チャンネル桜・瓦版:世論(多数意見)の真逆(少数意見)がほとんど正しい・西村浩一ブログ

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朝日廃刊:膨大な現金が流通する日本、資金供給も、デフレには無用

2014-09-08 20:01:34 | 日本経済

 「日銀は、なぜFRBのように、紙幣をばらまいて、デフレ脱却を図らないのか?」という声をよく聞きます。 しかし、実際、日本国内の現金流通高は、すでに異様なほど、大きいのであります。

 BIS(国際決済銀行)は、2010年末時点の現金通貨(紙幣+コイン)流通高の名目GDP比を集計しています。 日本18.1%、スイス9.9%、ユーロ圏9.4%、米国6.8%、カナダ3.9%、でありました。

 日本が、圧倒的に大きいのであります。 1994年の日本の現金流通高の対GDP比は、8.8%でありました。 その後、同比率は、急上昇を見せます。 主因は、預金金利が、ゼロ近辺に低下したことと、インフレ率の低下が相まって、現金退蔵(タンス預金)の機会費用が、低下したことにあります。

 11年末の現金流通高を人口で割ると、円は、1人当たり約『69』万円となります。 ドルは、円換算で、26万円程度、ユーロは同27万円程度と推測されます。 ドルの流通高の4~5割、ユーロ流通高の2~2.5割は、海外の非居住者に保有されています。

 円の国際性は劣るので、円の海外保有比率は、それらより小さいでありましょう。 そう考えると、円の1人当たり現金流通高は、『突出』して、大きいことがわかります。 近隣諸国を見渡すと、中国は、11年10月時点で、1人当たり4.7万円、韓国は10年末時点で、6.3万円とケタ違いであります。 

 日本では、現金は、膨大に市中に存在しているのだが、それが有効に利用されていない状況が、続いているのであります。

 日本の金融政策の問題は、資金供給量が足りないことにあるのではなく、ゼロ金利の長期化などにより、大規模に発生している、「流動性のわな。」から、「いかにして抜け出すか。」にあるのでありましょう。

                         

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