2016/5/11-12 飛騨尾根(中退)
届かなかった。
「慎重」といえば聞こえはいいけど、自分の弱さが露呈した。今もってそう感じている。
5/11 昨夜からの雨。雨の様子を見計らい、小雨になった11時新穂高を出立。
プランは本日雨上がりをついてD尾根まで。明日の好天を捕まえて登攀、そして下山。残業覚悟の計画。
小雨とガスにまかれながら D尾根 2400mまで。
闇に捕まる直前、幕場を確保。
何とか、見通しがついたという充実感以上に、葉露に濡れ冷えた体は登攀への士気を蝕み始めていた。
5/12 絶好の好天、ようやく視界が開けたのもつかの間、目指した嶺に背を向ける。何とも形容しがたい惨悔の念。
昨日の奮闘が一転、弱気になっていた。
「今日中下山でイケる。」そう思える自信がなかった。
予備日さえあれば・・・というのは言い訳だ。無いものは無いのだから。
高度を下げれば下げるほど、後ろ髪を引かれる思いであった。
感情は持ち込まないはずであったが、未練ばかりが残った。
未練を試練に代えて備忘録としたい。
sak