今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

「あかい壁の家」(その二)8/3ソワレ

2013年08月04日 17時03分06秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)

2013/08/03ソワレ 

このお芝居、好きだな~! 私は好きよ。
毎日観ても良いくらい!

とは言っても、そーもいかんとですよ。(←いったい何語?)
なので、今日は大人しく家にいますが、このあとまだ数回分のチケットが手元にあるのが嬉しくてしょうがないわ!
できることなら、もっと増やしたい~! 

この舞台の一番の魅力としては、あっきーファンとしては何といっても、やはり渡辺えりさんが「あて書き」してくれただけあって、あっきーの良いところや面白いところ、歌の魅力が堪能できる…、しかも、それが「笑いながら」…というのがミソ、ミソ、ミソ! で、そこが味噌!(笑)

けれども、それだけじゃない。
元々こういった多重構造であったり、時空が行き来する話って、私はすごく好きなのね。

その多重になったアチコチの時空の入り乱れ方が混沌としているので、「わかりやすい舞台」とは程遠いのは、まあこれは「良くも悪くも」であり、人によって好き嫌いが分かれるのかもしれないな。
…というのは、初日の感想ですけど、この土曜日のソワレでは、それなりにまとまっていて、というか、収まりが生じてきて、かなり全体のメッセージが受け取りやすくなっていたと私は思いました。

この「あかい壁の家」で行き来した時空の、あちらこちらで起きた出来事。
ポンペイの大噴火にしても、東北の大震災、津波にしても、そしてゲルニカであったり、戦時中の仙台の大空襲であったりと、その原因は違うのだから、全てを一緒くたにはできないにしても、少なくとも、それらによって「昨日まで続き、今日も、明日も続くと思っていた日常の日々が一瞬にして奪われ、命を奪われた民衆がいた」という点においては、同じだろうと思うんですよ。
まさかこんな日が来るとは思いもしなかったであろう、その恐怖と驚愕、無念さ口惜しさ、その瞬間の苦しみ……その民衆の残滓(ざんし)の想いと、それを想う遺された人の想いが重なって、あのように時空がつながったのかもしれません。

遠く、近く、全ては歴史となってしまう、その数知れぬ御霊(みたま)を想う、哀れみと慈しみに、惜別の痛み。
何よりも、愛する者を亡くした悲しみ。
そして、今日を生き、明日を生きる私達が、今まさに、ここにいるということ。
「この歌の続きがない」と言った凡平(あっきー)に言った、緑魔子さんの台詞には、今と明日を生きる凡平、そして私達への、その想いが込められているようでした。
亡くなった者と生きている者、すべての魂を抱いて、慈しみ、愛おしむそのメッセージは…たしか、劇中劇のミュージカル・シーン、…あっきーを真ん中に置き、アンサンブルが大劇場の舞台さながらに大合唱した場面で、殊更にはっきり伝えられたと思いました。

…って、一応まだ極力ネタバレしないように書いているんですけど(笑)
なので、個々の役者さん、というか、役どころや、心に引っかかる各シーンの感想については、いずれまた。

そうそう、前回の初日の感想で、「なんちゃって感」と書きましたけど、その「なんちゃって」なミュージカル・シーンね!
初日よりも上手になってました(笑)
なんて、「(笑)」は余計だと叱られそうですが。
これね、帝劇やシアター・オーブのような、大劇場でやるようなお芝居とは違うのね。
作品にはふさわしい箱があって、箱にはふさわしい作品があるよね? と、時々思うのだけど、それは、「どちらが優れているか」という問題ではなくて、作風と空間の問題じゃないかしら?
私は大劇場の舞台も好きだけど、小劇場のもわりと好きで、小劇場は基本的にどこかチープな香りが漂っていてほしい。
それは、言い換えると、小劇場には、大きな劇場のような、上流階級の…とまではいかなくても、高価なチケット代が出せるほどにはお金に余裕のある紳士や奥様やお嬢様方をターゲットにした娯楽や芸術作品、お祭り騒ぎの「晴れの日に老若男女が楽しむエンターテイメンとは別物の魅力があると思うから。
古本屋で買った小さな文庫本を開き、そのつかの間のひと時にこっそりと夢想して現実逃避を楽しんだり、人知れず涙を流したりナンセンスな笑いをもらすような、そういった狭くて濃ゆい楽しみ、中央や王道から外れた世界に、「好きな人は好きよね?」というような、マニュアックに入り込める魅力を、私はそこに求めているのだろうと思う。

だからね~、
特にあの劇中劇などは、あっきーはあくまでも大劇場の中央に主役として立つ人の、そのままのクォリティーで、そして周りのアンサンブルは、あくまでも「それらしく」頑張ってほしいです。
あの「なんちゃって感」を、ぜひとも大切にしてほしいわ。面白いから。
スタイリッシュで豪華な衣装を着ても、ペラペラにデコった衣装を身に着けていても、同じように大真面目にカッコよく、想いを込めて歌いあげるあっきーにクスクスと笑いながら、でも、いつしかその歌に(アンサンブルの歌も込みで) 感動している自分に驚いたり。
そんなところも、この舞台の楽しさだと思う。

ああ、次の予定は平日の夜。 始まったばかりというのに、すでに残りの日々が名残惜しくて愛おしい。
楽しみ、楽しみ!



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