<活性酸素(その8)>
もともと、活性酸素は、体内の免疫作用としては有用なものであります。
『活性』と云っても、生き生きとしているという意味ではなく、『他の物質と結びやすい』性質を持った酸素のことです。
ところで、がんや老化が、過剰な活性酸素により引き起こされることは、すでに通説であります。
酸素は、生命に必要なはず?ですが、空気中の酸素は約21%、この酸素濃度を50%にすると、実験では、通常なら3年半生存するネズミが、半分の寿命になってしまいます。
その理由は、酸素が身体の中で、毒性の強い『活性酸素』に変るからなのです。
『他の物質と結び付きやすい』性質とは、身近な例では、消毒に使うオキシフル(過酸化水素水)も活性酸素と同じ原理であります。
オキシフルを傷口に塗ると、激しい化学反応を示す白い泡と共に、細菌を1瞬のうちに殺していきます。
つまり、活性酸素は、非常に反応しやすい性質があり、他の物質と結合しやすいので、侵入してきた細菌やウィルスを破壊し、異物を溶かしてしまうのです。
そればかりでなく、同じように活性酸素は、体内の細胞にまで、障害を与えるのです。
体内で、過剰に算出された、『活性酸素』こそ、現代病の原因の、実に『90%』にも及ぶと云われています。
体内で、エネルギー源の燃焼に利用された酸素は、最終的に水素と結び付き、水となる過程で、廃棄物と云える体内公害物質・活性酸素を発生させます。
また、体内に入った酸素は、細胞内で様々な物質を酸化させ、酸素そのものが還元される過程で、大気中のものより活性の強い酸素の親類や、その関連物質ができ、人々の健康に、悪影響を及ぼしているのです。
鉄が空気に触れ、赤く錆びることを『酸化』といいますが、同じことは人体内部でも起きています。
体内に産生した、活性酸素が人の組織を酸化させ、老化を始め、がん、動脈硬化などの様々な『生活習慣病』を引き起こすのです。
がんを誘発する要因は、様々です。
しかし、唯1共通する因子として、『活性酸素』の関与が指摘されています。
『活性酸素』は、日常生活のあらゆる場面で生じます。
・食べたものを、エネルギーに変えるとき。 ・ウィルスや細菌が、体内に侵入した時。 ・紫外線・宇宙線・電磁波。・工場・車の排気ガス。 ・発がん性の飲食物。 ・X線、放射線。 ・『怒り』・不安・恐れ・驚き。 ・「ストレス。」(これが病気の根本原因) ・過激な運動。 ・医薬品。 ・タバコ ・アルコール。など
化学物質、医薬品、添加物などの汚染物質は、肝臓で分解=解毒されますが、この時に、『活性酸素』を発生するものが、『発がん物質』です。
ところで、本来、人間や動物には、余分な『活性酸素』を取り除く、SOD(スーパーオキサイド・ディムスターゼ)という酵素が存在し、『活性酸素』や過酸化脂質が発生すると、対抗してSOD酵素が上昇しますが、『加齢』による、SOD酵素の減少などもあり、SOD様作用食品の服用が有効となるでありましょう。