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おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

「ルドルフ ザ・ラスト・キス」

2012年07月22日 15時28分49秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)

2012/07/14 @帝国劇場
【原作】フレデリック・モートン著「A Nervous Splendor」
【音楽】フランク・ワイルドホーン
【脚本・歌詞】ナン・ナイトン
【脚色】フランク・ワイルドホーン&フィービー・ホワン
【原案】フランク・ワイルドホーン&スティーブン・キューデン
【演出】デヴィッド・ルヴォー
【出演】ルドルフ:井上芳雄/マリー・ヴェッツェラ:和音美桜/ステファニー:吉沢梨絵/ターフェ:坂元健児/ラリッシュ:一路真輝/フランツ・ヨーゼフ:村井國夫
青山航士/島田邦人/杉山有大/照井裕隆/中島康宏/
原 慎一郎/ひのあらた/松澤重雄/港幸樹/村瀬美音/山名孝幸
岩亜希子/大月さゆ/樺島麻美/後藤 藍/鈴木結加里/
保泉沙耶/舞城のどか/美鳳あや/望月理世/柳本奈都子/やまぐちあきこ

同じ原作でありながら、演出が違うと、こうも作風が代わり、面白さが違ってくるものなのか?!
という、好例を見せてもらった気がします。
しかも、主役も同じ、井上芳雄くんですからね~、その違いが歴然に感じられました。

今回の「ルドルフ・ザ・ラストキス」は、ロマンチックな心中劇となっていて、「ルドルフとマリーの二人の互いがなぜ惹かれあったのか?」というのに説得力があります。
私、好きだわ~、この舞台。

ルドルフとマリーのデュエット「それ以上の、」という曲は、前からああいう歌詞でしたっけ?
私は初演を三回も観たんですけど、どうもあまり印象に残ってなかったんですよね。

ただのロマンスじゃない、夢でもない、あなたはそれ以上
心のどこか、深い場所であなたを強く感じた、惹かれた、ありえないくらい

この歌の場面は、離れた場所にいながらも、心が寄り添っている二人の、手振り身振りなどの動きが完全にシンクロしています。
このシーンにぐっと惹かれます。

なんたってね、前回私は、この二人の恋愛を、
『この際、誰がどう見ようと、端から見て、不倫だろうが、劣情だろうが、刹那の恋だろうが…もう、どんなのでも、当人同士がこれが真実の愛だ、運命なのだと思うならば、真実の愛ってことにしていいよ、もう。真実なんて人の数ほどもあるんだから』
な~んて、身も蓋もない目で見ていたのよね(笑)
この時、ルドルフがあまりにいろいろと苦しそうで、息の詰まるような人生に行き詰っていた感じが強すぎたので、彼のマリーへの愛は逃避にしか思えず、その極限状態にマリーは巻き込まれたように見えました。

まあ、だけど、「真実は人の数ほどもある」という、うんぬんかんぬん…については、基本的に何に対しても私はそう思う人ですけど、今回の舞台では、ルドルフがあの重苦しい人生の最後に、「君は世界だ、僕は世界を手に入れた」と言えるほどの愛を見つけたことは、確かに彼にとって唯一の幸福であり、真実の愛だったのだろうと思えます。
個人の自由などない王室で、死ぬ時くらいはせめて本当に愛する人と一緒でいたいと思ったならば、あの心中も、ある意味二人にとって幸せだったのではないか…とか。

そのラスト・シーンも、前回とは全く違ってましたけど、最後にベッドに美しく横たわる二人の姿は、去年の「ロミオ&ジュリエット」に良く似ていて、ひばりとナイチンゲールのくだりもあったりで、どことなくこの物語はロミジュリ的にロマンチックな悲恋話に仕立て代わってました。
全然、話も違えば、状況も悩みも違うんですけど(笑)

それにしても、こういうロマンスを演じたら、芳雄くんは本当に素敵よね~
だいたい、もともと私はただの恋愛物語っていうのにはあまり興味がないせいか、というより、昨今の舞台にそういうのが少ないせいか、あまりロマンチックな舞台を見ることが少ないんだけど、芳雄くんを見るならやっぱりこうでなくっちゃ!
井上芳雄くんは、私にとって「ロマンチック担当」って感じだわ(笑)

久々に来た帝国劇場の、久々の芳雄くんに、大変満足した舞台でした。


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