世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●反対意見ほど重要 誤謬の道を歩まぬ知恵は対岸にあり

2014年09月26日 | 日記
ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)
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●反対意見ほど重要 誤謬の道を歩まぬ知恵は対岸にあり

 何度もノーベル賞受賞の機会を“ベトナム反戦発言”などで、米国流に嫌われ、受賞を逃してきた、正義の経済学者、宇沢弘文氏が亡くなった。もう一度、講義を聞いてみたいお一人だっただけに残念だ。公害や地球環境問題にも積極的な発言を続け、リベラル性の強い意志の強い稀有な学者であった。ご冥福を祈る。

 本日は多忙の為、以下のロシアの声による、オバマ国連演説に対する論評を参考引用し、失礼する。自分の感情に好ましいものだけを読まず、不快と感じる陣営の考えや視点も、幅広く知ることが、教養のはじまりである。「空気」に逆らう、強靭な意志と知的好奇心、混沌に生きる我々には欠かせないようになりつつある。明治維新における、欧米追随文明文化信仰が未だにわが国を覆い尽くしていることは、甚だ憂慮されることである。

≪ 米国の幻視する「安全な世界」
【 米国のバラク・オバマ大統領が国連総会で行ったスピーチは、平和を愛する者のそれとは聞こえなかった。ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相はこう断じた。オバマ大統領はグローバルな脅威に一致して取り組むよう、国際社会に呼び掛けた。グローバルな脅威として、エボラ出血熱、中東におけるテロリズム、そしてロシアが名指された。】

ニューヨークの国連本部で開催中の第69回国連総会は水曜、一般政治討論を迎えた。伝統に則り、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領が開幕を告げた。その演説の中でルセフ大統領は、国際社会における先進諸国の「声の小ささ」を非難した。 これに次いで演壇に立ったのが米国のオバマ大統領である。ノーベル平和賞受賞者は好戦的だった。

オバマ大統領は世界に対し、グローバルな脅威を前に結集するよう呼びかけた。その「グローバルな脅威」として名指しされたのはエボラ出血熱、中東におけるテロリズム、そしてロシアだ。オバマ大統領は「歴史の正しい側に立つよう」呼びかけた。しかし米国がエボラウィルス対策として兵士を現地に送り込み、国際社会におけるロシアの振舞を批判する中では、これに素直に応じるわけにはいかない。

ラヴロフ外相はこれを「責任転嫁」と評している。
「オバマ氏のスピーチで、国際平和・安全保障に対する脅威として、ロシアが第二位を頂戴した。第一位はエボラ出血熱。第二位が「欧州におけるロシアの侵略行為」。 第三位が「イラク・レバノンのイスラム国」「アルカイダ」その他、中東を跋扈するテロ集団。ただし、中東で特にテロが盛んなのは、米国が国際法に反して干渉を行った国々なのだが。

さて、今日行われた米国大統領の演説では、米国流の世界観が示された。米国と言えば、その安全保障ドクトリンに、「いかなる国連安保理決議、いかなる国際法主体とも独立に、自己の判断に基づき武力を行使する権利を留保する」と書き込んでいるような国である。私が聞いたのは「平和主義者のスピーチ」などではなかった」

総じてオバマ大統領のスピーチは、今日の世界はかつてより遥かに自由かつ安全である、という認識に立脚している。これは大統領およびその演説原稿を用意した大統領府のブラックユーモアであろう。欧州では、ウクライナでは、数か月にわたり兄弟殺しの戦争が続けられた。千人単位で人が死に、数十万人が住む家を追われた。

中東では過激主義が横行し、今にも国家が崩壊しようとしている。テロ組織は米国人を含む諸国の市民を人質にとり、公開処刑を行っている。それなのに、米国大統領は国際社会に対し、世界は良くなっていると言うのである。「ポリチカ」基金のヴャチェスラフ・ニコノフ総裁は次のように語っている。

