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●“言い訳三昧な国” 日銀販売機、東電、東芝、MRJ…
日経新聞が、ブイブイ好き勝手な世論調査の結果を報じている。日本人がバカなのか、日経が嘘つきなのか判らないが、安倍晋三が、ヒーヒー歓んで随喜の涙を流しそうな世論調査を報じている。内閣支持率は62%!円高株安で、比例配分のように「アベノミクス」への評価が右往左往する。つまり、何も判らずに答えている証拠じゃないか(笑)。また、黒田は駄目だが、安倍首相は評価する?あきらかに論理の矛盾である。話にならないのは、国民なのか、日経新聞なのか、そこがそれなりに問題だ(笑)。
この中で、やっぱりヤバイと思った調査結果が、二つある。一つは、2020年・東京オリンピックまで、安倍首相が良い、が59%もある。またまた、安倍の雄叫びが聞こえてくる。まあ、自民党政権の総裁を永遠に終身制にしても、筆者はさして構わないので、どうにでもしろだ。総裁イコール首相と云う約束事があるわけではないから、お好きにと云う感じだ。大問題なのは、55%の国民が、もっと「対中強硬姿勢」に出なければ駄目だ、という感情的吹き上がりが認められる点だ。
これは、昨日の中国が好戦的国家なのか?と疑問を呈したばかりだが、そのコラムの中で書いておいたが、日本の方が「好戦的国家」なのでは?と不安視したばかりだが、ズバリ、そういう傾向を世論調査でも目撃することとなった。まあ、自分が矢面に立つわけではない国民の、単なる感情の吹き上がりなわけだが、こういう傾向が続くようだと、強硬姿勢支持のご意見の人々には、もれなく、海上保安庁及び自衛隊の後方支援者として、登録頂く制度でも考えた方が良い。皆さん、愛国心と蛮勇の持ち主、お口だけではない証をご披露いただくのが筋だろう(笑)。
≪ 内閣支持率62%に上昇 本社世論調査 マイナス金利「評価しない」47%
日本経済新聞社とテレビ東京による26~28日の世論調査で、内閣支持率は62%と今月9~11日の調査より4ポイント上昇した。60%台に乗せたのは 2014年9月の内閣改造直後の調査以来。不支持率は5ポイント低下の27%だった。安倍晋三首相が閉会式に出席したリオデジャネイロ五輪が盛り上がり、 4年後の東京五輪への期待が政権の追い風になった可能性がある。
導入から半年たった日銀のマイナス金利を「評価する」は33%で「評価しない」の47%を下回った。同じ質問をした2月より「評価する」は10ポイント 増えたが、なお「評価しない」を下回る。マイナス金利は投資や消費を活発にすることで物価の上昇を促す。これから物価が上がると思うか聞いたところ「上がると思う」は60%、「上がると思わない」は33%だった。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」の評価は「評価する」が40%、「評価しない」が43%。7月調査は「評価する」が「評価しない」を上回ったが、再び「評価しない」が多くなった。
主な政党の支持率は、自民党が44%で8月9~11日の調査より3ポイント上昇した。民進党は4ポイント低下して8%。公明党とおおさか維新の会から党名を変更した日本維新の会がともに4%、共産党は3%だった。支持政党のない無党派層は5ポイント増えて31%だった。
調査は日経リサーチが26~28日に全国の18歳以上の男女を対象に、携帯電話も含めて乱数番号(RDD方式)による電話で実施。1055件の回答を得た。回答率は47.0%だった。 ≫(日経新聞電子版)
注:詳しくは下記URLにて
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS28H2N_Y6A820C1MM8000/?dg=1&nf=1
次に、呆れてものが言えないのが、三菱航空機が開発を進める国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の体たらくだ。「飛行の安全に問題はないが、慎重を期して引き返すことを決めた」などと、見え透いた言い訳三昧だが、日銀黒田とソックリだ。何かある毎に、屁理屈を用意するが、根本的部分で、何やら瑕疵がある予感をもつ。日銀黒田の話は、もっと複雑だが、言い訳三昧では、クリソツだ。そう言えば、東京電力と云う会社の事故や終息作業における、事実隠しや言い訳三昧も、これ皆、日本の同質の問題点なのだろう。
≪ 空調不具合、信頼に影響も 2日連続Uターン
