企業で大切なのは、『成長』と「エクセレント(秀逸であること)。」を、混同しないことです。
現実の経験から得られる「実践知。」を重視し、働く人たちが、全員参加する経営を志向してきました。
それを、松下幸之助氏は、「周知経営。」と呼びました。
もちろん、それは、日本だけのものではありません。
米アップルについては、チーム力を生かした周知経営であり、有能な外人部人材を招聘してきて、その力を十分に発揮させています。
日本企業が、エクセレンスをさらに高めるカギは、先ず、グローバルでの衆知経営が、できるかどうかでしょう。
日本人だけの経営に慣れているため、衆知の集め方が、どうしても「クローズ(閉鎖的)。」になりがちです。
オープンとクローズを、どう組み合わせるかが、問われます。
もう1つは、人材育成です。 企業経営において、「Decision。」よりも、「Judgement。」が、問われる時代になっています。 決定を下すことを意味するDecisionに対して、Judgementは自分の価値観に基づいて判断する、ということです。
ある経営判断が、求められる場面に遭遇した際、ビジネススクールで勉強した経験があれば、最善と分析できる解は出せる。
しかしこれは、Decision です。
過去の事例をベースにしたものにすぎず、実際の状況を踏まえたものとは限らない。
経営者に必要なのは、Judgement(判断)であり、それには、周囲との「関係性。」を正しく読むことが求められます。
『前提』となるのは、経験と教養ですが、今の日本の経営者には、『教養』が不足していると言わざるを得ません。
深い教養を身に付けたリーダーの育成が、課題です。