世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

野田改造内閣記者会見から感じるモノ 最終的に何もしない内閣と云う疑念

2012年01月14日 | 日記
国家の恥 - 一億総洗脳化の真実
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野田改造内閣記者会見から感じるモノ 最終的に何もしない内閣と云う疑念



 朝日新聞は野田改造内閣について、以下のように報じている。各社も似たようなもので、岡田の副総理起用で「消費税増税内閣」の姿勢が鮮明になったと論じている。果たして、その論調通りなのか、筆者は逆に眉に唾する解釈の虜になりつつある。(笑)先ずは朝日の記事を参考に掲載。

 ≪ 野田改造内閣「消費税シフト」鮮明 党内融和にも配慮
 野田佳彦首相は13日、改造内閣を発足させた。閣僚5人を交代させ、岡田克也前民主党幹事長を副総理兼税と社会保障一体改革・行政改革担当で起用し、 「消費増税シフト」を鮮明に打ち出した。一方、小沢一郎元代表に近い議員も登用し、党内融和に一定の配慮をした。首相は同日夕、首相官邸で記者会見し、 「課題を着実に推進するための最善かつ最強の布陣」と位置づけた。
 首相は岡田氏を自らに次ぐ政権の「顔」とし、「不退転の覚悟」と語った消費増税と社会保障の一体改革担当に充てた。3月末までの国会提出をめざす消費増税法案の審議を見すえ、今後は岡田氏と二人三脚で政権運営にあたる考えだ。    
 参院で問責を受けた一川保夫防衛相の後任に田中直紀民主党総務委員長を起用。中川正春文部科学相を退任させ、平野博文党国会対策委員長を充てた。平野氏は当初、消費者相兼国家公安委員長への起用が固まっていたが、岡田氏入閣で岡田氏側近の中川氏が退任し、文教行政に詳しい平野氏を後任とした。問責を受けた山岡賢次消費者相兼国家公安委員長の後任に松原仁国土交通副大臣、平岡秀夫法相の後任に小川敏夫参院幹事長を起用した。≫(朝日新聞)


 昨日の拙コラム「野田内閣改造、岡田副総理で開戦前夜に 党内融和人事は陰謀シナリオだったのだろう」とは真逆のような仮説も成り立つ、と云う事を考えた。今回の野田改造内閣の目玉は小沢一郎を政治的に抹殺しようとした、岡田克也を三顧の礼で迎え入れた、と云う点に焦点が当てられているが、果たして岡田は小沢の政治生命を本気で断つ行動を幹事長として行ったかどうかという検証が必要だろう。

  たしかに、小沢を党員資格停止にはしたのだが、それで小沢一郎の政治力が、マスメディアが喧伝するほど凋落したのかといえば、実はそれ程のこともない。昨年秋の代表選でも、あの最低候補の海江田を一回目の投票で第一位になるだけの集票力を発揮している。マスメディアや一般国民が考える以上に、小沢一郎の政治力は温存されたまま、と見ることも可能だ。そうなると、岡田は野党の証人喚問の要求を党員資格停止というシンボルで封印したと考える事も可能になる。

 つまり、筆者を含む小沢支持の人々やマスメディアや他のネットメディア等々の目をも紛らわす、良く言えば政治力学、悪く言えば馴れあい的力学が働いている可能性は充分にある。昨日の野田の会見で、この力学の一端を垣間見た部分があるので、産経さんの記事から抜粋しておく。

  ≪……Q:岡田さんは民主党内で小沢一郎元代表と距離を置く存在とされている。元代表を支持する議員からは消費税増税に批判的な議員が多い。岡田さんの副総理の起用について、党分裂になると反発の声がある。党内融和についてどう考えるか。
A:「いま、ご指摘いただいた声って本当に多いんですか。多いんですか」
Q:あると思います。
A:「ああ、まあ、そこまで私、そんな空気が充満しているとは思わないんですが、少なくとも、反なんだとか、親なんだとかはもう止めようというのは、私は、代表選の時に申し上げたつもりです。誰かが何かのポジションをひいたらひくようなんていうような、了見がせまいような、そういう政治はやめたほうがいいです」
「もし、政策で違うんだったら、政策でものを言えばいいと思いますが、今誰かさんのグループがこうだからという議論はありえないと思います。なぜならば、今回の一体改革を党内でまとめていく過程において、決して別に反対の意見があったわけではなりません。慎重な意見でこんなことをやらなければいけないよという中で一番多かったのが、行政改革です。その行政改革を党内の中で調査会長として、中心になってまとめられた方が岡田さんです。その岡田さんが行政改革と税と社会保障の一体改革を、これをパッケージとして責任をもってやっていこうというお立場になったことで、むしろこれを期待する人の方が私は多いのではないかというふうに思っておりますので、まあ、ちょっと私は (党内分裂するとの声と)認識がちがいます」……≫(産経新聞・抜粋)


  野田は小沢に対して、「政治改革も行政改革も税と社会保障の一体改革も」ワンパッケージで政策的に行おうと云うのだから、充分に理解して貰えると云うメッセージと云うか願望が質疑に籠められている。野田にとっては、今回の改造が野党との話し合いの仕切り直しとしてのセレモニーであり、党内野党化する小沢陣営への融和策と云う側面も忘れていない部分も多々ある。表向き、小沢の逆鱗に触れているとは言い難い部分も多い。

 勿論、岡田が考える政治改革はまだ見えぬ利害関係人(議員)の定数を減らす話だから、怖い相手はいないので、理論上、野党との話は可能。行政改革は、これは小沢一郎が考えているドラスティックな「中央から地方への権限の大胆移動」とは似て非なるモノを考えるだろうが、一応地方権限の予算配分を増やす程度の事をするだけだが、行政改革には違いない。

 この辺は小沢の政治的判断なのだろう。小沢とて、消費税増税に最終的に踏み込まざるを得ない国家の財政事情がある事は承知している。ただ、異なるのが大胆な行政改革つまり「霞が関改革」なのである。この点が不十分過ぎ、民主党が放棄している現状は看過しがたいと小沢は考えている。最高裁を含む官僚主導の政治体制を打破する能力が、未だ民主党に残されているかどうか、その最終判断が迫られているのだろう。自らの裁判の、有罪無罪も重要な案件であるが、その前に動かざるを得ない政治状況が生まれるかどうかである。

  それこそ政治は一寸先が闇と云う事だ。野田政権が、野党の妨害を受け、消費税増税法案が到底出せる状況ではなくなる事も3月までには起こり得る。その後、ズルズルと野田内閣がチンタラ継続、秋の代表選突入もあり得るだろう。或いは自民やみんなの党や橋下らとの連携で、大きな塊が成立する機運が生まれる状況だって、此処2カ月で起こるかもしれない。野田内閣の一部閣僚の大スキャンダルが霞が関から放たれるかもしれないのだ。それで、支持率20%切るような事態になれば、それはそれで政局になり、総辞職と云うない筈の代表の入れ替えさえあり得るだろう。まだまだ、政局は漂流中と云う事だ。



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