「米国のRand Corporationによる現代テロリズムに関する研究を含め、信頼できる複数の国際的な研究に、ここ数年、アルカイダをはじめとするテロ組織の員数が急増し、テロの脅威が急騰していることが示されている。世界のテロリスト人口は、2001年に米国が対テロ作戦を実行して以来、50倍に増大している。テ ロの発生件数も同様に増大している。なるほどテロの多くは中東で起きている。米国では起きていない。しかし、それでも世界がより安全になったとは言えな い」

米国の無謬性、例外性、優越性は、かつて国内向けの宣伝だったが、今や国際社会に鼓吹されている。そうでもしなければオバマ氏は、大統領就任以来7年間で、他人の領土で7つの戦争を展開したことを正当化できないのだ。ロシアの欧州議会常駐代表部代表、アンドレイ・ク リモフ氏はそう語る。

「これはシニズムである。私には、オバマ氏が愚か者だなどとは言えない。私には、彼は情報弱者だなどとは言えない。しかし彼が白を指して黒と言い、黒を示して白と言うなら、神明に徴して明らかに愚か者である。少なくとも、オバマ氏の大統領在任中、(他の)主権国家を舞台に行われた軍事行動の件数は、彼の在任期間と同数である。しかも、米国はまず国家機構の破壊、混沌の創造に加担し、次いで誰彼構わず武装させ、しかるのちその武装した者たちと戦うのである。こういう不条理を自ら演ずるのである」

第69回国連総会の一般政治討論は 10月1 日まで続く。この間、国・国際機関の首脳または高官140人以上が演説を行う。ロシア代表団を率いるセルゲイ・ラヴロフ外相のスピーチは27日に予定されている。 ≫(ロシアの声: ナターリヤ コワレンコ)

*筆者注:シニズム、シニシズムとは、≪本当は思想や理想、イデオロギー、主義とかが嘘であることを知ったうえで、尚且つ、誰もが嘘と知りつつ、「ゆえに、我々、そして彼らは、それを信じたフリを止められない状態≫

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2 コメント

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プロは出来る方法を考える (ミジンコ)
2014-09-26 20:19:57
オバマさんは、
国連のひな壇に座る総長と何ら代わりのないお雛様。
スケールを小さくすれば、
日本国内の政治家と官僚とコバンザメ企業家。

今の時代は、
表に出るものはロシア政府を除いて
すべて裏社会の牛耳る八百長レスラーの
演技が多くの人々を混乱させているに過ぎないと
感じます。

10%の黒と白は、言論で拮抗しているけれど、
その他90%のB層は、情報弱者であり、
私の思考する正義の騎士は、
情報弱者には見えることはありません。

全ては広報(マスコミ等)次第というのが現実と、
この戦況を認識せざるを得ない。

生活を守るために、背に腹は変えられない。
これが世の中の多くの人々の現実ではないのでしょうか。

私の命で、その戦況を変えることが出来るのなら、
この命惜しくはありません。

しかし私は、空気では動きませんよ。

何とか未来の為にこの状況を突破させたいのですが、
その為には、ある程度の規模で
中身のある議論をする場が欲しいですね。

今の現実感を共有できる事が条件ですけど・・・。

余談になりますが、私の好きな言葉に、
『素人は、出来ない言い訳を考える。
プロは、出来る方法を考える。』

なのですが、
多くの人々は、この見分けはつきません。

現実の危機を目の当たりにしないと駄目ですかね(涙)
人々に幸せをもたらすプロレスなら歓迎なのですが・・・。
返信する
賛成意見も有るのですね (夢想正宗(元公儀解釈人胴田貫))
2014-09-27 01:41:32
賛成意見も有るのですね この安倍自民党ファシズム政権の中で
ミジンコさんのコメに勇気を貰いました まだ こういう人が居ると言う事は 世の中捨てた物じゃないですね
しかし 月光仮面やウルトラマンなら 間違い無く 時間枠の中で 悪党を退治してくれるのですが 現実世界では厳しいですね B層を操るマスゴミメディアが空気を作り上げ 羊の群れの如く それに従う労働組合は骨抜きだし 非正規労働者は疲弊して考える力も湧かない 一方的な世の中 ペンは剣よりも弱くなってしまったし
返信する

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