4/7(日)、なはさんと「あいの風とやま鉄道」の電車に乗って金沢へお能を見に出かけた。 今年はお能3番、と言うのは、例年の「別会能」と違い、「佐野正治三十三回忌追善能」だからである。
👇は、翌日の「北陸中日新聞」より:
佐野さん三十三回忌追善能 金沢能楽会 宝生流宗家も出演
「金沢能楽会の別会能が七日、金沢市石引の県立能楽堂で、シテ方宝生流の佐野正治さん(一九二二~八七年)の三十三回忌追善能として開かれた。宝生流宗家の宝生和英(かずふさ)さんの特別な演出による能など普段は見られない舞台で、金沢で能の振興に貢献した佐野さんをしのんだ。
佐野さんは、能楽協会理事・北陸支部長なども務め、金沢市の姉妹都市などでの海外公演などに尽力。スケールの大きなシテ方として知られた。
宗家は源氏物語に題をとった能「半蔀(はしとみ)-立花」で、本物の生け花を舞台に出す演出で披露。狂言「八句連歌」では、人間国宝の七世野村万蔵さんが会場を沸かせた。」
私自身は能「半蔀」は1度見ている。が、今回はシテを宗家が務められ、小書「立花」の演出であり、今お謡をお稽古中でかなり詞章を覚えている、など期待が増していた。 最初に運ばれる作り物の「立花」は、池坊総花督・黒柳治榮子さんの作。
👇は、数年前の富山能楽堂での、大坪喜美雄師の「半蔀」の私のブログ。詳しくはコレをお読みください。
https://blog.goo.ne.jp/67kiyoh/e/d5ac72b8381163f2e81e2b2a42411339
👇は、ネットより「半蔀」の絵。
謡本も持って行ったのだが、見なくても言葉がよくわかり、いつもは眠くなる「序の舞」も楽しく見られた。
シテ(女・夕顔):宝生和英 ワキ:(雲林院の住僧):平木豊男
間狂言:能村祐丞
大鼓:原岡一之 小鼓:住駒幸英 笛:室石和夫
地謡:大坪喜美雄 他
最後のお能は「海人」。 これも以前見ているが、今回の小書「懐中の舞」はどんな舞台だろう。 泉鏡花の「歌行燈」にも出てくる私の好きなお能です。昨秋は「蒼山会」の謡蹟巡りで、香川県さぬき市志度寺へ連れて行ってもらった。
昔、藤原不比等が讃州志度の浦を訪れ、賤しい海人と契り一人の子を儲けます。その子を世継ぎにするとの約束で、海人は竜宮へ珠を取りに潜り、胸をえぐって押し込めた珠を潜(かつ)ぎ上げます。子は房前の大臣となり、母の追善のため志度の浦を訪れます。そこへ潜ぎの海人が現れ、昔語りをするのです。(中入) 死後13年、初めて手厚い房前の弔いを受け、経巻を捧げて現れた母の霊は竜女成仏を遂げます。
小書「懐中之舞」がつくと、後シテが経を懐中して早舞を舞うなど特殊演出になります。
👇は、「北陸中日新聞」の写真と記事から。
~ 能「海人(あま)-懐中之舞」はでは、後シテを佐野さんの長男の佐野由於(よしお)さん、前シテを孫の佐野玄宜(げんき)さんが務め、それぞれに思いを込めた供養の舞を繰り広げた。~
子方(房前大臣):渡邊さくら 後シテ(龍女):佐野由於 前シテ(海人)佐野玄宜:
ワキ(従者):殿田謙吉 ワキツレ(従者)」:苗加登久治
間狂言:荒井亮吉
大鼓:飯嶋六之佐 小鼓:住駒充彦 太鼓:麦谷暁夫 笛:江野泉
地謡:金森秀祥 他
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