Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

中西和久の「エノケン」

2010-12-01 | 映画・テレビ・演劇・芸能

  今日は12月1日、師走の初日。 にもかかわらず暖かい日差しの小春日和(師走に入ると言わない?)で嬉しくなる。

 11/29(月)夜、寒く雨の落ちるなかを砺波文化会館へ演劇「エノケン」を観に行った。 28日高岡市民会館のはずだったが行事が入り、今回は1回公演だったので砺波へとなったわけだ。 「あかね」の後でもあり、予定はしていたものの寒くて暗くてとなると出かけるのが億劫になる。 近所のTeさんと一緒だったからこそ、だった。
 ところが砺波会場は熱気ムンムンだった(6:45開演がチョッと遅れたのはいただけないが)。 私達他会場の会員は場外で並ばなければならないが、その横をすり抜けるように開演間近にバタバタと駆けつけて来られる。 仕事の後に観に来る人達だろう。 ロビーには、主演の中西和久さんの「京楽座」の提灯がいくつも下がり、雰囲気を盛り上げている(トップ写真)。 会場も満員だ。
           

 エノケンこと榎本健一は明治37年生まれだそうだ。 昭和21年、終戦直後に榎本健一劇団結成 とあるから、私の子どもの頃は人気が出始めた頃だろうか。 当時、エノケン、ロッパ、アチャコは人気喜劇俳優だった。 
 劇中のご本人のセリフどおり、「背が小さい分、顔の造作が大きく」太い眉、大きな目、厚い唇、ガラガラ声は忘れられない顔だ。 人気絶頂期に病に倒れ、片足を切断する。 車椅子姿が記憶に残っている。 最後まで大衆に愛された喜劇王である。

 演劇は、エノケンに扮する中西和久のお笑いのステージ(コントやタップダンス、楽器演奏)と若手俳優がエノケンの日常生活を語る形式で進む(脚本はジェームス・三木)。 
 エノケンが乗り移ったように、中西和久が「お客さんに笑ってもらおうじゃねえかェ?」とステージで活躍する。 彼は、タップダンスの他に三味線、トランペット、トロンボーン、バイオリンを披露。 たいした努力家だ。 ♪ 俺は村中で一番 モボだと言われた男 ♪ や ♪ 私の青空 ♪ などよく知っている歌で自然に手拍子して口ずさんでしまう。 ご存知の方もあるでしょうから一緒に歌ってくださいネ。

 ♪ 夕暮れに 仰ぎ見る 私の青空   日暮れてたどるは 我が家の細道
   狭いながらも 楽しい我が家   愛の光の射すところ
   恋しい家こそ 私の青空 ♪   … ”私の青空ーMy Blue Heaven ”

 この曲は、輪唱にもなるしすぐハモレルし、ホントに楽しい曲だ。 このほか”エノケンのダイナ” や ”無茶坊弁慶”などの歌が次々に出て飽きさせない。 終戦当時の日本に思いを馳せながら、熱気あふれる舞台を楽しんだ。

            

               

 終演後、下の提灯が撮りたくて手前でずっと待ち続けた。 アンケートを集めている人、次例会のポスターを持って行って、と呼びかけている人、挨拶を交わしている人で賑やかだ。 ようやく人もまばらになったのでパチリ。