世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

日本の既存ベクトルに逆らう 純粋な小沢イズムは何処まで通用するのか(1)

2012年01月19日 | 日記
小沢主義 志を持て、日本人 (集英社文庫)
クリエーター情報なし
集英社



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日本の既存ベクトルに逆らう 純粋な小沢イズムは何処まで通用するのか(1)


 ≪ 野田首相「政治・行政改革も全力」=古賀連合会長の要請に
 野田佳彦首相は18日午前、首相官邸で連合の古賀伸明会長と会談した。古賀氏は消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革について「国民に負担を求めるのだから、自らが身を削る努力が必要だ」と述べ、国会議員の定数削減などの実現に全力を尽くすよう要請。首相は「政治・行政改革も全力で取り組んでいきたい」と応じた。
 一体改革に関し、古賀氏は「分かりやすく国民に説明する対応が必要だ。増税だけが前に出ている感が否めない」とも指摘した。≫(時事通信)


  また労働貴族面した古賀とか云う連合の男が、政治・行政改革の真意を矮小化する手助けをしている。労働者の代表と称する「連合」などは、自治労・日教組・NHK労組や大企業御用組合色の強い、既存権益を消極的に守ろうと云う思想があり、所謂、資本家vs労働者と云う搾取構図とは似て非なる、疑似労働運動の集団といえるわけで、まぁかつての民社党の化身だと思えば、だいたい真実に近い。困ったことに、これらの集団がことの他選挙において集票力があるため、民主党のバックボーンの重要な一部を構成している。そこで、数回に別れるだろうが、小沢イズムの政治行政改革と、野田を含む松下政経塾出身者や市民運動家・似非左翼運動家らの違いを検証してみようと思う。

  ここ数日の拙コラムで述べた21世紀世界の潮流などを下地に、小沢一郎の「国民の生活が第一」の政治理念の実現が、現在の日本で可能なのかどうか、大雑把にだが考えてみようと思う。小沢の政治理念は自著「日本改造計画」に網羅されているが、その安直版で、小沢が自由党党首時代に語った「日本一新十一基本法案を国民に問う」に集約されている。その後の更なるアンチョコ版としては、「小沢主義 志を持て、日本人」09年政権交代後の民主党幹事長としてのもで、相当ブレイクダウンされているが、平易な説明で判りやすい。先ずは、「日本一新十一基本法案を国民に問う」をあらためて掲載しておく。

≪ 日本一新十一基本法案を国民に問う
 自由党党首  小沢一郎
 私たち自由党は 第百五十六通常国会で、「日本一新十一基本法案」を提出しました。政権交代を実現し、日本を根本から立て直すために、新しい日本の骨格をまとめた「新国家の設計図」であります。それらを一体として実施することで、究極の目標である「自由で公正な開かれた社会」と、「自立した国民による自立国家・日本」を実現しようと考えております。

