世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

原発容認も増税容認も、無知のなせる技 時間とともに愚衆も気づく

2011年04月28日 | 日記

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原発容認も増税容認も、無知のなせる技 時間とともに愚衆も気づく


  ちょっとばかり古いのだが、4月16、17日に実施した朝日新聞の世論調査を眺めていた。以下が眺めていた朝日新聞の記事だ。


≪ 原発「減らす・やめる」41% 朝日新聞世論調査
 朝日新聞社が16、17日に実施した全国定例世論調査(電話)で原子力発電の今後について聞いたところ、「減らす方がよい」と「やめるべきだ」が計41%だった。東日本大震災の復興財源にあてるための増税については「賛成」59%が「反対」31%を上回った。
 「原子力発電は今後どうしたらよいか」という質問で四つの選択肢から選んでもらうと、「増やす方がよい」5%、「現状程度にとどめる」51%、「減らす方がよい」30%、「やめるべきだ」11%。日本は電力の3割を原子力発電でまかなっていると紹介したうえで同様の質問をした2007年の調査では、「増やす」13%、「現状程度」53%、「減らす」21%、「やめる」7%で、「減らす」と「やめる」の合計が28%にとどまっていた。
 原子力発電の利用の賛否は「賛成」50%、「反対」32%。「反対」の層でも、原子力発電の今後について20%が「現状程度にとどめる」と答えた。男女別では、男性で「賛成」62%、「反対」27%だったのに対し、女性では38%対37%でほぼ並んだ。
 福島第一原発の事故に対しては、「大いに」56%、「ある程度」33%の合わせて89%が「不安を感じている」と答えた。
 他の原発で大きな事故が起きる不安については、「大いに感じる」が50%、「ある程度感じる」が38%。「大いに感じる」と答えた人のなかでは、原子力発電を今後、「減らす」「やめる」と答えた人の合計が55%と高い。
 復興財源のための増税に賛成する意見は、民主支持層で66%と高かったが、無党派層で59%、自民支持層でも53%に上った。復興の主な財源として増税と国債のどちらがよいか尋ねると、「増税」48%、「国債」25%だった。 ≫(朝日新聞)


  マスメディア系世論調査自体の胡散臭さは別にして、この調査に関しては、一定の範囲で日本人の原子力発電に対する意識は反映しているような気がする。大雑把に括れば、原発容認派が56%、反原発派が41%と云う傾向が見えてくる。筆者の周辺の人々の意識も、おおむね近似している。

 ただこの調査で重要な点は、反原発派の人々が真剣に原子力発電(放射能漏洩)に対して敏感に反応しているのに対し、原発容認派の人々の中には「停電されるのは困る」と云う、実利な人々の考えが色濃く反映している点である。

 つまり、東京電力の「計画停電」は生活者や産業界に「電気のありがたさ」を叩き込むには充分なプロパガンダ効果があったと云う事だ。「どうだ、原発無くなると、こういう事も起きるんだよ、わかったか!」と脅しをかけてみたら、いとも容易く人々は騙されてくれたと云うことだろう。まさに愚民の典型なのだが、犬を躾ける時のビスケットが電気とは、なんとも情けなくて涙がこぼれてしまう。(笑)

 原発容認派の人々の中に、何割の人が原発に替わる「代替エネルギー」の存在を知っているのか、知識を得た上で答えているとは到底思えない。早い話、なんでも良いから停電させないでよ、と電力会社に懇願している構図である。命乞いをしている市民達と云う鳥獣戯画を観ているような滑稽であるがゆえに、憐れが流れている。

 東電は更に追い打ちをかけるように、真夏の電力不足を脅しの材料に登場させる念の入れようだ。25%節電から、15%節電まで勘弁してやる。いつの間にか、主客が転倒しているではないか!

 経産省、経団連は東京電力の全面的免責を画策、菅政権もその方向で調整を試みたようだが、どうも評判が宜しくない。朝令暮改ならいざ知らず、日和見名人である菅直人は、現時点で東電と国の原賠法の適用範囲などは保留状態にしている。損害の金額が何兆円になるか判らない状況、流石に迂闊な事は言えないと気づいたようだ。

  一義的に東電が責任を負う問題と枝野も語る。首都圏の電力需要を独占的に牛耳ってきたのが、東京電力一社と云うことではなく、経産省等々を含む電力シンジケートなわけだから、投げやりも出来ない。かといって、経団連の米倉爺のよな自己中発言もするわけにはいかない。最終的には政府保証と国有化がセットの話に向かうのだろう。株主責任を負わせないと、世論の雰囲気が悪くなると、菅政権は気づいたようだ。

 朝日新聞が行った今回の世論調査のポイントは、原発の必要性と復興税の必要性だった。朝日の思惑通りの調査結果を導き、原発容認派が多い、増税賛成が多いとなったのだが、朝日の思惑と実際の世論には、相当の乖離があり、政治屋であっても、流石に気づいたららしく、原賠法を東電よりに扱うと、世論を敵に回す。迂闊に復興税路線を語ったが為に、増税は如何なるものも当面許さない雰囲気の方が勝る皮肉に出会うことになっている。

 財務省の役人が、欲をかき過ぎ、駄馬の先走りをするもんだから、根こそぎ増税路線の芽を摘んでしまった。昨年の参議院選前の消費税増税の過ちを再び繰り返した、と嘆いている。

 原発容認派も時間経過を待つことで、代替エネルギーは存在するし、政府が原発に替わるエネルギーとして国策政策を明確にすれば、充分実現可能だと事実を知ることになるだろう。原発容認派の8割は単なる無知によるものと判断するのが妥当だ。


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