チャンネル桜・瓦版:世論(多数意見)の真逆(少数意見)がほとんど正しい・西村浩一ブログ

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 水野さんの知(10)。電子・金融空間:チャンネル桜・瓦版、朝日新聞『崩壊』の断末魔、大幅リストラ・賃下げ策発表!

2016-10-24 21:32:35 |    水野和夫の知

       <水野さんの知(10)。電子・金融空間>

 金融規制の強化を図る、ボルカー・ルールは、21世紀のユトレヒト条約なのであります。 

 16~17世紀において、英国だけが、新しい空間、すなわち海洋を取得し、独占していくことになります。

 英国は、「海の均衡は、存在しない。 大洋は、あらゆる国家によって共有であるから、たった1つの国家の餌食である。」と考えたのであります。 

 英国の海賊が襲ったのは、カトリックの船に、限られていました。

 「海賊たちの全てには、共通の政治的な敵、つまりカトリックの世界強国スペインがあった。」のであり、海賊たちは、「大きな世界史的な最前線、当時のカトリシズム世界に対する、当時のプロテスタンティズム世界の最前線に、立っていたことになる。」(シュミット) 

 16~17世紀の空間革命を、20~21世紀に当てはめれば、資本家対中間層(その予備軍も含めて)の対立構図が浮かび上がります。

 新たに創造した、電子・金融空間において、ウォーレン・バフェットが、「金融版の大量破壊兵器。」と呼ぶCDS(クレジット・デフォールト・スワップ)に象徴される、金融技術革新は、ちょうど、16~17世紀における、カール5世の基督教統一社会建設の夢を打ち砕いた、英国の海賊と同じように、「想像の共同体。」(べネディクト・アンダーソン)を、崩壊させる役割を担っていたのであります。

 「16世紀中葉以来、イギリスの海の略奪者たちは、世界中の全ての大洋に、姿を現わし、新しい自由―まず、友誼線の自由と、大規模な陸地取得の自由、次いで、彼らにとって、唯1の大規模な海洋取得になった、海洋の新しい自由―を実現しました。

 かかる、イギリスの海の略奪者たちは、本質的に、非国家的な自由としての海洋の、新しい自由の開拓者なのであった。」(シュミット)

 このシュミットの指摘において、英国の海の略奪者を、ウォール街の投資銀行に、海洋を「電子・金融空間。」に置き換えれば、20世紀末から21世紀の現在において、起きていることの本質を、理解することができます。

 新自由主義のいう『自由』とは、国民の利益を、『奪い』取るという点で、非国民的(それは、同時に非国家的)であり、「資本家の自由。」でありました。

 「海賊とテロリストは、大地の新たなノモスを、打ち立てるどころか、おそらく(ある種の空間)の中を動き回ったように、現代のウォール街の投資家は、規制が十二分に緩和されて、高レバレッジで、自由に動き回れる、グローバルな「電子・金融空間。」で、利潤を、極大化していたのであります。

 加えて、バブル膨張を『阻止』する意図を持たないことを、あらかじめ表明していた、市場の神様、前FRB議長のグリーン・スパンのご加護のもと、欧米の投資家は、自由な「電子・金融空間。」を縦横無尽に、暴れまわることができたのであります。

 

 


 水野さんの知(9)。海賊とウォール街:チャンネル桜・瓦版、ヒラリーを逮捕、投獄せよ!

2016-10-18 13:17:44 |    水野和夫の知

     <水野さんの知(9)。海賊とウォール街>

 リーマン・ショックは、近代資本主義を、16世紀当初の資本主義へと、回帰させることになります。

 リーマン・ショック以前に、世界を席巻した、新自由主義は、15~16世紀の重金主義にあたり、リーマン・ショック後の2010年1月に、オバマ大統領が、宣言した、国家輸出戦略(今後5年間で、輸出を倍増)は、まさに、ネオ重商主義にほかなりません。 

 そして、ボルカー・ルールは、新自由主義の『死亡』宣告なのであります。

 21世紀のネオ重商主義は、海を航海する必要はありません。

 新興国の大半が、ユーラシア大陸に集中しているからであります。 

 21世紀の「陸の時代。」における空間は、「全地球のグローバル化。」が行きついた結果、物理的には、『狭い』のであります。

 例えば、ASEAN+6(日中韓、インドとオーストラリア、そしてニュージーランドを加えた16カ国)は、日本海からアラビア海までを、四方八方、『陸』から、『海』を取り囲むことになります。 