  十一基本法案の概要を簡潔にご説明いたします。

  最も重要な「人づくり基本法案」は、現行の教育基本法に替えて、国、地方自治体、学校、家庭、地域社会が互いに協力して、「自由で公正な開かれた社会」の構築を担い得る「よき日本人」を育成するための基本方針を定めています。
  第二の「国民主導政治確立基本法案」は、国会における法案審議への官僚の関与を禁止するとともに、国会の立法調査機能を高めることで、国会を国会議員同士の討論の場に変え、国政を官僚の手から取り戻すことが目的であります。
  「安全保障基本法案」では、自衛権の発動としての武力行使は限定的に規定する一方、自衛隊とは別に「国連平和協力隊」を創設して、国連の安保理あるいは総会で決議が行われた場合には、率先して国連の平和活動に参加する――との原則を確立します。
 また、「非常事態対処基本法案」では、わが国への武力攻撃だけでなく、大規模テロ、大規模災害等に備えて、平時から内閣に、総理大臣を議長とする「非常事態対処会議」を設け、迅速な対処ができるようにします。
  第五の「地方自治確立基本法案」では、国の行政を外交、防衛、基礎的社会保障等、国の根幹に関わる分野に限定し、その他は全て、権限も財源も地方に任せることとし、地方自治体は概ね三百の市に再編成します。その第一歩として、地方への個別補助金は廃止し、一括交付金として配分します。
 「国民主導政治」以下の四法案はいわば、日本の統治機構の改革に関するものですが、次の五法案は、経済・社会の活力を高めるためのものであります。 その中核を成す「税制改革基本法案」は、所得課税の各種控除を原則廃止する一方、税率を大幅に引き下げて、現在の所得税を簡単で公平な「申告税」に改め、国民の誰もが自主申告して 納税する仕組みにします。社会保険料は現行水準以下に抑え、消費税は全額、基礎的社会保障の財源に充てます。
 それに関連して、「国民生活充実基本 法案」では、性別、年齢等に関係なく、誰もが安心して、生きがいを持って暮らせるように、勤労、社会保障、家庭生活等について、基本的な国民生活を保障する原則を定めています。特に、所得控除を廃止する替わりに、親と同居している人や、子どもを育てている人への手当を新設します。
  八番目の「市場経済確立基本法案」では、経済を活性化するために、事業活動に関する規制は原則廃止します。そのうえで、統一の市場ルールを定め、監視役の公正取引委員会の充実等によって、市場へのチェック機能を強化することにします。
 また、「特殊法人等整理基本法案」により、特殊法人、日銀を除く認可法人、独立行政法人は、原則として三年以内に廃止あるいは民営化して、肥大化した行政分野を縮減し、民間の経済活動の舞台を大幅に広げます。
 さらに、安全な農林水産物を国内で安定的に供給することを目的とする「食料生産確保基本法案」は、特に重要な米、小麦、大豆等について、原則として全て市場で取引する一方、生産目標枠を定めて、それに対する生産費・所得保障制度を創設することとしています。
 最後の「地球環境保全基本法案」は、新しい日本が国際安全保障と並んで、地球環境の保全に率先して取り組み、地球・人類に貢献することを国家目標とすることを、内外に宣明するものであります。
 以上の十一基本法案は、四月から逐次国会に提出し、去る七月十四日、「税制改革基本法案」を最後に全て出し終えました。正に「日本一新大綱」の完成であります。
 これら「日本一新十一基本法案」は、私たちが国会で多数派となり、政権を担った場合、半年以内に国会で全て成立させ、短期間で日本を立て直すことができるように工夫したものであります。また、日本の将来像と改革目標を国民に具体的に示すことで、国民自身の決断と選択によって新しい国づくりを行う政治手法を確立したい、と考えております。皆様のご理解とご支持を、心よりお願い申し上げます。平成十五年七月≫(自由党党首:小沢一郎)


  小沢一郎が「日本改造計画」で語った要旨を参考に目次的に羅列しておく。賢明な読者は、目次だけで、小沢イズムが何を言わんとしているか、容易に理解するだろう。1993年、未だ小沢が自民党幹部時代に著した政治理念本なので、時代の変遷で2012年の世界情勢や日本の状況で違和感、修正の必要はあるだろうが、民主主義体制の下、自主独立自尊の国民と国家像をぶれずに抱え、日本の政治シーンに君臨している存在感は、衰えているように見えて衰えていない。やはり戦後の政治家としては怪物である。

  【*迷惑な指導力の欠如、*権力を行使しない危険、*政府は「企業弁護士」か、*首相官邸の機能を強化、*官僚が決定権者か、*政党による政策の選挙、*全国を300の「市」に、*生かされていない官僚の頭脳、*誤解されている「吉田ドクトリン」、*国連待機軍をつくれ、*「世界貿易機構」をつくる、*10万人留学生の受け入れ、*個人を大切にする社会、*都市に住宅、地方に雇用、*所得税・住民税を半分に、*自由な人生設計ができない日本人、*高齢者の職場参加を進める、*女性も選択が可能な社会を、*管理型行政からルール型行政へ、*新・教師聖職論】 以上、今夜はここまでにしよう、眠くなってきた。(笑)




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