三菱航空機が開発を進める国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」は28日午後、米国に向けて愛知県の県営名古屋空港を離陸したが、前日に続いて空調システムで不具合が見つかり、2日連続でのUターンを余儀なくされた。同社は、試験飛行を行う米国に8月中にMRJを移送する方 針だが、台風10号の接近による悪天候も予想され、ずれ込む可能性もある。【林奈緒美、竹地広憲】
不具合が判明したのは、機内の温度や気圧を一定の状態に保つ空調システム。27日にも、同システムの稼働状況を把握する監視機能が異常を示したため、離陸から約1時間後に引き返した。部品交換と地上での試験を経て、28日午後0時58分ごろに再び離陸。しかし、新潟県上空を飛行していた午後1時21分ごろ、前日と同じ部分が異常を示し、2時間15分後の午後3時13分ごろに名古屋空港に着陸した。国内での試験飛行では空調システムに不具合は生じなかったという。
MRJは、北海道・新千歳空港やロシア、米アラスカ州などで給油した後、約3日後に米西部ワシントン州に到着する計画。28日にUターンを決めたのは北海道函館市の上空だった。空調自体は稼働しており、新千歳空港まで飛ぶこともできたが、米国での試験飛行を前に重大なトラブルに発展するリスクの芽を極力摘んでおきたいため、開発担当者がそろう名古屋への帰還を選んだ。三菱航空機は「飛行の安全に問題はないが、慎重を期して引き返すことを決めた」と説明する。
「万全を期した結果」とアピールしたい三菱航空機。早期にMRJの移送を終え、9月以降に試験飛行を本格化したいところだが、不具合の原因究明が長引けば、開発スケジュール全体に影響を与えたり、MRJの信頼性を揺るがしたりする懸念もある。
そもそもMRJは、米国入りの前段階でトラブルが続いていた。昨年11月に名古屋空港で初飛行に成功したが、翌12月にはMRJの試験項目追加などで、全日本空輸への初納入を1年程度先送りし、2018年半ばにすると発表した。初納入の延期は4度目になる。
航空業界の関係者からは「最近の旅客機はコンピューターの塊。航空機の胴体など構造物の設計分野で三菱は強みを持つが、ソフト分野では経験が十分ではない。今後、空調以外でも不具合が判明する恐れもある」(元航空機メーカー幹部)との声も漏れる。三菱航空機は「今回の不具合で、初納入の時期に影響はない」と説明するが、顧客の航空会社からは「さらなる納入の遅れが表面化すれば、MRJの一部注文を取り消し、他社製に切り替える可能性もある」との見方も出ている。 ≫(毎日新聞)
日銀動向のみが興味の市場参入者、もう東京証券取引所は、公開の株式市場ではない。マーケットの健全性云々の段階は過ぎている。日銀の金融政策如何で、7割決定し、残り3割が、為替介入云々なのだから、企業業績や将来性で、株を取引するシステムは、少なくとも、我が国では「官製相場」のお蔭で、完全に消えたといっても構わない状況だ。どちらに転ぼうとも、個人消費が上向く方向の政策が出てこない限り、黒田や麻生の口から出てくる言葉は、単に「言葉」であって、それ以上でもなく、それ以下でもない、そう云う按配になっている。
≪ 日銀黒田総裁「マイナス金利、資金需要を刺激」
日銀の黒田東彦総裁は27日、米ワイオミング州ジャクソンホールでの討論会で、マイナス金利政策によって「(企業や家計の)資金需要が刺激され た」と語った。同政策が「幅広い借り入れ主体に恩恵を与えている」と効果を強調。利下げの限界までには「まだかなりの距離がある」とも述べ、必要に応じて マイナス金利を深掘りする考えを強くにじませた。
黒田総裁はマイナス金利政策によって「長期・超長期の国債金利は大幅に低下した」と指摘。企業や家計の資金調達金利も下がり、企業の長期資金需要や家計の住宅ローン資金需要が刺激されていると話した。特に、社債市場で20年満期などの超長期債の発行が増えていることを「新しい動き」として強調した。
マイナス金利がどんどん進むと、民間の経済主体がマイナス金利の適用を避けるために現金の保有を増やし始めるとの見方が多い。黒田総裁も「中央銀行がいくらでも望み通りのマイナスの水準に金利を引き下げられることを意味しているわけではない」と認めたが、現在の金利はマイナス0.1%で、限界はまだ先との考えを示した。
黒田総裁は物価2%の実現に必要であれば 「ちゅうちょなく追加的な緩和措置を講じていく」とも述べた。日銀の政策手段である量、質、金利のいずれについても「追加緩和の余地は十分にある」と指摘した。日銀は9月20~21日の金融政策決定会合で政策の総括的な検証を行い、必要に応じて緩和策のさらなる強化を検討する。 ≫(日経新聞電子版)