 「陸の帝国。」ローマ帝国が、地中海を『陸』で取り囲んで、「環地中海。」帝国と言われたように、「ASEAN+6。」は、「環インド洋。」帝国でもあります。 

 新しい、「電子・金融空間。」の中で、「略奪的貸し付け。」(サブプライム・ローン)によって、巨額の『マネ』ーを作り出した「ウォール街。」と、英国が、海洋を手に入れる過程で、活躍した、「海賊資本家。」(シュミット・カール)は、どちらも、資本主義における、『主役』という点で、共通しているのであります。

 1970年代半ば以降の新自由主義が、支配していた時代、とりわけ、90年代以降のグローバルな、「電子・金融空間。」を、ウォール街が支配した、「略奪資本主義。」の時代において、2003年から07年迄、世界の実質GDPは、年平均5%成長し、1050年~60年代の資本主義の黄金時代の再来、といわれるほどに、世界経済は、高成長したのであります。

 16~17世紀、「初期の『略奪』資本主義の、この黄金時代。」と同じでありました。

 しかし、海賊資本主義の時代は、終焉を迎えます。 英国が、スペインに勝利したことが、決定的になると、海賊は、歴史の表舞台から、葬り去られてしまったのであります。

 海賊の「英雄的な時代は、…(中略)およそ1550年から1713年まで、プロテスタント諸国が、カトリックの強国スペインに対して始めた戦いから、ユトレヒトの平和条約までの時期。」でありました。 

 この条約をきっかけに、英国はその後、カトリック王国フランスやスペインに対して、優位に立つことが、できるようになったため、もはや国家にとって、海賊の存在は、邪魔になってしまったのであります。

 


 水野さんの知8。資本主義とデモクラシーの『終焉』:チャンネル桜・瓦版、長生きしたい人は、従来の健康常識を疑え(和田秀樹)

2016-10-14 14:11:49 |    水野和夫の知

    <水野さんの知(8)。資本主義とデモクラシーの『終焉』>

 20世紀は、『アメリカの世紀』であり、『石油の世紀』、つまり「モータリゼーションの時代。」であった。

 1971年のニクソンショック(金とドルとの交換停止)と1973年の第1次石油ショック(石油の固定相場制終了)によって、「成長が、すべてを癒やす。」時代は終わった…。

 この2つの事件は、オランダ、イギリス、アメリカの3つの覇権国が石油を支配してきた時代が終わり、ドル変動相場制となり、売り上げと仕入れ(エネルギー)が毎日変動する時代となったのでありますよ。

 そして、成長(付加価値の増加)は、市場まかせとなり、近代の「成長メカニズム。」が崩れ始めた…。

 『成長』と『進歩』は、近代になって誕生した概念であるが、『成長』において、ドイツは精神面を重視したが、英米は物質面を重視し、成長と『技術』の一体化が進み、その経済的な成長の成果を測る指標が、「付加価値。」(いわゆるGDP)であります。

 その付加価値は、貨幣で測るので、神を追放して人間を主役に据えた『近代』の頂点に、『貨幣』が君臨することになりました…。

 資本主義とは、「貨幣を『資本』に転化させることで、資本を自己増殖させるシステム。」であり、このシステムが社会生活や経済活動全般を、覆い尽くしていきました。

 資本の自己増殖を測る尺度が、利子率(利潤率)でありますが、これが最も低かったのが、17世紀初頭のイタリア・ジェノバの1.125%であり、これが、「中世の終わり。」と「近代の始まり。」でありました…。

 投資先がなくなれば、資本は自己増殖できなくなるわけで、ジェノバの超低金利は、「地中海資本主義。」に『止め』を刺したのでありますよ。

 21世紀の現在、日本とドイツの10年債利回りは1.0%を下回り、17世紀をはるかに凌ぐ「21世期利子率革命。」の真っただ中にいます…。

 「世の流れは、大きく(良い方向へ)変わる。」と表されていますが、中世から近代へのシステム移行期が『長い16世紀』(1450~1640年)であったように、現在は変化する『21世紀』にあるとするならば、『成長戦略』は失敗する運命にありましょう。

 資本主義が『終焉』を迎えているとすれば、『デモクラシー』のあり方も変わらざるを得ないでありましょう。(ジョン・キーン『デモクラシーの生と死』)

つまり、デモクラシーも生と死をくり返す、それは政治と経済は常にコインの表と裏の関係にあるからでありますよ…。

 そして世の中(社会・世界)は、『物質世界』(物余りの社会)から、『精神世界』へと変化していくのでありましょう。

 


 水野さんの知8。『蒐集』(欧米近代化)の終わり:間違いだらけの現代医療、がんの3大治療は命を縮める!

