<もともと、女性優位で人類社会は、誕生した(その2)>
父権社会の時代は、人類史に巨大な足跡を残した。
それは、剥き出しの軍事力が行使される、「力の文明。」の時代でもあった。
近代ヨーロッパ文明は、一段と強固な父権社会に、立脚している。
宗教改革を興したプロテスタントたちは、カソリックにおける、マリア崇拝を排除した。
ヨーロッパに残っていた、女性原理の『最後』の象徴を排除したのである。
そのプロテスタントたちが、近代資本主義の「担い手。」になった。
「近代文明。」は、強固な男性原理の上に立っている、と言わねばならない。
特に、1800年前後の「産業革命。」で、工業社会が勃興した結果、軍事力は、経済力に支えられ、両者が一体となった「富国強兵。」の全盛時代を迎えた。
しかし、その限界も明らかになったのが、20世紀であろう。
20世紀末から起こってきた「女性優位。」は、「父権社会。」及び、「力の文明。」の『終焉』をもたらす可能性を秘めている。
母権社会から、父権社会への転換が、人類史上の『第1』の革命であったとすれば、「女性優位の流れ。」は、『第2』の革命、あるいは、人類史における、女性のルネサンスの時代といえる。
『美』を大切にする、女性優位の社会の到来が、長寿という幸福のシンボルとともに、語られる時代に、世界史が「力の文明。」から、「美の文明。」へ転換しつつある。
女性には、「力の文明。」より「美の文明。」が、よく似合う。
われわれは、美の文明戦略をたてる『秋』(とき)を迎えている。
それは、女性とくに、高齢女性の「新しい役割。」を真剣にさぐることでもある。