≪ マイナス金利下限に「かなり距離」、量・質も緩和余地=日銀総裁
[東京/ジャクソンホール(米ワイオミング州) 28日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は27日、米ワイオミング州ジャクソンホールでの年次経済シンポジウムで講演し、日本のマイナス金利水準である0.1%は下限に「かなりの距離」があると述べ、さらなる深掘り余地を示唆した。
物価2%目標の早期実現に必要なら量・質・金利の3つの次元でちゅうちょなく追加緩和措置を講じるとし、いずれにも追加緩和余地があると語った。
日銀は9月20、21日に開く金融政策決定会合で、マイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の「総括的な検証」を行うが、講演は検証に向けて多くを示唆する内容となった。
総裁は、今年1月に導入を決定したマイナス金利政策について、QQEと相まって金利が大幅に低下し、「幅広い借り入れ主体に恩恵を与えている」と評価した。 そのうえで「いくらでも望み通りの水準に 金利を引き下げられるわけではない」としたが、現行のマイナス0.1%という水準は「新たな下限制約からは、まだかなりの距離がある」と指摘。マイナス金利政策の導入で「負のショックへの対応に、より大きな自由度を獲得した」と語った。
先行きの金融政策運営は、毎回の金融政策決定会合でリスクを点検し、物価目標実現に必要と判断した場合は「ちゅうちょなく、量・質・金利の3つの次元で、追加的な緩和措置を講じていく」との方針をあらためて表明した。
マイナス金利付きQQEは「非常に強力な枠組み」とし、「量・質・金利のいずれも、追加緩和余地は十分にある」と強調。「この枠組みをどう使って、2%の物価安定目標を早期に実現するか、しっかりと検討し、実践していく」と語った。
日本の予想物価上昇率が弱めの動きとなっていることについて総裁は、2014年夏場以降の原油価格の大幅な下落に「起因するとの見方を否定することは難しい」と指摘。日本の長期のインフレ予想は1990年代以降、2%よりも低いままだったとし、「2014年時点で日本経済は(インフレ予想が)リアンカリングの道半ばであったため、インフレ動学が負のショックに対して脆弱だったといえる」との見解を示した。
ヘリコプターマネーに関する質問に対して総裁は、国内法では制限があると説明。そのうえで日銀の国債買い入れ規模を考慮すると、買い入れ可能な国債は「急速に縮小を続けるだろう」としたが、量的緩和の実質的な上限への対応について言及はなかった。 ≫(ロイター:伊藤純夫)
≪ 株式市場は「隷属への道」を歩む 編集委員 小平龍四郎
今、株式市場で最も注目されている投資家は、外国人でも個人でもありません。1年間に上場投資信託(ETF)を6兆円購入すると宣言した日銀で す。中央銀行が株式市場にこれほど直接、手を突っ込む例は世界的にごくまれです。経済の国家管理に警鐘を鳴らしたハイエクの書ではありませんが、日銀頼みが強まる株式市場を見ていると「隷属への道」という言葉が脳裏をよぎります。
株式相場の報道で「日銀」や「ETF」といった言葉をよく見るようになりました。最近の例では8月23日付日経朝刊の「スクランブル」にこうあります。
「日銀のETF買いが相場を下支えしているのは間違いない。13年以降の株価と為替相場の関係から試算すると、1ドル=101円なら日経平均は1万4000円台半ばになるはず。今の株価との約2000円の差は『日銀効果』といえる」
日銀は7月28~29日の金融政策決定会合でETF買い入れの増額を柱とする追加金融緩和策を決めました。それまでの年3.3兆円の買い入れ枠を6兆円へと拡大させたのです。国際金融市場で不透明感が高まるなか、日本企業の「前向きな経済活動をサポートする」というのが、日銀の公式の説明です。
かみ砕いて言うと、こんな感じでしょうか。株価の底割れを日銀が防ぐことにより、企業が安心して資金を調達し、その資金が投資などに回れば雇用増や賃上げにもつながる。そうした好循環を日銀が株式市場発でつくる――。
■決して売りに回らない買い手
6兆円という数字の重みを確かめておきましょう。東京証券取引所の集計によれば、アベノミクス(安倍晋三首相の経済政策)への期待で株高が続いた2013 年度の外国人の買越額は約9兆円でした。6兆円はその約3分の2に相当します。しかも、外国人は独自判断で売りに回ることもありますが、日銀は常に買い手です。決して売りに回らないことへの安心感まで考え合わせると、日銀のETF購入が市場に与える影響は6兆円以上のものがあります。