2016-09-11 18:32:47 |    水野和夫の知

  <水野さんの知(8)。『蒐集』の終わり、欧米型近代化との『決別』>

 近代ヨーロッパ人の本質は、コレクション、蒐集だと思うのです。

 「蒐める。」ということに最も適していたのが、『近代』でありました。 

 古代は、軍事力で、『領土』を蒐集する。

 中世は、十字軍によって、『魂』を蒐集する。

 もちろん、土地も蒐集したかったのでしょうけれど、オスマントルコのほうが、強いから蒐集できない。

 それで、古代、中世ともに、蒐集の『限界』がくると滅びてしまいました。

 具体的には、古代ローマ帝国は、徴税能力が落ちたらしい。

 『国家』というものは、いつも、税の蒐集能力が落ちてくると、システム全体が、おかしくなる。 

 中世は、最後に、免罪符による蒐集を、ルターに攻撃されて終わってしまった。 

 そして、『近代』になると、市場や資本主義のシステムを通じて、ありとあらゆるものを蒐集する。

 さらに、産業革命の後は、エネルギー革命が加わって、飛躍的に蒐集が、進むようになりました。

 この、蒐集の歴史が、『9・11』と『9・15』と『3・11』で終わったということを、もう認めないといけないということであります。

 『9・11』(2001年)は、米国同時多発テロ。

 先進国が、途上国から、富を蒐集するということに対して、オサマ・ビンラディンが、攻撃を加えました。

 『9・15』(08年)は、リーマン・ショック。

 「電子・金融空間。」を作って、マネーを極大化、蒐集してきました。

 それが、外からの攻撃ではなく、自分のレバレッジの『重み』で崩壊した、『自爆』であります。

 そして、『3・11』(11年)の原子力事故。

 エネルギーは、生産するために、必要な『中間』投入物だから、石油危機の後、安全神話を作り出して、原子力に切り替えてエネルギーを収集してきたが、この安全神話が『崩壊』しました。

           (続く)


 水野さんの知(7)。海賊とウォール街:日本人が気づかない、日本最大の財産は、『信用』です!

2016-08-29 20:01:07 |    水野和夫の知

    <水野さんの知(7)。グローバリゼーション、海賊とウォール街>

 リーマン・ショックは、近代資本主義を、16世紀当初の資本主義へと、回帰させることになります。

 リーマン・ショック以前に、世界を席巻した新自由主義は、15~16世紀の重金主義にあたり、リーマン・ショック後の2010年1月に、オバマ大統領が宣言した国家輸出戦略(今後5年間で、輸出を倍増)は、まさに「ネオ重商主義。」にほかなりません…。

 そして、ボルカー・ルールは、新自由主義の『死亡』宣告なのであります。 

 21世紀のネオ重商主義は、海を航海する必要はありません。

 新興国の大半が、ユーラシア大陸に集中しているからであります…。

 21世紀の「陸の時代。」における空間は、「全地球のグローバル化。」が行きついた結果、物理的には『狭い』のであります。

 例えば、ASEAN+6(日中韓、インドとオーストラリア、そしてニュージーランドを加えた16カ国)は、日本海からアラビア海までを、四方八方、『陸』から『海』を取り囲むことになります。

 「陸の帝国。」ローマ帝国が、地中海を『陸』で取り囲んで「環地中海。」帝国と言われたように、「ASEAN+6。」は、「環インド洋。」帝国でもあります。 

 新しい、「電子・金融空間。」の中で、「略奪的貸し付け。」(サブプライム・ローン)によって、巨額の『マネ』ーを作り出した「ウォール街。」と、英国が、海洋を手に入れる過程で活躍した、「海賊資本家。」(シュミット・カール)は、どちらも資本主義における『主役』という点で、共通しているのであります。

 1970年代半ば以降の新自由主義が、支配していた時代、とりわけ、90年代以降のグローバルな「電子・金融空間。」を、ウォール街が支配した「略奪資本主義。」の時代において、2003年から07年迄、世界の実質GDPは、年平均5%成長し、1050年~60年代の資本主義の黄金時代の再来、といわれるほどに、世界経済は高成長したのであります。

 16~17世紀、「初期の『略奪』資本主義の、この黄金時代。」と同じでありました。

 しかし、海賊資本主義の時代は、終焉を迎えます。

 英国が、スペインに勝利したことが決定的になると、海賊は、歴史の表舞台から、葬り去られてしまったのであります。

 海賊の「英雄的な時代は、およそ1550年から1713年まで、プロテスタント諸国が、カトリックの強国スペインに対して始めた戦いから、ユトレヒトの平和条約までの時期。」でありました。

 この条約をきっかけに、英国はその後、カトリック王国フランスやスペインに対して、優位に立つことができるようになったため、もはや国家にとって、海賊の存在は、邪魔になってしまったのであります。

 金融規制の強化を図る、ボルカー・ルールは、21世紀のユトレヒト条約なのであります…。