会越・室谷川、駒倉沢-倉谷沢下降
山や沢、岩をやってると「積年の宿題」ってのがある。
その数たるや「これはもう、たぶん一生のうちでは登り切れんだろうなあ」と遠い目をしてしまうほど。
そうして「行きたい山リスト」の中から、次はどこに行こうかなあと考えるのである。
でも、でもね・・・。
結局のところ、そんな山々を差し置いて、急に行ことになる山がこれまた多い。(笑)
そう、それがこの沢旅の序章。
本来は行きたい山リストの湯檜曽川本谷に行く予定だった。
しかし、前々日になって、体調が優れず一日寝込む。
前日に回復はしたものの、泊付の山は荷が重く養生することとした。
が、
体調が戻ると、折角の連休なのだからせめて日帰りでも、と欲が出てくるのは山人としては至って健全・健康な証し?
しからば、数ある「積年の宿題」からといいたいところであったが、数日前に出逢った記録を思い出す。
「掘り出し物の沢」という触れ込みに目が留まった。
すてきなゴルジュとスラブが美しかった。
※トマの風の記録
簡素な記録に、ほかも探してみたけど、遡行図など見当たらない。
ここでsakの琴線に触れましたよ。「ココだ!」とね。
前夜、小久蔵沢近くまで。
少し寝坊し6:15出発。
大久蔵沢出合手前の巨大堰堤から入渓。
平凡な室谷川を詰めていく。流れはまるで入浴剤を入れたかのようにくすんでいる。
最初に左岸から入る流れが駒倉沢。出合すぐにゴルジュ状の様相を呈しているので明瞭。
とはいえ、最初のそれは特に問題なく、しばらくはなんてことはない。
駒倉沢の真価は、美しい造形のナメゴルジュから。
さあ、覚悟はいい?
何が出てくるかはお楽しみだよ。
やわらかな曲線で抉られたナメのゴルジュが美しい。
摺り足で進むが、早々に足が着かなくなって、泳ぐ。
流れはゆったりなので、ゆったりと行く。
出口の滑らかなトイ状滝に上がる。
最後は、薮をつかんで左岸を行く。
一旦平凡となるものの、左から入る垂直8m滝を見てから、両岸は切り立ってくる。
そして狭谷に出てくる滝と淵。
岩盤を滑らかに削られたナメが多く、釜や淵は意外と深い。
とっぷりと胸まで浸かることも。
しかし、流れは強くない。冷たさは苦痛ほどではなく、沢登をやっているなという実感、~つまりは隔世した空間と時間~が心地いい。
稜線とスラブが遠望できるようになると、沢は開ける。
開けてからはスラブ状の滝が続く。
一見すると、「エ-ッ!あれ登るの?」と慄くが、慎重さを持ってすれば、そのほとんど(1箇所だけ小さい巻き)が登れる。
正面に大きなスラブを見る三俣(2:1:3)は右へ。
いくつかの滝をこなすと、40mほどのスラブ滝に出る。
ここは水流右、薮とのコンタクトラインを行く。
このスラブ上からは駒倉沢が一望できる。
気分よく大休止。
これで大体終わりだろう・・・。と思ったのは大間違いで源頭の様相の中、ナメ床トイ状が続く。
しかも釜は意外と深い。両足ツッパリや手足ツッパリなど体全体を使って越える。
二俣は右。その奥の二股も右。
結局、ロ-プは出さず。
初心者はともかく、沢慣れた人ならば岩、薮、草を駆使して登れるだろう。
そしてとうとう水が枯れ、沢形を詰めると、駒形山と倉谷山の間、1005峰の肩に出る。
尾根を跨いで反対側へと下降すると、いくつかの沢を合わせ、しばらくで倉谷沢へと合流する。
倉谷沢は水量も多く、水のきらめきが美しい。
時に見るエメラルド色の岩や白い柱状節理がこれまた美しい。
泳ぎ、胸までは当たり前。盛夏ならば、奨んで流れに身を任せることになろう。
一カ所、直瀑(15m)での巻き(右岸)に注意が必要。
両岸とも険しい岩壁になっており、中途半端に巻き下ると岩壁中のバンドに出る。
バンドの端に懸垂跡(灌木にスリング)あり。20mの懸垂下降。
本来は右岸を巻きあがり、小尾根を乗越し隣の支沢へと下るのが安全かと思う。
下れば下るほど平凡さを増してはいくものの、流れの透明度はくすまない。
この平凡さが平穏な時の流れのように、実にいい。
行く先に堰堤が出てくる。
1つ目は巻き下るが、2つ目は両岸切り立っていて面倒そう。
左岸の林道へと這い上がりあとは駐車場所まで林道歩き。
室谷川・駒倉沢
遡行図もGPSも持たず、1/25000地形図だけの沢旅はいかがでしょう?
