世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●国際社会という欺瞞 中露、中東、南米は国際じゃない?

2014年09月15日 | 日記
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●国際社会という欺瞞 中露、中東、南米は国際じゃない?

 日本のメディアや識者が、日常的に口にする言葉に「国際社会」と云う都合の良い言葉がある。以下の日経の記事など読んでいると、国際社会って概念の定義はどういうものなのか、チョッと興味が出てきた。そう言えば、日本の馬鹿政治家が、外国でペラペラ話したことは概ね「国際社会に宣言した」とか「国際公約」になった等と平気でマスメディアは使うのだが、そのような口から出た言葉が、常に契約になると云う考え自体奇妙だ。公約とか、契約とか、そういう類には、双務関係があって然るべきだが、日本の場合、常に片務な関係で国際公約が、政治家の勝手に行われる。しかし、実務的には、その公約など、何の義務も持たないのに、金科玉条の如くメディアは振り回す。

≪ 「イスラム国」が英国人殺害か 国際社会、対抗姿勢強める
 【ドバイ=久門武史、ロンドン=小滝麻理子】イラクとシリアの一部を支配するイスラム過激派「イスラム国」は13日、英国人の援助関係者デービッド・ヘインズ氏(44)とされる男性の首を切断して殺害する映像をインターネット上に公開した。欧米人の殺害映像は米国人2人に続き3人目。米英は強く反発、国際社会はイスラム国への対抗姿勢を強めている。
 「米国の同盟国へのメッセージ」と題した映像で、実行犯の覆面姿の戦闘員はキャメロン英首相に向け「おまえの約束のためにこの英国人は代償を払わなければならない」と述べた。戦闘員は英国風アクセントの英語で話し、さらに別の英国人とされる人質を引き出して見せた。英外務省は映像が本物であるとの認識を示した。ヘインズ氏は昨年春、シリアで人道援助組織の活動中に拘束された。
  キャメロン首相は14日、「悪魔のような仕業だ」「イスラム国はイスラム教徒ではなくモンスターだ」と激しく非難したうえで、「この脅威に立ち向かうた め、いかなる必要な手段も取る用意がある」と述べた。米軍による空爆への参加は明言しなかったが、与党・保守党からも参加を除外すべきでないという声が出 ている。
 国際社会は「イスラム国」に対抗する動きを強めている。オーストラリアのアボット首相は14日の記者会見で「イスラム国」への攻撃に備え8機のF18戦闘機や空中給油機を含む計600人の要員などを、米軍が作戦拠点を置くアラブ首長国連邦(UAE)の基地へ派遣すると発表した。空爆などイラクで軍事活動に参加する場合は「改めて決断を下す」とした。アボット氏は米国からの正式要請に基づき、有志連合の一員として軍の派遣やイラク軍への助言を行うと述べた。
 フランスは15日、パリで「イスラム国」への対応を協議する国際会議を開く。16日に開幕する国連総会では、オバマ米大統領が国連安全保障理事会で首脳級の特別会合を主催する。
 一方、トルコは軍事作戦への参加を見送り、南東部インジルリクなどの軍事基地は補給などの後方支援や人道支援目的に限って使用を認める方針だ。 ≫(日経新聞)

  「イスラム国」のビデオが本物であるなら、たしかに惨たらしい殺害方法である。しかし、幾分文化の違いも考慮する必要がある。ナイフであるとか、刀による殺傷を欧米人は極度に怖れる。欧米人、及びその腰巾着勢力を持って、「国際社会」と云う名称が使われていることも考慮すべきだ。日本人などは、単純に「何処どこの、何のたれべえ」と名乗ったうえで、刀等で殺傷を行った。欧米では、貴族たちの決闘を除けば、概ね矢や鉄砲と云う“飛び道具”での殺傷が得意である。そうそう、アメリカには貴族はいなかったから、ネイティブアメリカンを、鉄砲と大砲で殺戮したんだっけ(笑)。

 日本刀には“魂”が宿り、先祖や、以前の持ち主のDNAみたいなものが伝播し、血の臭いのする名刀とか、妖気を発しているとか、時代劇ではよく聞くセリフである。西部劇やスパイ物で、そのように、道具に対する“魂論”はあまり聞かれない。おそらく、偶像化することを嫌う宗教の所為だろう。あまり自信のない根拠だがね。そういう日本民族的感覚から行けば、ビンラディンを殺戮する状況を暗視カメラ実況し、それをホワイトハウスとかで見ていて、「余は満足じゃ」と云う方が、余程残虐である。まして、コンピュータ制御の無人飛行機で、ゲーム感覚で「ビンゴ!」なんて感じで、パキスタン人を殺害している方が、余程残虐だともいえる。

 死刑執行の方法も、色々と試されているが、どれもこれも、今一つ、人権を守りながら、死刑を執行し難いのが、現実だ。何度絞首刑にしても、絶命しない死刑囚がいるわけで、下で看守が足を引っ張るのをご存じだろうか?ガスも電気も、絶命しないことが多く、薬との併用とか、殺す方法論を議論していたら、人命の尊厳を守りながらの死刑執行には「ギロチン」が一番確実だそうである。どうも欧米人は、自分が人を殺したと云う実感を記憶することが苦手なようだが、イスラムの人々が苦手だとは言えないだろう。原爆落として、見知らぬ市民を殺す方が残虐だと云う理屈もある。

 本日は、気分一つの感想を述べただけだが、人を殺すにしても、文化の違いで、様々な受け止め方があり、欧米イコール世界のスタンダードと云う、この不遜さが、世界の癌になっていることに彼らは一切気づかない。特に、アメリカ人が、この辺は際立って異常な為政者が多いようである。歴史を抱えた文化を持たないコンプレックスがこんな形で、世の中にばら撒かれ、それがヒューマニズムだと言われても、ハイそうですかなんて、口が裂けても言えるものではない。イスラム国の処刑も残酷だが、アメリカ軍の無人機殺人は、もっと残酷で、且つ卑怯である。本日は、この事が言いたいだけのコラムである(笑)。

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