続けるのか、そろそろ様々な方向に目を向けるべきではないのか、ここは日本にとっても戦後初めての思案どころなのである。しかし結局この問題は国民が選択すべき問題なのだ。

麻生太郎は自民党を救えなかったが、既存の「日米の国家間の構造」の存在と「雲のような米国の圧力」の存在を国民に意識させ、今後の日本の外交の方向性を戦後初めて真剣に考えるべきだと知らせた功績は非常に大きいものだと考える。

小泉-中川秀-竹中-安倍晋三・菅義偉ラインに脅かされたというだけで、麻生太郎が朋友鳩山邦夫を切り、支持率が低下することも承知の上で決断したという推測は短絡的過ぎる。きっと麻生太郎はこの「目に見えない米国の圧力」を国民に知らせるために、敢えて馬鹿げた決断をしたという推論を展開してみた。

勿論、ただ「麻生降ろしをするぞ」「サミットにも行けないぞ」と脅かされ決断したという推論も成り立つが、たまには麻生太郎を評価する論評がしてみたくなっただけである。

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