日銀のETF購入が始まったのは、まだ白川方明氏が日銀総裁だった10年10月。年間の買い入れ枠は0.45兆円でした。リーマン・ショック後の 対応の鈍さが批判された日銀が打ち出した、「包括緩和」の一つでした。黒田東彦氏が総裁に就任し、13年4月の「量的・質的緩和」のメニューの一つとして ETF購入を1兆円に拡大。そこから3年とちょっとで約6倍になったわけです。日銀の株式市場への積極的な関与ぶりが分かります。
ここまでETFを買い続ければ、株主としての日銀の存在感も高まります。JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏はこんな試算を発表しています。
7月末現在で日銀は8.7兆円のETFを保有。このほか日銀は金融機関から買い取った株式も持っているため、それを含めると日銀の持ち株比率は浮動株ベースで3.2%となる。1年後には5.1%に上昇する可能性があり、日本企業全体の大株主となるといってもよいかもしれない――。
個別企業にも目を向けてみます。日銀はETFを購入することによって、株価指数を構成する企業の間接的な株主になっていると見ることができます。ニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏が計算したところ、日銀は7月末の時点でミツミ電機の株式の11%を間接保有しています。このほかの日銀が大株主になっている企業は、表の通りです。注目したいのは、日銀が本当に年6兆円のペースでETFを購入すると、日銀が10%超を保有する企業が1年後にはごろごろ現れることです。
日銀がフローとストックの両面から株式市場で存在感を高めることについて、警戒する声も強まり始めました。
■市場を通じた資本配分にゆがみ
まず、企業経営への影響です。業績が良くても悪くても日銀が買い支えてくれるわけですから、市場を通じた経営への規律づけが、弱まる可能性があります。さらに、ETFは手数料が低く抑えられているため、運用会社による議決権行使などが不十分になる懸念もあります。競争力の弱った企業の株価が人為的に高く保たれ、企業統治(コーポレートガバナンス)も効きにくいとなれば、市場を通じた資本配分はゆがみます。日本経済の潜在成長率も押し下げられるでしょうか ら、アベノミクスの数々の成長戦略の効果を減殺してしまいます。
次に日銀への影響です。株式は国債よりずっとリスクの高い金融商品です。 単純に保有高の多寡を見ていても日銀が抱えているリスクは分かりません。ゴールドマン・サックス証券のエコノミスト、馬場直彦氏は日銀の株式保有総額が 18.5兆円程度まで増加すると仮定し、株式市場の過去の変動率などを参考にリスク量を算出しています。その結果、代表的なリスク量指標であるVaR(バ リュー・アット・リスク)は10兆円になったそうです。これに対して、日銀の3月末の自己資本(資本金・準備金と引当金の合算)は7兆円強しかありません。
こうした試算に基づき、馬場氏は「ダウンサイドリスク・シナリオが万が一実現してしまった場合には、資本不足に陥る可能性が高い」と指摘していま す。資本不足にならないまでも、日銀のバランスシートへの懸念が高まれば、通貨の信認が揺らぎかねません。円が信用されないという非常事態になれば、株価の下支えや「前向きな経済活動をサポート」どころの話ではなくなります。
ここまで大げさに心配してみせなくてもいいのでしょうが、気になることが1つあります。それは、日銀のETF購入を所与の前提として期待する市場参加者が増えているのではないかということです。日々の相場報道でも「日銀のETF購入を警戒して売るに売れない」とか「予想されていた日銀のETF買いが入らなかったので、相場が急落」といった記述が目につきます。
投資家が独自に相場の方向性や企業の将来性を分析し、多様な見方をぶつけあうことによって株価は形成されます。一人ひとりの市場参加者が思考停止となり、日銀の動向をうかがうばかりでは、もはやマーケットとはいえなくなります。「隷属への道」などと仰々しい本の題名をあえて持ち出したのも、そうした問題意識を共有していただきたいからです。 ≫(日経新聞電子版)
隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 【新装版】 | |
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