会越、室谷という地味さに好意を持つなら、なおさら。
時に理由もなく、直感という選択肢もいい。
sak
山や沢、岩をやってると「積年の宿題」ってのがある。
その数たるや「これはもう、たぶん一生のうちでは登り切れんだろうなあ」と遠い目をしてしまうほど。
そうして「行きたい山リスト」の中から、次はどこに行こうかなあと考えるのである。
でも、でもね・・・。
結局のところ、そんな山々を差し置いて、急に行ことになる山がこれまた多い。(笑)
そう、それがこの沢旅の序章。
本来は行きたい山リストの湯檜曽川本谷に行く予定だった。
しかし、前々日になって、体調が優れず一日寝込む。
前日に回復はしたものの、泊付の山は荷が重く養生することとした。
が、
体調が戻ると、折角の連休なのだからせめて日帰りでも、と欲が出てくるのは山人としては至って健全・健康な証し?
しからば、数ある「積年の宿題」からといいたいところであったが、数日前に出逢った記録を思い出す。
「掘り出し物の沢」という触れ込みに目が留まった。
すてきなゴルジュとスラブが美しかった。
※トマの風の記録
簡素な記録に、ほかも探してみたけど、遡行図など見当たらない。
ここでsakの琴線に触れましたよ。「ココだ!」とね。
前夜、小久蔵沢近くまで。
少し寝坊し6:15出発。
大久蔵沢出合手前の巨大堰堤から入渓。
平凡な室谷川を詰めていく。流れはまるで入浴剤を入れたかのようにくすんでいる。
最初に左岸から入る流れが駒倉沢。出合すぐにゴルジュ状の様相を呈しているので明瞭。
とはいえ、最初のそれは特に問題なく、しばらくはなんてことはない。
駒倉沢の真価は、美しい造形のナメゴルジュから。
さあ、覚悟はいい?
何が出てくるかはお楽しみだよ。
やわらかな曲線で抉られたナメのゴルジュが美しい。
摺り足で進むが、早々に足が着かなくなって、泳ぐ。
流れはゆったりなので、ゆったりと行く。
出口の滑らかなトイ状滝に上がる。
最後は、薮をつかんで左岸を行く。
一旦平凡となるものの、左から入る垂直8m滝を見てから、両岸は切り立ってくる。
そして狭谷に出てくる滝と淵。
岩盤を滑らかに削られたナメが多く、釜や淵は意外と深い。
とっぷりと胸まで浸かることも。
しかし、流れは強くない。冷たさは苦痛ほどではなく、沢登をやっているなという実感、~つまりは隔世した空間と時間~が心地いい。
稜線とスラブが遠望できるようになると、沢は開ける。
開けてからはスラブ状の滝が続く。
一見すると、「エ-ッ!あれ登るの?」と慄くが、慎重さを持ってすれば、そのほとんど(1箇所だけ小さい巻き)が登れる。
正面に大きなスラブを見る三俣(2:1:3)は右へ。
いくつかの滝をこなすと、40mほどのスラブ滝に出る。
ここは水流右、薮とのコンタクトラインを行く。
このスラブ上からは駒倉沢が一望できる。
気分よく大休止。
これで大体終わりだろう・・・。と思ったのは大間違いで源頭の様相の中、ナメ床トイ状が続く。
しかも釜は意外と深い。両足ツッパリや手足ツッパリなど体全体を使って越える。
二俣は右。その奥の二股も右。
結局、ロ-プは出さず。
初心者はともかく、沢慣れた人ならば岩、薮、草を駆使して登れるだろう。
そしてとうとう水が枯れ、沢形を詰めると、駒形山と倉谷山の間、1005峰の肩に出る。
尾根を跨いで反対側へと下降すると、いくつかの沢を合わせ、しばらくで倉谷沢へと合流する。
倉谷沢は水量も多く、水のきらめきが美しい。
時に見るエメラルド色の岩や白い柱状節理がこれまた美しい。
泳ぎ、胸までは当たり前。盛夏ならば、奨んで流れに身を任せることになろう。
一カ所、直瀑(15m)での巻き(右岸)に注意が必要。
両岸とも険しい岩壁になっており、中途半端に巻き下ると岩壁中のバンドに出る。
バンドの端に懸垂跡(灌木にスリング)あり。20mの懸垂下降。
本来は右岸を巻きあがり、小尾根を乗越し隣の支沢へと下るのが安全かと思う。
下れば下るほど平凡さを増してはいくものの、流れの透明度はくすまない。
この平凡さが平穏な時の流れのように、実にいい。
行く先に堰堤が出てくる。
1つ目は巻き下るが、2つ目は両岸切り立っていて面倒そう。
左岸の林道へと這い上がりあとは駐車場所まで林道歩き。
室谷川・駒倉沢
遡行図もGPSも持たず、1/25000地形図だけの沢旅はいかがでしょう?
会越、室谷という地味さに好意を持つなら、なおさら。
時に理由もなく、直感という選択肢もいい。
sak